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(2003.7.19 山梨・ララミー牧場)
検定試験→
ゴールデン・馬繋場
それにしてもゴールデンくん、モンブランに似すぎ…。
生き別れの兄弟とかじゃないのか?
(いや、たいていの馬の兄弟は生き別れだろうが…。)
検定試験の前日、朝7時に拝島駅に集合。一緒に検定を受けるalmo夫妻+チビ、Tさん、それからうちの相方と私とで大きい車を借りて、前日からララミー牧場へ入ることにしたのでした。宿泊もララミー内なので、あわよくば明日の練習をさせてもらおうという腹づもり。
学校の夏休みの初日&連休初日なので、道が混んでいることを想定して朝早く出発したのですが、お天気がいまひとつだったせいかスムーズに進み、お昼前にはララミーに着いてしまいました。宿泊施設に荷物を置かせてもらい、午後の騎乗予定を確認してもらうと、3名+2名(全員がいっぺんに乗ってしまうと、チビの面倒をみる人がいなくなるので2班に分けました)で予約がとれました。とりあえず、お昼を食べに外に出ます。
お昼を食べてララミーに帰り、私は1班目で乗ることになったので着替え。でもなんか、お腹の具合が思わしくないなー。下すというほどではないけど、おなかがぐるぐる言ってる。私は便秘に縁のない女で、おおかたの女性なら「旅行に出ると便秘になる」というところ、私の場合は「旅行に出るとお腹をこわす」ほうなのです。でもここで馬に乗れないのは、せっかく前日に来た意味がないし、まぁどうにかなるだろう。
レッスンは覆い馬場でやることになったので、時間の10分前に覆い馬場へ向かいます。

前のレッスンが終わり、馬はそのまま使うよう。あ、ゴールデンが出てる。このゴールデンという馬、4月のララミーの運動会でも見たけど、日の出でこの間まで私の相棒だったモンブランにそっくりなんです(102鞍目あたりのモンブランの写真をご参照ください)。確か、運動会では速歩ジムカーナなのに駈歩しちゃったような馬だったから、かなり軽いのかな。と思っていたら、一緒に見学していたTさんが「あの馬、この間4節の駈歩してたんだよねー」だって。前にララミーに来たときに、同行した人が乗って、いくらやっても4節の駈歩(前脚はちゃんと駈歩なんだけど、後肢がほとんど速歩のままという歩様)しか出なかったらしい。駈歩がうまく出ないなんて、ますますモンちゃんそっくりだなぁ。

馬場中央で、前のレッスンの人たちが下馬したので、鞭を持って馬場に入ります。前半グループは、almo夫人と相方と私の3人。馬場にはオーナー先生の息子さんであり、実質的にララミーを取り仕切っているH先生が立っています。えー、H先生が見てくださるの? ビジターではなかなか見てもらえる先生ではないので、これは破格の待遇と言えるかも。明日の検定対策ということで、ちゃんと考慮してもらえたんだ。
H先生に「みなさんは全員4級なの?」と聞かれ、その場で配馬されたのは、相方がベル(本名はベルディンゴ)、almo夫人はキョウトくん、私はゴールデン。あらー、ゴールデンなんだ。よくよくこの見かけの馬に縁があるらしい。ゴールデンに近づいて鐙を合わせ、前に騎乗していた人に足上げをしてもらって騎乗。H先生に「準備ができたら常歩をしててくださいね」と言われたので、左手前で蹄跡に出て常歩。

常歩でも、何もしなくてもよく歩くなぁ、この子。ここのところ、日の出で練習しているときは最初の常歩がだらんだらんになることが多かったんだけど、馬がよく前に出ます。でも相方のベルなんかはもっとさくさく歩いているから、この子ももっと歩けるはず、と思って拍車を使います。拍車の反応は悪くはないけど、決して敏感じゃないな。これなら、ばびゅんと出てしまうようなことはないだろう。 速歩が出てしまう寸前くらいまで馬を持っていこうと思い、軽く鞭を使ったり拍車を入れたりしていると、けっこう歩けるようになってきました。
しばらく歩いてから、H先生にベル、ゴールデン、キョウトの順を指示され、巻き乗りなどして隊列を整えます。ゴールデンはわりと隅角をショートカットしたがるみたいなので、隅角の手前からできるだけ外に出すようにこころがけます。

「速歩」の号令で脚で押すと、「すすーめ」で簡単に速歩に移行。ちょっと、馬が号令に反応して出したような気がしないでもないけど。すぐ軽速歩の指示が出て、軽速歩をとって走らせます。ここのところ重い馬ばっかり乗っていたから、とても軽く動いてくれて嬉しいなぁ。馬を前に出すことに力を使わなくて済むので、自分の姿勢を考えて乗れます。脚が前に出がちだなぁ、私。
「膝の裏を伸ばして。そしたら脚も引けるし、かかとも下がりますよ」膝の裏、かぁ。膝を伸ばすっていうのはよく言われるけど、膝の裏っていうのはイメージがつかみやすい。「膝が縮まってると、かかとも使えませんからね」膝が縮まってるっていうのは、私の場合膝でしがみついてるっていうのもあるかも。
速歩に落とし、正反動。ゴールデンの反動はまぁ、高くもなく低くもなく、座りやすいと言っていいかな。久しぶりに尻革のキュロットを履いたせいもあって、座ることにはそんなに苦労しない。ですが、だんだんお腹が痛くなってきてしまった…。最初はちょっと横っ腹が痛いかな、ゴハン食べたばっかりだしなぁ、という程度だったのですが、下腹全体が痛くなってきてしまった。やばい。まさかここで降ろしてとも言えないしなぁ、でも痛いよぅ。そう思っていると常歩の指示が出たので、ほっ。常歩で、少しはマシになりましたが、下っ腹が重い感じ。

速歩で「先頭から輪乗り。蹄跡を大きく使いましょう」あ、これはたぶん駈歩に移行するな。日の出では速歩から駈歩への移行ってやったことがないので、ちょっと緊張するかも。でも4級の課目には入っているらしいし。
案の定、輪乗りで1周したかしないかのところで、「駈歩用意」の号令がかかりました。えーと、ここで内方脚を押して、と。馬はもうやる気になって、歩度が伸びています。「かけあーし」で外方脚を引いてみると、ぽんと駈歩が出ました。おお、すごい! こんなに簡単に、自分の思ったところから駈歩が出たの、初めてかもしれない。
ですが、なんだか駈歩の反動がおかしい。普通ならタタタン、タタタンと3拍子になるべき馬の反動が、タタタタン、タタタタンと微妙にずれているし、座りにくい。あー、これは4節の駈歩をやられたな。これがそうなんだ。思わず駈歩をしながら、馬の後肢を見てみましたが、どうなっているのかは分かりません(あとから自分でびっくりしたんだけど、今までなら駈歩しながら振り返って下を見るなんて論外だった。ゴールデンの駈歩って、それなりに速いけど安定感があったのです)。後肢が速歩のままだってことなら、本当に駈歩をしていると言えるのかな? 駈けながら「先生、これって4節ですか?」と聞いてみましたが、「前に出してね」としか言われなかったので、これはこれでいいことにして、ちゃんと座る努力をしよう。
後ろのキョウトくんはなかなか駈歩が出ないらしく、H先生はそちらに指示を与えています。前のベルはときどき速歩に落ちたりしているけど(相方の談では、ちょっと気を抜くと落ちちゃうんだけど、すぐ駈歩に戻せるらしい。たぶん内方が離れた瞬間に駈歩をやめちゃうタイプの馬)、ゴールデンは駈歩をやめる気配はなく、それだけはけっこう助かる。それにしても、もうけっこう長く駈歩をさせてもらっている感じ。お腹もまだ痛いので、なんか息が切れてきた。

5〜6周駈け続けて、ようやく常歩に落とす指示が出ます。やっぱりだいぶ息が切れているけど、この隙に聞いてみよう。「H先生、今の駈歩って後肢がおかしかったように思うんですけど、どうやったら直せますか?」するとH先生の答えは、「もっと前に出して、詰めればいいんですよ」ということ。うわー、そんな基本的なことだったか。要するに、基本ができてないってことじゃん。がっくり。
しばらく速歩をして、常歩へ。「休め」の号令がかかったので、手綱を伸ばしてゆっくり歩かせます。 もう40分くらい経つので、確かビジターは45分だったからそろそろ終わりだな。
「気を付け」の号令で、手綱をちゃんと持ち直します。次は「列へ」で終了だよなー、と思っていたら、「はやあーし」へっ? まだ速歩やるですか。

速歩から輪乗り。えっまさか、また駈歩やるの? と思ったら、やっぱり「駈歩用意」。あらー、時間いっぱいまで駈歩の練習させてもらえるんだ。内方脚押して、「かけあーし」で外方脚を引くと、ぽんと駈歩が出る。でもやっぱり4節だなぁ、これは。
「2番のかた、手綱10センチ短く持って」え、えぇぇっ!? 10センチ!? 私これでも、日の出では手綱持ちすぎって言われることもあるんですけどぉ。そんなに短く持ったら駈歩止まるんじゃないの、と思いましたが、けっこう前に出ているのでとにかく手綱を短くしてみます。それだけ手綱を持っても、ゴールデンは駈歩をやめようとはしません。でもスピードが落ちたので、前に出さなきゃ。「内方脚で蹴って」ひょー、駈歩の最中に馬を蹴るのなんて初めてだよー。蹴ると言っても、内方脚が腹から離れては駈歩をやめてしまうだろうから、ふくらはぎを離さないようにして、かかとでちょこっと蹴ってみます。「まだ蹴っていいんですよ、遠慮しないで」遠慮っていうか、脚を離さないようにして蹴るの、難しいんですけど…。この際だ、鞭も軽く使ってしまえ。この間K野さんに言われたように、鞭の先がちょっちょっちょっと馬の腹に当たるように、軽く使ってみます。うん、けっこう前に出ているかな、と自分では思うのだけど、「もっと前に出して」とH先生。うーん、日の出の馬ならほとんど暴走に近いスピードなんだけど、ララミーの馬ではこれでまだまだなのか。確かに、ふだんやらないようなスピードで駈けている割には、恐怖感はないな。
そうやって追っているうちに、4節の駈歩の違和感がなくなってきました。まともな3節の駈歩に近づいてきたのか、それとも私が4節の反動に慣れてきただけなのか分かりませんが。でも、内にささり気味でうまく蹄跡に出せないのはどうしてかなぁ。脚で押し出すのにも限界があるし、顔を外に向けたら意味ないし。(あとから考えると、だいぶ内方に乗りすぎだったのかなと思うんですけど。)

たっぷり駈歩をやらせてもらって、ようやく常歩へ。もう1時間たつんじゃないかな。
そこから、「停止」で馬を止め、「4歩後退」ひょえ、4級ってそんなことやるんだっけ。手綱を持って脚を締めると、素直に後退を始めました。この子、後退は楽だな。4歩目に入るくらいで手綱を許すと、ちゃんとそこで止まりました。上出来じゃん、と悦に入っていると、前にいるベルが後退をやめない。おいおいおい、お尻が迫ってくるの怖いからやめてくれるー? 乗っている相方は「手綱だけで後退させるんじゃないですよ」とH先生の注意を受けながらも8歩くらい後退してきたので、仕方なく自分もちょっと後退。
これでもう沈静化するかな、と思っていると、「鐙を脱いで、手綱と鞭を右手にまとめて、左手を空けて」という指示で、鞭を右手に持ち替え、手綱を右手にまとめて持ちます。「左手で、自分の左の足首を持ってみてください」あぁ、前にA木さんにやらされたやつね。「持ったら、膝を地面に向けてまっすぐ下ろすようにして。ちゃんと真ん中に座ってね」かかとをほとんどお尻につけて、膝のお皿を地面に向けるようにすると、けっこうふとももの前側が痛かったりして。「そのまま、ふとももを動かさないようにしてそーっと脚を下ろしてみましょう」なるほど、これは脚の付け根からちゃんと脚を引く練習なんだな。そうやって脚を下ろしてみると、ふくらはぎはもう鞍の後ろに出てしまう位。いや、座る位置もちょっと後ろにずれてたみたいだけど。
「じゃあ今の左脚を動かさないようにして、右でも同じことをやってみて」右の鐙を脱いで、手綱と鞭を左手にまとめて同じことをやります。両脚とも、かなり後ろのほうに引けている。「そう、今のその状態で、ちょっとつま先を鐙に乗せるくらいが、一番いい位置ですよ」ふくらはぎの位置をあまり動かさないようにして、つま先で必死に鐙を探して乗せてみます。おお、なんかすごくいい姿勢じゃない。これ、明日騎乗する前にもやろうっと。

手綱を伸ばして、しばらく歩かせて沈静。「気を付け」こんどこそ終わりの合図、「順次左へ」で、馬場中央に入って馬を並べます。「お疲れさまでした」「ありがとうございました」の挨拶のあと、H先生が「でも4級では、こんな難しいことしませんからね」とのお言葉。いや、それにしても勉強になることだらけでした。
後半グループのレッスンも終わり、ララミーのクラブハウスで豪華なごはん(まるで、久しぶりに実家に帰ったら、おかーさんが「今日は奮発したわよ!」って感じの豪華さ)をいただいてお腹いっぱい。近くの温泉に繰り出し、身も心もほぐれたところでかるーく酒盛りをし、床につきました。

ゴールデン・馬場内
なるほど、膝が縮まっているってこういうことなのね。
隅角なので、外方脚を引こうとしてはいるらしい

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