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(2003.6.14 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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梅雨入り直後ですが、今日の天気予報は終日曇り、夕方から雨。4級検定を受けることが決定し、試験までの1ヶ月間は特訓を受けることになりました。特訓は受験者だけで馬場を借り切るので、9時からの早朝レッスンとなり、7時(!)に家を出ます。会社に行くより早いっちゅーねん…。
倶楽部に到着してホワイトボードを見ると、検定特訓の9時、そのあと13時にも予約を入れていますが、両方とも騎乗馬はアルフォンス、しかも私以外誰も乗らないので、手入れまでのフルコース。「やったー、今日は1日アルとべったりだ」といいながらクラブハウスのほうに行くと、一緒に4級検定を受けるT夫妻がもう来ていて、Tパパさんが「いいなー、アルと1日べったり」。何しろ彼とはアルフォンスを取り合う仲なので(笑)、「ふふふ、アルは私のもの」とケンカを売っておきました。

着替えをして、アルフォンスの馬房へ。朝イチなので当然まだ夏馬着を着ているアルは、馬房の奥の方を向いて窓の外を見ていました。「アルー」と何度か声をかけますが、なかなかこっちを向かないので、扉を開けて舌鼓で呼ぶと、ようやくこっちに向き直ってくれました。ふだん口がうるさいアルですが、暑くなってくるとおとなしくなるので、大丈夫かなと思って無口をかけようとしたら、やっぱり無口をぱくっ。割とすぐ離したので、いつものように引き手を噛ませておいてから無口をかけます。
馬繋場まで出るところで、アルフォンスは必ず1度立ち止まって、押しても引いても動かないのですが、今日はいったん立ち止まったものの、すぐ歩き出して馬繋場まで行きました。馬繋場に繋ぎ、用心しながら馬着を脱がせます。アルが噛みたいかどうかは、アルの目を見ると分かるようになってきて、アルが顔を前に向けたまま横目だけで私を見ているときは噛む隙をうかがっているらしいのですが、今日はちゃんと首を曲げて振り返って私を見たり、前を見たりしているので、噛む気はないんだな。こりゃ先週K村さんが言ってたように、ほんとに夏バテ開始かも。

馬着を脱がせて裏掘り、ブラシかけをしていると、アルが突然「ぶわしっ」と大きなくしゃみを3回立て続けにしました。そばでやられるとけっこうびっくりするじゃないか。
装鞍のとき、「鞍、僕の使ってください」とK野さん。前回ちょっと、鞍が膝に当たっていた(いや、私が膝を鞍に当てていた)のを、考慮してくれたみたい。汗取りタオル、ゼッケン、ゲルパッドを乗せると、K野さんが「これも」とウレタンパッドを出してきました。ゲルパッドの上にウレタンパッドを乗せ、K野さんの鞍を乗せます。
腹帯を軽く締めておき、鐙革の長さも合わせます。アルフォンスのハミをかけるのには絶対に時間がかかるので、早めにかけはじめようかな、と思ってアルの顔に手をかけようと思ったら、左の鼻の穴から赤い液体がつーっ、ぽとぽとぽと。
「鼻血!!」びっくりして叫ぶと、K野さんが飛んできてくれました。私はどうしていいんだか分からなくて、立ちつくすばかり。K野さんは鼻血をタオルで拭いて様子を見ていましたが、「大丈夫です、これは。運動してたら乾きますから、出しちゃいましょう」「ほんと? 濃いくない、これ?」「濃くないですよ、これくらいは」日の出では、よくホクトなんかが鼻血を出すことがあるのですが、出た血がどろっとしていたら、肺から出た血だから深刻だけど、さらっと薄い血で量が少なければ、鼻の粘膜からにじんだ程度のものだから大丈夫、という判断をします。「さっき『ぶしっ』ってやったから、切れちゃったんですよ」そうか、さっきのくしゃみね。確かに私も鼻のかみすぎで、血がにじんじゃうことはあるもんね。

そうするうちに、他の馬はみんな準備ができて馬場へ出ようとしています。とにかくハミをかけて馬場に出さないといけないな。無口を外して、ハミを噛ませるところまではおとなしかったアルですが、ハミが口に入ったところで頭を高く上げてしまいます。額革で鼻面をつかまえて阻止しましたが、あんた鼻血ブーの割には元気じゃないのよ。もう時間がなかったので、ふたたび左手の親指を口角に入れてハミを噛ませたところで、アルが頭を上げないようにK野さんが押さえていてくれました。おかげですんなり頭絡を装着でき、そのまま引いて馬場へ出ます。
高校生バイトスタッフのOくんが踏み台を持ってきてくれたので、騎乗しようとすると、アルが鼻を前肢にこすりつけようとして頭を下げる。鼻が気持ち悪いのは分かるけど、手綱を引っ張られて危ないったらない。騎乗するときには手綱とたてがみを一緒につかむのがセオリーですが、この状態で手綱を持っているとかえって危ないように思ったので、馬の右側にいるOくんに「口持っててくれたほうがいいな」と頼み、手綱を持たないで騎乗。するとOくんは、右手でアルのハミを持ち、左手で鐙をささえるという芸当をしてくれていました。すまんねぇ。

今日の特訓レッスンは、Tパパさんがジュンヨー、Tママさんがロゼッタ、うちの相方がフロスティ、そして私がアルフォンス。ロゼとアルはともかく、男性陣の馬はあんまり馬術的なことが得意な馬じゃないけどな。
準備のできた馬から蹄跡に出ますが、アルフォンスはハナが切れない馬なので、他馬の後についていくことに。なんとなく、ジュンヨー、ロゼッタ、アルフォンス、フロスティという順になり、蹄跡を歩かせます。ああ、やっぱり重いなぁ。全乗振4級というのは要するに駈歩部班なので、今日のレッスンは当然駈歩もばっちりやるんだろう。最初の常歩でさくさく歩かせておかないと、この先苦労しそうだから、一生懸命拍車を使います。最初に全ての扶助を使ってでも、とにかく前に出そうと思って、アルフォンスの腹に長鞭を入れたら、ぴたっと止まってしまいました。そうだった、この子ってあんまりムチ入れると止まることがあったような気が。

「手綱ちゃんと持って下さいね、歩度をつめ」拍車を強くしていき、「はやあーし」で発進。よし、発進はOKだ。そのままだと全然歩度が伸びないので、かかとをこすりつけるようにしますが、それでもなかなか伸びない。「拍車当てる時間を長くして」革長にしてから、かかとががっちり固められているので、まだその堅さに慣れていないということもあるのですが、なかなか上手く使えない。
少し走らせたところで、アルフォンスが時々首を振ります。虫が気になるのかな、と思ったんですが、鼻がムズムズするのらしい。集中力のない証拠だと思って、拍車を使ったり、手綱を控えて首を下げさせないようにしますが、よくよく考えてみたら自分が鼻がムズムズするときに、それをやるなと言われたらイライラするよなぁ、という疑問がふときざしてきました。どうにも我慢できなくなったらしいアルは、首を振りながらちょっとバタバタッ。ヘンに跳ねられてもイヤなので、「ほーほー」と言いながら馬を止めると、すぐ止まりました。別になだめるほどのことはなかったらしく、「止めないで、すぐ出して」とK野さんに言われてしまいました。以前、虫を嫌がった美星に駈け出されてしまったことがあるので、思わず用心してしまったんだけど、別に大丈夫だったらしい。

速歩をしながら、前肢の動きに従って拳を握り、ハミ受けを求めてみます。なかなか頭下がらないな。頭を下げてくれないと、上手く座れないんだよぅ。「アルフォンス、もっと前に出す!」う、やっぱ今日のK野さんはキビシイな。
「間、2馬身ですよー」前の馬との距離を2馬身、ということですが(余談ですが、競馬で2馬身というと、前の馬のお尻と後の馬の鼻の間は1馬身になりますが、乗馬で言う2馬身はその間が2馬身。いつも一瞬迷ってしまう)、私はアルフォンスを上手く前に出せていないので、2馬身以上開いてしまい、その差を埋めるのに必死。常歩の号令がかかったときに、いったん常歩に落としておいて、もう一度速歩で追いついたりします。これは以前、試合前にK野さんに教わったこと。常歩の号令が出ているのに、速歩のまま追いつくのは減点対象で、いったん号令に従って常歩に落としておいてから、自発的に速歩を出して追いつくのはOK、ということなのです。
各個に巻き乗り、ですが進入に失敗し、前後の馬にぶつかりそうになって、常歩に落としてしまいます。「止めちゃだめ、止まるのが一番ダメですよ〜」もう一度各個に巻き乗り、今度は拍車と鞭を使って、どうにか止まらずに回らせることができました。

アルフォンスも調子が出てきたようで、前に出せるようになってきました。それにしても、今日はずいぶん速歩の時間が長いな。勢いがついてくると、反動も高くなってくるから座れなくなってくるんだよなぁ、以前ほどぼぅんぼぅん跳ねるわけではないんだけど。速歩でハミ受けを求めてみると、ある程度頭が下がってきたかなー、と思ったところでまた鼻を気にして首を振ったりして、台なし。ちぇ。
常歩に落としたところで、またちょっとハミ受けを求めてみたら、すーっと首が下がりました。あらー、何なの、この素直さ。その状態で拍車を使うと、ちゃんと前に出るし、いい感じ。
どうもここから駈歩に移行するみたい。全頭が蹄跡のまま、先頭から駈歩を始めます。4級って駈歩部班だし、K野さんとしては全頭一斉に駈歩をさせたいところなんじゃないだろうかと思うのですが、一発で駈歩が出せない私…ださー。前の馬には追いつけないし、後が詰まっちゃうしで、結果的に単騎で駈歩のようになりました。

アルは虫も気になり始めたようだし、ちょっとバタバタしている感じなので、鞭を外方に持ってふたたび発進。速歩が出てしまい、とめて駈歩発進のやり直し、ようやくちゃんと出ました。1度ちゃんと出てさえしまえば、あとはアルの駈歩は楽。内方の拍車を使いながら、隅角などで止めないように走らせます。
長蹄跡を駈けているとき、突然「あ、あたしって今内方に傾いてる」と感じました。内方の拍車を使うことと、鞍の上で内方に乗ることを意識するあまりそうなっているみたいなんですが、それっていい姿勢のわけがない、鞍の上には真っ直ぐ乗らないと。と、思って体の傾きを直すと、速歩に落ちてしまいました。内方と外方の脚のバランスが、まだ上手くとれていないんだろうな。
私だけ駈歩がうまく続かなかったので、他の3頭は馬場中央で常歩輪乗りになり、私だけ駈歩。でも他の馬が蹄跡に出てくるようだったので、もう駈歩しちゃダメかな? と思って馬場の内側に入ろうとしたら、「アルフォンスはまだ駈歩しますよ」とK野さん、それから他の3頭に向かって「アルフォンスが駈歩するんですから、まだ内側に入ってて」と指示。で、駈歩発進しようとしたら、同じ蹄跡のまっ正面から、フロスティがこっちに向かってくるではないですか。何をしとんねん、うちの相方は。K野さんの指示が聞こえていなかったんだろうけど、せめて同じ手前で動かすのがマナーってもんでしょー、全く。

駈歩を終えて常歩に落とすと、「じゃあ手綱伸ばして歩かせて。お疲れさまでしたー」いやー、しかし暑い。ロゼッタに乗っているTママさんなんかは、とっても暑さに弱い人なので、もうゆだったような真っ赤な顔をしているし。本当にこんな暑さで2鞍も乗る気なのか、私。
K野さんが、「これから試験までは、正反動8割、残り軽速歩と駈歩ですからね。今までは反対でしたけど」ひえー。そう言われれば今日はずいぶん正反動が多かったが、特訓ってそういうことだったのかぁ。うーむ。

馬場中央で挨拶して下馬、アルフォンスを馬繋場に連れて行きます。どうせこの後もう一度乗るんだし、蹄の裏掘りだけして馬房に戻そうと思ったのですが、鼻血の跡と帯道と鞍の下だけタオルで拭いてやることにしました。鼻を拭いてやると、別に新しい血は出てきていないようだから、大丈夫みたい。どうもおしっこがしたいみたいで、アルがもじもじし始めました。アルは馬房に帰らないとおしっこができない子なので、さっさと切り上げて馬房へ。やっぱり、馬房に入ったとたんにおしっこを盛大にしていました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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