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(2003.12.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
試合→
ここのところロゼッタばっかり乗っているので、「ああいう重い馬だけじゃなくて他の馬も乗ってみれば?」とN子先生に言われ、「アルフォンスなんかどう」だって。先生、私アルフォンスのほうが重いんですけど…。いや、でも寒くなったらあいつ調子づくし、そしたら駈歩も調子よく出るかもな。調子づいたあいつの駈歩って、座りやすくて(JRほどではないけど)気持ちいいんだよなぁ。
でもアルフォンス、先月やっちゃったケガがもとで腫らした脚がまだ治っていないんですが、「あれは動かしたほうが腫れが引くの」「立ち腫れみたいなもんですか?」「そうそう。乗る? ほら、ここ空いてる、乗っちゃいな」というわけで、14時から乗ることになってしまった本日2鞍目。部班も久しぶりだし、アルフォンスに乗るのも久しぶりです。

時間がきたのでアルフォンスの馬房へ迎えに行きます。あれ、なんかおとなしげな顔してるな。無口にあらかじめ引き手をつけて(噛まれないために覚えた自衛策)、覚悟を決めてアルフォンスの馬房の扉を開けます。ここでかぷーっとくるんだよね、かぷーっと…ありゃ? 来ないし。しかも無口に自分から鼻を突っ込もうとする素振りさえ見せるアル、そんなバカな。どうしたのあんた、心を入れ替えたの?
馬繋場に引いていく間も立ち止まらないし、段差はきちんと見るし、なんか優等生ぶっててアルらしくないんですけど。
馬繋場につないで蹄の裏掘り、ちょっと後右脚が腫れているので、その脚だけ上げるのがイヤそうだったけど、それ以外はおとなしく掘らせてくれます。一体どうしたのよぅ、お前。
今日のアルは午前中にもお仕事しているので、ブラシかけは省略して馬装に入ります。馬装の間も、いつもなら汗取りタオルをぶるぶるして振り落とそうとしたり、隙を見て振りかえって噛もうとしたりしていたずらするのに、今日は全然出ない。うわー、別馬みたい。ケガで休馬している間になにかあったんですか、あなた。

いやまさか、ハミかけだけは素直にやらせまい、何しろアルフォンスだから。無口を外して頭絡を近づけると、頭を少し上げようとしたので手で抑えこむと、すぐ下を向きました。うわー、いつもならここでもっと頭上げようとするのに。左の親指を口角に入れながらハミを噛ませると、わりと簡単に口を開けたのでびっくり。アルフォンスのハミかけは時間がかかるからと思って早めに始めたのに、レッスン開始時間より早くできちゃったじゃないか。
長鞭を持って、馬場に出ます。坂道を降りるときにのんべんだらりなのはいつものことだけど、今日は脚を腫らしているから無理に引っ張らないことにしました。
馬場に出て、踏み台を持ってきてもらって騎乗。ここのところロゼッタばっかり乗っていたから、でかいなーアルフォンス(いや、こいつが普通なんだけど)。今日の部班はコスモ、ウィンダム、アルフォンスの3頭。ほかの2頭がまだ準備ができていないようなので、勝手に蹄跡に出て常歩していることにしました。脚で圧迫しても前に出ないので、拍車で蹴ってようやく動き始めるアル。やっぱ重いじゃん。

蹄跡を歩かせても、のたのたしているので前に出そうと思うのですが、でもこいつ、脚腫らしてるしなー。でも歩様に異常は感じないし、大丈夫なのかな。とりあえず鞭を使ってみますが、こいつあんまり鞭使うと拗ねるんだったっけ、と思って拍車で蹴って前に出します。
いつのまにか、コスモとウィンダムも蹄跡を歩いています。「列へ」のO先生の号令で、蹄跡から馬場中央へ。左にコスモ、右にウィンダムを見ながら真ん中に入って馬を止め、挨拶。「先頭より前へ」の号令で、蹄跡に向かって歩かせようとしたら、前に出ないし。3頭同時に歩き出していれば、左手前で蹄跡に出たときにコスモ、アルフォンス、ウィンダムの順になれたはずだったのですが、出遅れてしまったのでウィンダムに先を越され、ウィンダムの後ろで蹄跡に出ます。恥ずかしいことをしてしまったが、まぁアルは後ろに馬がいると止まりたがる子だしね、好都合と言えば好都合だけど。

割とすぐ速歩の号令が出て、速歩。軽速歩をとって走らせます。さて、来週は試合なのだから、部班でも試合に役立つような騎乗をしよう。まずなにが出来るかと考えると、隅角をきっちり回すことかな。部班だけど、経路を踏んでいるようなつもりで、隅角ごとにできるだけ鋭角的に突っ込み、かっちりと曲げていきます。
でもそうやって走っていると、ときどき後肢がかくっとする感じ。やっぱり腫らしてるところが痛いのかなー、あんまり走らせたらかわいそうかしら。でもかくっと来るのは1歩だけで、続かないので跛行というにはあたらない。馬と一緒にバランスを崩しちゃわないようにするしかないんだな。さらに走っていると、かくっと来るのは水たまりのところだけということが分かってきました。今日の馬場は雨水がたまっていて、水たまりの嫌いなアルフォンスはそこがイヤだから集中力をなくすんだな。でも悪いけど、イヤでも行ってもらうよ。

前のウィンダムとスピード自体はほぼ変わらないと思うのですが、ウィンダムは隅角を丸く回っていて(もともと内にささる馬だし)、アルフォンスには隅角を深く回らせているので、隅角ごとに置いていかれていってしまいます。クラブハウス前の濡れた馬場は、ショートカットすることにしました。水たまりごとにかくかくされてたら、脚にもいいことないだろうし。でもショートカットするんでも、自分で仮想蹄跡を作って、仮想隅角をきっちり回らせないと。
でもあんまりウィンダムに近づきすぎて、蹴られそうになってしまいました。おーこわ。
自分ではかなりきっちり隅角を回していたつもりなのですが、途中でI野先生が馬場に入ってみえて、「隅角の回し方がまだ甘い。内方脚ちゃんと使って、外方でちゃんと押さえろ」とおっしゃいます。あー、外方ね。あんまりやりすぎると駈歩出ちゃいそうだけど、この際出てもどうっていうことないか。

「斜めに手前を換え、線上歩度を伸ばせ」の号令、それをやるためには蹄跡で馬をつめてないとな。蹄跡から拍車や鞭を使い、拳でためてから方向転換、線上に入ったときに拳をゆるめて鞭を一発くれたのですが、思うように伸びません。うーん、1人で馬場踏んでるときにはできるのにな。それともあれは、ロゼッタが知っててやってるだけなのか。
順次輪乗り、前の2頭は軽速歩で入っていましたが、馬場的には輪乗りは速歩だとI野先生に言われているので、自分は速歩に落とします。「そうですね、馬場をやる人は輪乗りは速歩ですね」とO先生、よしよし。
「できれば、鐙はもう少し浅く履くとかっこいいです」とか、あんまり鞭を使っていると「本当は馬場では鞭の使用もないって知ってます?」と、O先生の指導は、わりと試合に出る人向けの指導って感じ。先生方が日の出にみえてから、1課目の指導しか受けていないんだから、まぁそう認識されるのが当然と言えば当然。

常歩におとして、「一番の問題は鞍付きだと思います。もう鞍とお尻に糊がついてるのかな、っていうくらいぴったり着いたらいいんですけどね。そしたら、拳が揺れるのも、脚がふらふらするのも、正反動も、全ての問題が解決するはずです。すべての問題は鞍付きなんです」うわー、今私がかかえてる課題、全てが鞍付きに行き着いちゃうってことか。「じゃあどうしたらいいかっていうと、もうそれは慣れですね。練習練習練習練習、その繰り返ししかないです。でもひとつ言えることは、速歩で後橋に座ってしまわないこと。そして補助手綱(サドルホルダー)持っちゃうんです。そしてそれに頼って、自分のお腹を突き出すように、前橋に引きつけてしまうんですね。それでだいぶできると思いますよ」。試しに言われたとおり、補助手綱を持って速歩を出し、反動ごとに補助手綱に向かって腰を押しつけるように前に出してみます。あ、確かにこれだと、鞍の上でどすんどすんとはならないかも。最初は両手で補助手綱を持っていましたが、それだと馬の制御がしづらいことに気がつき、外方だけを持つことにしました。「そうそう、最初は両手でもよくて、それから片手でできるようになったら指1本だけ、そうやっていったら補助手綱なしでもできるようになります」。

速歩と軽速歩で、もうそろそろレッスン終了時間。今日は駈歩はなしだな。でも自分としては、かなり勉強になった感じ。
馬場を横切りながらS田さんが「アルー、跳ねろ、お前らしくないぞー」とか言ってる。「うるさいよー」よっぽどアルが素直に走っているのが気に入らないらしい。傍目には素直に見えるかもしれないけど、これでけっこうわがまましてるのよ、アルは。ただいつもより、頑固じゃない。「それはダメ」と言ったらすぐやめる、それは確かにアルらしくないけど。
常歩に落として沈静化、しばらく歩いてから馬場中央に整列、挨拶して終了。

下馬して、アルフォンスを馬繋場に連れて行こうとしていると、I野先生に呼ばれました。馬を連れたままクラブハウスの方に行ってみると、「次Mさん乗せるから、その馬貸して。鞍も」って、鞍はAさんのですけどぉ。「何時からですか?」「16時かな」ってことは、実質30分くらいしか休憩時間はないので、「馬繋場につないでおいていいですね」ということで、馬繋場へ。
ハミをとって無口につけかえ、馬繋場につないで腹帯をゆるめておきます。今日はけっこう運動しているし、お水でも飲ませといたほうがいいかな。あんまり馬繋場で飲んだりする子じゃなかった気がするけど、とりあえずバケツに水をくんで鼻先にあてがってみます。最初はあんまり興味のない顔をしていたアルフォンスですが、少し飲み始めると、あとは一生懸命飲み始めました。するとそれを見ていたS田さんがまた「そんなことしてもらって、かわいくなーい!」いや、普通に考えたらかわいいんだってば。アルらしくないってだけで。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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