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(2003.8.10 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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土曜の10時に予約を入れていましたが、当日は台風が関東直撃。こりゃー絶対電車が止まる、ということでキャンセルして、日曜に振り替え。しかし10時がいっぱいだというので、9時の予約にしました。
というわけで日曜日、台風一過という感じのカンカン照りの中を日の出へ。まだ8時過ぎだというのに、駅から倶楽部まで歩く間に汗がだらだらです。到着すると、馬場ではすでに騎乗している人が。8時からレッスンが始まっていたらしい。ホワイトボードで今日の騎乗馬を見ると、相方はジュンヨー、私はウィンダム。ウィンダム、けっこう久しぶりかも。基本的に重い馬ですが、最初にびしっとやれば動く子だから、バシバシいくからね。
着替えをして、ウィンダムの馬房へ向かいます。

無口を持って、ウィンダムの馬房の扉を開けると、珍しくウィンダムがそっぽを向きました。だいたいここで無口を見せると自分から鼻を突っ込んでくるのですが、今日は無口を見せても顔をそむけるばかりか、耳を伏せています。珍しいなぁ。鼻面に触ろうとすると、軽く噛みつくそぶりを見せるし(でもそこで本当に噛みついたりはしないのがウィンダムなんだけど)。「何怒ってんのよー」と言いながら首をつかまえようとしていると、相方がやってきました。「どうしたの?」「珍しく怒ってる、コイツ」私に代わって、相方が無口をかけようとすると、やっぱり耳を絞るウィンダム。「ほんとだ、珍しいねー」と言いながらも無口をかけてくれたので、引き手を繋いで外に出します。機嫌が悪いなら悪いで、私にもやりようがあるわよウィンダム。ぜひそのパワーを運動につなげてもらおうじゃないか。

馬繋場につなぐと、別にもう耳を絞ることはしないようなので、蹄の裏掘りから。ウィンダムは、左前肢を軽く叩くだけで脚を上げてくれるのでとっても楽なのですが、上げてくれたら手早くやらないと「はい、時間切れー」という感じで自主的に脚を下ろしてしまうのです。ブラシをかけていると、お腹の下にぷっくりと、5センチ径くらいの腫れがあるのを発見。触っても嫌がらないので、虫刺されかな。帯径からは外れているし、まぁ大丈夫だろう。
鞍を置き、腹帯を締めようとすると、腹帯が回りきらない。そういえば、鞍置きにもう1本腹帯が置いてあるのを不思議に思っていたのですが、ウィンダムがデーブだからか。そっちの腹帯をとってきて締めなおすと、ちゃんと止められました。前肢にプロテクターをつけ、自分の馬装を整えて水分補給をしてから、ハミかけ。無口を外すなり、馬繋場の柱をかじろうとするウィンダムを阻止、顔を上げさせて頭絡をかけると、自分から口を開けてハミを噛んでくれました。いい奴だねぇ、お前(今だけ)。長鞭を持って、ウィンダムといっしょに馬場に出ようとしたら、隣のJRも出ようとしていたので、しばらく待つことにします。JRもウィンダムも、負けず劣らずの他馬嫌いなので、あんまりお互いを近づけると血を見るわ。

今日の部班はモンブラン、ハイセイコーJRと、相方のジュンヨー、私のウィンダムの4頭です。今日はバイトスタッフたちがいないので、踏み台を持ってきてくれるスタッフはK野さんだけ。4頭が順番待ちになっていたので、踏み台なしで乗ってみるかなぁ。ウィンダムはあんまり背は高くないので、できそうな感じはしたのですが、やっぱりこの猛暑の中で余計な体力を使うのはよそう。K野さんが踏み台を持ってきてくれるのを待って、騎乗します。
「ジュンヨー先頭で蹄跡出ててください」というK野さんの声で、まず相方が蹄跡へ。続いて出てしまおうと、ウィンダムを発進させると、わりと軽く歩き始めました。あらあんた、珍しくやる気ね? 私も最初の常歩でどんどん行っちゃおうと思っていたので、好都合。ですが歩き始めてみると、鐙が短いと思ったので、いったん手綱を伸ばして歩きながら、鐙革を1穴長くします。手綱をちゃんと持って、股関節を伸ばすための馬上体操をしながら常歩。先頭のジュンヨーにはなかなか追いつかないけど、ちょっとショートカットするだけで追いつけるくらいだから、ウィンダムにしては上手く歩いてくれている感じ。「前の馬との距離、1馬身とってくださいねー」今は2馬身くらい離れているので、ちょっとだけ速歩を出して追いつきます。お、簡単に出るじゃん。

「歩度をつめ、はやあーし」脚を使うだけで、簡単に速歩が出ました。いつもは速歩を始めるとすぐ内側にささろうとするんだけど、ちょっとささるそぶりを見せた時点で鞭で軽く叱って、内方の拍車で押し出してみると、素直に蹄跡に戻りました。それに、けっこう速歩が速い。それでもウィンダムだから、他の馬に比べると普通に動けているという程度なんだけど、ちょっと抑えとくかな。手綱を少し控えて、でも脚は使って前に出します。意外にもジュンヨーに追いつく勢いで走るウィンダム、やっぱ機嫌悪いのか(笑)。機嫌が悪くて走ってくれるなら、それはそれで好都合だけどね。せっかく勢いがあるんだから、うまく控えれば馬をまとめられるかもしれない。「ハミちゃんと当てて」「はいっ、当てるのねっ」そんなに手綱が短かったつもりはないが、これでも足りなかったか。ウィンダムの場合はしっかりハミを持ってあげた方がいいってことなんだろう、今日は前に出る気になっているし。手綱を短くしてみると、ハミがかちゃっと音を立てました。ってことは、まだハミに余裕があったってことだな。

それはいいけど、今日のウィンダムはよく後肢でつまづきます。私がちゃんと動かせていなくて、馬が気が散っているときは「脚が痛いなー」とか言い出して脚を引きずるように走る子だけど、それとはちょっと違うみたい。もしかしてアルフォンスみたいに、走りながら後肢で虫を追ってるのか? とも思いましたが、ウィンダムは虫を気にしない子だし、そうとも思えない。私がハミをちゃんと当ててやってないから、頼るものがなくてつまづくんだろうか。
そんなことを考えながら走っていると、「ウィンダム、ちょっと中に入ってきてください」と言われたので馬場中央に入って馬を止めます。「腹帯ちょっと締めなおしましょうね」と、K野さんが腹帯を締めなおしてくれている間に、「このヒト、後ろ脚どうかしてる?」と聞いてみます。「どうかって? 気がつきませんでしたけど」「なんか後ろ脚で、よくつまづくフリしてる」と訴えると、苦笑して「それはほんとにつまづいてるんですよ、馬場がこんなだから脚とられてるんです」そうか、ウィンダムはあまり脚を上に上げない、すり足のような歩様だから、水が浮いてぼこぼこしてる馬場は苦手なんだな。そう言えば、浮いた水が流れて排水溝へ向かうところが川のように削れてしまっているけど、そこを通るときに特につまづきやすいような気も。あのへん通るときは、ちょっと気合つけてやろう。

右手前から「斜めに手前を換え」進入はそんなに「ついていった」感じはなかったけど、線上でK野さんから「ウィンダム、出るとき左に行かれないでくださいねー」と言われてしまう。鞍上の扶助でなく、自分の判断で前の馬についていこうとすることが多い馬だから、勝手をさせないでね、ということです。気合いを入れて、自分のバランスも真っ直ぐ保ちつつ、なんとか馬の好きにさせずに扶助で曲がらせたと思うんだけど。
走っているうちに、「ほらまた拳譲ってる」といわれて、手綱を短くすると「強すぎてもダメなんです」と言われる。うーん、手綱を短く持つってことと、ハミを当てるってことは違うって頭では分かるんだけど、ついやっちゃうんだよね。どうせだから、ハミ譲らせてみるか。前肢の動きに合わせて手綱を左右に握ってみますが、あまり効果がない。なんか前に誰かから、ウィンダムは外方をちゃんと持っててやらないとハミ譲らない、と聞いたことがあるような気がするので、外方はきっちり持って、ときどき「下げるんだよー」というつもりで拳を使ってみるのですが、なかなか頭が下がらないな。下がっているような感じはするけど、屈撓ではない、これは。

ウィンダムは、そのすり足のような歩様のおかげで反動がとても低く、座るのは楽。「ほーら、どうしてまた前に座ってるの〜」鞍の前方に座ってる、という意味ではなくて(それは悪いことじゃないはずだし)、前重心で座ってるってことだよな。えーと、拳ばっかり気にして、肘で引いていないからこうなるのか。
速歩のまま、順次巻き乗り。止まるなよー、止まるなよーと念じながら内方脚を使い、内にささられ気味ながらもどうにかクリア。しかし次の「各個に巻き乗り」で、どうしても隣のJRが気になってしまうウィンダム、耳を絞って立ち止まりやがった。こうなってしまうと、内方脚で蹴っ飛ばしても鞭を入れても、常歩がせいいっぱいなんだよね。蹄跡に戻ると、思い出したようにちゃっちゃか走り出すんだけど。
次の順次巻き乗りでは、絶対に常歩に落とさないぞ、という固い決意のもとに内方脚をがんがん入れます。駈歩が出たって知るもんか。やっぱり隣のJRに向かって耳を絞り、頭を上げようとするウィンダム。そこをムチで叱り、脚で出してどうにか常歩に落とさずに済みました。

「輪乗りを…」K野さんの指示の後半がよく聞こえなかったんだけど、まぁ輪乗りで各個ということはありえないから、とりあえず相方についていくか。相方を見ていると、輪乗りの手前を換えようとしてる(輪乗りの中で巴型に手前を換える)のか、輪乗りを換えようとしてる(今の輪の隣の位置に出て、反対手前の輪乗りをつくる)のか、ちょっと分かりにくいが、輪乗りを換えようとしてるのかな。
「違いますよー、輪乗りを詰め」あれ、全然違うじゃん。そりゃそうか、あれだけ大きい輪乗りから輪乗りを換えていては、隣の馬場に出てしまう。ってことはもとの輪乗りに戻らなくちゃいけないから、元のところに戻ろうとしたら、先頭の相方はまだ間違いに気がついていないらしい。「『輪乗りを換え』でしょ?」「『輪乗りを詰め』だって」それでようやく気がついたらしく、もとの馬場に戻って輪乗りのやり直し。輪がつまると、どうしても前の馬より内側に行きたくなってしまうウィンダム。前の馬からすこし離れていれば、どうにか前の馬の蹄跡より外を回れるんだけど、前の馬との距離が1馬身を切ってしまうともうダメらしくて、どんどん内にささります。あたしたちだけ巻き乗りじゃないのよ、これじゃ。曲がる、ということを考えず、ただ前に出すことに専念。内方脚で押して、外方の手綱で受けるっていうのが理想的だけど、内方で押しても外方で受けられるほど外に押し出されてくれないよぅ。

輪乗りを開いて蹄跡に戻り、停止→速歩発進。停止はわりとできてるつもりなのですが、速歩発進がどうもうまく行かないな。もう一度停止から速歩発進、停止している間に脚で押して手綱でためて、ということをしたつもりだったのですが、発進の瞬間ウィンダムが大きく首を上に振り上げました。出た、ウィンダムの「もういいだろぉ!?」。ちと引っ張りすぎたのか、いい加減あきてきたのか。
速歩から停止、「はい、手綱伸ばして歩いてください。お疲れさまでした」すぐ後ろにJRがいたので、沈静ののんびり歩きでJRに追いつかれたときにケンカを売りかねない。巻き乗りして、一番後ろにつきます。愛撫しようとして首をみると、なんだか首にピンストライプのような模様が。毛流れに沿って汗がしみだしてきて、そこだけ黒く見えているのでした。うんまぁ、今日のお前はよく頑張ったよ。
しばらく歩いて、「はい、中に入ってきていいですよー」と声がかかったので、手綱をちゃんと持ち直しつつ内方に加重すると、きれいに馬場の中心に向かって方向転換しました。小回りが利く子なのは分かってるけど、これで終わりだって知ってるときはホントに素直だな。

馬繋場に上げて、ひとまず繋ぎます。ウィンダムはこのあとも続けてお仕事なので、とりあえず水でも飲ませとこうかな。バケツに水を入れて口元に持っていってみると、なんとなく水に唇をひたしてはみるものの、別に飲みたくはないみたい。「いらないの?」とバケツを降ろそうとすると、追いかけてくる。でも飲まないので、暑いからただ冷たいものに触っていたいだけなんだろうな。そのうち、唇の先でバケツの水面をたたいて遊び始めたので、ばっしゃばっしゃと水が飛びます。やめてくれぇ。
馬場に出ていくウィンダムを見送って、とりあえず終わり。今日のウィンダムはよく動いてくれたから、駈歩がなかったのが残念だったな。自分から「駈歩やらせて!」と言えばよかったのか。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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