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(2003.3.1 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
鞍数外→
今日は、友達のKちゃんと一緒に日の出へ。Kちゃんは馬事公苑の試合なんかもばんばん出ている上級者で、普段の練習は馬場選手として一人で乗ることがほとんどだそうですが、日の出を見学したいということで、「たまには部班も」と、一緒に行くことになりました。
しかし家を出ると、ぽつっと雨が。天気予報は午後から雨ということでしたが、まぁ行けばどうにかなるんじゃないかと、Kちゃんと待ち合わせて日の出に向かいました。
武蔵増戸の駅についてみると、やはり時々思い出したように雨が落ちてきます。

倶楽部に到着してホワイトボードを確認すると、11時から騎乗する相方と私はそれぞれハイセイコーJRとモンブラン、14時からビジターで騎乗するKちゃんはロッキーになっています。
一緒に着替えをして、Kちゃんはビジター申し込みの手続きがあるので、クラブハウスへ。私はモンブランの馬房へ向かいます。
「モーンちゃん」と声をかけると、扉におしりを向けていたモンブランが体の向きを変えて、顔を出しました。あ、馬着着てるってことは、誰も下乗りしてないんだな。誰かやってくれないかしらん。
扉を開けて中に入ると、真っ正面から鼻をこすりつけにくるので、そのまま無口を付けます。

馬繋場に連れて行き、馬着を脱がせて蹄の裏掘り、ブラシかけ。ブラシをかけていると、繋がれている鎖に歯を立てて遊んでいるモンブランの耳が、すこぅし倒れているように見える。「何?」と聞くと、私を見て耳の位置を普通にするのですが、またわずかに耳を倒しながら鎖をかじっています。遊んでいると思っていたけど、もしかして鎖がキライなの?それとも遊びに夢中になると、耳を伏せ気味にしちゃうのかな。
装鞍をし終わると、ちょうどレッスン開始5分前。まだちょっと早いかな、と思って馬場の方を見に行くと、もう他の馬が出始めていたので、私もモンちゃんに頭絡をつけ、馬場へ連れ出します。

馬場へ出ると、もう他のメンバーは騎乗してしまっていました。K野さんが持ってきてくれた踏み台で騎乗。K野さんに腹帯を締め直してもらい、鐙の左右の長さが合っていなかったので合わせます。
今日の部班は4頭、ロッキー、アルフォンス、相方のJRと私のモンブランです。
全員が揃ったところで、指導のK野さんが「じゃあモンブランから」と言い、私が蹄跡に馬を出すと、ロッキーがつられたのか動いてしまい、「志願したから、次ロッキーね」と言われてしまっていました。JR、アルフォンスと続いて、左手前で蹄跡に出ます。

常歩をしながら見てみると、Kちゃんの姿がクラブハウスにない。馬房でも見て回っているのかな、と思っていると、馬繋場からもう1頭出てきました。あれ、Kちゃんも一緒だ。出てきた栗毛の馬は、JRじゃないからコスモだ。コスモは来週に試合を控えているので、まさかビジターのKちゃんに出さないだろうと思い、Kちゃんにもそう言っていたのですが、予約の14時まで天気が保ちそうにないから、時間を繰り上げてこの時間に空いている馬ということで、乗せることにしたんでしょう。
というわけで、部班の一番後ろにKちゃんのコスモがつき、5頭部班になりました。

今日は前の時間もレッスンがあったので、蹄跡がしっかり掘れています。蹄跡ができてしまっていると、どうしてもそこから外れたくないモンブラン。隅角よりだいぶ浅めに蹄跡ができているので、できるだけそれよりも外めを歩かせようと思うのですが、手綱で外に出そうと思うとものすごく反抗する。脚で外に押し出しているつもりなのですが、左手前だとやはり私は上手くない。あんまり反抗させてイライラさせても、お互い大変になっちゃうもんなぁ。
常歩のまま、「左へ進め」左の手綱をちょっちょっと引っ張って、内方脚を強めに使うと、ちゃんと曲がっていきました。つぎの半巻きもきれいに回れたのですが、その次にクラブハウスとトイレの間の隅角で「斜めに手前を換え」で、左手前から右手前へ換えようとしたとき、ものすごく反抗されました。でもここで負けてはいけないと、こっちも頑張って脚を使います。やっぱり左の脚の使い方はあんまり上手くないんだけど。
ようやく曲がってくれたときには、すでにクラブハウスを通り過ぎていました。曲がれたはいいけど、ここから斜めに手前を換えるとかなり無理があるから、大回りするかなぁ。「半巻きにしましょう」とK野さん。「は?」するとK野さんは苦笑しながら、「そこからじゃ斜めに手前換えられないですよ」あ、そっか。

「速歩行きますよー」で、手綱をきちんと保持して、脚を強めに使っていくと、モンブランも既にK野さんの号令に反応して行く気になっています。
かかとで軽く腹をこすると、速歩が出ました。先週ほどやる気のない速歩ではないけど、あんまり歩度が伸びません。気がつくと、後ろのロッキーの足音がやたら近くて、あんまり近づいてきちゃうとロッキーちゃんをいじめちゃいそう(余談ですが、モンブランとロッキーは同じ乗馬クラブからもらわれてきました。だから旧知の仲のはずなのに、モンちゃんはロッキーに噛み付いたことがあるんです)。軽く鞭を肩に触れると、少し歩度が伸びました。

速歩のまま巻き乗り、進入は少し反抗の気配を見せましたが、なんとか曲がれました。円の半分くらいまで来たところで、「そこからが難しいですからね、うまくまとめてくださいね」とK野さんに言われたそばから、常歩に落ちてしまう。くそー。
しばらく走っていると、モンブランも調子が出てきたような感じだけど、ときどき後ろを気にしながら走っています。たぶん後ろのアルフォンスかコスモ(あるいは両方)が跳ねてるんじゃないかな。間に2頭挟まってるから10メートルくらい離れてるのに、いつからこんなに気が弱い子になっちゃったんだろう。

やっぱり後ろで跳ねていたのはコスモのようで、ついに隊列から離れて、馬場の内側を走ることになりました。
すこし離れて走っているとはいうものの、モンブランは内側にいるコスモのことをとても気にしているようです。すこし内側を走っていて、ときどきゆるい駈歩をしたりしているコスモが近くを通るたび、つられて駈けだしそうなモンブラン。クラブハウスの前あたりでは「かかり気味っ?」っていうくらいがーっと走るし、なんだかいつでも行っちゃいそうだな。
K野さんも、馬場中央でコスモ、蹄跡で4頭を見るのはけっこう大変そう。見かねたY先生が、コスモだけ隣の馬場へ出して、見てくださることになったようです。あらKちゃん、ラッキーじゃん。

コスモが抜け、4頭部班になります。ですが、隣の馬場で運動しているコスモとラチを挟んですれ違うときなど、やっぱり挙動不審なモンブラン。
そうやって軽速歩で走っていると、モンブランが突然ふっとびました。正面に駈け出したのでさほど被害はなく、すぐ止めることができたのですが、今のは心の準備がなかったからびっくりしたな。そのまま常歩に落として、蹄跡を歩かせます。今までやたら挙動不審だったから、やっぱりやったかという感じでしたが、K野さんは「大丈夫ですか?馬はあっちで音がして、びっくりしただけですからね」と、やたら心配してくれました。なんかもう、この子には毎週のようにふっとばれてる。

「モンブランとロッキー、右へ進め」の指示で、馬場中央に入ると「止まーれ。そこで停止しててください」蹄跡には、JRとアルフォンスの2頭。
蹄跡の相方に、駈歩の指示。ですが、なかなか上手く出ません。彼はJRを愛馬にしているし、駈歩練習の半分以上をJRでやっていたはずだから、一番出しやすい馬だと思うんだけど。
ふとK野さんが私のほうを見て、「たかしなさんって今何鞍でしたっけ?」「100、とちょっと」「そっかー…駈歩やんなきゃね」「う。でもこの馬でやるのはやだ」「こいつではやらないですよ、そりゃ」当然のように言われてしまうモンブランって…。余談ですがこの後、K野さんが乗っているのを見ていたら、前肢は正駈歩なのに後肢が反対駈歩という、よく訳の分からない歩様で駈歩をしていました。器用なんだか不器用なんだか分かりませんが、乗馬としては駈歩に向かない馬であることは確かなようです。さすがにK野さんは正しい歩様に直させていましたが、私ならきっとそんな変な駈歩、出されたとたんに落馬する。
駈歩をやったのはJRとアルフォンスだけで、蹄跡に戻って隊列を組み直します。「駈歩のやり方忘れた」という相方(いや、ホントに忘れたわけじゃなくて、コツが抜けちゃったということだろうが…)、そりゃね、冬になってから駈歩してないもんね、私たち。「駈歩やんなかったのは、馬場が凍ってたからですか?」と相方が聞くと、「そうです、危ないから」という返事。I野先生も、「凍ってる間は危なくてさせられない」とおっしゃってたしな。

しばらく軽速歩をして、時間が来たので沈静化。沈静のときには鐙上げをしたいのですが、今日のこの子はあんまり安心できないのでやめとこう。
雨も、すこし粒が大きくなってきたようです。あ、天気が悪いから、馬が過敏になってるって可能性もあるな。時間まで自由常歩をして、馬場中央に馬を並べ、挨拶して下馬。馬繋場へ連れて行きます。
馬繋場につないで鞍を外し、急いで雨に濡れたモンブランのお尻を拭きます。馬の腰を冷やすと良くないと聞いているので。その間に、ゴハンの時間だと知っているモンブランは、がん!がん!というくらいの激しく前掻きを始めました。いつもは怖い声で「モン!」と言うと止めるのですが、今日は止めようとしないので、腹を蹴って叱ることに。前掻きが一番激しくなったところを見計らって、足を振り上げると、モンブランがびくっとしました。あれ、いつもは蹴られても平気な顔しているのに、この反応は何?これで本気で蹴っちゃかわいそうだけど、何もしなかったらただ脅しただけになっちゃうので、「叱っている」ことを分からせる程度に、つま先だけでぽんと軽く蹴ることにしました。
その後も軽く前掻きはしましたが、「モンっ?」と鋭く言うと止めます。今まではもっとおおらかと言うか、悪く言うと図太い子だと思ってたんだけど、最近なんだか萎縮しちゃってるんじゃないのかなぁ。ストレスたまってんのかなぁ。叱りすぎたかなぁ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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