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(2004.5.1 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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さて本日の2鞍目、お相手はアルフォンス。私の前にけっこう上手い人が乗っているので、いつもより乗りやすいかも、と期待しておこう。
私の寸前に乗っていた人がいて、30分前に乗り終わって馬繋場に戻していました。これから馬房に戻されても、10分後にはまたすぐ出さないといけなくなるので、そのまま馬繋場に繋いでおいてくれるように頼むと、腹帯だけ緩めて繋いでおくね、との返事。
ということで今日は馬装をしなくてすむなー、と、レッスン開始10分前くらいに馬繋場に行きました。

馬繋場のアルフォンスを見てがっくり。虫を嫌うアルは体中の筋肉をぶるぶるさせながら待っていたらしく、ゆるめた鞍がすっかりずれていました。仕方ないので装鞍のやり直し。こんなことなら、馬繋場に待たせとくなんてお願いしないで、一度馬房に戻してやればよかった。
急いで鞍を直して馬場へ。この時間は相方のジュンヨーと私のアルフォンスの2頭きり。指導はN子先生です。
蹄跡に出ようとすると、やっぱりというかなんというか、「やだー、前に他の馬がいないと動かない」と言って反抗します。どんなに脚や鞭を使っても前に出ず、後退したりその場でぐるぐる回られるだけなので、相方に先に行ってもらって、その後ろについて蹄跡に出ます。

さすがに前に馬さえいれば、さくさく動けるアルフォンス。常歩でもう少し動かしたかったので、鞭を使いながら前に出していきます。
速歩の号令で、速歩から軽速歩。何しろ目の前は軽ーいジュンヨーなので、置いていかれないために必死で鞭を使います。軽速歩で内方のトモ足が出るタイミングに合わせて長鞭を使っていると、だいぶ前に出るようになってきました。少なくともジュンちゃんに置いていかれてないし、けっこうよく動いているじゃないの。
ですが、よく動くに従って鐙が辛くなってきた。実は見栄をはって長鐙にしていて、馬が動かないうちはそれでも大丈夫だったんだけど、馬が動き出してくると、馬の動きにつき遅れる。するとバランスも崩しやすいし、脚がバタバタになるから鐙もがんがん外れる。「鐙が外れたくらいで気にしない! 人間が悪いんだから!」ごもっともで…。ごめんよアル、ちょっとスピードが出たくらいでついていけない私で。

まだレッスンが始まって15分ほどでしたが、「順次に駈歩」の号令が出ました。普段は30分くらいからやるのに、珍しい。「前の馬が駈歩になったら駈歩ね」アルの場合、前の馬が駈歩になるのを待っていたらタイミングを外しそうだが…。
ジュンヨーの歩様が変わるのを待って駈歩発進したら、一瞬駈歩が出そうになったんですが、ジュンちゃんに置いていかれて距離が開いたとたんに膠着。あーあ。鞭入れても蹴っても前に出ないので、1周して追いついてきたジュンヨーに内側から抜いてもらい、抜かれたタイミングで駈歩発進。よし出た。
出たのはいいけど、やっぱり持続が大変だな。「駈歩はかかとじゃないって言ってるでしょ! ふくらはぎ!」「はいっ」あぁ、また膝とかかとで抱えこんでた。

やっぱりジュンちゃんのスピードに置いていかれて、止まってしまった。「何で止めるの!」とN子先生が側に寄ってきたとたん、アルフォンスがちょっとぴりっとするのが分かりました。こいつめ、私よりも先生のほうを意識してるな。そのこと自体はむかつくが、この機会をとらえて駈歩を出さない手はない。「半減却! 駈歩!!」というN子先生の声を聞くまでもなく、駈歩発進。おお出た。
いったん駈歩が出てしまうとアルフォンスもやる気になったのか、前にジュンヨーがいなくても駈歩が出るようになってきました。ジュンヨーとほとんど対角線上で駈歩(あとで聞くと、相方が「珍しくアルフォンスが1頭で駈歩できてると思って」、わざとそうしたらしい)。
アルフォンスは右手前の駈歩が出にくいし、出ても反対駈歩のことが多いんですが、今日はすいすい出る。いやぁ、よく動いてるじゃないの。
今までさんざんアルフォンスの駈歩が出なくて苦労してきたんですが、「コツなんだよね」とHさんに言われていたとおり、確かに脚でも鞭でもなかったんだな。この子、座骨で動かす馬だった。今まで私が全然分かっていなかったから、鞍の上でバタバタして、かえってやる気をなくさせていただけだったんだわ。

常歩から、「蹄跡使って前肢旋回」の号令。お、前肢旋回やるの久しぶりかも。進行方向で内方の拳をちょっと固め、外方を思いっきり許した上で外方から内方に向かって脚をこんこんこん、という感じで入れると、割と簡単に前肢旋回ができました。さすがアルフォンス、ふだんからやるなと言ってもやってるだけあるな(爆笑)。
「うん、奥さんのほうがやり方分かってるね。馬場やってるだけはある」あのぉ先生、私も1回しか習ってませんけど(笑)。まーね、横運動に固いジュンヨーだったら難しいと思うけど、アルって意外と馬場の基礎的なことはできるんだよね。
蹄跡を使って、何度か前肢旋回。「あぁダメだ、前肢が動いた」と思わず口に出して言うと、上の馬繋場から「内方のトモ足が動いてるときに内方脚使ってやるんですよ」とS田さんの声が降ってきました。なるほど。

相方のほうを重点的に見ていたN子先生が、私のほうにやってきました。「はい、じゃあKYOKOさん常歩から前肢旋回」拳を固める段階で馬を停止させてしまうと、「常歩からって言ってるでしょー。まぁ停止からやるのがホントだけど、常歩からやるのにも意味があるの」ふぅん。
常歩で2〜3歩歩かせ、そこで前肢旋回。馬を止めないように、止めないように。お、いい感じで回ってますよ、これは。旋回を始めて、ラチに正対した瞬間、アルフォンスがひょいっとラチのすき間を抜け、隣りの馬場に出てしまいました。「なぁ〜にやってんの!!」と先生が爆笑。馬の鼻面を向けたラチが、ちょうど50センチほど開いている場所だったのです。
しかもそのまま扶助を続けたものだから、きれいにラチの外側を直進し、ふたたび開いていたところからひょいっと馬場に戻ってくれました。いやあの、決してネタを作るつもりではなかったんですが。

蹄跡で速歩、正反動をとります。「どう、さっきと何か変わってない?」「あれっ? えっと、ちょっと座りやすいような気が」「でしょー。前肢旋回やるとね、ちょっと馬の飛節が柔らかくなるんだよね」へぇ、そうなんだ。でも相方は「分からない…」と悩んでいます。そりゃなー、もともとが固いジュンヨーでは、ちょっとくらい柔らかくなっても分からないかもな。
そこから速歩と軽速歩を交えながら走っていると、なんかアルの首がぐーっと下がってきました。あれ、巻き込んだか? と思うくらいでしたが、それにしてはハミにきちんと力がかかってくる。
「今馬が変わったの、分かるよね? 受けようとしてるよ」おぉ、ハミ受けようとしてくれてるのか! 褒めてやりたいが、拳のコンタクトを変化させたくないから、片手手綱で首をたたいてやることができないや。
これくらい前に出してやれば、自分からハミを受けに来てくれるんだなぁ。いいやつ。

ところがしばらく軽速歩で走るうち、アルが首を縦に振り始めました。あぁ、明らかにハミを嫌がっている。せっかくハミを受けてくれたのに、私の拳ががたがただからだ。口にヘンに当たっちゃって不快だったんだ。うわぁん、ごめんねアル。
ちょっとハミをリリースしてやろうと思って、速歩のまま拳を左右に大きく広げてみます。こうすると口へのハミの影響が少なくなるはずで、そのときは確かにやめるんだけど、リセットにはならないみたい。またすぐ首を振り始めます。
前に出したら直せるかと思うんだけど、今でもアルフォンスにしてはかなり動いているんだけどなぁ。もうどうしたらいいんだか分からない。

結局アルの首振りを直せないまま、レッスン終了。しばらく沈静化して、馬場の中央に馬を並べて挨拶、下馬します。
馬繋場に連れて行こうとすると、「どう、今日は良かったんじゃない」とN子先生。「でも先生(ぜいぜい)、私すごく馬に悪いことした」「どうして?」「ハミ…拳が。私の拳ががたがただから、首振られちゃって」「でも、そこまでは馬が自分から受けに行ったの分かったよね」それは確かに。でもアルが自分から受けてくれようとしたからこそ、私がそれに応えてあげられなかったのがすごく悔しかった。
だいたいが、座れていないから拳もがたがたするんだよなぁ。ごめんねアル、もっと上手く乗ってあげられるようになるからね。頑張るからね。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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