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(2001.10.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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割と何をしても怒らない、気のいいウィンダム。
クォーターだからなのかな
ウィンダム
今日の予約は10時。9時半ごろに倶楽部について、ホワイトボードを確認すると、ウィンダムとアルフォンスのところにうちの名字が入っています。相方と私、どっちがどっちか分からないけど、たぶんウィンダムが私だろうな。ウィンダムがいいな。前のとき乗りやすかったし。
「いつもの」トリコロールは、午後からビジター団体さんが入っているので、そのために午前中は使わないようです。

着替えをして、ママさんにどの馬に乗ればいいか聞いてみると、ホワイトボードの前で考えるふうだったのですかさず「あたしはウィンダムがいいんですけど」と言ってみる。
すると「そうね」とママさんがボードのウィンダムのところに書いてある「高階」の横に「M」と書き込んでくれました。
余談ですがクラブ内では、夫婦者はダンナさんが「P(パパの略)」、奥さんは「M(ママの略)」と表記されます。子供のいるいないは関係ないのだ。

ウィンダムはすでに蹄洗場につながれていました。最近彼の馬房の場所が変わったので、鞍などの場所も移動していて良く分からない。蹄洗場のそばに鞍が置いてありましたが、個人所有っぽいし(馬の名前ではなく、個人名が書いてある)。
前のレッスンから上がってきた指導員のKさんを掴まえて鞍の場所を聞いてみると、「置いてなかったですか?」と見に来てくれました。やっぱりさっきの個人名が入った鞍で良かったらしい。
Kさんに手伝ってもらって鞍を着けて、レッスンまではまだちょっと時間があるので「勒はまだ後でいいですよ」ということで、レッスン時間までウィンダムをかまって遊ぶ。
ウィンダムは、鼻面にこっちの顔をくっつけたりしても嫌がらない貴重な馬なのです。

時間が来たので、ウィンダムの無口を外し、勒をかけます。
手綱を首にかけ、ハミを噛ませようとすると、ウィンダムは自分からハミを噛みました。やりやすいやつ。
喉革、鼻革を締めているとKさんがやってきて「もう一人で勒着けられるんですね」と言うので、
「いや、ウィンダムだからですよ。アルフォンスはだめだもん」
「こいつ、自分から口突っ込んできますもんね」

さて、そんなウィンダムを馬場に引き出して騎乗。今日の指導は久しぶりにI野先生です。
私のウィンダムと相方のアルフォンス、最年少会員(11歳!でも私より体大きいし、上手い)Mちゃんのホクト、桜吹雪の4頭部班。桜吹雪、跛行はおさまったらしい。
先生がメンバーを見渡し、「こりゃMが先頭に行くしかないぞ」と、ホクトから蹄跡に出し、私は2番騎、アルフォンス、桜吹雪と続きます。
軽く蹴るだけで歩き出すウィンダム、ほんとにやりやすいやつ。

常歩で蹄跡を周回し、途中で順次に巻き乗り。
前のホクトはきれいに円を描きますが、私のウィンダムはホクトの蹄跡より内に入ってしまう。前の馬より外め外めを歩かせるようにとは言いますが、どうしていつも内側に入ってしまうんだろうなぁ。 巻き乗りから蹄跡に戻って、今来た跡を振り返ると、やはり楕円になっている。
あれ、ウィンダムの蹄跡って、他の馬の蹄跡よりも「線」という感じ。馬の足跡ですから、点点点…と続くはずが、全部つながって見えます。そういえばウィンダムの足音って、砂の音が大きい。地面からあまり足を上げずに、すり足のような感じで歩いているのかもしれない。クォーター特有の歩様なのかな。

「各個に半巻き」の指示が出て、半巻きは分かるけれど、順次に半巻きしかやったことがないので、各個にやるやり方は今ひとつ良く分からない。でもとにかく馬を回らせて、今来た隅角の方に向かいます。
要するにみんなが回れ右をして、もときた道を反対向きに歩き出せばいいわけなんですが、混乱してました、私。私のふたつ後ろにいた桜吹雪が止まっていたので(さくらの鞍上の方も指示が良く分からなかっただけでした)、「あ、私が先に行かなきゃ行けなくて、待ってくれてるんだ」と勘違い。さくらを追い越して、先に蹄跡に戻ろうとすると、先生から「何やってるんだー、違うだろう」と声が飛びます。
そのときやっと、各個に半巻きの図形が頭の中で理解できて、自分が間違ってることが分かりました。恥ずかし。
ともあれ、これで手前が逆になり、馬の順序も変わります。私は4騎のうち2番騎でしたが、前後が反対になったので今度は3番騎。

「じゃあ速歩いくぞ。歩度を詰めー、はやあーし」
速歩は簡単に出ました。私、速歩の正反動がヘタなので気合いを入れて…おやっ?ぜんぜん難しくないぞ?
トリコロールやアルフォンスに乗っていたときは、馬の反動でぼうんぼうん体が跳ねていたのですが、ウィンダムの背中だと全然体が跳ねない。まるで自分が正反動がうまくなったと錯覚するくらいです。
もちろん私が急に上手くなるわけはないので、たぶんウィンダムが走るとき、サラブレッドよりも上下反動が小さいのだと思うのです。前回ウィンダムに乗ったときは、まだ正反動はやらなかったので気がつかなかったことでした。
あらためてウィンダム、とても乗りやすい。このまま速歩でずっと走っていたい…(うっとり)

しかし速歩だと全然スピードが出ないので、そういうわけにもいかない。先生から「軽速歩をとって」という指示があり、軽速歩の立つ・座るをとりますが、ウィンダムはそのすり足のような歩様のせいか、一歩が狭い。そうすると軽速歩のリズムも自然と細かく早くなり、けっこうきつい。
ウィンダムは落ち着いて走ってくれるのですが、ちっとも早くならず、前の二騎にどんどん置いて行かれてしまいます。
「歩度が伸びないなら、ショートカットして。部班っていうのは一人でやるものじゃないから、周りに合わせることも大事だぞ」
隅角をショートカットしますが、ウィンダムは蹄跡から出ることが気に入らないらしく、何度か反抗されました。

そうやってしばらく軽速歩で走りながらショートカットするうち、ウィンダムが少し言うことを聞かなくなってきてしまいました。指示を出していないところで内に入ってしまったり、ショートカットの後に蹄跡に戻ってくれなかったり。
しかもだんだん、馬がつまづくことが多くなってきました。どうしたんだろう?どこか痛くしたかな、と思いつつも走っていると、ウィンダムがときどき耳を絞っている!ふだんはとても気のいい馬なので、そんな怒っている仕草をみてびっくりしてしまいました。いったい何が気に入らなかったのかは、今でも分かりません。

特に車庫の近くがつまづきやすいみたいなので、特に気をつけて走らせていました。
何度目かにその車庫の近くを通ったとき、突然ウィンダムが跳ね、駈け出す!
駈歩なんぞやったことなくて怖いので、手綱を強く引いて膝を締め、2〜3歩で止まらせます。ラチにぶつかる前で止まってくれました。
ウィンダムの首をたたいて落ち着かせ、後ろを振り向くと、誰も乗っていないホクトが走っていて、それにびっくりしたアルフォンスもばたばたしている。Mちゃん落馬した?

ママさんやKさんが出てきて、ホクトはすぐ走るのをやめておとなしく捕まり、Mちゃんは再騎乗したので大丈夫みたい。
ちょうど走っている方向と対向方向から車が出てきたので、びっくりしてホクトが放馬し、それにウィンダムとアルフォンスがびっくりしたということだったようです。いやー、こっちもびっくりした。

「馬がびっくりしてこういうこともあるから、バランスは大事なんだ。拳はつねに下げていないと、人間手が高い位置にあると、重心が高くなってバランスがとりにくい。低い位置に拳があれば、今みたいなことがあっても補助手綱に捕まるとか、馬の首に捕まるとかできるしね。
やじろべえと一緒だよ、やじろべえは両側におもりがあるから、絶対倒れないだろ。」
こういうアクシデントからも、色々教えてくださるI野先生。やじろべえっていうのはすごく納得しました。やじろべえのおもりの部分を鐙に置き換えれば、鐙に強く均等に重心をかけるイメージが分かります。

そのあとしばらく常歩で馬を落ち着かせ、また軽速歩に戻ります。
「M、さっき落馬したところは馬もびくびくしてるから、気をつけて乗るんだぞ。声かけてな、オーラ、オーラって」
こっちも落馬こそしていないものの、人ごとではない。絶えずウィンダムに声をかけながら走らせます。

しばらく軽く走ったあと、手綱を緩くしてゆっくり歩かせ沈静、今日のレッスンは終わりです。
馬を並べて礼をするとき、先行したホクトよりも少し前に出てしまいました。先生に「すこし前だな」と指摘されたので、バックできるかどうか試してみよう。
手綱を引きぎみに、脚をじわっと使ってみる。するとウィンダムがしぶしぶという感じで一歩下がってくれたので、プレッシャーを緩めます。
なんとなくできるようになったけど、ほんとにバックってこのやり方でいいんだろうか。

ウィンダムはもう午前中は使わないそうなので、蹄洗場に上げて馬装解除。
鞍や勒を外し、裏掘りをして脚を洗っている間、ウィンダムは私の背中や腰にちょっかいを出して遊んでいます。人なつっこくてかわいいやつですが、困ったちゃんです。

ウィンダムを馬房に戻してクラブハウスに戻ろうとすると、ひなたで倶楽部の看板犬キャンディちゃんが寝そべっていたので、
「キャンディちゃん、お散歩いこうか」
秋川に散歩に出ます。

戻ってくると、すでにお昼。
クラブハウスでお昼を食べる人たち(私たちはこの日、帰りに外食する予定だったのでお弁当はなし)に混じって、しばらくおしゃべり。
先生が「M、落馬したの初めてだったか?」
「うん」と照れくさそうに答えるMちゃん。
「落馬してまた乗るとき、足が震えなかったか?」
「う〜…ん、別に大丈夫だったけど」
「そうかすごいな、先生なんか初めて馬から落ちたときは、次に乗ったとき膝が震えちゃって大変だったぞ。でもな、一回落ちてそれが克服できると、3鞍分うまくなるって言うんだ」
その話、前にも聞いたことあるなぁ。でもできることなら落ちたくない。


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