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(2004.1.17 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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天気予報は午後から雪ということでしたが、先週日の出に行っていないので、とりあえず午前中のうちに乗ってしまえと思い(相方は夕方に障害レッスン入れているけど)日の出へ。武蔵増戸駅についたとき、既に空がどんよりとしていたのですが、日の出乗馬倶楽部を目前にした山田大橋を渡っているあたりから、白いものがちらつき始めました。
倶楽部に入ると、おいおいもう乗ってる人いるよ。でも今日は馬場が凍ってないみたいだし、ハンパな雨よりも雪の方が濡れなくて好都合かも。私の騎乗馬はいつもどおりロゼッタ、相方はダンスくんです。

キュロットは更衣室で着替えましたが、あんまり寒いのですぐにクラブハウスに入って、ストーブの前で長靴をあぶって履き、拍車もつけます。雪はだいぶ本格的に降り始めていますが、まぁ雨で言うなら小雨程度。でも寒いから、しっかりストレッチはしないとやばいな。
レッスン開始30分前、ロゼッタの馬房へ。できるだけロゼじいさんに寒い思いをさせないよう、スムーズに馬装できるように必要なものをすべて馬繋場に揃えてから、ロゼの馬房へ。
私が準備をするのをじーっと見ていたロゼですが、いざ引き出そうとしたときには馬房の奥に引っ込んでしまっています。「じい、仕事だからこっち向いて」と呼ぶと、顔を馬栓棒の上から出してくれたので、無口と引き手をつけてから馬栓棒を外し、馬繋場へ出します。

とりあえず、指が冷たくて動かないので、ロゼッタのたてがみの下に手を突っ込んで暖をとります。でもこいつ年寄りなので、あんまりあったかくないや。
蹄の裏掘りをして、ブラシかけ。あらじいさん、喉のところの毛がハゲてるよ。これは今の馬房に移ってから、馬栓棒の上から首を出すようになったせいでこすれてしまったのでしょう。ま、熊癖(ゆうへき)が治まってるみたいだから、これくらいは良しとしよう。
今日もマルタンなしで装鞍。装鞍が終わったところでレッスン開始5分前、オーナーが「もう馬出していいよ」というので、ロゼをつれて馬場へ出ます。馬場ではすでにO先生が踏み台を持って待っていてくれて、腹帯を締め直してもらい、補助を受けて騎乗。鐙に立ってみると、鐙が短いような気がしたので1穴伸ばします。もう一度鐙に立つと、今度は長いような気がしないでもないが、「大丈夫ですか?」とO先生に聞かれて「少し長い気がしますけど、頑張ってみます」と返事。これくらいだったら、騎乗しているうちに短く感じてくるはず。

とりあえず準備ができたので、勝手に常歩で蹄跡に出て歩くことに。雪は結構降ってきました。この寒さだから、人馬ともに少しでも体を温めておかないと。しばらくすると他の馬も蹄跡に出てきて、自然発生的に先頭になってしまいました。
そのまま左手前で歩いていると、鏡の手前くらいのところで突然前足を突っ張り、横っぱね寸前のロゼッタ。なによぅ、何もびっくりするようなもんないよ? 馬繋場のほうで水音がしていたかもしれないが、それだって普段のロゼッタなら気にもとめないような程度の音。あんたもしかして、張ってる?
念のため、次の周回で同じ所にきたときに停止させ、首をたたいて馴致しておきます。ここには何も怖いものがないということを納得しておいてもらわないと、思いがけないときに跳ねられたらイヤだから。

「列へ」の号令で馬場中央へ。今日の部班は4頭。O先生の指示で、ジュンヨー、ダンス、ロゼッタ、アルフォンスの順で蹄跡へ出ます。そのうちアルフォンスはレッスンではなくスタッフの下乗りなので、途中で抜ける予定。
「昨日ロゼッタは僕がしっかり乗ってますけど、なぜか下乗りすると重くなる習性があるみたいなんで、今日は乗ってません」とO先生、「そうなんですよねー」それは身をもってよく知っています。「寒いですから、人も馬もしっかり暖めましょう」と、ちょっと長めに常歩。前のジュンヨー、ダンスに置いていかれるので、少し脚と鞭を使いながら常歩させます。するとだんだん、首をよく使った常歩になり、ときどきは速歩が出そうとするので抑えながら歩きます。ふだんだったらこの状態に持っていくのに、ものすごく拍車と鞭をばちんばちん使わないといけないのに、ちょっと推しただけでこうなるってことは、やっぱりこいつ張ってるんだな。ま、これくらい動いてくれたほうがいいけど。

速歩の号令で脚を使いますが、今度は反応が悪い。O先生が近づいてきて「がんばって速歩」と追い鞭を軽く使ったら、ロゼは何やらカッとしたのか、いきなり駈歩をしようとします。は? あんたらしくないじゃん、ちゃんとした扶助もなしに駈歩しようなんて。もしかしてあんた、私を試してるわね? 悪いけど、この位じゃ落ちてやらないんだからね。
すぐ前にダンスくんがいたし、すぐ止められたのでO先生も「おやおやロゼッタ、今日はちょっと元気ですねー」と冗談めかして言い、「ちょっと張ってますね」と返事。まぁ、これくらいのほうが前に出すのが苦労しなくていい。
軽速歩で蹄跡を周回、いつもより勢いがあるのはいいんだが、それにしてもぜんぜん隅角に入っていってくれないな。巻き乗りや輪乗りではちゃんと外に出せるんだけど、蹄跡ではなんだかふらふら走るので、内方によれたまま隅角に深く入れないことが多い。

しかし寒いな。気がつくと体が固くなってしまっていて、肩がちぢこまっているような気がする。ときどきは自分で肩を回したりして改善しますが、また自然に肩が入ってしまっているかも。
しかしロゼッタの口って、こんなに固かったのかい。やわらかく持とうとすると、首を落としてサボろうとするので譲ってやれない。しっかり持って推して(推せてないけど)、とやっていると、指がしびれてきました。もちろん寒さのせいもあるけど、ハミが固くて、それを持ちこたえるのに必死なせいもある。
と、ロゼッタが突然また前足を突っ張り、何かを避けるように飛びすさりました。今のは向こうで飼料袋をたたんでいるのを見たのか。どうしたのよ、あんた普段はあんなもの気にもとめないじゃないの。

「けっこう寒いですから、軽速歩でしっかり体を暖めましょう」とO先生。ちょっと動きはピーキーなものの、いつもより軽く動いているので、少し歩度をつめたり伸ばしたりしてみようか。
手始めに斜め手前変換のとき、線上で歩度を伸ばしてみます。ロゼは歩度をつめるのが簡単な馬なので、つめてつめて、線上で拳を譲ってやると歩度が伸びた感じ。
今度はロゼが一番調子がよさそうなところ、クラブハウス前の長蹄跡だけを歩度を伸ばすところと決めて、そこに来たときだけ歩度を伸ばすようにしてみます。「そうそう、うまく歩度伸びてますよ」とO先生に誉めてもらえました。
そしてまた不意に、横っぱねしようとするロゼッタ。やっぱり雪降ってるから、目に入ったりしてイヤなのかな。もう1度跳ねられたら、鞭を捨てることにしよう。今日はあんまり使ってないし。

「では順番に駈歩しましょう。ジュンヨー以外の馬は、内蹄跡で常歩していてください」ということで、蹄跡より2メートルほど内側に入って常歩。この馬を常歩で維持するのはすごく難しくて、常歩にしたとたんに「もう終わりだよねー」と言わんばかりのだらだらした歩様に落ちてしまいます。鞭で前に出そうとしたら、ぴたっと止まって後ずさり。おまえねー、それはアルフォンスの専売特許。あんたが真似してんじゃないの。
ジュンヨー、ダンスときて、次は私の番です。常歩から駈歩発進しますが、まるでロゼが反応しない。さっきまであんなにピーキーだったくせに、脚扶助に対しては鈍感なのね。いくら外方脚を引いて、内方で押してとやっても反応してくれないので、これは今の常歩で馬を伸ばしちゃったな。「焦らなくていいですから、発進大事にしましょう」とりあえず、いったん速歩にして馬の勢いを取り戻してから駈歩発進。よーやく出ましたが、すぐ踏歩転換され、そのまま座っていられなかったので速歩に落とします。

「発進のときハミ持って行かれるかもしれませんが、それは頑張って持ちこたえないと、この馬の場合はかえって駈歩出にくいです」ということで、もう1度駈歩発進。今度はさっきよりもマシだけど、扶助を出してから反応するまで、どうしてこんなに時間がかかるんですかあんたは。出してくれないのかなと思っちゃうじゃんよ。
しかもどうも、私のほうも寒いわ跳ねられるわで体に力が入ってしまっているようで、なんだか座るのが下手になってる。で、駈歩が続かなかったり、踏歩転換されたり。でも「大丈夫です、持続することはあんまり考えなくていいから、発進だけうまくできるようにがんばりましょう」と優しいO先生。
なんとなくうまく駈歩ができないまま、左手前の駈歩は終了。

蹄跡に出て、しばらく軽速歩。さすがに駈歩のあとだからよく動くな。半巻きして、「先頭から、前の馬に追いつくまで駈歩」の指示。右手前のほうが少し得意だから、さっきよりマシだろう。
ジュンヨー、ダンスに続いて駈歩発進。でも今の、ずいぶん鞍の下でごつごつした動きだったような。いったん止めて、「今の、正駈歩でした?」とO先生に聞いてみると、「正駈歩でしたよ。分かりにくいかもしれませんけど、合ってました」うーん、自分では右手前、もう少し座れるつもりでいたんだけどな。
2度目だし、左手前よりは右手前のほうが発進もうまく行くけど、どうも安定した駈歩ができないな。今日は寒いわ、跳ねられるわで(気にしていないつもりだったけど)、特別体が固くなってるのかも。

私が駈歩をしている間に、ジュンヨーとダンスはすでに沈静化に入っていたので(アルフォンスはそれより早く抜けていました)、私だけ沈静化を1周多くしてから馬場中央へ。
馬繋場に馬を引いていき、今日はロゼッタはこれでお仕事が終わりなので手入れ。小降りとは言え雪で濡れたので、腰を毛布で覆ってから足を洗います。ふと飛節のところを見るとボロでずいぶん汚れているので、これはボロがやわらかいのかもしれないな(ボロがころころ団子状であれば、そんなには汚れないはず)。こいつは今かゆ飼が多いらしいし。飛節を洗ったついでに、お尻もちょっと見てやるかと思ってしっぽに触れると、ロゼが自分からしっぽを上げて「洗ってぇ〜」モード。あー、やっぱりお尻きたないね、これじゃかゆいねぇ。お湯で洗って、風邪を引かせないように急いでタオルで拭いてやります。お年寄りだから。

ロゼを馬房の中で1回転させて立ち止まらせ、さて無口を外そうかな、あ、馬着着せるの忘れた、と考えた瞬間、右足に激痛が。いったぁー、ふ、踏まれたぁ…と思う瞬間も、馬乗りだから大声は出さないクセがついています(笑)。とにかくこの足をどかせることが最優先なので、ロゼの肩を押して反対側に重心を傾けさせ、ようやくロゼの足が浮いたので自分の足を引きぬきました。足の先がじんじんするけど、骨や筋には異常なさそう。指先だけ踏まれるのではなく、足の甲を広範囲に踏まれていたことが不幸中の幸いでした。
くそー、しかしわざわざ革長のときに限って。このくそじじぃ、どうしてくれようか、とふるふるしても、ロゼは「あんた何してんの?」という顔。あーむかつく、お前なんか昼飼い食わせてやる。しっかり食え。

午前中にレッスンを終了して、お弁当を食べても倶楽部で遊んで1日過ごすのが常ですが、Eさんにもらったニンジンをロッキーちゃんにあげていたら、隣の馬房からロゼッタがじーっと見てる。「そっちはいいから、俺のことをかまえー」という態度。あー分かったよ、分かりました。さらにそれを馬繋場で見ていたアルフォンスは「お手」をはじめるし。
そのあと、Eさんの半自馬であるフロスティの馬房の前でEさんとしゃべっていましたが、そこにO先生が来てフーちゃんの体調の話になりました。私が立ち入る話ではないと思ってさりげなく後ろに引いたら、ちょうど背中にロゼの顔が。ロゼも馬栓棒の上から顔を出して、話を聞いているような風情だったので、そのままロゼの馬栓棒にもたれて話を聞きます。するとロゼ、私の肩の高さがちょうどいいと思ったのか、あごをのっけてきました。後ろから肩にあごを乗せられると、ちょうど馬の首に私のほっぺたが当たる位置になります。冬毛の感触が気持ちいいのでそのままにさせておいたら、ロゼはそのまま居眠りをしはじめた模様。おまえ、私を何だと思ってるんだ。まー、それなりに気を許してはくれているんだろうけど。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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