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(2003.11.30 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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さてさて、12月にまた試合に出ることにしました。お隣の八王子乗馬クラブさん主催の試合ですが、部内の運動会とはいえ1課目なら踏んだことあるし、と思い、エントリー。そういうわけで、今日は1課目馬場の練習です。
馬場練習は全馬場を使うので、障害と同じく朝イチか夕方最後の時間に入れる暗黙のルールになっています。同じ試合で3課目を踏む予定のMさんが、9時に馬場練習を入れるというので、そこに便乗させてもらうことにしました。

当日の朝、けっこう強い雨。でもMさんと待ち合わせしているし、指導員のK野さんが今日付で退職なので、乗れないにしてもとりあえず倶楽部には顔を出すか、と待ち合わせ場所へ。Mさんの車に拾ってもらい、「この天気で乗ったらホントにバカだよねー」なんて笑いながら日の出へ。
クラブハウスではママさんが「ほんとによく降る雨ねー」と言いながら迎えてくれました。ホワイトボードの配馬表も真っ白だし、今日は完全休業モード。スタッフが馬房掃除するのをちょっとだけ手伝ったり、お茶を飲んだりして過ごしていると、だんだん雨が小降りになってきました。Mさんと「乗れるんじゃない?」「でも寒いから…」という話をしているうち、もうほとんど止んでしまったではありませんか。K野さんに教えてもらうのも今日が最後だし、せっかく経路練習をすることにしたんだから、ということで、本来の予定の9時からずいぶんたった10時半から、馬場の経路レッスンをやることになりました。
馬場を踏むならロゼッタが一番適任なので、ロゼをMさんと2人で使いまわすことに。どっちかが経路を踏んでいる間は、もう片方はコスモに乗って流していることに決まりました。

最初は私がロゼッタ、Mさんがコスモに乗っていることに決まり、馬装へ。馬繋場に行くと、ロゼの馬装はK野さんがほとんどやってくれていました。もう腹帯を締める段階だったのですが、見るとマルタンガールを腹帯に通していません。K野さんにしては珍しいミスだなぁ、なんて思って「マルタンは?」と聞いてみると、帰ってきた返事は「なし!」「えっ? マルタン着けてくれないの?」「うん、今日はなしで乗って」うえー、最後までオニなんだからもう。今までロゼにマルタン着けないで乗ったことなんてないから、どういう動きになるのかなぁ。逆に言えば、どうしてロゼッタにマルタンが必要なのか知らずに乗っていたわけだから、そういうのを勉強する機会になるかもしれないけど。
K野さんがロゼッタを引いて馬場に出ていき、どうやら下乗りをしてくれるようです。それは助かった。ロゼッタの馬場馬モードスイッチを入れるのには、私の技量だとずいぶん時間がかかってしまうし。

K野さんがロゼッタを動かしてくれている間、I野先生が指示して馬場の標識をセットしてくれました。今日は長めにロゼッタを動かしてくれているようなので、部班用ではなく馬場競技用の乗り方をしてくれているんだろうな。
ロゼを常歩に落としたK野さんが、「Mさーん、コスモ出していいですよ」と言っているので、Mさんはコスモにハミをかけて馬場へ。私もそれについて馬場に出て、Mさんの騎乗補助をしてからロゼッタのところへ行きます。K野さんが下馬して、替わって乗馬。「うわ、鐙長いって」「短くして乗ったんですよ、僕は」「むかつくー」。踏めない長さではないけど、「まぁ反動高いからね」と、鐙を1穴長くしてくれました。
常歩でしばらく歩かせますが、K野さんの下乗り後だからさすがに軽いなぁ。鞭もちょっと入れるけど、ちょっと入れただけでちゃんと前に出ていきます。2周ほど常歩して、軽速歩に移行。…うわ、軽い軽い! 軽速歩の脚でちゃんと反応して、すいすい前に出ていく感じ。いいねいいね、これなら斜め手前変換の中間速歩もうまく出そう。
速歩に落として歩度をつめると、さすがに前に出る感じはなくなって「もっと前出してー」とK野さんに言われてしまいました。鞭を入れて前に出して、ちょいちょいちょいと拍車で刺激。コスモに乗っているMさんの位置を配慮に入れながら巻き乗りや輪乗り、手前変換を入れてみます。

そろそろ駈歩も入れてみるか。1課目では速歩から駈歩への上方移行があるので、速歩から駈歩を入れてみようとしますが、どうもロゼッタに伝わらなかったみたいで、速歩が速くなるだけになってしまいました。じゃあ無理しないで、最初は自分で出しやすい常歩からの駈歩発進にしとこう。常歩からなら、一発で出るんだなこれが。よしよし、いい感じじゃないの。駈歩で大きく輪乗り、長蹄跡で駈歩行進。今日は苦手な左手前でも、踏歩転換されずにすんでる。勢いがあるからかな。

「じゃあKYOKOさんから行きましょう」とK野さんに言われ、いったんクラブハウス側の待機馬場馬場へ。この馬場ではA点の後ろに余裕がないので、いったんK点あたりからラチ沿いに馬場に入り、A点から方向転換してX点へ向かいます。ここは尋常速歩で、あらあらあらっ、今日はずいぶん右によれていくぞ。脚をしめて真っ直ぐ走らせようとしましたが、なんかへろへろした蹄跡でX点停止。もしかして、マルタンをつけていない効果ってこれか? 頭を上げないようにつけるものだと思っていたけど、ロゼはそんなに頭上げる馬じゃないし、左右によれないようにつけていたんだったのかなぁ。
停止して敬礼、速歩発進。C点で方向転換し、E点で中央線へ。「もっと前出してー」とK野さんに言われ、鞭を入れながら中央線通過、右手前で蹄跡へ。はいはい、ちゃんと隅角は深く回ってちょうだいね。次はV点から斜め手前変換で中間速歩だから、そこで上手く歩度を伸ばすためには、今つめておかないとダメだな、たぶん。脚で前に出しながら、拳でつめていきます。

V点で方向転換を指示してから一瞬後、拳をゆるめてやると同時に鞭を入れました。するとぽんっと歩度が伸びる、うんうんいいぞ。さすがロゼ、分かってるじゃん。私のほうは、ここで焦って前傾しないようにしないと。
蹄跡に入る直前から歩度をつめ、速歩で蹄跡行進。あれ、どこから常歩に落とすんだっけ。H点で常歩に落として、S点から斜め手前変換で自由常歩だっけ? ちょっとあやふやな感じだけど、とにかくS点まで行って斜め手前変換。手綱をちょっと伸ばして歩かせますが、これがもう(当然ながら)右に左にふらふら、まっすぐ歩かせられません。もう、踏みたびに思うけど、1課目の経路の中でこの自由常歩での斜め手前変換が、とても長く感じる。
蹄跡のすこし前で手綱を持ちなおすと、ロゼも少しシャキッとしたかな? 脚で推していくと、もう速歩がすぐ出そうな勢い。はいはい、A点まで待ってね。A点よりちょっと前で脚を使うと、簡単に速歩が出ました。あら、ちょっと早すぎたかな。

A点から20mの輪乗り、「輪乗りはもっと大きいですよー」えーと、えーと、F点がラチから6m、P点がそこから12mだから、合計18mで、P点よりももうちょっとX点寄りをめざせば20mになるんだよな、たぶん。
A点まで巻き乗りしてここから駈歩…ありゃ、失敗した。隅角の前でいったん常歩に落として駈歩発進をやりなおし、長蹄跡は駈歩で。ここで踏歩転換されたらこっぱずかしいなぁ、ちゃんと内方を教えながら走らなきゃ。幸いにも踏歩転換されずにC点にたどりつき、速歩に落として斜め手前変換。おーおー、駈歩の後の速歩はどんどん前に出るねぇ。
A点から左手前の輪乗り、A点に戻って駈歩発進。よし、今度はちゃんとA点から出たぞ。あ、私左手前の駈歩って苦手であんまり座れないのに、今日はわりとついていけてるな。しかも勢いあるし。
C点で速歩に落として、E点からX点まで半巻き(なのか?)、ここってなぜか内方姿勢がとりやすい。G点まで直進して停止、敬礼。我ながら、運動会のときより上手くいったんでないかい。

ロゼッタの首をたたいて退場しようとすると、「いったん上がって」とI野先生に言われました。何のことか分からずにきょとんとしていると、「馬入ってくるから、いったん下馬して馬繋場に上げて」そういえば、新しい先生たちの自馬が入ってくるという話は聞いていたけど、今日だったんだ。どうやら倶楽部の外の駐車場には、すでに馬運車がいるらしくて、レッスンを中断して馬を入厩させるのでしょう。ロゼはともかく、コスモが知らない馬を怖がって暴れたら困るし。下馬して、ロゼッタを馬繋場に連れて行きます。
頭絡の上から無口をかけて繋いでから、馬場を見に行きました。入ってきた栗毛の馬、「モンブランにそっくりじゃない?」太めの流星や長白の脚、あんまり似ているのでモンブランの馬房に確認に行ってしまったくらい。モンブランは4本の脚のうち右前肢だけ靴下をはき忘れたような色をしていますが、新しく入ってきた馬は左前肢だけはき忘れたらしい。でも新しい馬のほうが大きい感じで、堂々としています。12月から日の出のインストラクターになるO先生とN子先生の共同持ち馬で、名前はダイスケ。「単純にでっかいからダイスケです」とは、O先生談。

そのダイスケが馬房のほうに引いて行かれ、レッスン再開。ロゼを引いてふたたび馬繋場に出ます。出てはみたものの、「次ロゼッタってMさん乗るんじゃんね?」「そうですね」馬繋場で馬とりかえて出てくれば良かったかも。ロゼをK野さんに任せてコスモの方に行き、Mさんの補助で騎乗。鐙が1穴長いけど、別に本気で動かすわけじゃなし、このままでいいや。
Mさんが3課目の経路を踏んでいる間、コスモで軽く常歩と速歩をしていましたが、コスモちゃんなんか挙動不審だぁ。馬運車とか知らない馬とか見て、ちょっと興奮気味なのかもな。大して拳固めていない(つもり)のに後ずさったり、ぐにゃぐにゃ肩から逃げようとしたり。やっぱり難しい子だなぁ。

Mさんの3課目が終了し、また乗り替わります。ロゼにしてみればぶっ続けでハードかもしれないが、頼むからがんばってちょうだいね。
K野さんに「馬場1〜2周したら始めてください」ということで、常歩と速歩で1周。あら、ロゼったらさっきよりさらに軽くなってる。最初にせっかくK野さんが軽くしてくれたロゼを、私がまた重くしてMさんに渡しちゃった、と反省していたのに、上級者のMさんが乗ったことでまた軽くしてもらっちゃった。悪いけど嬉しい。
2周目で駈歩を出すと、これまた軽いこと。発進も簡単だったけど、明らかにロゼが自分で走る気になっていて、ハミにかかる力が強め。3課目では伸長駈歩があるので、そっちのスイッチが入っちゃったみたい。このへんでちょっと速歩に落としとこうかなー、と思って外方脚の位置を戻したんですが、速歩に落ちません。いつもならちょっと外方の位置がずれただけで駈歩をやめるのに、今はロゼが駈歩をやめたくなさそう。それでもロゼの場合、「引っかかっている」とか「走られている」という感じはしなくて、でも珍しい勢いなので、思わず笑い出したくなってしまいました(この辺り、まだ駈歩外乗のときのハイテンションが続いているのかもしれない私)。わはは、止まんないよー、と思いながら脚を締め、上体を倒し気味にして拳を引いて、それでも止まらない。「ちゃんと止めてくださいねー」とK野さんに言われ、上体をもっと後ろに倒してようやく速歩に落ちました。いや、最初にとめようと思ってからここまで、駈歩で5完歩くらいのことなんですけどね。

ロゼのハイテンションに当てられて(ということにしておこう)、どんどん行っちゃえー、という気持ちで1課目の経路へ。
A点から入場、X点で停止して敬礼。速歩発進も簡単で、左手前で蹄跡へ。E点で左に回転、B点から右手前で蹄跡へ。さっきもそうだけど、V点から歩度を伸ばすためには、脚で前に出して、ためておかないとな。V点までためにためて、方向転換と同時に拳を軽くしてやると、よーし行った行った。すぽーんという感じで軽速歩の歩度が伸びたので、こうなれば自分のやることはこの勢いに置いて行かれないようにするだけ。そして蹄跡へ進入する直前で歩度をつめ、蹄跡へ。
さっきもあやふやだった常歩に落とす地点、H点だろうとアタリをつけてH点で速歩に落とし、S点から斜め手前変換で自由常歩しようと思ったら「最初からやり直して」とK野さん。あー、やっぱり違ってたか。すいません。
やりなおしのためにA点に戻ろうとすると、「C点までですからね」…あ。C点で常歩に落とすんだったか。そうだよねー、1課目の経路って、基本的にA点が上方移行で、C点が下方移行なんだ。もっと早く気がつきなさいよ、私。

あらためてA点の入場からやりなおし。X点まで行く途中でやっぱりよれるけど、頑張って真っ直ぐ走らせます。X点で停止、敬礼して速歩発進。やり直しだけどロゼのやる気はそがれていなくて、あまり鞭を使わなくてもさくさく動いてくれます。さっきと同じく、斜め手前変換で中間速歩、ぽーんと前に出ます。蹄跡に入り、今度はC点で常歩に落としました。自由常歩で斜め手前変換、蹄跡に入る1歩くらい前で手綱を持ちなおすと、またしゃきしゃき動き始めました。よしよし、A点から速歩を出して輪乗りと。今度はできるだけ内方脚で外に押し出し、外方の脚と手綱で受けてあげて、自分が思っているより大きく回るくらいでちょうどいいはずだ。
輪乗りからA点に戻ってきて、駈歩発進も1歩早めからやってちょうどいいはず。思惑どおり、A点からちゃんと駈歩が出せたので、今回は隅角をちゃんと深く回せるようにがんばろう。おーおー、かなり勢いのある駈歩だこと。できるだけ長蹄跡まで近づけてから方向転換。長蹄跡の上ではできるだけ内によれてこないように、内方の手綱もすこし壁にしてみたりして。

C点で速歩に落とし、斜め手前変換。ここの速歩もすごく勢いがあって、ちゃんと馬が自分から前に出ていく感じ。できればこの勢いのまま輪乗りに入りたいな。馬が前に出ようとしているから、私はその力の方向を定めてやるだけでいいって感じで、楽に輪乗りができました。さてA点、苦手な左手前の駈歩。ここも思っていたよりあっさりと駈歩が出たので、私は前傾しないようにして腰でついていくだけ。いい勢いだねぇロゼ。これだけ前に出るなら、手綱をきっちり持ってつめても大丈夫だろう。
C点で速歩に落とすと、あともう少し。E点から半巻きしてX点、G点まで直進して停止…「はやーい!」はい、G点より手前で、馬に勝手に止まられました。すいません。
でも自分としては、何しろ馬がやる気になってくれていたので、かえって駈歩も安定していたし、もしかして今まで踏んだ中で一番キレイに踏めたかもしれない(と、自分では思いたい)。

ロゼから下馬してMさんに渡し、私はコスモに騎乗。「適当に動かしてていいですよ、怖くなければ」うは、バレてたか。さっき乗ったとき、コスモがなんかカリカリしている感じがしたのと、折り返し手綱に慣れていないので、ちょっと腰が引けてたんだよね。
まぁ速歩までしかしないから大丈夫だろう、と常歩で馬場の奥まで連れて行くと、ピタッと立ち止まってずざざざざっと後ずさり。あーはいはい、下の駐車場に止まっている馬運車が見えたのね。あんたもあれに乗ったことあるでしょうが、そんなもんでビビらないでくれません? あたしもビビっちゃうんだから。
でもコスモちゃんは、「もう何もかもイヤなの〜」モードに突入していきました。あっちで人が動いたと言っては物見し、目の前に木の葉が落ちてきたと言っては後ずさり。そーゆーところがかわいいと言えば言えなくもないんだけど、なにぶん私も相当なビビリなもので、いちいちそんな動きをされていると腰が引けてくる。常歩と速歩だけなら乗っていられないこともないけど、このまま私が自信のない騎乗を続けていては、コスモはもっとカリカリするばっかりだろうなぁ。K野さんに「こいつ挙動不審だから降りてもいい?」と断って下馬。K野さんが替わりに乗ってくれて、コスモを動かしながらMさんのレッスンを見ていました。すごいねぇ。
この日はK野さん、コスモに乗りっぱなしで次のレッスンを指導していて、その後もほかの馬に乗りながらレッスンしていました。彼なりに、馬たちに別れを告げていたのかもしれないなぁ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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