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(2003.7.12 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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朝、雨の音で目が覚めました。困ったなぁ、来週の4級認定試験に向けて、今日が最後の特訓なのに。でも家を出るころには小雨になったので、とりあえず日の出に向かいます。
武蔵増戸の駅に降り立つとすっかり雨はやんでいて、けっこう涼しい。このままの天気なら、今日はかえって乗馬日和かも。と思いながら日の出に向かって歩いていたら、だんだん日が差してきて暑くなってきました。到着してホワイトボードを見てみると、9時からの特訓タイムはアルフォンス、15時からのもう1鞍はロゼッタでした。

アルフォンスの馬房に行くと、当然ながら夏馬着を着て馬房の中にいました。無口と引き手を持って馬房の扉を開けると、噛みにはこないものの、「ふーんだ」という感じで顔をそむけてしまうアルフォンス。馬房の中に入って、無理矢理アルフォンスの左側に回り込んでいると、外からK野さんの声。「たかしなさん、アルフォンスの馬装5分ですませましょう」「はぁ? なんという無茶なことを言うの」日の出の馬の中で、もっとも馬装に時間がかかる馬ですよ、これは。
馬房から出て、めずらしく馬繋場まで止まらずに歩いたアルフォンスをつなぐと、馬着を脱がせるのをK野さんが手伝ってくれました。私が蹄の裏掘りをしている間に、K野さんがもう自分の鞍をつけ始めています。これはどうやら、下乗りをしてくれるってことなんだな。

装鞍が終わったようで、「ハミかけちゃってくださいねー」う、やっぱりそこはやってくれないわけだな…。でもここのところ、夏バテでおとなしいから大丈夫か。無口をはずしてハミを噛ませようとすると、なかなか口を開けてくれないので口角に左の親指を突っ込みます。前にK野さんが立っててくれたので(もしかするとアルフォンスの頭に手を乗せててくれたかも)、あとはあっさりと頭絡をかけられました。「長鞭持ってます?」と言われたので私の長鞭を渡すと、K野さんはそのままアルを引いて「アルフォンスだけですよ、次の鞍のロゼッタは乗ってあげませんからね」といいながら馬場に出て行きました。一応、その後について馬場に出て行き、騎乗の補助(ったって、彼は飛び乗りができるので、馬の口を持っていただけですが)をしてから馬繋場に戻ります。

レッスン開始時間も近くなり、K野さんが馬上から「準備ができたら出していいですよー」と言っているので、私もそろそろ乗り変わるために馬場に出ていきます。
アルバイトスタッフのUくんが踏み台を持ってきてくれましたが、まだK野さんが蹄跡で駈歩をしているので、ふたりして馬場の中央に突っ立って待ちの姿勢。「暑いっすねー」「ほんとだよ、天気予報が曇りだっつーから安心して来たのにさ、青空出てるよ」早朝に大雨が降ったので、余計に蒸し暑い。
他の馬が出てきはじめて、ようやくK野さんがアルフォンスを私のそばで止まらせました。鐙の長さを合わせてみると、2穴ほど長いので縮めます。Uくんが騎乗補助についてくれて、馬の右側から「1穴でいいですかー」と言っているので、「んなわけないじゃん、2穴で」と言っていると、K野さんがぼそっと「たかしなさんが乗るから短めにしてたんですけどねぇ…」ふーんだ。

今日の部班はAlmoさんダウンのため、Almo夫人、うちの相方と私の3頭部班になりました。ほかの馬はまだ準備ができていないようなので、さきに準備のできてしまった私はアルフォンスを蹄跡に出します。
さっきまで、K野さんが乗っているときはあんなに前肢が前に出ていたのに、このニブい動きはなんなんだ…もう沈静化とか思ってないでしょうね、あんた。あんなに動かしてもらったんだから、ここでだらけさせては意味がないと思って、ガンガン拍車を使うことにしました。先週の注意を生かして、できるだけ膝を開いて拍車を使うようにします。少しは前に出るようになったけど、まだ足りないと思ったので鞭も使いながら。
K野さんが近づいてきて、「その鞭、長すぎるみたいだから、こっちと取り替えましょう」と、少しだけ短めの長鞭と交換。

ほかの2頭も蹄跡に出てきて、相方のジュンヨー、私のアルフォンス、Almo夫人のロゼッタの順を指示されます。
ショートカット(というよりは、大きく巻き乗り)して、ジュンヨーの後ろに入ります。先頭ジュンヨーはどんどん歩いちゃう子なので、引き離されないように頑張らないと。もうさっき駈歩までやっているんだから、馬もほぐれてるだろう、速歩出しちゃえ。膝を開いて拍車を当てると、ちょっとだけ反応しますが速歩にはならないので、鞭を使うと速歩が出ました。ジュンヨーに追いついたところで、馬が勝手に停止。まぁいいけどさ。

「手綱ちゃんと持って、速歩しますよー」今度はちゃんと速歩が出て、すぐ軽速歩の指示が出ます。よかった、今のうちに勢いをつけておきたい。
今日の私の課題は、膝を開くこと。軽速歩で立ったときに、ふくらはぎが馬体から離れてしまうという指摘もあるので、基本的にガニ股の気持ちで、立ったときにはふくらはぎが馬体に接していて、座ったときには膝を開いて拍車が当たるようにします。うげ、これってけっこう足の付け根がつらいぞ。でも拍車が入ったときには耳がこっちを向くし、それなりに動いてくれてはいる感じ。
でもやっぱり、前のジュンヨーには置いていかれがちなので、ときどきはショートカットします。早朝がどしゃぶりだったせいで、馬場の中で少し低くなっているクラブハウス側の蹄跡がべしょべしょ。水たまりが嫌いなアルフォンスは、そこに踏みこませようとすると嫌そうでしたが、行くと言ったら行くのよ。行きなさいよ。
何度もそこに踏みこませたので、入ること自体は嫌がらなくなりましたが、速歩で水溜りに入ると反動がでかい。高脚使ってるな。速歩のときだけはハミ受けを要求してみます。あんまり頭下がらないけど。

常歩に落とし、先頭ジュンヨーから左手前で駈歩。ジュンヨーが駈歩を出すと、すぐ次のロゼッタにも駈歩の指示が出て、これはいっせいに駈歩をやらせようとしているんだな。案の定、私にもすぐに駈歩の指示が出ました。アルフォンスはむしろ、前に馬がいるほうが駈歩が出やすいはずなので(駈歩の習いはじめのころは、必ずそうやって出していました)、今日はちゃんと駈歩を出すぞー。
前のロゼッタは駈歩が出たので、続いて出そうと気合を入れて拍車を入れます。…また出ない。気合をつけようと思って、外方に持った鞭を入れてみますが、ちょっと首を上下させただけで、駈歩の準備ができたとは言えない。
「ムチ内方に持ってみましょうか」外方に持っていた長鞭を内方に持ち替え、内方の拍車をぐりぐりやりつつ、外方脚を引いて馬体を押すと、駈歩が出ました。おぉ、なんか久しぶりに駈歩が出た気がするぞ。
「ちょっと速いから抑えて」これって速いのかな? アルフォンスの駈歩って割とふわふわしているので、あんまり速い感じはしないけど、とりあえず少し抑えてみます。抑えすぎたのか、前の馬に近づいたせいか、速歩に落ちたので、常歩に落とします。

ところが、次の駈歩の扶助では速歩が出てしまいました。止めてもう一度発進をしてみるけど、やっぱり速歩。なんか駈歩が出るような感じがするときもあるんだけど、1歩だけであとが続かない。
「やっぱりムチ、外方にしましょう。反対手前が出ちゃうみたいだから」ああ、今の1歩目がヘンだなと思ったのは反対手前だったからなのね。ムチを外方に持ちなおし、常歩から発進します。やっぱり速歩が出てしまうので、とめて鞭を入れました。ふと見ると、アルが巻き込んでハミから逃げようとしている。
あっ、すねた。そう思いました。
拍車を入れると耳はこっちに向くから、ちゃんと反応はしているのに、扶助を無視しようとしているとしか思えない。

K野さんが私の後ろにまわったので、後ろから追いムチでも入れられるのかなと思ったら、「その外方じゃダメですよ、駈歩出ないわけだ」わざわざ外に回って、外方脚を見に行ったのらしい。「ララミーの馬だって、外方離れたら駈歩つづきませんよ」いったん馬を止めて、K野さんが外方にまわり、私のかかとをとって指導。「ちょっと力抜いてみてください。…どうしてこんなに固いんですか」えーと。力の抜き具合って、なんかうまくできないんだよね。鐙を踏むという行為で力が入ってしまうらしく、踏みながら力を抜くというのがどうやってやっていいのか分からない。「もっとぶらんぶらんにしちゃってください。で、拍車を入れるときだけ力を入れればいいんです。膝開いて、でもあぐらかいちゃダメですよ、脚は引いて。ほら、鐙革はまっすぐでしょ」自分では、今日はかなり膝を開いているつもりだったんだけど、まだまだか。

ほかの2頭は沈静化に入りましたが、駈歩の出ない私はもう少ししごかれるらしい。私としてもこのまま終わりたくないので、望むところ。「こんなわがままな馬に負けてないで」と言われ、駈歩発進にチャレンジし続けますが、もう馬が「もうやだー」と言っている感じで、全然反応しません。
「手綱5センチ伸ばしましょう。それで速歩出して」ひえー、手綱のゆるい状態で速歩出すのって怖いんですけど。首を固めすぎて駈歩が出ていないと判断されたってことだろうけど。ほかの2頭がもう沈静化に入っているのが分かっているようで、アルフォンスはもう速歩も出したくなさそうなのを、拍車で蹴って速歩を出させます。出すのはいいけど、止めるのが難しいな、手綱がぶらぶらだと。腰を張って脚を締めると、止めることができました。手綱に頼らない馬の停止の仕方っていうのも、勉強になるな。
ずっと続けていて、どうにか駈歩っぽいものが出ましたが、1歩だけ。「はい、いいですよ。手綱伸ばして、沈静しましょう」

他の馬はもう馬場中央に止まっていて終了になっていますが、アルフォンスはまだ沈静化を始めたばかりなので、もうしばらく歩かせます。沈静化の間も、K野さんの指導が続きました。「脚入れるときに、このへん(ふくらはぎとかかと)じゃなくて、こっち(脚の付け根やふともも)のほうに力が入ってるんですよ」あぁ、かかとに力を入れようとして、脚全体に力が入っちゃってる感じは自分でもしてるけど。「ボア敷いてないでしょ、毛布も薄いですよ。これで脚が届かなかったら、もうどうしようもないです。たかしなさんが特別体が小さいわけでもないし、アルフォンスが特別でかいわけでもないですからね、拍車が届いてないわけじゃないんですから」
「脚の力を抜くことです。思いっきり抜いてだらーんとするんだけど、使うときはきっちり使って。力を抜く時間って言うのは0.1秒くらいでいいんです。そのほうが、力が入りっぱなしよりも、馬も人も疲れないはずなんだから」

下馬するとき、「怖いですか?」と言われました。「うーん、どうだろう? これでも、前よりマシになったと思ってるんだけど」「なんか、怖くて緊張しちゃってるように見えるんですよね」「そうかなぁ。速歩は大丈夫だけど、駈歩はまだちょっとそうかもな」「それだと、ロゼッタの駈歩のほうが怖いかもしれないですね」ロゼの駈歩は、実際のスピードはない(と思う)んだけど、なぜか体感速度が速い気がするかも。
アルフォンスを馬繋場に引いていき、つないで蹄の裏掘り。またすぐ11時からお仕事があるらしくて、この子は馬房に入らないとおしっこができない子なので、急いで馬房に戻しました。
クラブハウスに戻ろうとすると、う? なんだか頭がくらくらするぞ。暑かったので、のぼせただけで休んでいれば治るだろうとタカをくくっていたのですが、時間がたつにつれ、逆にはっきりした頭痛になってきたので、2鞍目をキャンセルしました。「貧血じゃないか」とI野先生に心配していただきましたが、そうだったのかも。ま、来週に向けて体力温存ってことで。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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