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(2003.1.18 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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快晴の土曜日、今日もいつも通り11時の予約。武蔵増戸駅から、いつものように日の出までてくてく歩いていると、目の前で車が一台ハザードをつけて止まっています。車の助手席から顔を出している女の子、「あれ、あーちゃんじゃん」。よく見ると車はI野先生の車。I野先生もちょうど、あーちゃんを連れて日の出に向かう途中で、私たちを見つけて停まってくださったのでした。そのまま車に同乗させてもらい、日の出へ到着。
ホワイトボードを見ると、私たちの名字はハイセイコーJRとウィンダム。ウィンダムもしばらく乗ってないしなぁ、どっちに乗ってもいいなと思って相方に聞くと、「ウィンダムがいい」とのこと。彼の愛馬はJRなので、「ホントにウィンダムなの?」「JRはいつでも乗れるから、たまにはウィンダム」という返事。そうかい。

着替えをして、JRの馬装に向かいます。同じ部班でアルフォンスに乗るMさんと同時に馬房に向かったのですが、私がJRを出して馬着を脱がせ終わってもまだ、アルフォンスは馬房の中でMさんを困らせていました。Mさんは日の出ではトップクラスの上級者なのですが、彼女でもあんなに苦労するんだもん、アルフォンスのわがままっぷりはエスカレートしているかも。
まず蹄の裏掘りから。やっぱりこの子の後肢ってなんか、腫らしたような太さだよなぁ、と思いながら見ると、飛節のあたりに点々と擦り傷が。血が出ていたけど固まりかけていて、触っても何も言わないので大丈夫なのでしょうけど。K野さんに聞いてみると、「馬房の中でこすっちゃうみたいなんですよ」とのこと。一番広い馬房をもらっているのに、体でっかいからかねぇ。
ブラシかけ、胸前を触られるのだけちょっとイヤらしくて軽く噛もうとしますが、特に被害もなく終了。毛布とジェルパッドを置いたところにK野さんが来て、「毛布、ちょっと右が長いですね」と言われました。そういえば前回乗ったとき、毛布の左右の長さが違うことでえらい目にあったので、あわてて直します。JRの背中って、私の身長より10センチ以上高いので、よく見えないんだよね(と言いわけ)。

腹帯を締めている間に、バイトスタッフのUくんが前肢プロテクターを着けてくれたので、あとはハミかけだけ。横を見ると、Mさんがアルフォンスのハミかけに悪戦苦闘しています。それを横目に見ながらJRの首に手綱をかけ、無口を外すと、JRはちょっと遊ぼうとしましたが、鼻面をつかまえて軽く叱るとすぐおとなしくなりました。頭絡を顔に近づけると、もう口が開いている。何もしなくても自分からハミを噛んでくれるなんて、お前いいヤツだねー。
途中で道草を食おうとするJRを叱りながら、あーちゃんと一緒に馬場に出ます。「足上げやります?」「うん、それでいいや。あ、でも待って、あたしJRの体高でジャンプできる自信ないんだけどぉ」とか言っている間に、鐙を下ろして騎乗準備ができてしまったので、あーちゃんに足上げをしてもらうことに。JR、つかむべきたてがみはないわ(肌が弱いので刈られた)、体高が高すぎて後橋にぎりぎりでしか手が届かないわで、ほとんどあーちゃんに持ち上げてもらって飛び乗りをしたという感じ。なんとか鞍の上に腰をのっけて、そこからよじのぼりました。

今日の部班はMさんのアルフォンス、相方のウィンダム、私のハイセイコーJRの3頭。指導はK野さんです。アルとJRは先頭だとまるで動けない馬なので、ウィンダムが先頭だろうと思っていたら「アルフォンス、次JRで」あらら、珍しい順序だ。アルフォンスの後について、左手前で蹄跡に出ます。
JRも常歩は重いけど、前にいくアルフォンスも重いので、そんなに離されずにすみます。むしろ「JR、アルフォンスからすこし開けて下さいね」と言われ、そうそう、アルは後ろに馬が近づくと止まっちゃうクセのある子だった。それよりも、後ろのウィンダムが珍しく元気で、けっこう近くで足音がする。と、JRが耳を絞りました。そうだった、この子って後ろに馬がつくのキライなんだよねぇ。しかもウィンダムも気が強いから、ケンカ売られたら買わないはずがない。ちょっと気を付けよーっと。
歩きながら、すぐ首を勢いよく下げようとするJR。拳を持って行かれないよう、ぐっと握ってこらえますが、こいつ全然集中力ないな。

「歩度を詰め、速歩いきますよ」両方のかかとでぐりぐりやりますが、JRの反応はニブい。「はやあーし」の号令とともに腹を蹴ると、1度目では出ませんでしたが2度目で出ました。前のアルフォンスも苦労はしている様子でしたが、でもわりとすぐ速歩が出ている。さすがMさん、私ならあの馬先頭で速歩を出すのなんか、1周くらいかかっちゃうかも。
速歩で勢いがつかないと、止まりたくなるJR。詰めた速歩というのは苦手みたい。前のアルフォンスが詰めて詰めて速歩をしているみたいなので、全然離されないのはいいのですが、ちょっと追いつきそうになると自分で止まろうとする。できるだけ隅角を大きめに回して、止まらずに済むようにします。
この部班は3頭とも重いと思っていたら、一番うしろのウィンダムが今日は調子いいらしい。ウィンが追いついてきそうになると、JRが派手に耳を絞り、首をひねって振り返ろうとしました。あーあ、また怒ってる。怒ってもいいけど、振り返ろうとするのはヤメてよ、動きがヘンになるから。両脚でどっかり蹴って叱り、走らせます。

速歩で走っていると、前のMさんは拳を広げ気味にして、何か試しながら走っているような雰囲気。K野さんも細かい指導をしているようです。あれはきっと、ハミ受けの練習をしているんだな。
私はと言えば、ハミを受けるなんて程遠く、しょっちゅうJRに首を下げられそうになっては、手綱をぎゅっとやって叱っている(つもりだけど、JRは叱られてるって分かってくれてるのかな)。手綱の位置がおかしいのかなぁ、強すぎるから逃げようとしてるのか、ゆるすぎて遊びたくなっちゃうのか、全然分からない。でもこの子で、全然首を下げられずに、ふわふわした手綱の感じを経験したことがあるので、ちょうどいい位置というのがあるはずなんだ。
一度、ふっと手綱がゆるくなったような感じがあって、それがJRがハミを嫌って首を上げたせいだと思った私は、手綱をすこし絞りました。
でもその後、首を振ったりするので、それでは手綱はきついらしい。うーん、ちょうどいい位置ってどこだろう?
かたや私の前でハミ受けの練習をしているMさんは、「馬の口と相談してください」と言われている。ひょえ〜、Mさんレベルになるとあんなこと言われちゃうんだ。
しばらくそうやって、悩みながら乗っているとK野さんに言われました。「馬とケンカしないところ見つけて下さいね、ハミを受けたところっていうのは手応えがなくて不安になっちゃうかもしれませんけど、それは大丈夫ですからね」あれっ。私がさっき迷ってたの、ばれてたんだなぁ。ってことは、私がさっき緩いと思った手綱は、JRがハミを受けようとしていたんだろうか?だとしたら悪いことしたな。
「そいつ体大きいですから、ほかの馬より大きめに考えていいですよ」そうか、なるほど。ちょっと緩めでいってみよう。


それにしてもJR、よく耳を絞る。隣の馬場のコスモとラチ沿いにすれ違うと、ものすごく耳を絞ってる。コスモ気が弱いんだから、いじめないでちょうだいよ。耳を絞ろうとしたときには脚で蹴っ飛ばすか、ムチを入れて叱ることにしますが、それでもすれ違うたびに飽きずに怒ってる。そろそろすれ違うなー、と思いながら速歩していると、反動がおかしくなると同時に耳が倒れます。きっと怒る方に意識がいって、足下がばたばたになっちゃうんだろうな。困ったヤツ。
しかもあとから相方に聞いたところによると、相方のウィンダムはもっと他馬に対して怒る馬なので、隣の馬場のコスモちゃんはJRににらまれたあと、ウィンダムに首をひねってぐいーっとにらまれていたそうです。かわいそうに。
ほかにも、巻き乗りのたびに後ろのウィンダムに向かって耳を絞っているし、もーほんとに、いいかげんにしてよ。

JRは反動は少ないので、速歩の正反動は楽にとれます。でもとれる気になっていただけのようで、「体、もっと後ろですよー」と言われてあわてて上体を倒します。
「太ももで乗らないで下さいね」あ、また言われちった。太ももでしめつけている感じになっているので座骨で乗れてないし、体も跳ねやすいらしい。「もうちょっと足開けませんか?JR太いから難しいかもしれませんけど」「うん、難しいよぅ」と言いながら、ちょっと股関節を開いてみます。いてー。
「ずっと下見てていいんで、自分の拳見ててください。そしたら拳がどうして揺れるのか分かるはずですよ」軽速歩ではだいぶ安定してきたと思うんだけど、確かに速歩では反動にもってかれて拳が上下しやすいらしい私。素直に自分の拳を見ながら速歩をしてみたら、これって意外とこわい。前が見えないっていうのもあるけど、馬の動きが目に入らないのも不安なので、すぐやめちゃいました。

速歩から停止、ふくらはぎを軽く締めながら拳を控えると、いい感じで止まりました。そこから常歩で歩いていると、「そんなに自分からお尻動かしちゃダメですよ」と苦笑しながら言われました。これはY先生の言う、「上体で揉んでいるorあおっている」と同義語なんだろうな。なんとかお尻を動かさないようにがんばってみます。
何度か常歩→停止の練習をし、「じゃあ手綱伸ばして。お疲れさまでした」あら、もう終わりなんだっけ。沈静化で数周し、馬場中央に並べて挨拶、下馬。
馬繋場につなぎ、JRは今日はまだお仕事が残っているので蹄の裏掘りだけして馬房に戻します。馬房の扉を閉めてから、昼飼いの桶を突っ込んでやると、ずーっと顔を桶の中に突っ込んだまま脇目もふらずに食べていました。馬場でもこれくらい物見しなかったらいい子なのにねぇ。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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