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(2003.7.5 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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脚
すごい接写ですが、アルフォンスの腹と私の脚。
ほら、拍車が馬体に当たってない(爆)
13時半、I野先生の召集で、検定試験の打ち合わせをします。15時からは、本日の2鞍目。相方は14時から騎乗していたので、デジカメで写真を撮っていましたが、14時半になったのでアルフォンスの馬房に向かいます。先週、アルフォンスを満足に動かせなかったので、今週はリベンジだー。

アルフォンスはすでに午前中も使われているので、夏馬着は着ていません。扉を開けようとすると、扉の内側から鼻でつっついてくるアルフォンス。扉を開ける前に、無口と引き手を準備してくるのを忘れたので、取りに戻ってから改めて扉を開けます。無口に対して、ちょっといたずらをする気配は見せるけど、噛もうとはしないみたいなので、無口をつけて馬繋場へ。
この時期、噛み癖はおさまるけど、首や胸前をかゆがってばたつくので、アルフォンスの無口は馬繋場の梁からぶらさがっているほうの鎖に繋ぎます。かゆくて身体をひねりすぎて、脚を滑らせることがあったりするので、普通の高さで繋ぐよりもこっちのほうが安全らしいです。

蹄の裏掘り、ブラシかけとも意外とおとなしくしていたアルフォンス。たまーに首をこっちに向けたりはするけれども、噛むつもりはないみたい。装鞍も無事に終わり、Eさんが馬用の虫除けスプレーを貸してくれたので、脚もとや股の間に吹いておきます。虫が嫌いなアルフォンスには、とっても助かる。
さて、いよいよ最難関のハミかけ。「準備できたら出しちゃってねー」と、スタッフのK村さんが馬繋場に声をかけています。10分前だけど、ハミかけちゃうか。鎖を外したところで、アルフォンスはすぐ馬繋場の柱をかじろうとしますが、それを無理に持ち上げて無口を外し、それを右肩にかけつつ、右手で頭絡を引きながら、左手の親指を口角に入れて、口を開けさせてハミを入れます。いつものことながら、この時点でアルフォンスは頭を上げて逃げようとしますが、それより早く頭絡を引き上げ、一発で入った! 夏バテのせいか、アルの逃げる速度がいつもよりのろくて、私が頭絡を引き上げるほうが早かったので成功したんですね。隣で馬装をしていたEさんに、「どんな技使ったんですか!?」と驚かれてしまいましたが、アルがバテてるだけです。

アルフォンスを連れて、馬場に出ます。馬場へ出る坂をのんびりのんびり歩くアルフォンス、ほんとやる気ないな。馬場中央で馬を止めると、K野さんが踏み台を持ってきてくれたので、補助を受けて騎乗、腹帯を締めなおしてもらいます。今度はずいぶん鐙が短かったので、鞍上から鐙の長さを直そうと思ったのですが、アルフォンスが足元がかゆいのか顔がかゆいのか、とにかく顔を前肢にこすりつけようとするので、首が下がって手綱を引っ張られます。手綱を引っ張られながら鐙を直すのってけっこう無理があるな。ちょうど近くにいたバイトスタッフのK田くんを呼び止め、「悪いんだけど、こいつの口持っててくれるか、鐙の長さ直してくれるか、どっちかしてくれると助かるんだけど」と言うと、口を持っていてくれました。長鞭が邪魔なので口にくわえ、鐙の長さを直します。
ほかの馬はまだ準備ができていないようなので、少しでもアルを動かしておこうと思い、先に蹄跡に出ます。今日の部班は4頭。ほかの馬も準備が出来た順から蹄跡に出てきて、K野さんの指示で、ロッキー、ジュンヨー、アルフォンス、ウィンダムの順になります。

しかしアルフォンス、歩みがのろいよなぁ。もっと最初から、元気よく動いてもらわないと。
クラブハウスからこっちを見ていたAlmoさんが、「遅いよ、もっと出さないと」何しろAlmoさんとはアルフォンス友達(意味不明)なので、アルは最初の5分でがんがん動かさなきゃだめだよねー、という先週の雑談に基づくもの。拳の随伴が足りないんじゃないの、というアドバイスで、すこし手綱をやわらかく持ちます。こういう馬は、最初に固めすぎてもうまく動いてくれないかも。
最初はあまりやる気のなさそうだった先頭のロッキーが、やる気になってきたらしい。だんだん追いつけなくなってきました。これじゃダメだな、いつでも速歩が出るくらいにしておこう。自ら速歩を出して追いつくことにします。

「歩度をつめ、速歩。軽速歩」この時間は特訓じゃないので、軽速歩の指示がすぐ出るな。速歩はちゃんと出たものの、まぁのろいこと。前のロッキー、ジュンヨーはペースの速い馬なのでどんどん行ってしまうけど、アルフォンスはペースが上げにくい。「アルフォンス、もっと前に出して」拍車と鞭を使って、頑張って前に出します。それでも置いていかれるので、ほとんど中央線を通るような感じで大幅にショートカットしたりします。
右手前の場合、鏡からクラブハウスへ向かう坂は少し勢いがついて走りやすいのか、少しスピードが出るようです。その勢いを利用する形で走らせたいんだけど、1周して鏡の手前の隅角を通過するころには勢いが死んでしまいます。
速歩の最中、アルフォンスがぱたっと止まりました。出た、アルの得意技、停止。ちゃんと動かせていないと、ボロでもないのにぴたっと止まったりするんです。最近こんなふうに止まられることはなかったんだけどなぁ。鞭で叱ると、後ずさり。後ろのウィンダムが危ないかもしれないので、「ちょっと避けててー」と声をかけつつ(効果があったかどうかはともかく)、もう一度強くムチを入れます。どうにか再発進。

軽速歩から、「速歩、歩度をつめて」それなら得意だぞ(アルフォンスが)。今まで馬の動きを妨げると思ってやらなかったのですが、ここぞとばかりハミ受けを要求してみます。先週のレッスンで、強く持つと巻き込むことが分かったので、拳はやわらかめに、引くのは自分の肘で。拳に適度な力がかかって、頭も少し下がってきました。うん、ちょっといいかな。
輪乗りの指示で、さっきのレッスンで言われたように内方に座ることを意識します。しかし気を抜くとアルフォンスは止まりたくなるので、拍車と鞭を内方に入れながら。
それでも、輪乗りの最中にぱたっと止まってしまいました。ふざけんなよ、と思って鞭を入れますが、動く気配はありません。「もう1回入れて」というK野さんの指示でもう1発、それでも馬が反応しない。「もう1回」3度目、かなり強いムチを入れると、ようやく動き出しました。それでも体中の皮膚を震わせ(皮膚の動きで虫を追ってる)ながらの、仕方なさそうな動き。飽きてきたな。

前のジュンヨーに巻き乗りの指示が出て、私の後ろになりました。常歩で、K野さんはずっとジュンヨーについて歩いて指示を与えていましたが、突然私に「たかしなさん、ちょっと立ち乗りして」と言います。やってみたけど、久しぶりだったのでバランスのとり方を忘れていて、アルフォンスの反動に負けてお尻をついてしまいました。「ちょっと待って、えーと」再度チャレンジ、腰の張り方が甘かったみたい。よし、ここだな。今度は鐙の上に立ちっぱなしで、アルフォンスを歩かせられます。
するとK野さんは、私の後ろで騎乗している人に「ほら、前の人見て、ああやってやるんですよ」と指示しています。ひょえー、見本にするんだったの? そんなもん、緊張しちゃうじゃん。まぁ、見本にしようとK野さんが思ってくれるんだから、それなりにはできていると思うことにしよう。

さらにロッキーも後ろに行き、アルフォンスが先頭。アルフォンスは前に馬がいないと動かなくてもいいと思うタイプの馬なので、もう動かないこと動かないこと。しかもときどき、歩様が乱れるようになってきました。脚が痛いのかな? と思いましたが、ずっと乱れっぱなしなのではなく、何歩かに1歩が乱れるという感じ。あ、こいつ後肢で虫追ってるな。「拍車が入らないなら、鞭持ってるでしょ。拍車と鞭、同じ頻度で使うんですよ」同じ頻度ねぇ…。軽速歩の場合、拍車は2テンポに2回使っているわけだから、鞭もそれくらいの量で使えばいいってことか?「追い鞭の使い方、覚えてくださいね。いきなり強く使うと馬が跳ねるかもしれないから、すこしずつ拍車と同じタイミングで使うんです。脚が弱いんだったら、鞭の使い方でどうにかしましょう」あぁ、なるほどね。この間から、拍車が馬体に当たらないと私が悩んでいるのを知っていて、次善の策を伝授してくれているわけだ。イメージとしては、サイドサドル(横鞍)では両脚を馬の左側に下ろすので、右側の扶助は長鞭で代用するようなものだろう。「拍車使うときは、つま先開くのが一番手っ取り早いですよ。もっと膝開いて」「えっ、これでも開いてるんだけど」「ぜんぜん開いてないですよ」うーむ。

時間が来たので、手綱を伸ばして沈静化。その私について歩きながら、K野さんが言うことには「たかしなさん、股割り」。そうねぇ。前にも言われたけど、股関節の可動域が狭いから馬体がちゃんと包めないんだろうし、脚も使えないんだ。
時間が来て、馬場中央に馬をならべ挨拶したあと、「くそー!」といいながら、アルの首をバシンバシンたたいていると、隣の馬場にいたAさんが「なんか怒ってるみたいだよ」「うん、怒ってます」自分にね。どうにも納得がいきませんです。

あとで、相方に撮ってもらった騎乗してる写真を見て、落ち込んでしまいました。体格が小さい私、どう見てもふくらはぎが鞍に当たってるんだもの。これでいくらふくらはぎで押してるつもりになったって、鞍を押しているだけで、馬体には影響なさそう。でも私より体の小さい名騎手やジュニア選手というのもいるわけだから、体の小さい人は乗り方がおのずから違うんだろう。自分より体の大きい人ばかり参考にしていても、効果があるとは限らないわけだな。はぁ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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