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今日は乗馬倶楽部の年内最終営業日。昼休みに半自馬グレイトに騎乗して、乗り納めの予定です。 先日凍結していた馬場は少しマシになっていましたが、やっぱり日当たりの良いところはガチガチ。昼休みにはSくんも乗る予定だそうで、わたしは日当たりが良く足元も良い道路側の馬場を使わせてもらえることになりました。 昼休み、早飼いをつけておいたグレイトに馬装して馬場へ。まずは常歩でぐるりと歩かせてみると、なんだかずいぶん周りを気にしてる。こないだも来たけどねぇ、ここ。 常歩で巻き乗りと半巻き、斜め横足、前肢旋回とやってから速歩に移行。なんだか前回より集中しない感じで、とくに道路に一番近い短蹄跡では耳が完全に外を向いちゃってる。 グレイトはきちんと集中しさえすれば一切物見をしない馬なのですが、こういう状態から集中させるのは手間がかかるなぁ。 速歩を少し伸ばすか、と前に出そうとしたら、その瞬間わずかにリズムが乱れました。たぶん、前に出そうとしてわたしの拍車が当たってしまったんだと思いますが、それくらいで馬に文句を言われるのも(速歩では)珍しい。 同じことが2回続いたので、速歩だけで伸ばすよりも、まず駈歩を入れて前進気勢をつけたほうが早そう。 駈歩を出し、蹄跡を回り始めると、道路側に向かう方向の長蹄跡でグレイトが内に切れ込みたそうなそぶりを見せました。いいから真っすぐいきなさいよ、と隅角を踏ませ、短蹄跡に入って1〜2歩くらいのところで、ぐーちゃんがいきなり横っ飛び。90度体を交わして、そのまま突っ走ろうとしました。 突っ走るといっても15mくらいで止められる程度なんですが、今のはどう考えてもただのワガママでしょ。ホントにびびったときの動きと違うもん。 いったん鞭で叱って、駈歩のまま小さい巻き乗りを何度もさせてから速歩に戻し、巻き乗りを少しずつ大きくしていく形でなし崩しにさっき物見した場所を踏ませたら、全然物見しないじゃんよ。 なんとかまとめたところで終わりにしましたが、今日はあまり乗りやすい感じではなかったなぁ…。 騎乗後に馬の手入れとマッサージをして、道具の手入れや洗濯などの雑用をしてました。 今日は倶楽部自体が早じまいで15時にレッスン終了し、その後にO先生が自馬の大介をロングレーンで調教していました。調教が一段落したときに、急に呼ばれたのでどうしたのかと思ったら、「KYOKOさん乗ってみて」ですって。 これはロングレーンのまま乗せてくれるという意味で、O先生はロングレーンで大介にピアッフェをさせることができるので、調子が良ければピアッフェの動きまで体験させてもらえるということです。O先生がいつか乗せてあげると言ってくれていたけど、まさか今日だとは思わなかったな。 乗り納めのつもりで磨いたばかりの長靴をはき、メットをかぶって馬場へ。大介に乗せてもらい、まずは速歩。うわ、ぐーちゃんより1歩がでかい! とびっくりしていると、先生が「今のはまだ普通の速歩だよ。これでやっと中間速歩」と、歩度を伸ばしてくれました。速歩なのに、絶対ぐーちゃんの駈歩より速いって。 さらに駈歩をやってもらうと、ふわんふわんで乗りやすい。大介の反動がやわらかいこともあるけど、鞍が先生のだから、鞍つぼにぎっちり落ちていく感じです。 そして、動きをつめてピアッフェを体験。馬のトモが左右からぽんぽん上がってくるのはわかったけど、思っていたより座りづらいものでもなく、ついていくことはできる。できるけど、この動きを自分の座骨で作れるとは到底思えない。動きを体感させてもらったことで、かえってその道のりの遠さを知ってしまった気分です。 小さい馬場に移動して、停止。ぴしゃっと停止ができるのもロングレーンならではの技だそうです(調馬索ではたらたらと自由停止させるしかない)。 そしてO先生はロングレーンを外し始め、「じゃあ自分で動かしてみようか」だって! 大介はけっこうキツい性格で、立ったり跳ねたりを普通の顔で豪快にやってのける馬だったりするんだけど、大丈夫かいな。 若干ビビりながら常歩を始めてみると、調教後だからかおとなしい感じ。速歩を出してみるように言われて発進しようとしましたが、これが全く馬に伝わらない。大介の鼻を押さえていた道具(名前不明。チェーンシャンクではない)を外してもらい、長鞭を渡されましたが、それでも出ない。 手綱も馬を抑えないように長めに持ち、座骨、脚とわたしの知るあらゆる推進をしているはずなのに。脚がダメなら鞭、と使うと、大介が[ちげーよ]と後肢を蹴り上げる。じゃあ舌鼓を使ってみると、外野のN子先生から「舌鼓なんかじゃ出ないぞ」と言われる。あまりにも普通に常歩が続くので、O先生には「おいおい、世界一安全な乗り物になってるぞ。狼を猫にしてどうする」とからかわれるし。 「何すればいいかわかんない!」と叫んでから、そういえばぐーちゃんに初めて乗った4年前、自分が全く同じセリフを吐いたことを思い出しました。グレイトだってかなり扶助にシビアなほうなんだけど、大介はさすがに先生の馬だけあって何枚も上らしい。 苦しまぎれに半巻きや巻き乗りをしてきっかけを狙うものの、やっぱり失敗だったんですが、驚いたのは大介の歩様の正確さ。グレイトだとトモに故障をかかえていることもあって、巻き乗りの後半は1歩ずつ修正しながら進める感じなのですが、大介の場合は1歩1歩が間違いなく狙った場所に落ちていく感じ。いやー、すごいな。 しかも、グレイトではかなり苦労するハミ受けが驚くほど簡単。ロングレーンでハミ受けした状態で手綱を渡されているから、ハミ受けを維持するのが当たり前と言えば当たり前なのですが、たまに大介も[コイツ何したいのかわかんねぇ]と首を振り始めることがあります。そうやってハミを外されそうになっても、外方のハミをちょっと握って「ハミを受けてほしいんですがねぇ」と伝えると、[なんだ、そう言ってくれりゃわかんだよ]と、すとんとハミを受けてくれる。すごい。 それにしても速歩が出せず、N子先生に「脚離すんじゃない!」と言われ、改めて自分が何かしようとするたびに、脚が馬体から浮くことに気がつく体たらく。何年馬乗りやってんだ、って感じですが、慣れた馬なら少しくらいの脚の浮きは許してもらえていたわけですね(それにしたって、グレイトにも脚が離れるとずいぶん怒られたので、だいぶ矯正したはずなんだが)。 脚を離さないように圧迫し続けて、ようやく大介が[仕方ねぇな]と速歩を出してくれました。 最終的には一応、左右とも速歩を出せたんですが、そこまで。1周ちょっとで欲を出し、手前を換えようとしたら、[で?]と止まられてしまいました。 いやはや、今までわたしがいかに雑な扶助で馬を動かしていたかということで…。完全に返り討ちにあいました。でもすごく勉強になったし、今後の課題も見えたような気がする。ここのところちょっとわたしが腐り気味だったので、いい気分転換にもなったし。 夕方、帰る前にぐーちゃんの馬房を覗くと、ぐーちゃんはお尻をむけたままチラッとわたしを見て、またあっちを向いてしまいました。 「ぐーちゃんお留守ですか〜」と声をかけても、チラッと見ては向こうを向いてしまいます。珍しいなー、と思って立ち去ろうとして…気がつきました。 見てたわけね。わたしが他の馬に乗ってるとこ。 しょうがねぇなー、と馬房の扉を開けると、くるっとこっちを向いたのですが、やっぱりなんかじとーっ、むすーっとしてる。暗いやつ。 ぐーちゃんの機嫌がなおりそうにないのでそのまま帰ってきちゃいましたが、初乗りの日まで引きずって暗いままなんだろうな、たぶん(笑)。 |
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![]() ↑日の出乗馬倶楽部の見取り図 (緑字:貸与馬、青字:自馬) |
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