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(2003.5.17 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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前日までの天気予報では土曜日は晴れるはずだったのですが、朝起きてみるとどんよりと曇っていました。今日は13時の予約なので、12時すこし前に武蔵増戸駅に到着。あらら、小雨が降っている。
倶楽部に到着してホワイトボードを確認。今日は障害レッスンも入れている相方は、馬場ではジュンヨー、障害はホクト。私は馬場1鞍のみで、ロゼッタです。
13時の馬場レッスンは5頭部班。いつもの指導のK野さんは外乗に出ることになっていて、あれっ? と思ってボードをよく見ると、指導はI野先生でした。昨年末に先生が腰を痛められてから、1鞍フルにレッスンを見てもらうことはなかったので、けっこう久しぶり。

ロゼッタはごはんを食べるのが遅いので、あんまり早く迎えに行ってもごはんが終わっていないかも。昨日までの雨で馬場が湿っていて、午前中に騎乗していたTちゃんが「今日は革長ダメですよー」と言っているので、今日はショートブーツとチャップスで乗ることにしました。ロゼッタだから、当然棒拍車で。丸拍車とアーム(ゴムの滑り止めのようなもので、拍車にかぶせて使う)がさんざん「効いてない」とK野さんに言われているし、今日は棒拍車にアームを着けずに使ってみることにします。
12時半、ロゼッタの馬房へ。馬房の入り口に立ったときから、ロゼは馬房から首をつきだしてじーっとこっちを見ています。私が「ロゼー」と呼んだのが分かるのか、単に「だれかきたー」と思って興味を持っただけなのか。無口を引き手を持って、馬詮棒ごしに無口をかけると、その隙に引き手をしゃぶって遊ぶロゼ。馬房の中をふと見ると、飼い桶にまだおからが残っているんだけど、本人は全然見向きもしない。食が細いから、もう食べ飽きちゃったのかなぁ。ちゃんと食べてスタミナつけて欲しいところだけど、時間も時間なので、そのまま引き出します。

外乗に出る2頭と、レッスンに出る5頭で、馬繋場は混んでいました。まず蹄の裏掘りから始めますが、あーあ、こんなに蹄の中にボロを詰めて。しかもボロの上に寝転がったらしく、右のトモにべっとりとボロの色がついています。せっかく白い馬体なのに、本人は全く無頓着に汚してくれる。繊細そうに見えて、実はかなり図太いんだよねぇ。ブラシをかけ終わり、装鞍を始めます。その時点でまだ馬繋場が空いていなくて出せない馬がいたのですが、外乗の2頭が出ていき馬繋場が空きました。私が使っていた馬繋場は馬房への出入り口にも当たっているので、「たかしなさーん、鞍着け終わったらロゼッタ奥に移してくださいね」というK野さんの指示に従い、馬繋場を替えます。
するとそこにA木さんが、ロゼの頭絡とマルタンガールを持ってきてくれました。「あ、忘れてた」「でしょ」マルタンガールは腹帯に通すものなので、鞍を着ける前に着けなければいけないんでした。腹帯を外して、やりなおし。

装鞍を終わり、周りを見るとけっこうみんな頭絡を着けた上から無口をつけて待機しているので、私もそうしておこうと思って、ロゼッタに頭絡をつけます。ハミを噛ませて、勒をつけてみると、なんだか頬革がねじまがっている。着けたまま直せるかなぁ、と思ってがちゃがちゃやってたら、隣でアルフォンスをつないだままのT中さんが見に来てくれて、「これは外さないとダメだねぇ」ということで、いったん頭絡を外し、T中さんに見てもらいます。ロゼの鼻を押さえたまま待っていると、T中さんは「私じゃダメだわ、これ」と、A木さんを呼んでバトンタッチ。A木さんに直してもらった頭絡を受け取って着け直すと、もう他の馬はほとんど馬場へ出ていたので、私も急いでグローブと長鞭を拾い、ロゼを連れて馬場へ。

馬場の中央に出て、マルタンガールをハミに通していると、A木さんが踏み台を持ってきてくれたので、補助を受けて騎乗。腹帯を締め直してもらいましたが、「もう1穴いけると思うけど、動き始めてから締め直してもらって」。鐙の上に立ってみると、鐙革が少し短く思えたので、1穴ずつ長くします。そこへI野先生がいらして、もう1回腹帯を締め直してくれました。
他の馬の準備ができるのを待っていると、ロゼッタがとことこと前に出ようとします。珍しいな、馬場中央に立っているときには銅像のように動かない子なのに。もしかして拍車が当たりすぎなのかな、と思って、少し拍車の高さを下げます。
5頭が揃い、I野先生の指示で、コスモ、ロゼッタ、ハイセイコーJR、アルフォンス、ジュンヨーの順で蹄跡に出ます。

左手前で常歩で歩かせてみると、さっき拍車が効きすぎと思ったのは気のせいだったらしい…。ぜんぜん前に出ないし、油断するとすぐ首をだらーんと伸ばそうとする。そうじゃないでしょ、と拍車を使うと、一瞬だけ反応はするけど、またすぐだらけようとします。えーい、意地でもコスモに追いついてやる。Y先生が「最初にすべての扶助を使ってでも、常歩で前に出すことが大事」というようなことをおっしゃっていたのを思い出して、少しずつ拍車を強め、鞭を使い、最後には舌鼓も使ってロゼを前に出します。よしよし、だんだん元気よく歩けるようになってきたぞ。最初は前のコスモから離されがちだったのですが、ちゃんとついていけるようになってきました。
コスモに騎乗していたTパパさんがあとで言うには、「ロゼッタがちゃんとついてきてるよー、そんなバカな」と思っていたらしい。

今日の馬場は、中央の仕切りがなくて、隣の馬場との境目の隅角にあたる場所にパイロンが置いてあるだけ。トイレ側の蹄跡は砂が吹きだまっていて、ロゼッタは足をとられやすいので、あんまり使いたくないな。そう思いながら歩かせていると、先生が見学の人たちに手伝わせて、クラブハウス側のラチから1メートルくらい内側に、ラチと平行に障害の仕切り板を並べました。これで蹄跡がすこし内側に狭くなりました。先生が見学の人たちに「コスモがな」とおっしゃっているので、クラブハウスのにいる人の声にコスモが過剰反応してしまうから、クラブハウスから遠ざけたということみたい。
常歩でも、隅角をきっちり回したいし、ロゼッタはそれにきっちり応えてくれる馬なので、隅角では内方脚を使い、さらに外方脚をきちんと引く、ということをいちいちやってみます。常歩だから余裕あるし。おりしも先生が、「隅角回るときも、巻き乗りと同じでちゃんと内方を使って、外方を引くんだよ」とおっしゃっている。先生に言われる前にできたので、ちょっといい感じ。
馬場の中央に立っていらした先生が、ふとクラブハウスの方に歩いて行かれました。あれ、それってもしかして、外から外方脚を見ようとされてるんですか。うへー、緊張する。私は特に何も言われなかったので、全然ダメではなかったみたいだけど。

「歩度をつめ、はやあーし」で、速歩を出そうとしましたが、1歩目で出ない。2歩目では出ましたが、今の発進は納得いかんな。走り始めてもやっぱりだらけているので、積極的に拍車と鞭を使って前に出していきます。斜め手前変換のとき、蹄跡に出るところでいつもだらけるので、そこで鞭を持ち替えたついでに片手手綱で内方の拳を自由にし、強めに長鞭を入れると、きれいに歩度が伸びていきます。お、エンジンかかってきたじゃん。
巻き乗りでも止まらないし、ロゼッタ自身は調子が上がってきているのですが、なぜか後ろにいるJRに抜かれそうになる。ふだん重いJRなのにすごいなぁ、と思っていたのですが、どうもJRは蹄跡より内側を回るクセがあるので、かなりショートカットしているようで、隅角で並びかけられそうになってしまいます。「ロゼッタ、少し内周りしてあげなさい」という先生の指示で、隅角をきっちり回すのをやめて、内回り気味に。すると前のコスモのお尻を突っつきそうになるし、難しいところだな。
前を行くコスモが、ショートカットするのに隅角を丸く回るのではなく、隅角より手前できっちり曲がり、長蹄跡を少し内側にずらすようにして、長蹄跡と並行に走っています。そうだ、隅角を丸く曲がるよりも、馬場としてはその動きのほうが正しいや、さすが。さっそく真似をしてショートカット。

「斜めに手前を換え、線上歩度を伸ばせ」蹄跡から、馬場の内側に入るところでいったん勢いが殺されるので、そこから拍車と鞭を使って追っていきますが、馬がだらけずにすんだという程度で、歩度が伸びた手応えがない。
3度ほど連続で同じことをやったあと、蹄跡で停止。I野先生が、「いいか、線上で歩度を伸ばすためには、線上に入ってから追ったってダメだぞ。曲がる前、蹄跡のここらへんからもう、『行くぞ、行くぞ』ってやって、線上で前に出すんだ」と、両手を脚に見立てて、かかとで馬の腹を圧迫するジェスチャーをします。「線の真中まで行けば、あとは惰性で走れるから、そこまでちゃんと追って」。
再度速歩を出し、斜めに手前を換え。言われたとおり、蹄跡から追いながら手綱を控え、馬をつめてつめて、手前を換えたところで手綱を許してみると、ぽんと歩度が伸びました。ロゼッタの速歩で、こんなに前に簡単に出るのは珍しい。この子は伸長速歩ができる子だけど、なるほど、これをもっと上手くできれば伸長になるんだろうなぁ。

「先頭から列へ」で、先頭から馬場中央へ入ります。「駈歩やるぞ、コスモから蹄跡へ」順序から言えばコスモの次は自分なので、それまでロゼッタがだらけないようにしておきたいところ。前にロゼッタで駈歩をやったとき、鞭を外方に持ったら駈歩が出しやすかったので、あらかじめ左手前で外方になるよう、右手に持っておきます。
コスモがゴズモに変身(いれこんじゃって変な動きをすることがあって、そういうときのコスモちゃんはそう呼ばれています)してしまったので、コスモの駈歩は後回しになりました。するとロゼと私の番。できれば蹄跡からすぐ駈歩ができるようにしておきたいので、馬場中央で停止から速歩発進をし、速歩で蹄跡まで出ます。常歩でだらだら出ると、駈歩を出すのに手間取ることが最近分かってきたので。
左手前で蹄跡に出たところでいったん常歩に落とすと、先生に「よし、そこから駈歩」と言われましたが、どうしようかな。ここはまだ直線だし、できれば次の隅角から出すほうが楽そうだ。隅角まで常歩で持っていき、隅角で内方姿勢をとらせたところで内方の鐙をぎゅーっと押すと、ぽんと駈歩が出ました。今まで、最初からこんなに簡単に出せたことはないので、ちょっとびっくり。駈歩が出てみると、ちょっとロゼッタにしては速いような…。珍しく勢いのある駈歩で、前に出ているからよしとするべきか、それとももうちょっと抑えるべきかなぁ。ロゼッタの駈歩は、1完歩ごとに上に向かって上がってくるような反動で、お尻がいちいち跳ね上げられます。やばいなぁ、この調子でお尻が跳ねてると、いずれお尻の落ちどころが悪くて踏歩転換されちゃうよ、と思っていたらやっぱりやられました。ごめんロゼッタ、私が悪かった。

ふたたび駈歩発進をするため、隅角まで常歩。そこの隅角から絶対に駈歩を出す、と決めて、隅角に来たところで内方脚を強く使うと、今度もすっと駈歩が出ました。発進はすごく良くてうれしいんだけど、やっぱりずいぶん速いな。この勢いで隅角曲がれるのかよ、私。ラチがあるところはラチに頼って曲がれるけれど、今日は隣の馬場との間にラチが設置してなくて、隅角にパイロンが立ててあるのみ。パイロンの外を回ると、このまま隣の馬場に突っ走ってしまいそうに思えましたが、内方の手綱を控えて外方の手綱を張り、自分の体のバランスも内方に沈み込ませるようにすると、ちゃんと曲がってくれました。良かった。そのまま走らせていると、どんどんお尻が跳ねていく。どうにか動きについていこうと思うのですが、全然ダメで、結果的に1周弱でまた踏歩転換され、馬を止めます。先生からは、そこでやめろとも、続けろとも指示がないので、これは自分の判断でどうにかしなくては。手前を換えようかなとも思いましたが、そのままもう一度駈歩発進。今度も発進だけは良かったのですが、やっぱりお尻が跳ねまくる。前回はそんなに跳ねなかったと思うから、これはスピードが出過ぎているせいなんだろうか。抑えればもう少し座れるのかな。
またもや踏歩転換されて停止すると、先生から「手綱がゆるいから前に出ちゃうんだぞ。もう少し控えてみなさい」なるほど。あんまり手綱を強く持って馬の首を固めちゃうと駈歩が出しづらいかなと思っていましたが、ちょっとやりすぎだったらしい。2センチほど手綱を短く持ち、隅角から駈歩発進をすると、ふわんと駈歩が出て、しかも穏やかな駈歩。おぉ、これなら座れるではないか。「今の駈歩はすごく良かったぞ」馬場の駈歩っていうのは、こういうものだよね。でも今日は、駈歩発進が自分の決めたところからきちんと出せたので満足。

全員がひととおり蹄跡で駈歩をし終わったころには、もうレッスン終了時間だったので、蹄跡に戻ってそのまま沈静化します。手綱を伸ばして歩かせていると、先生が「鐙脱いで」とおっしゃるので、鐙を脱いで常歩。「そのまま、片手で自分の足首持ってごらん」手綱を片手で持ち、内方の脚を持ち上げて足首を手で持ちます。確か前にもA木さんにこれをやらされたけど、座骨の位置を確認するのにいいとかじゃなかったかな。内方でしばらくそのまま歩いて、今度は外方に替えて同じことをしました。
沈静化を終え、馬場中央に馬を並べて挨拶、下馬。馬繋場が混んでいたので空くのを待って、馬繋場に上げます。ロゼッタはまだお仕事が残っているので、蹄の裏掘りだけして馬房に戻しました。いや、今日のロゼはよく動いて楽しかった。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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