←試合 169鞍目・あわてないあわてない
(2004.2.14 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
170鞍目→
2月にしてはずいぶんあったかい土曜日、今日もいつものように11時の予約で日の出へ。
到着してホワイトボードで配馬を確認すると、今日の騎乗馬はロッキー、相方はアルフォンス。道中、私がアルじゃないかと話しながら来たので、ちょっと意外。ロッキーに乗るのも久しぶりです。昨年末に、人手が足りないときにちょこっと下乗りで乗せてもらったことがあるくらいで、レッスンでは実に1年以上乗っていません。
でも下乗りで乗ったとき、ずいぶんイライラしていたんだよね、あの子。最近ロッキーちゃんはどうも腰が痛いらしくて、速歩や駈歩で座るととたんにイライラして、引っかかって走ろうとする感じがありました。昔は重いくらいの馬だったんだけど。

今日は高校生バイトスタッフのU村くんが下乗りしてくれるというので、「みっちり動かしといてよー」と脅しておいて、自分は着替え。いつものクセで、棒拍車を取り出して装着しようとして、少し拍車の幅を広げようとしたら「ぱきっ」と音を立てて折れてしまいました。あらー。まるで私がバカ力みたいじゃないの。
仕方ないので丸拍車に変更し、馬場にロッキーちゃんが出てきたのを見ると、マルタンガールをしていない。馬場の外から「U村ぁ、マルタンは〜?」と聞くと、「あ、するなって言われたんですよ」うげー。U村が上手いからじゃないの? 私もそうしなきゃダメ? けっこうロッキーちゃん、走るとき頭上げるんだよね。でももしかしてマルタンがないほうが、ハミが必要以上にかからなくて安全なのかも。
時間が来たので、短鞭を持って馬場へ。U村くんが私の姿を認めて馬を止め、下馬。鐙の長さを合わせていると、O先生が出てきて、U村くんにマルタンをつけるように指示しています。なぁんだ、やっぱりU村だからじゃん。

馬場の中で腹帯だけ外し、マルタンを装着しなおしてから騎乗。鐙を合わせてみると、すこーし短めな気がするけど、まいっか。他の馬はとうに準備ができて蹄跡に出ているので、私も常歩で蹄跡へ。あらぁロッキーちゃん、ずいぶん元気がいいのね。全馬場を使って常歩していると、うちの相方に追いつきました。というか、相方の馬が止まってしまったんだな。あ、そういえばアルフォンスだっけ。後ろから馬がくると止まるんだよね、まずい近づき方したかしら。
アルフォンスが動かないので、相方が派手にムチを入れています。するとその音にロッキーちゃんが反応して、ぱたぱた走り出してしまいました。ほーほー、ロッキーちゃんのことを叱ったんじゃないのよ。O先生が「回りに驚きやすい馬がいるときは気をつけて」なんて、相方に注意してます。こっちも近づきすぎたんだけどね。とりあえずアルフォンスの前に出てしまったので、その前にいたダンスの後ろにつけます。
控えて常歩にしても、またすぐに自分からあわてて速歩を出してしまうロッキーちゃん。しかも走ろうとするときには頭が上がるし、うーん、ちょっとイライラしはじめたかな。こりゃちょっとかかり気味かも。ひとまずクラブハウスの前で鞭を捨て、そのまま常歩。

O先生の「列へ」の号令で、馬場中央に馬を並べて停止。今日の部班はジュンヨー、ダンス、ロッキー、アルフォンスの4頭。その順番で蹄跡に出るように言われましたが、「ほかの3頭はいいんですけど、どうもロッキーがやばそうなんで、馬場を小さく使いましょう」や、やばそうですか。「KYOKOさんは、柔らかくやさしく座ってあげるように気をつけてください。それから、ハミを当てるとかーっとしますから、手綱にしがみつかないで、拳はやわらかく使うようにしましょう」まぁこわい。やっぱりこの子がイライラしてるのは背中が痛いせいで、だからどすんとお尻を落とすとダメってことですね。拳については、全くコンタクトをとらないと、それはそれでロッキーちゃんが不安がって走ってしまうところを何度も見ているので、きちんとコンタクトをとりつつ柔らかい拳を使うってことだなぁ。基本と言えば基本だけど、それって私全然できてないし。
「先生、拍車外してよいですか」「あれっ、拍車つけてたんですか。どうりで、それはターボチャージャーついちゃってますね」と、拍車を外すのを手伝ってくれて、「さぁこれでターボチャージャーは外れましたけど、ターボエンジンはついてます」と言う、おちゃめな元バイク乗りのO先生なのでした。

常歩で蹄跡へ。体が小さくて歩様も小さいロッキーちゃん、前のダンスくんからちょっと距離があくと、すぐ焦ってぱたぱた走ろうとします。ダンスに追いついたからと言って落ちつくわけではなく、ともすれば追いぬいてしまいそうな勢いです。うーん、この子の場合、ハミで抑えてもかえって引っかかるだけなんだよな。腰張って止めるしかないんだな。
いつの間にやら前の馬が速歩になっていたので、ロッキーも速歩にします。あー、だいぶ焦って走るなぁ。速くても、一定のリズムで走ってくれるなら心配しないんだけど、どんどんリズムが速くなっていくのがイヤな感じ。こういう馬にはゆっくり、じっくり座ってやらないとダメだろうから、できるだけふくらはぎを安定させて、脚をばたばたさせないように軽速歩。私はヒロ牧場でもTOMO R.C.でも、軽速歩で立つときにはもう少し前傾してもいい(つまり私の姿勢は、座るときの上体を起こした姿勢のままで立ちあがろうとしている)と言われましたが、じっくり座ろうとすると、なるほど少し前に向かって立ちあがったほうが立ちやすいな。
ロッキーちゃんが腰が痛いということが分かってるから、座るのにも気を遣って鞍の前のほうにじっくり座ることができるし、これはむしろ丁寧に乗る練習になるかもしれないな。

どうにも機嫌が悪いらしいロッキーだけど、基本的に反抗したりはしない温厚な性格なので、跳ねたり蹴ったりは絶対にしません。ただリズムが速くなっていくだけで(それがイヤだっつーの)。常歩に落としても、ロッキーが自分でハミをぐーと持っていって速歩しようとします。
さぁ、この子を落ちつかせるにはどうやって乗ってあげたらいいかな。ハミをかけるとかーっとすることも分かっているので、拳はやわらかく使わないと。あまり拳を低い位置に持っていても、馬の口を押さえつけるようになってしまうみたいだし、高い位置ではもちろんハミが当たってしまうので逆効果だろう。ということは、自分の肘と肩を固めてしまわないように、自由にしておかないといけないんだな。
さっきからずーっと「ほーほー」言いながら乗っている自分。歌でも歌っちゃおうかな。そのほうが馬も自分も落ちつくかも(やらなかったけど)。

順次に巻き乗りの指示。軽速歩のまま行ってもいいかな、と一瞬迷ったけど、速歩に落として巻き乗り。ロッキーちゃんは反動が少なくて座りやすい馬だから、そんなにバンバン背中を叩くようにはなりませんが、それでもやっぱり座ると機嫌が悪そうだな。
「人間がそんなに内方に傾かないようにしましょう。馬の耳の間から前を見て、ちょっと傾いているかなー、くらいでちょうどいいです」と注意があり、自分が巻き乗りの内側に肩を落としていたことに気がつきました。そう言えばTOMOさんでも似たようなこと言われたよなぁ。
次の巻き乗りでは意識して、これだけ馬が前に出ているんだから、ちょっと内側に誘導してあげるだけ、というつもりで乗ったら、「そうそう、だいぶ良くなりました」と言ってもらえました。

「ロッキー、少しだけ速歩しましょう」と言われ、速歩に落とします。腰が痛いロッキーちゃんのために、少しでも座れるように外方の親指にサドルホルダーを引っ掛け、そこに向かって下っ腹を出すようにして動きについていきます。こうしてサドルホルダーに頼ると、何もしないよりは座れるようになるんだよね。2周ほどで、「はい、けっこうです」と軽速歩に戻されたのは、やっぱりロッキーの腰に気を遣ってのことかしら。
だいぶロッキーの動きに慌てたところがなくなってきて、ようやく落ちついてくれたのかなー。「KYOKOさん、すこーしだけ手綱長くしてみてください」とO先生に言われ、2センチほど手綱を前に送ります。お、落ちついて走るじゃん。「これでハミを前に持っていかなかったら、落ちついた証拠です」なるほど、今はハミを持っていってしまう感じはない。
そのまま動かしていたら、落ちつきすぎたのか、ちょっと重くなりました。おーい落ちつきすぎだろー。と、思わず声に出したら、「落ちつきすぎでちょうどいいくらいですから、それ以上焦らなくていいです。ゆっくり動かしましょう」ということで、落ちついて動かします。それでもときどき、右手前でのクラブハウス前の隅角だけは慌てた歩様になっちゃうな。

常歩から、「ロッキーだけちょっと中に入ってきていただけますか。内蹄跡を常歩でゆっくり歩いていてください」ということは、私以外の3頭は駈歩するってことかな。私は駈歩なしなのね。O先生は、3頭に駈歩の指示を出してから、私に向かって「ロッキーはやめておきましょう。今駈歩したらたぶん、五日市までぶっとんで行きます」「やめます。やめさせていただきます」。
ほかの3頭が左手前で駈歩している間、私は常歩で内蹄跡を回ろうとしましたが、ぐっとハミを持っていかれ、速歩が出そうになりました。周りで他の馬が走っているので、興奮しちゃったか。大事をとって、馬場の中央で馬を止めておくことにしました。
止まっている間、O先生がぽそっと私に言うことには「手綱にしがみつかないで、騎座だけで馬の動きについていけたら、駈歩全然問題ないですけどね」うーん、馬がスピードを出したら、私は間違いなく手綱にしがみついてしまうだろうな。「自信がないからやめときます」。

ひととおり他の馬が駈歩を終わったので、私も蹄跡に戻ります。「アルフォンスの前に入っちゃったほうがいいですか?」と先生に聞くと「そうですね」ということで、3番騎に入ります。入ってみると、やだなーまた引っかかり気味に戻ってる。ほんとは一緒に走りたかったのかなー。ごめんよ、走らせてあげられない私で。
しばらく速歩で、ロッキーちゃんを落ち着かせることに専念。ようやく落ち着いてきたかなー、と思ったところで半巻き。手前を変えて、「じゃあロッキーはすみませんが、また内蹄跡を常歩していてください」ということで、蹄跡の内側に入ります。ほかの3頭が駈歩している間、やっぱり常歩していると引っかかりそうになるので、馬場の中央で止まらせておきます。

駈歩が終了したので、またアルフォンスの前で蹄跡へ。戻るとやっぱり引っかかり気味だなぁ。いいところまで行ったと思ったんだけど、馬を慌てさせないなんていうのには、私は全然技量が足りないや。
しばらく常歩で歩いて、今日のレッスンは終了。ロッキーちゃんは午後もお仕事があるので、馬繋場につないで蹄の裏掘りだけをします。この子は絶対に人間に歯向かったり攻撃してきたりはしない子だけど、しょっちゅう耳を伏せてる。誰も何もしないのに、むしろちっちゃくておとなしいのでみんなかわいがっているのに、この子はなんだか人間に対して心を開いていない気がします。
午後、私の次に乗った人が、初心者さんだったとは言えロッキーに走られてしまっていました。ということは、私はロッキーを落ち着けるように乗るという目標は達成できなかったことになるな。うーん、勉強にはなるけど、難しいものだ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

←試合 170鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop