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(2003.5.24 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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13時の騎乗予約で、11時半すぎに武蔵増戸駅に到着。駅から歩きながら、「今日はどの子かなぁ」「あたしはロゼッタだな、たぶん」「俺はアルフォンスかジュンヨーかな」と言いつつ倶楽部に到着。ちょうど前のレッスンが終わるところで、ホワイトボードを見ると相方はジュンヨー、私はロゼッタ。予想どおりでした。
クラブハウスに入ると、「いらっしゃいませー」テーブル全体に乗馬用品が広げられ、「うわー、なんかお店開いちゃってるよ」。そういえば、今日は世田谷の馬事普及さんが馬具の出張販売に来てくれる日でした。
I野先生が私を見つけると、「来てるぞ、トロフィー」とおっしゃいます。先日のララミー牧場での競技会で、同じ倶楽部のAちゃんと3位同点入賞だったのですがトロフィーは1つしかなく、ララミーの若先生がわざわざもう1つ作ってくださるという約束だったのです。
それが届いたというので、先生は大乗り気で「じゃあ表彰式しような」と、クラブハウスのウッドデッキに出てトロフィー授与式をやってくれました。私も悪ノリして、「もう4位じゃないんだー」と感涙にむせぶ、ふり。

騎乗前にお昼を食べるとおなかが重くなってイヤなので、持ってきたおにぎりをちょっとだけかじって、着替えをしてロゼッタの馬房へ。ロゼは馬房の入り口に人の気配がすると、必ず馬房から顔を出してみるようです。かと言って警戒心が強いわけではなく、退屈しのぎだな、きっと。
馬栓棒に首を乗せて、顔を寄せてくるロゼッタに無口をつけていると、何やら、ぬるっとしたものを踏んだ感覚が。コンクリートなのにおかしいな、と思って足元を見ると、昼飼いのおからがボロボロこぼれています。うわぁん、新品の革長靴で踏んじゃったじゃないのよ。
引き手で引いて、馬繋場へ。蹄の裏を掘り、ブラシをかけて、装鞍を始めます。鞍と前肢プロテクターを着けると、K野さんが「もう頭絡着けて、出していいですからねー」というので、ハミをかけて馬場へ。

馬場の中央に馬を止め、マルタンガールを装着していると、最近入ったばかりのお手伝いスタッフくん(たぶん高校生)が、踏み台を持ってきてくれました。補助を受けて騎乗、腹帯を締めてもらいます。鐙の上に立ってみると、ちょうどいいような短いような、微妙なところだけどまぁいいか。
今日の部班は4頭、コスモ、リトル・フロスティと、ジュンヨー、ロゼッタです。ほかの馬が準備をしている間に、K野さんがもう一度腹帯を締めなおしてくれました。全員の準備ができて、K野さんの指示でジュンヨー、ロゼッタ、フロスティ、コスモの順番で蹄跡へ出ます。ありゃ、前回と同じ棒拍車をつけているのに、今週は動きがニブい…。常歩でかなり拍車を使っても、のったりのったりとしか歩いてくれません。

お天気が良いので、けっこう暑くなってきました。まだ常歩しかやっていないのに、ロゼッタが重いせいでもう息があがり始めている私。
「コスモ巻き乗りして、後ろに入ってください」先頭の馬に対してこの指示が出たときは、2番手につけている馬が先頭になりなさいよ、という指示も出ていることになります。前のコスモが巻き乗りして後ろに入った瞬間、ロゼッタがぱたっと停止。先頭なら動きたくなーい、というのが見え見え。拍車で動かないので、鞭を入れてみましたが、どこ吹く風。拍車で蹴っ飛ばしてみましたが、1歩動いたきり、歩こうとしません。どうにもならないので、ついに先頭を外され、結局またジュンヨーの後ろにつくことに。

「歩度をつめ、はやあーし」全然歩度は詰まっていませんでしたが、拍車と鞭でなんとか速歩を出します。当然ながら脚の速いジュンヨーには置いていかれてしまうのですが、ロゼッタ全然やる気なし。軽速歩をとって、いくら拍車を入れても鞭を入れても、あまり歩度が伸びそうにないので、これはショートカットするしかないや。隅角を丸く回ってはいけないだろうから、1人で勝手に中央線を通ったりしてショートカットします。それでせっかく追いついても、またどんどん離されていく。目の前に馬がいないと、ロゼッタはさらに動く気をなくす、という悪循環。困ったものだ。
「ロゼッタ中に入ってきてくださーい」とK野さんに言われ、馬場の中央に入って馬を止めます。腹帯かな、と思ったら、「鐙ひとつ伸ばしましょうね」。あぁ、やっぱり短かったか。

先頭が入れ替わりながら軽速歩、速歩を続けます。速歩で正反動をとって、輪乗り。内方の拍車をぎゅうぎゅう使って、前の馬の蹄跡よりも外に出すように心がけていましたが、それをやるとロゼッタの歩様では前の馬から離されて行くばかりで、しかも後の馬に迷惑をかけるみたい。それは諦めて、前の馬よりちょっとだけ内側を選んで走ります。前を行くジュンヨーは丸い動きが苦手らしく(内方姿勢を知らない馬、という説あり)、輪乗りの途中で止まろうとするので、その間に追いつくようにします。
「輪乗りを換え」の指示に、先頭のボス(通称)が「どうやるんだっけー」。彼女は馬術部出身なのですが、卒業してからブランクがあるということなので、やっぱり忘れるものなんだなぁ。輪乗りを換えとは、ほとんど8の字乗りのような感じで、自分が今いる輪乗りの外に、逆手前の輪乗りを作ります。座骨の加重を入れ替えながら、輪乗りを換え、輪乗りの手前を換え(これは輪乗りの円の中で斜めに手前を換えるもの、巴紋のようになります)。

蹄跡に戻って常歩。「ジュンヨー、フロスティ、コスモ、中で輪乗り。ロゼッタはそのまま駈歩」今日のロゼッタは動きがニブいので、中で待つ時間がなくて良かった。蹄跡からそのまま駈歩発進をしようと思いますが、拍車を腹に押しつけても全く反応しません。私はかなり脚に力を入れているつもりなんだけど。
隅角に出してそこから再チャレンジしますが、駈歩は出るのに、やっぱやーめた、という感じで、2歩目からは速歩になってしまいます。前回は外方に鞭を持ってうまく出せたので、そうしていたのですが「鞭内方に持って」と言われ、内方に持ち替えます。
いくら挑戦してもずっとそんな調子で、3歩と駈歩が続かないので、ついにK野さんがしびれを切らしたか「重いですか? 」と近づいて来ました。「うん、すっごく」「ちょっと僕乗りましょう」ということで、いったん下馬してK野さんに乗り替わってもらいます。下馬してみると、けっこう息が切れている私。ロゼッタのほうは、K野さんだからさすがにすぐ駈歩が出るけど、それでもけっこう重そう。

ロゼッタを動かしながら、馬上からほかの馬に指示するK野さん。フロスティ、コスモと駈歩を終えたところで、K野さんがクラブハウス前で下馬しました。その場でK野さんに足上げをしてもらって、ロゼに再騎乗。左手前で蹄跡に戻ったところから「はい、そこから駈歩」乗っていきなりで出るのかなぁ、と思いつつ、隅角で駈歩の扶助を送ると、すんなり出ました。K野さんが乗ってくれると、やっぱ違う。ですが、なかなか勢いがつかず、隅角を曲がりきる前に止まってしまいました。再度チャレンジ、今度も駈歩は出せましたが、半周くらいで常歩に落ちてしまいます。「内方離さない、つけっぱなし、つけっぱなし」内方の拍車、自分ではつけっぱなしのつもりなんですが、なかなか続かない。「手前換えましょう」ということで、右手前に変更して駈歩発進。それでも2〜3歩しか駈歩が続きません。
「一度鞭入れて叱って。馬が駈歩やるって分かってるのにやらないんだから、馬にバカにされてるんですよ」停止のときに長鞭をぴしっと腹に入れ、それから駈歩発進をすると、すんなり駈歩が出ました。「ほらね」。

いつの間にやらジュンヨーも蹄跡に出てきていて、同じ蹄跡で2頭で駈歩します。ジュンヨーの後ろで駈歩していると、ロゼッタも少し調子が出てきて、ずいぶん駈歩が出やすくなり、半周くらい続くようにはなりました。
「各個に半巻きして、違う手前で駈歩しましょう」左手前になり、私が前になって駈歩。後ろにいるのはなにしろジュンヨーだから、駈歩発進なんかで手間取っていては後ろが全然走れない。隅角から駈歩発進の扶助を送り、反応が薄いので「はいっ! 」と気合いをつけると、駈歩が出ました。出たのはいいが、これは声で出した駈歩だなー、こんなもんは馬術とは言わない。
左手前で、クラブハウス前から鏡に向かうときは、わずかに登り傾斜がついています。どの馬もここは苦手みたいなのですが、ロゼッタも例に漏れず、そこで駈歩をやめてしまいます。「その馬の駈歩遅いんですから、もっと勢いつけたっていいんですよ、鞭も使う」先週はあんなに勢いがある駈歩ができたけど、あれをやると自分が座っていられないしなぁ。手綱を許すと前にがーっと出ちゃって座れないから、拍車と鞭で動かすしかないんだよね。

何度駈歩をやっても、1周しないうちに止まりたがるロゼ。拍車を入れているつもりですが、ちゃんと当たってるだろうか。「自分のMAXの力で拍車入れてくださいね。馬から降りたら、もう座り込んじゃうくらいまで」うぐー。もうけっこう長い時間、駈歩をやっていますが、K野さんはなかなか駈歩をやめさせる気配がない。これは自分でちゃんと最後まで動かせよ、ということなんだろうな。
とにかく、止まりそうなところを止まらずに行かせるようにしよう。隅角から駈歩発進、これはOK。でもやはり、登り坂になっている鏡の前の隅角で速歩に落ちそうになったので、拍車をいれながら舌鼓で追ってみると、持ちなおして駈歩を続けてくれました。トイレ前の隅角は、ラチより手前に設定されているので、ラチに頼って曲がることができません。自分でちゃんと曲がらせる、よしできた。隅角ごとに止まりたがるロゼを、どうにかこうにか駈歩を1周持続させたところで、「ロゼッタ常歩に落としていいですよ」。やっとK野さんの許可が出ました。ふー。
今日はものすごく重いこの子で、とにかく駈歩を持続することを目的にしてみたけれど、今の駈歩は舌鼓に頼った感じで、我ながら釈然としない。馬場的には、舌鼓は扶助ではないですからねぇ。

そのときにはもうレッスン終了時間が来ていたので、そのまま手綱を伸ばして沈静化。しばらく沈静して、馬場中央に馬を並べて挨拶、下馬。馬を下りたら、けっこうぐったりでした。ロゼッタを連れて馬繋場へ上がると、「お疲れさま」と声をかけられ、「うん、ほんとに疲れました」「けっこうしごかれてたねー、今日は」。
すぐにも座り込みたいくらいでしたが、ロゼッタは1鞍あいてまたすぐお仕事があるので、すぐ馬装を解除して、すこしでも長く休憩させてやらないと。蹄の裏掘りだけをしてすぐ馬房に戻しました。馬詮棒をはめるとき、うっかりロゼの鼻に軽くぶつけてしまいましたが、ロゼは何にも言わなかったな。変なヤツ。
ロゼを戻したところで、ふと後を振り返ると、後ろの馬房のハルカゼが目をくりくりさせて「遊ぼう? 遊んでくれるよねっ?」という目でじーっと私を見ていました。さっきまでロゼを引いていた引き手を丸めて、ハルカゼの鼻先で降ってみせると、嬉しそうにかぶりつこうとします。しっかり歯を閉じて、唇だけでぱくぱくさせているので、噛みつく気はまったくないみたい。ハルが噛む寸前でさっと引くと、ハルは喜んでもっと首を伸ばしてきます。ちょうど馬房のほうに来たスタッフのK村さんが、「坊主につかまってるよー」と笑われてしまいました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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