←152鞍目 153鞍目・駈歩の座りかた
(2003.11.1 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
エンデュランス→
ロゼッタ
各個に巻き乗りですね。外方脚の使い方だけは
褒められたのですが、もう少し後ろに座らないとね。
朝、雨の音で目が覚めました。えー、昨日の天気予報では晴れって言ってたよぅ? 慌ててネットで天気現況を見てみたら、今は小雨が降っているけど、徐々に晴れてくるらしい。今日はAさんと待ち合わせして一緒に日の出に行くことになっているし、まぁ今が小雨でも大丈夫だろう。
お弁当を作って準備しているうちに、雨もどうやら上がったようです。Aさんとの待ち合わせ場所に向かい、車でピックアップしてもらって日の出へ。
今日は11時と13時の予約で、相方と1鞍ずつ別々に乗ることにしています。予約の際に、どっちがどっちでもいいよと言っておいたのですが、11時が私でロゼッタ、13時が相方でダンスくんになっていました。では急いで騎乗準備しなければ。
今日はAさんの自鞍を「ぜひ使ってみて」と言われているので、それを借りることになっています。着替えをして、Aさんの鞍を持って馬繋場へ。

ロゼッタの馬房に行くと、いつものように人のいるほうに顔を出していたので、そのまま馬詮棒ごしに無口を装着。引き手をくわえて遊び始めるロゼを好きにさせておいて、馬詮棒を外します。それから引き手を引いて、馬繋場へ。
前肢に巻いている厩舎バンテージを外し、蹄の裏掘り。ブラシかけをしていると、今日も左の腹に黄色いシミがべったり。あー、またボロの上に寝たな。ブラシかけを終え、前肢にプロテクターを巻いてから装鞍。汗取りのタオルを敷いて、今日はゼッケンもAさんからの借りもの。腹帯を装着しようとしたとき、隣りの馬繋場でマスラオの手入れをしていたK村さんが「なんかここにゲルあるけど?」と言います。「わー、忘れてた!」「やめてよ、そのじいさんにゲル着けなかったら大変だよ」「虐待行為だよねー、ごめんごめん」いったん鞍を降ろして、ゲルパッドを置いてから装鞍のやり直し。腹帯もAさんからの借り物ですが、Aさんはいつもこの鞍をホクトとかダンスに使っているけど、ロゼッタには大きいかな? とりあえず止めてみて、あと2穴くらい余裕がありそうだったので、これでいいことにしました。

前の時間にはレッスンは入っていなかったので、5分前に馬場へ出ました。少し早めに出て、レッスンが始まるまでに馬をほぐしておきたいし。騎乗前にマルタンガールなどを調整していると、K野さんとA木さんが騎乗補助に出てきてくれたので、補助を受けて騎乗。騎乗して、A木さんに左側から腹帯を締めてもらうと、「腹帯の穴、向こう(右側)は全然余裕ない?」「うん、一番短い」「これじゃ緩いかもなぁ。馬繋場で締めてくるときに、4穴は余裕がないと無理だよ。教科書にもそう書いてある」「そ、そうなの?」それは知らなかった。教科書って全乗振のテキストのことかな。緩くてダメだということになったので、腹帯を取り替えることになりました。いったん下馬して、馬繋場へ。せっかく早く出てきたのに、バカやっちゃったなぁ。最初から短いのを使っていれば良かった。K野さんが短い腹帯を出してきてくれて、それに取り替えます。
それでふたたび馬場に出て騎乗。今日の部班はモンブランとロゼッタの2頭、指導はA木さんです。「モンブラン先頭、ロゼッタ後ろで」と指示され、蹄跡に出て常歩を始めます。

ここのところずっとロゼッタに乗ってきて、最初の常歩が勝負だということが分かってきたので、常歩で前に出すことに専念します。脚を使ってダメなら鞭を使って、とにかく前へ。A木さんが「拳でもっと、馬の首の動きについていってあげるといいよ」と、拳を少し前後するゼスチュアをします。拳を固めすぎってことかしら。
だんだん調子よく歩けるようになったロゼッタ、ときどきは速歩が出そうになるくらいになりました。そうすると、前のモンブランに追いつきそうになってしまう。また今日に限って、ずいぶんやる気がなさそうだな、モンちゃんは。ときどき勝手に巻き乗りを入れたり、ラチのないところで蹄跡の外に持ち出したりして馬間距離を調節。せっかくロゼッタが前に出る気になっているから、これを抑えるのはしのびない。まだ、馬をつめ始めるには早いと思うし。

常歩のまま、「各個に、巻き乗ーり」で、内方に曲がらせようとしたのですが曲がりません。今のはけっこう前に出る状態だったと思うので、珍しいこともあるもんだと思って鞭を一発入れたら、内方を向いたロゼの顔つきが反抗的。ますます珍しい。なんだ? と、A木さんが「今のは膝が『曲がるな』って言ってました」。あ、確かに膝で締めてたかも。「ごめんよロゼ、あたしが悪かった」曲がれって言いながら曲がれないようにされたら、そりゃ混乱するよね。内方の膝を開き気味にすると、今度は素直に曲がっていきました。
速歩に移行、おおっ楽じゃないか。「ロゼッタ前に近づきすぎー」とA木さんに言われてしまうほど、すいすい前に出ています。部班だから馬間距離もきちんととらなければいけないけど、せっかく馬が勢いづいているから、これは殺したくないな。少し拳を握って控えながら、それでも脚はきっちり使って前に出します。ロゼにとっては幸いなことに、今日のモンブランは蹄跡より内側に入りたがっていて、蹄跡をずいぶん浅く回っています。これなら、ロゼッタは隅角を深く回していけば追いつかずにすみそう。隅角も蹄跡も、できるだけラチの近くをきっちりと回すようにしていきます。

「各個に、巻き乗ーり」速歩に落として、今度は内方の膝を開き気味にして巻き乗り。振り返って自分の蹄跡を確認すると、まぁまぁきれいな円が描けていて満足。「今の外方脚の使い方は良かったです」お、褒められた。
軽速歩をとって、ロゼッタがサボりたそうになったときには鞭を入れながら走ります。するとA木さんが「ロゼッタ、鞭入れるたびにイレギュラーしてるよー」イレギュラーって何だろう? 私の動きのことなのか、ロゼッタの動きのことなのか、考えてみたけど分からない。次に鞭を入れたときにも同じことを言われたので、「イレギュラーって、鞭を入れたら私が要求したのと違う動きをしてるってこと?」「ううん、鞭を入れるたびにリズムが乱れてるってこと」「鞭で歩様を乱してるってことね」「そう」鞭を入れたとき、馬がひゅっと前に出ることを言っているのかな。そんなにシャープな鞭を使っているつもりはないんだけど、鞭に反応してひゅっと前に出るのは、そういうものだと思っていました。まぁ、鞭を使わないで拍車で前に出すのが理想なんだろうが、推進力のない今の私は鞭に頼らざるを得ない。どうしたもんかな。

軽速歩で、何度か前傾を指摘されます。確かに後で写真を見ると、前傾してるんだなこれが。前に出そうとして、すこし焦っていたのかもしれません。
「ロゼッタちょっとやそっとじゃぶっとばないからさー、手綱ちょっと長くしてみて」とA木さん。ぶっとばないのは知っているが、K野さんだといつも「ハミが重いかもしれないけど拳許さないで、我慢して持って」と言う長さなので、えっ伸ばしていいのか? と、ちょっと混乱。「それで、手綱を指3本で持ってみましょう。小指と薬指の間じゃなくて、薬指と中指の間に入れて、2本でひっかけるみたいにして、あんまり力入れないで」つまり私が拳を固めすぎ、ということなんだろうな。
普通、手綱は人差し指から薬指までの3本に引っ掛けて親指で押さえますが、言われたとおりに人差し指と中指だけに引っ掛けて、親指で押さえます。「そうやって、馬の口とコンタクトすることに専念して」かなり不安のある持ち方だが、確かに拳に力は入りません。これでふわふわとハミを持てるようになるといいんだろうけど、なかなかうまく行かないものだなぁ。

しばらくその手綱の持ち方で速歩と軽速歩をしていましたが、まだ治りきってない右手親指の腱鞘炎がだるくなってきた感じ。酷使するとまたぶり返すので、「ごめん、もとの持ち方に戻していい?」とA木さんに断って持ちなおします。
「じゃあね、思いっきり手綱を伸ばしちゃって、拳を広げてここらへん(腰の両サイド)まで持ってきてみよう。それで、手綱は拳あんまり使わなくていいから、肘で引いてみて」手綱を10センチくらい伸ばしてしまうと当然手綱が緩むので、馬の口とコンタクトを保つためには、拳を自分の腰の後ろまで下げるしかなくなります。これもまた、慣れない手綱の操作の仕方だけど、さっきの持ち方よりは要領はつかめる。「そうやって手綱に頼らないで立つ練習してみて。そうすると拳も上下にがたがたしなくなると思う」うん、私の拳って軽速歩で少し上下してるよね…。その体勢で軽速歩をとります。「うん、そうそう、今のいい」体の横に来ると、逆に立つときにバランスがとりやすいような感じ。でもこれで馬の口とコンタクトをとるのって難しいな。引っ張りすぎず、譲りすぎずってどこらへんなんだろう。

「じゃあモンブラン中に入って輪乗り。ロゼッタ、蹄跡で駈歩」手綱をきちんと持って(さすがに駈歩は、きっちりハミを持たないと出ないことが分かっているので)、左手前の常歩から駈歩発進。おお、スムーズに出るな。内方を頑張って押さなくても、外方脚をきちんと引けば「あ、駈歩ね」と言う感じで反応してくれます。今日はいい動きだぞ。それでも速歩に落ちたそうなときは、軽く鞭を入れたりすればちゃんと継続できて、いい感じ。この間1課目を踏んだときに、駈歩で全然隅角に入れなかったから、今日はできるだけ駈歩でも隅角を深く回せるようにしていきたいな。駈歩の勢いに負けて、隅角をいい加減に浅く回りそうになりますが、どうやって外に出したらいいかな。外方を開き手綱にしても首が外を向くだけだろうから、内方で押し手綱を使ってみるか。お、さっきよりはだいぶラチに近づいた。本当はもっと隅角を深く回りたいところだけど。
調子よく駈歩が続いているので、ちょっと巻き乗りでも入れてみようかな。円を描き始めたのはいいけど、終点まであと2歩というところで速歩に落ちてしまいました。あーあ、情けない。するとA木さんが、「今の外方見て分かったけど、どっちかっていうと外方脚のほうを長く使ってる感じ。内方の膝が上がっていっちゃってるし。大げさに言えばだけど、内方のほうを長く使うような感じだよ。内方に傾かなくてもいいけど、でもそんな感じ」そう言えばK野さんにもよく「内方に座って」と言われるけど、そういうことなんだよね。

そうやって左手前で駈歩を続けますが、先週も感じたように、どうも左手前だとうまく座れない感じで、鞍にしっかりお尻がつかない。かろうじて踏歩転換はされないものの、どうもカッコイイ駈歩じゃない。「こう、前後に揺れすぎてる感じだねー。前に倒れようとしないで、後ろにだけ倒れる感じ」そうそう、以前Almoさんに「推進しようとするあまり腰で推している」と評されたことがあるんですが、そうじゃなくて駈歩の動きについていくのが下手で、上体が前後に振れすぎているんだよね。「自分の視界が上下に揺れてるようだと、良くないんだよ」あ、視界を広くすることを忘れていた。で、駈歩をしながら視界を広げると、やっぱり世界は上下に揺れている。「あー、揺れてるねー」「うん、揺れてるってことが分かるだけでもいいよ。で、どうやったら座れるかっていうと、反動ごとに下っ腹を伸ばす感じ」なるほど、上手い人の乗り方を見てると、駈歩の3拍目でお腹を前に突き出しているように見えることがあるけど、あんな感じか。
意識して3拍目にお腹を下に伸ばすと同時に肩を引くようにすると、少し動きについていくのに無理がなくなった感じ。
「ちっちゃく半巻きして、手前を換えて駈歩」で、右手前で駈歩。発進もスムーズだし、やっぱり座りやすい。「あれー、右駈歩だと動きについていけてるね?」「あ、やっぱり? なんか右のほうが座りやすいっつーか、左だと全然座れないんだよね、2ポイントしてんのかっつーくらい」「うーん、やっぱり膝はだんだん上がっちゃってるんだけどねー。少なくとも左のときはこうバタン、バタンってなってるのが、右だとふわん、ふわんってついていけてる。じゃあもう少し右手前で駈歩の動きについていって、それからもう1回左駈歩しようか」それから右手前で駈歩、もう一度手前を換えて左手前で駈歩。さっきのときよりも、だいぶ楽に座れるようになってきました。

速歩に戻してしばらく走り、今日のレッスンは終了。沈静化して、最後に馬場中央で停止するとき、半減却を使いながら停止。きちんと四肢が揃って停止できたかな、と思って脚もとをのぞき込んで見まししたが、やっぱり後肢がちょっとずれてる。なかなか上手くいかないもんだ。
今日はロゼッタはこの1鞍でお仕事が終わりだったので、馬繋場で脚だけ洗います。手伝ってくれた高校生スタッフのK田くんが「今日の駈歩うまかったっすね!」と言ってくれたので嬉しくて、「そう思う? 今日のロゼ、調子良かったんだよー」。首や脚の付け根にいっぱい汗をかいているし、ほんとに今日は頑張って動いてくれました。

ロゼッタ
右手前の駈歩だと、割と座れるのね。割とね。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

←152鞍目 エンデュランス→

乗馬日記トップへ / トップページへtop