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(2003.8.2 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ようやく遅い梅雨明けとなった土曜日、10時からの騎乗予約で日の出へ。途中の乗換駅では、うすぐもりで涼しいくらいだったのですが、武蔵増戸駅に到着したときには日が照っていて、これは暑そうだわ。それでも朝なので、空気はさわやかだけど。
日の出に到着すると、馬場への入り口の手前(左図で左上の空白のあたり)で工事をやっていました。生えていた杉の木を切り倒し、チェーンソーで細かくして運ぶという作業をやっているらしいのですが、その音って馬が嫌がりそう…コスモとかに当たったら自殺行為だな。中に入ってホワイトボードを見ると、また予約が少ないこと。ほとんど1人1頭状態で、相方はハイセイコーJR、私はロゼッタです。まぁ、ロゼッタなら驚いても駈けだすことはないから大丈夫だとは思うけど。

気がつくともうレッスン開始10分前、急いでロゼッタの馬房に向かいます。あら、右前肢の球節あたりにバンテージを巻いているけど、どうしたのかな。馬栓棒の上から顔を出しているロゼに無口をかけ、首の下にもぐりこんで馬栓棒を外します。ロゼが私の肩に首を乗せっぱなしだから、やりにくいったらありゃしない。
馬繋馬に出してから、スタッフのK村さんに「ロゼのバンテージ、どうするの」と聞くと、「あ、いったん外しといて、こっちで巻きなおすから。それすりむいたんだよね、ここで」聞くと、馬場から馬繋場へ上がってくる坂(でも緩い坂で、つまづくようなものは何もない)でつまづいちゃったんだそうです。バンテージを外すと、傷薬を染み込ませたガーゼと、直径1センチくらいの擦りむき傷が出てきました。蹄の裏掘りをするとき、傷に触らないように気をつけたつもりだけど、あんまりその辺を触られたくないのか、さっさと脚を下ろしてしまうロゼ。他の脚は、私が手を離さないと下ろさないんだけど。
ブラシかけを速攻で終わらせ、汗取りタオルと毛布、ジェルパッドをかけたところで10時の時報。やばー。そこへK野さん登場、「なぁんでまだ鞍が着いてないのー」はい、ごもっともです。鞍を着けている間に、バイトのUくんがマルタンガールを着けてくれました。自分の馬装も終わっていないので、メットとグローブをして、ついでに水分補給をしてロゼのところに戻ってみると、Uくんがもうハミをかけてくれています。「ありがとー。でもアルほどやってもらった有り難味がないなぁ」「簡単ですからねー、こいつ」長鞭を持って、馬場に出ます。

馬場の中央でロゼッタを止まらせて、マルタンや鐙を調整していると、Uくんが踏み台を持ってきてくれたので、補助してもらって騎乗。乗ってから腹帯を締めなおし、騎乗準備OK。「じゃあ蹄跡出てくださいねー。…僕ゆうべ、この間の検定のビデオ見て研究してたんですけど…」ぎくっ。K野さん、なかなか続きが出てこない。「けど、何? 黙んないでよー」「パパさん(相方)はまぁ、ベルですからね、お尻がはねてるのはしょうがないとして。ママさん(私)が全然馬を前に出せてないんですよね」私にしては、あれでもずいぶん馬が動いているつもりだったんだけど、それはアルフォンスなんかの重さを基準にしてってことで、ほんとはもっと動くもんなのね。
そう言われてしまっては、ロゼッタを頑張って動かすしかあるまい。JRに続いて蹄跡へ。

蹄跡に出ようとしたところで、鐙がもう1穴伸ばせるな、と思い、ロゼを止めて鐙革を伸ばします。止めたつもりだけど、またゆっくり動き出すので、もう蹄跡に出て、ロゼにまかせて歩きながら鐙革を伸ばします。上級の人はみんなやってることだし。
ララミー牧場での4級検定から帰ってこっち必ずやっている、自分の足首を手で持って膝を地面に向かって伸ばす馬上体操をやってから、脚を降ろしてちゃんと常歩。まず脚から使っていきますが、ロゼッタにしてはけっこうちゃんと歩けているんではないかい。まぁ体が小さいので、どうしてもJRには置いていかれてしまうんですが、もしかして拍車の位置が高すぎたかな? と思ったくらいにちゃんと歩けている。ひょっとしたら、almoさんが寄付したというガーリックパウダー効果かしら。
馬場の入り口を見ると、オーナーが工事の人と何事か話していて、工事は中断されています。あれでオーナーが話をつけて(そもそも工事はオーナーが発注したわけだから)、1時間だけでも工事をやめてくれればいいんだが。JRに置いていかれた分だけ蹄跡をずらしてショートカットしますが、クラブハウスの手前の短蹄跡を内側にずらして(左図で、馬場の区切りに引いてある白い線を右にずらす感じ)工事の場所に近づかないようにします。

「ロゼッタもっと元気良くー」あれれ、これでも良く動かせていたつもりだったのになぁ。もう速歩を出すくらいのつもりで脚を使うと、ちょっと速歩になったので抑えて常歩にします。うん、今日のロゼって楽かも。それとも馬場の外に見慣れないものがあるので、挙動不審なだけ?
「歩度をつめ、はやあーし」お、簡単に出たぞ。走り出すとけっこう調子が良くて、首をだらーっと下げて怠けようとする気配があまりありません。
馬場の外では、またチェーンソーの音がしはじめました。おいおいマジですか? オーナーが話をつけてくれたんだろうと思ってたのに、もう1時間くらい待っててくれてもいいじゃないか。JRもロゼッタもおとなしい馬だから今のところ跳ねないけど、だから大丈夫と思われても困る。
K野さんからも、歩度を詰めて、伸ばしての交互の指示がこまめに入ります。馬を指示に集中させて、音のほうに意識を向かせないようにという配慮でしょう。
ロゼッタは、馬場の場所によって得手不得手のあまりない馬ですが、今日はどうも歩度の伸びやすい場所があるな。左手前だと馬場の入り口から鏡に向かう蹄跡、右手前ではクラブハウス前。あ、要するに音から逃げる方向に向かって歩度が伸びてるんだ。ロゼはロゼなりに嫌がっているらしい。でも速歩に落としたときにぱたっと止まられることがなくて、ちょっと楽かも。
「それくらい動かしとくと、後が楽です」後、っていうのは駈歩のことかしらん。

左手前の常歩から、「ロゼッタ、駈歩」内方脚を押して外方を引いたつもりでしたが、とととっと速歩が出てしまいました。止めてやり直し。外方脚の引きが足りなかったのかもな。内方脚をもう一度ちゃんと押し、外方を引いたら、ぽんと駈歩が出ました。あら、ロゼの駈歩ってこんなに楽だったんだっけ。
出たのはいいのですが、けっこうお尻が跳ねるな。このままでは踏歩転換されてしまう。跳ねないようにするには、もう少し詰めればいいんだったかな。脚はゆるめず、ちょっと手綱を控え気味にすると少しはマシになりましたが、やっぱりまだ跳ねる。1周しないうちに速歩に落ちてしまったので、ふたたび駈歩発進。出るのは簡単に出たので、とにかく詰めた駈歩にしよう。「自分の体、もっと後ろに意識して」えーと、えーと、後ろに座るって意味ではなくて、上体のバランスを後ろに持っていくってことだよな。手綱をつめて、その分脚を使うようにして上体を起こします。するとだいぶ反動が楽になり、鞍からお尻が離れにくくなりました。「ちょっと手綱伸ばして」「えっ、伸ばすの?」これで手綱伸ばしたら、馬が前に出過ぎちゃってまた座れないんじゃないの? とりあえず言われたように、ほんの1〜2センチ手綱を伸ばしてみますが、つい拳をひきつけてしまいます。
「内方脚、下に使って」あ、今膝がちぢまってたな。反動ごとに内方脚を踏み下げるつもりで、かかとを下げます。うん、今日のロゼはよく動いてくれてる。

速歩に落とし、各個に半巻きして右手前へ。「はやあーし、軽速歩」じゃあ、これで駈歩は終わりかなと思っていたら、「ロゼッタ、速歩から駈歩」うぇ。確かにララミーの馬ではできたが(ロゼッタももともとララミーからもらった馬だが)、日の出の馬でやったことないよぅ。速歩に落としたとたんに馬を伸ばしてしまった(と思う)私、いくら内方脚を押して外方を引いても、速歩のまま。「難しかったら、常歩からでいいですよ」と言われて、いったん常歩に落として駈歩発進。位置としてはちょうど鏡の前の隅角だったのですが、駈歩は出ずに斜め横足のようにして外にふくれるだけ。速歩にもならないし、なんか前に出たくなさそうな感じもする。クラブハウス前から駈歩発進すると、あまり苦労せずに素直に駈歩が出ました。あまりの暑さのために、K野さんは馬繋場入り口の木陰に立っています。それはもちろん構わないんだけど、蹄跡の外側に立たれると、普段見られてない外方脚をチェックされているようで緊張するなぁ。
そのまま駈歩を続けていると、「ロゼッタ、巻き乗ーり」えっ、巻き乗りって駈歩のままですかい? 私まだ駈歩巻き乗りやったことないんだけど。でも要領は速歩のときと同じはずだから、内方に座ってすこし内方手綱を開いてみます。あ、巻いた。でも、「脚使ってー」と言われるか言われないかのうちに、速歩に落ちてしまいました。そうかそうか、駈歩巻き乗りって、頑張って追わないと勢いが殺されちゃうんだ。

馬場の外の工事は、もはや遠慮のない大音響に突入しました。
ロゼッタは跳ねたりはしないけど、右手前で馬場の入り口に向かって走る(つまり工事現場に向かって突っ込むような感じになる)のだけはどうもイヤなのらしい。扶助に対して反抗するような子じゃないんだけど、そこだけは駈歩の出が悪い感じです。オーナーの奥さんが心配そうにそこで見ていて、外から「大丈夫? (馬は)落ち着いてる?」と声をかけられたタイミングと、駈歩発進しようとしたタイミングが同じだったので、駈歩しながら「大丈夫だと思いますっ!」と叫んでしまう。クラブハウス、トイレ前と順調に駈けて、馬繋場入り口に立つK野さんの前を通過するとき、またも「巻き乗ーり」。今度は頑張って内方使うぞー、と思ったのですが、やっぱり2歩目くらいで速歩に落ちてしまいます。
ふたたび駈歩にして1周、K野さんの前にくると巻き乗りの指示。なんとか速歩に落とすまいとする私に、K野さんも「頑張って頑張って、今頑張らなくてどこで頑張るの!」と檄を飛ばすのですが、やっぱり落ちてしまう。もう1度駈歩で1周してきて、「自分の出せると思うところから巻き乗りしてみてください、頑張って」このレッスンが終わるまでに、1回でいいから駈歩巻き乗りを成功させたい。K野さんのところを少し過ぎたあたりで、この勢いがあれば巻き乗りできるはず、と思って挑戦。巻けば歩度は自動的につまるから、前に出すことだけを考えて巻き乗り、できた!
そこでレッスンはとうに終了時間になっていて、「はい、常歩。手綱伸ばしてゆっくり歩いてください」いやー、私ができるまでお付き合いいただいたという感じのレッスンだったな。

馬を伸ばして沈静し、馬場中央に馬を止めて挨拶、愛撫。おお、ロゼッタの首が汗でびっちょりだ。お前も頑張ったんだねぇ。下馬して、K野さんに「今日のロゼは軽めだったよー」と言うと、「軽いですか?」「いや、アルフォンスなんかに比べてってことだけど」「…軽いですかねぇ」こ、このくらいで軽いとか思ってちゃいけないってことですか。
馬繋場にあげて、馬装解除。ロゼッタはこれでお仕事が終わりなので丸洗いですが、相方に先にシャワーを使われてしまい、順番待ち。ロゼと遊んでいたら、K野さんが「シャンプーする体力残ってます?」「うん、割と」ということで、今日はロゼッタをシャンプー洗いすることになりました。まず水洗いして、脚もとから上へ洗っていきます(上から洗うと、あとで自分がえらい目にあうから)。マッサージブラシで洗われるのが微妙にイヤらしくて、妙に体をぐねぐねさせるロゼッタ。洗っている間は皮膚の色が透けて見えて黒っぽい馬になっていましたが、すっかり洗って乾かすときれいな白馬に戻りました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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