←鞍数外 113鞍目・斜め横足、の真似ごと
(2003.3.15 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
114鞍目→
先週の馬付疲れが抜けない1週間ではありましたが、やっぱり土曜日には日の出へ。家を出るときには曇っていましたが、まぁ天気予報によれば降るとしても午後からだろうから、騎乗している間くらいは、なんとか天気はもつだろう。
ところが、拝島を通過する辺りから雨が落ちてきました。うわー、参ったなぁ。武蔵増戸駅で降りると、やっぱりぽつぽつと小雨が降っています。まぁ馬に乗れないことはないだろうけど、これ以上激しくなりませんように。

倶楽部に到着し、ホワイトボードを見ると、この微妙な天気のせいか予約が少なく、11時のレッスンは相方と私の2名だけ。騎乗馬は相方がリトル・フロスティ、私がウィンダム。どっちも重い馬なので、ふたりとも拍車を使うことにしました。
先週の馬事公苑の試合の写真をみんなに見せたりしていると、すっかり時間がなくなってしまったので、急いで着替えてウィンダムの馬房へ。
馬房の中のウィンダムに声をかけると、柵になっている扉のすき間に鼻を突っ込んでかまって欲しそうにするので、一度鼻を押し戻してから扉をあけます。無口を見せると、ものすごく首を低くして無口をかけやすくしてくれるウィンダム。馬場でもこれくらい素直にしてくれたらかわいいんだけどな、お前は。
引き手をかけて連れ出すと、以前は必ず馬繋場の前で立ち止まって手こずらせたものですが、こっちの馬房に移ってからは素直に馬繋場まで歩きます。馬房から馬繋場までの距離の問題か、周りの景色の問題だったのかな。

ウィンダムは、馬装には全く手がかからない馬です。蹄の裏掘りをしようとすると、自分で勝手に順番通りに足を上げるし、ブラシもまったく嫌がらない。ただ、鞍の腹帯を締めようとすると、お腹をふくらませて反抗するのですが、今日はそんなに反抗されず、一人で腹帯が締められました。いつもは男手がないと締められないくらいだから、ちょっとびっくり。
ハミをかけようとすると、自分から口を開けて待っているような子なので、スムーズに馬装を終えて馬場へ出ます。

馬場へ出ると、K野さんが踏み台を持ってきてくれます。「今日拍車付けてみたんだけどいい? 」「大丈夫でしょう」踏み台に立って左足を鐙にかけると、ずいぶん高い。鐙が短かったんだな、後で直そう。左手に馬のたてがみと手綱を持ち、右手に長鞭を持ちながら後橋をつかんで騎乗すると、「鞭は左に持ちましょうね」とK野さんから注意。今まで、鞭を持って騎乗するためにはどうやって持ったらいいか試行錯誤していたのだけど、右手に持っていると確かに馬のお尻に当たったら危険だな。左手なら、当たっても鞍か肩だから、危険度が低いということか。
乗ってみると、「鐙短いですね」とK野さんが直してくれます。「じゃあ2穴」と言って伸ばしてもらい、腹帯も締めなおしてもらいました。
相方のリトル・フロスティも出てきて、騎乗準備が整ったのでレッスン開始。「じゃあフロスティから出ましょう」ということで、フロスティのお尻がウィンダムの顔を追い越したころ、ウィンダムを発進させます。

常歩で歩き始めると、拍車の効果かさくさく歩けています。途中で停止の号令がかかり、K野さんが近づいてきて「つま先少し内側に向けてくださいね」と、私の足の向きを直します。ってことは、拍車が腹に当たりすぎってことかな。同時に長鞭を取り上げられ、かわりに短鞭を渡されました。
そのまま常歩で歩かせていると、隅角ごとに内側に切れこんでこようとするウィンダム。最初はどうにか戻したのですが、歩くのが早いフロスティから距離が開くと、前についていくことを放棄して勝手に内側に入ろうとする。内方脚で押して外に出そうと思うのですが、やっぱり内側に入りたいらしい。
「また馬にワガママされてますよ」はい…。鞭を入れて叱ってみたけど、反応するのはそのときの1完歩だけで、また言うことを聞かなくなっていきます。
「一度、完全に手綱伸ばしちゃいましょう」と言われ、沈静化と同じように手綱を伸ばします。「最初にビシッとやらないと、こいつ際限なくワガママになりますからね」今までの常歩運動を、1度リセットしちゃおうっていうことなんだ。へぇ、馬が言うこと聞かないときにそういう方法があるなんて。

1周ほど手綱を伸ばして歩いたところで、「じゃあ手綱をちゃんと持ちなおしてください」と言われ、短く持ってハミにテンションをかけ、常歩のやりなおし。ですが、大して言うことを聞くようにはなりません。
「かなり馬にバカにされてますよ」「うん」それは分かるんだけど。いったん停止して、「手綱、ちゃんと持ってて」と近づいてきたK野さん、長鞭を持ってウィンダムの腹の下から3回、ぺしぺしぺしっと懲罰を加えます。ほんの少しびくっとしたウィンダムですが、その場からは動かず。さすが超安全馬。
ついでにそのまま長鞭に持ち替え、常歩を続けます。また内側へささり始めたとき「また馬が内側へ倒れ込もうとしてますよ、外方ちゃんと持ってあげて」と言われて外方の手綱を固めると、ささらずにすみました。やっぱり腹ムチの効果はあったらしい。

左手前で常歩をしていると、前にいたフロスティが隣の馬場とのラチに近づきすぎ、相方の鐙がラチに触れました。ところが、今日はたまたまラチ代わりに障害が置いてあり、鐙が触れたのは障害の横木。ウィンダムと私の目の前に、1メートル弱の高さから横木がごろっと落ちてくるじゃありませんか、ちょっと冗談じゃないわよ! しかも隣の馬場、よりにもよってそのラチのすぐそばにはペルシアンブルーがいる、やばい。手綱を抑えると同時、ウィンダムが真横に飛びすさりました。でも「ほーほーほー」と言うまでもなく、たった1歩だけですぐ落ち着いたウィンダム、ただ足に当たらないように避けただけという感じ。あんたホントに安全だねぇ。これがモンブランだったら、馬場の反対の端まで突っ走っていってしまうでしょう。K野さんも、横木が落ちたのはウィンダムの足下なのに、ラチの向こう側のペルの方を心配してるし。
次の周で、そのびっくりした場所を嫌がるかな? と思いましたが、嫌がることもなく、むしろラチに寄っていきそうな感じ。ヘンなヤツ。

「じゃあ速歩しますよ、手綱ちゃんと持って」前のフロスティが速歩を出したタイミングを狙って、ウィンダムの腹を軽打すると、簡単に速歩が出ました。出たのはいいけど、内にささるのを規制すると、今度は外側に出ようとします。ウィンダムは基本的に内側にささりたい馬なのですが、それをやめろというと今度は外のラチに寄っていき、騎乗者の鐙がラチにぶつかるようにする、これが有名な「ウィンダムの嫌がらせ」。それを今日は、さっき横木が落ちてきた障害の柱に向かってやろうとするので、危険きわまりない。ホントやめてよ、この柱が倒れてきたらさっきの比じゃないぞ。
「外に行くようなら、鞭を外方に持って」とK野さんに言われ、なるほどと思って鞭を持ち替えます。
斜めに手前を換え、右手前に移行すると、なんか歩様がヘン。ちょっと足が痛いのかな。左手前のときは何ともなかったと思うから、右後肢が痛いんだろうか。でも大したことはなさそうだし、と思って走らせていると、すこしずつ治まってきました。ってことはおまえ、ホントに痛いんじゃなくて、「めんどくさいよー」って言ってたんだな。

各個に巻き乗り、小回りのきくウィンダムは巻き乗りは得意なのですが、途中で隣の馬が見えてしまうと、そっちにガンを飛ばす方に気を取られて足もとがおろそかになりがち。ふざけんなよ、と思って腹に長鞭を当てるのですが、鞭の取り回しが下手な私は、3回に1回は自分の脚に当ててしまいます。
各個に半巻きで、私が先頭に。先頭になると、後ろにフロスティがいることが気に入らないウィンダムですが、「だったらさっさと走りなさいよっ」と鞭を入れます。どうもウィンダムは外に寄っていきたくなったようで、左手前で隣の馬場との仕切りをずっと行くと、鏡の前で曲がるよ、と内方の手綱を軽く握っても、そのまま真っ直ぐ行こうとして、鏡の前で止まることになる。曲がる方向を教えてるのに、なんでそっちに行きたがるかなぁ。
「走ってるとき、次の隅角見るようにしてください、下を見ないで」とK野さん、そうか、それかも。速歩で隅角に差し掛かるたび、その次の隅角を見るようにします。たぶんこれって、自分の目線がそっちに行くことで内方姿勢がとりやすくなってるんだろう。それをやると、割と自分の思うように馬を誘導できるようになりました。

ふたたびフロスティが先頭になり、輪乗り。
輪乗りですから、フロスティよりも外めの蹄跡を描かなければいけませんが、内にささりたがりな上に小回りがきくウィンダムは、フロスティよりも内側へ内側へ入ろうとし、フロスティのお尻にくっついてしまいます。フロスティが蹴らない馬だからいいけど、あんた自分がそんなにくっつかれたら怒るクセに。
外側の手綱を開いてウィンダムを外に出そうと苦心している私に、「内方の脚できゅっきゅっと外に押し出して、それ外方の手綱で受けてあげて。外方の脚は少し離してていいから」内方の拍車で、ウィンダムの腹を小刻みにきゅっきゅっとやると、馬体が外に向かってずれていこうとするので、外方の手綱で壁を作るつもりで受けます。するとウィンダムの体が内方に向かってわずかに弓なりになり、自然に内方の手綱が緩んだので、それをちょっと控えながら、内方の脚で刺激をつづけます。これってもしかして、何かひとつバランスが崩れたら駈歩が出ちゃう扶助じゃないの? あ、だから外方使っちゃいけないのか。ものすごく微妙な均衡で保たれている姿勢って感じがする。けど、馬の力を受けるってこういうことなのかも。
「今それ、斜め横足やってるんですよ」「え? うそ! 」「ホントですよ(笑)、だってそのまま前に出たらそうでしょ」うわー、今、馬の歩様が見たい(無理だけど)。

時間が来たので手綱を伸ばし、沈静化。沈静のときでも、フロスティが後ろに近づくと耳を絞るので、内側を自由に歩かせることにします。レッスン中はどうにか保っていた天気も、ぽつぽつと小雨が落ち始めました。
馬場中央に整列し、挨拶して下馬。ウィンダムは午後もお仕事があるので、馬繋場に連れて行き、蹄の裏掘りだけして馬房へ。昼飼いをあげて、自分たちもお昼ゴハンにします。
あとでI野先生から、「せっかく拍車付けてたのに、全然馬体に当たってなかったじゃないか。輪乗りのときの内方はちゃんと当たってたみたいだけど」とのお言葉。あら、そうでしたか。まだ上手く拍車が使えてないなぁ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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