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(2003.5.10 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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天気は良いけれど風が涼しい、初夏っぽい日になりました。今日もいつものとおり、11時の予約で日の出へ。
ホワイトボードで騎乗馬を見ると、相方は美星、私はアルフォンスでした。お互いに、ずいぶん久しぶりの配馬です。アルフォンスの噛み癖が激しくなってから、あんまり配馬されなくなっていたのですが、暖かくなってきたし、ちょっとはおとなしくなってるといいけどな。
アルの馬装には時間がかかることが分かっているので、着替えをして、急いで馬房へ。今までは丸拍車を使っていたのですが、バーゲンで棒拍車を買ったので、どうせアルは重いだろうから使っちゃえ。

アルフォンスの馬房へ行くと、夏用の虫除け馬着を来たアルフォンスは、扉越しにこっちを見ていました。扉を開けて、無口を近づけると、さっそく無口をぱくっとくわえましたが、噛みついてくる気配はなさそうだな。無口を口から外させて、無口をまたくわえようとするアルには引き手の先をくわえさせ、その隙に無口を装着。そうしておいて、引き手をつけて扉を開けると、おとなしく引かれて外へ出ました。
馬繋場に入る前にいったん立ち止まるのもいつものクセですが、今日は押しても引いても動かないということはなく、ちょっとお尻をたたくとすぐ動きだし、馬繋場へ。
馬繋場につないで、さてこの馬着を脱がせなくては。まず首にかかっている部分の金具を外していると、私の左の二の腕にがぶーっとアルが噛みつきました。噛みつくというか、肉がやわらかいところを選んで噛んで引っ張ってみたという感じ。このー、やりやがったな。即刻お仕置きとして、お腹を平手でぶったたきましたが、馬着ごしだから別にこたえてはないみたい。くそー、こっちの手の方が痛かったじゃないか。

また噛まれたくないので、なんとなく及び腰で馬着の金具を外し、脱がせようとしたら何か引っかかる。見ていたK野さんが、「胸前胸前、一番大事なところが外れてないですよ」噛まれたくないあまりに首周りに近づかなかったのがアダになって、胸前の金具を外すのを忘れておりました。「ヤダよー、噛まれるよー」と騒ぎながら金具を外しにかかると、さっき叱ったのが多少なりとも効果があったのか、噛もうとはしませんでした。
馬着を脱がせて蹄の裏掘り、ブラシかけ。首周りや肩のブラシをかけるときは、振り返って噛みついてこようとするアルですが、本来嫌がりそうな帯径(おびみち)や腹の下では全然反応しない。要するに、自分の口が届く範囲なら噛みにいこうかなー、とか思ってるんでしょあんた。
ブラシを終えて、汗取りのタオルと毛布、ジェルパッドを置いてから、鞍を取りにいったら、アルの鞍置きが空。スタッフのK村さんがいたので、「アルの鞍がないんだけど」と言ってみると、「あー、そうだね。フロスティの使ってて」ということなので、フロスティの鞍を借ります。

装鞍も終わって、いよいよ最後の難関、ハミかけ。K村さんに手伝ってもらおうかな、と思った瞬間に、彼は軽トラックで出て行ってしまったので、もう一人でやるしかないなぁ。
相方に「先にプロテクター着けた方がいいんじゃん」と言われ、人のプロテクターのことかと思ったら馬の前肢のほうでした。そうそう、忘れていた。
それも着け終わって、もうやるしかないんだけど、他の馬はもう馬場に出始めているので急がないと。無口を外すところまでは、別に噛みつく気配もなくおとなしくしています。そこで頭絡を口に入れようとすると、待ちかまえていたように頭を高く上げてしまう。絶対分かってやってるよなー、こいつは。「アールっ」と声に出して叱りながら、どうにか頭絡の額革でアルの鼻をつかまえ、頭を下げさせて再チャレンジ、でももう少しというところでやっぱり頭を上げる。すると馬場の方で、コスモに乗っているTさんが「アルのハミやってあげてよ」とK野さんに頼んでくれている声がする。うれしー。
K野さんが馬繋場に上がってきて、頭絡をかけようとしている私とアルの正面に立って手をかしてくれました。これだけでもアルは突然いい子になるんだよね。それでどうにか頭絡をかけ、馬場へ出ます。引き手を引く私の手が噛みたいようですが、そうはさせるか。

今日の部班はコスモ、ロッキーと相方の美星、私のアルフォンスの4頭です。馬場の中央に馬を止め、A木さんが持ってきてくれた踏み台で騎乗。腹帯も締め直してもらい、鐙がかなり長かったので1穴短くします。
全員の準備ができたので、指導のK野さんから指示されたとおり、美星、ロッキー、アルフォンス、コスモの順で蹄跡に出ます。拍車で軽く押しても前に出なかったので、もう一度強めに入れると前に出ました。左手前で常歩をはじめます。
アルフォンスに拍車を着けて乗るのは初めてですが、いやー効くなぁ、拍車。前はあんなに苦労していたアルフォンスの常歩、簡単に歩度が伸ばせる。先週はJRをぜんぜん前に出せなかったのだけど、馬が前に出るっていいなぁ。ちゃんちゃんと首を使って歩けていて、これならいつでも速歩に移行できそう。ロッキーに追いつかないためと、馬の力をためておくために、少し手綱を強めに持ちます。

「歩度をつめ、はやあーし」ほんの少し、拍車を内側に向けただけで速歩が出ました。今の速歩発進、自分でもなかなか良かったぞ。すぐ軽速歩の指示が出たので、軽速歩をとります。あれー、アルってもっと重い子じゃなかったかな? 今日はけっこうやる気があるみたいで、前のロッキーちゃんのお尻をつつきそうな勢い。この子はいくら勢いを殺しても速歩が出来るので、できるだけつめて速歩します。それでもロッキーに追いつきそうなので、隅角をきっちり回して距離をとりますが、これもすごく素直に隅角ぎりぎりを回ってくれます。これはかなりいい感じ。
「かかとちゃんと下げてくださいね、拍車が効きすぎるから」あぁ、そういうこともあるか。かかとを下げて、つめて速歩。
先頭の美星もかなりよく動けているみたいで、美星と2番騎ロッキーの間がけっこう開いています。K野さんの指示で、ロッキーは巻き乗りして私の後ろ、私が美星の後ろに入って2番騎になりました。美星はけっこう先を行っていたので、前との距離が5馬身くらい開くことになります。「アルフォンス少し歩度伸ばしてー」ちょっと両方の拍車で腹をこすると、アルの耳がぴょこんと反応して私に向き、すっと歩度が伸びました。ぐぉん、という勢いではないから別に怖い感じはない。「それくらいでいいですよ」とK野さんにも言われたので、これ以上伸ばさずに保持。

「軽速歩のままでいいですから、巻き乗り」と言われたけど、巻き乗りっていうのはやっぱり速歩に落としてやるものだよな、と進入から速歩に落とします。内方の拍車で押してやると、あまり手綱を控えてやらなくても外に出てくれるので、外方の手綱で受けながら巻き乗り、いやーアルって乗りやすいわ(たぶん、昔の日記にはアルにさんざん巻き乗りで止まられて、乗りにくいとか書いているような気がするんだが)。
でも途中で、K野さんに「軽速歩でいいですよ」と言われてしまう。どっちかといえば速歩でやりたいんだけどなー、と思いつつ、軽速歩。

K野さんの指示で速歩に落とすと、お尻がぼんぼん跳ねる。ずいぶん座れるようになったつもりでいたけど、それは馬によるものだったらしいです。うわーん、アルフォンスならもっと歩度をつめれば座れるんだけどなー、でもあれをやるとスピードが落ちすぎて、部班の迷惑だし。「もう少し馬の背中のこと考えてくださいねー」「そ、それは座れって言ってる? 」「そう」背中でどんどん跳ねられているのに、文句も言わず速歩を続けているアル(私が拍車を使っているせいだけど)、ごめんよー。

常歩に落とし、馬場中央に入ります。コスモ、美星と順番に蹄跡に出て駈歩。ロッキーに騎乗している方はまだ駈歩を習っていないので、次は私の番。美星はまだ蹄跡にいましたが、「アルフォンス蹄跡に出て、左手前で」前にアルで駈歩をやったときには、他の馬の後ろにくっついて出させてもらったという感じだったから、今日は美星の後にくっつかせてもらうのかな、と思ったら美星は馬場中央に入ったので、そうではないらしい。もう今さら、誰かの後にくっついて出させてもらうなんて甘いことはさせてもらえないか。
「まず軽速歩して」中央に停止している間に馬が伸びちゃってるから、もう一度ちゃんと動かしてからということだと思うのですが、今日のアルフォンスは割とすぐつまるみたい。すぐ常歩に落として、「じゃあ駈歩いきましょう、鞭は外方に持って」隅角から、と思って一番近い隅角に持っていき、内方脚をきゅっと入れると、ぽんと駈歩が出ました。この子で駈歩をやるのはすごく久しぶりだけど、こんなに簡単に出る子だったっけな? ほとんど内方脚だけで、外方脚を使わなくても出る、悪い言い方をすればいい加減の扶助でも簡単に出そう。今の発進ってものすごく楽だったし、鞍からお尻が離れないし、また駈歩がちゃんと続く。なんか駈歩が楽しいぞー。隅角のところで、「そんなに内に倒れ込まないの」とK野さんに注意され、そうか、隅角通過ってちょっと気にしすぎか。ちょっと立て直そうとしたところで、アルが速歩に落ちました。ほぼ2周したところだったので、「半巻きして、手前換えましょう」
右手前で駈歩発進、あれ、速歩になっちゃった。次の隅角からもう一度駈歩発進しますが、また速歩。考えすぎるとできないのかな? その次の隅角、トイレ前のところでもう一度チャレンジすると、ようやく駈歩が出ました。でもなんかぎこちないなぁ、変な反動。そのときK野さんが、「何かヘンだと思いませんか? 」…あっ、「これって反対駈歩!? 」「そうです、その反動覚えておいて」なんだか、内方の座骨を突き上げられるような、駈歩してて気持ちいいとは言えない感じ。それでも駈歩が続くのが不思議なところだけど。しかも反対駈歩のまま、隅角通過してるよ。辛くないのアル?
「止めて、もう一度ちゃんと出しましょう」常歩に落とし、次の隅角から駈歩発進。今度はちゃんと内方を意識させよう、と思ったけど、速歩が出て失敗。「どこ見てるんですか、下見ちゃダメ」あ、気にしすぎてた。次の隅角から再度チャレンジ、駈歩が出ました。鞍から伝わる反動を意識していると、今度はさっきの変な反動とは違う、乗りやすい反動だから、反対駈歩ではないはず。なにしろ内方の座骨がラクだ。
止まらずに1周できたし、アルフォンスの駈歩っておもしろい。ゆったりしていて動きを合わせやすいし、1歩目がふわんと出る感じ。でも相方はアルの駈歩はやりにくいというので、これは相性の問題なのかもしれません。

駈歩を終わり、蹄跡に戻って部班を組み直し、軽速歩。「もっと手綱短く持って、馬に引っ張られてもそこで我慢して。そうやってたら、そいつ簡単に首下げますからね」小指と薬指の間が少し痛くなるくらいに手綱を強く持って、軽速歩を続けますが、なかなか首の下がる気配がない。「譲らないでちゃんと持って、我慢して」それでも下がらないなぁ、ダメかなぁ、と思ったとき、アルフォンスの首がすとんと下がりました。お、これが屈撓してる状態? 「手綱そのままで、その状態なら座れるはずですから、速歩」速歩に落として、鞍に座りにいくと、さっきぼんぼん跳ねていたのがウソのように座れます。いやーこの子、いろんなことができておもしろいなぁ。

時間がきたので、手綱を伸ばして沈静化。しばらく歩かせた後、馬場中央に馬を並べて挨拶、レッスン終了です。
下馬して鐙をまとめていると、K野さんが「引いていくのはー…今日はよく動けてたんで、絶対噛みますから、僕引いていきます」よく動けてたっつーのは嬉しいけど、だったら噛むのか、こいつは…。レッスンが終わると、鼻息ふんふん言わせて、私の肩にあごを乗せんばかりにしてついて歩いてきていたお前は、どこに行っちゃったんだい。
アルを引いていくK野さんの後ろ、馬に蹴られない程度に後ろをついて馬繋場に上がりました。K野さんが、K村さんと「目ぇ向いて駈歩してましたよ」と言い合っていたので、「それアルのこと? ほんと? 」と聞くと、どうやらほんとらしい。そんなに一生懸命駈けさせた覚えはないのだが。
アルは午後もお仕事があるので、蹄の裏掘りだけして馬房に戻します。馬房まで引いていく間に噛まれるかなー、と思いましたが、それはしないらしい。馬房に入れると、彼はほとんど自動的におしっこが出るので、その間に無口を外して昼飼いをあげました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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