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(2004.3.21 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ダンスくん速歩
やだなぁ、ダンスくんったらけっこう伸びてるじゃないのっ♪
さてさて、本日2鞍目のお相手はダンスくん。この子はあんまり調教が入っていない状態で倶楽部に来た子で、まだ6歳。来た当初は「停止ができない」「かかって走る」という評判で、会員はほとんど乗れない馬でした。ところが最近、先生がたやS田さんがかわいがって調教したので、ダンスくんも乗馬の仕事を理解してきたらしい。最近は部班にどんどん出すようになってきています。
以前は怖くて乗りたくないと思っていたくせに、そうなると現金なもんで、自分も乗ってみたくなる。前々から「乗ってみたいなあ」と大声でつぶやいておいたのですが、今日ようやく配馬されました。

午前中は暖かかったのですが、15時にもなると日が傾いて、急に寒々しくなってきました。ダンスくんは直前のレッスンでも使われているので、馬装はなし。いったん休憩で馬繋場に上げられていたところに迎えに行って、とりあえずダンスくんの首に抱きついて暖をとってみたりして。
すぐに時間がきたので、ダンスくんをつれて馬場へ。仕切られた狭い馬場で馬を止めようとしたら、N子先生に「KYOKOさんはこっちだよー、あなたはそんな狭い馬場でやる人じゃないでしょ」と言われてしまいました。
広い馬場の方に出て騎乗。ダンスくんはけっこう背が高い馬なので、「でっけー」と言いながらまたがってみると、あら、意外と抱きは細いのね。肩幅も腹の幅も意外と細くて、思っていたよりでっかい感じはしませんでした。

このレッスンはジュンヨー、ロゼッタとダンスの3頭部班。適当に蹄跡を常歩していると、指導のN子先生から先頭を指示されました。後ろにジュンヨー、ロゼッタと続きます。
「ジュンヨーは脚が速いから、前との距離に気をつけて。ロゼッタは足が遅いから、やっぱり前との距離に気をつけて」。先頭の私はというと、ジュンヨーに追いつかれないようにしゃきしゃき歩かせなきゃいけないんですが、まぁダンスくんったらおっとりしてること。アルフォンスの常歩に比べたら全然マシではあるものの、すぐ後ろにジュンヨーが追いついてきている。
「しょうがないなぁ、ジュンヨー先頭に行って」「早っ(これはギャラリーの声)」ということで、ジュンヨーに先頭を譲り(ほっ)、ダンスくんと私は2番騎へ。

「じゃあ次の隅角から、常歩の歩度を伸ばしてー」うげっ。N子先生ったら、ムズカシイ要求を簡単に言ってくださる。拍車や鞭で前に出してみますが、それだけでは馬は速歩を出そうとするんだよなぁ。それはそれで勢いがつけられていいんだけど、いったん控えて常歩に。「常歩の歩度を伸ばすんだよー。ゆっくりな速歩とは違うよ」う、ごもっとも。
「KYOKOさんは馬場やるんだから、それくらい分かるでしょー」と、言われてしまうと辛いのだが。「えーと、座骨で推すってことですよね」「そうだ。拳も馬の口についていってあげて」なるほど、拳の随伴ね。でも座骨で推すって頭で分かっていても、私にはすっっごく難しいこと。「その馬、本当はジュンヨーくらい伸ばせるんだよ」まぁアルフォンスほどには苦労しないけど、ダンスくんは基本的におっとりしているらしく(拍車傷をカバーする毛布のせいで脚扶助が伝わりにくいってこともあるだろう)、何もしなくても自分からどんどん歩くジュンちゃんみたいに動かすのは、かなり難しい気がする。

しばらくして、速歩に移行。軽速歩をとって、ジュンヨーに置いていかれないように頑張って走らせます。
「KYOKOさん! 鞭は効果的に使う!!」「はい、えーと。当たってないですか?」「トモ脚が上がってるときに当てるんでしょ」あ、はいはい。やってるつもりではあったけど、先生がそう言うってことは、まだ使い方が甘かったんですね。
ダンスくんは、鞭に対する反応もとても遅いと言うかニブいことが分かったので、かえって安心して鞭をバシバシ使えます。「そんなに下ばっかり見ないのー!」あーうー。鞭を効果的に使うためには、軽速歩の手前が合っていないと意味がないので、つい何度も視認しちゃってたのでした。

よし、だんだん伸びてきたぞ。ジュンヨーからそんなに離されずに走れるようになってきました(というのが左上の写真)。「そうそう、そうだ! ちゃんと伸びるでしょ。KYOKOさんは普段から、それくらい思い切って乗りな」
軽速歩で、「次の隅角から歩度をつめー」で、ちょっと拳を控えてつめてみますが、あらーあんまり反応しないわ。というか、詰まったというよりはペースが落ちただけ。「KYOKOさんっ! 出しながらつめなきゃ!」あー。頭では分かってるんですが、この子の前進気勢と口のバランスが全然分かんないんですぅ。
「次の隅角から歩度を伸ばしてー」出しながらつめて、伸ばしたいところから許すって感じでいけると思ったんですが、なんか全然ペースが変わらない。拳だけでつめようとしているのが間違っているのかもしれないんだけど、騎座でつめるとかいう高等技術はまだできないし。

速歩の号令で、速歩に落とします。うわっ、座りやすい! 私がふだんよく乗っているロゼッタは反動が硬いし、アルフォンスは反動が高いので、こういう反動のやわらかい馬に乗ったの久しぶり。わはは、まるで座れる人になったみたいじゃん。
速歩に落とすとすぐペースが落ちる馬もいるけど(アルフォンスとか)、ダンスくんは別に気にしないでそのまま走っているみたい。これは多分、ふだんからS田さんがしょっちゅう鐙上げの速歩してるからかもな。
しかし気になるのは、隅角とか斜め手前変換とかできちんと曲がらせようと思うとき、内方のトモを落とす(たぶん。肩かもしれないけど)感じがすること。今イチ、横向きの体の使い方が下手なのかもしれないな。まだ若いから仕方ないけど。
よくつまずくし、後ろから馬が寄ってくると耳伏せてるし、注意力はあまりないみたい。でも、物見したりはしないし安定感はあるから、まぁこれからの馬って感じなんだろうな。

「じゃあまずジュンヨーだけ、内蹄跡に入って輪乗りから駈歩。私の周りを大きく巻き乗りする感じでね」お、いつもと逆のパターンだ。いつもだと駈歩しないほうの人馬が内蹄跡で、駈歩するほうは蹄跡に出るんですが。
ジュンヨーの駈歩が終わって、「じゃあ次ダンス」とのご指名で、内蹄跡へ。内蹄跡に入ったところから駈歩発進、あれー全然馬に伝わらないや。「何やってんの! 常歩の間、何もやってなかったわけじゃないでしょっ!」はい一応、駈歩が出やすくなるように、質の良い常歩をするように心がけていたつもりではあるんですがぁ。
こういうときは外方の拳固めちゃったほうが駈歩出やすいかも、と思って、外方の拳でサドルホルダーを握り、駈歩発進。でも速い速歩にはなるのですが、駈歩にはなりません。内方姿勢をとらせようとしても、なんかヘンな姿勢になるばかり。肩から逃げようとしてるかな。だいたいこの子、内方姿勢って分かってんのかな。

「じゃあしょうがないな、ダンスはロゼッタの後ろでやろう。くっついていけば出せるでしょ」「す、すみませーんっ」今日ロゼッタに乗っているKさんは私よりはるかに上級者なので、すぐ私の前に出て駈歩をしています…が、踏歩転換されている。よかった、あれやられるの私だけじゃないんだ。いや、そんなことで安心してる場合じゃなくて。
どんなに駈歩発進しても、鞭を使ってみても速い速歩になるばっかりの私に、N子先生が「そこで『シッ』って言ってみな」と言います。は? と思いながらも、歯の間から空気を押し出すように「シッ」と言ってみると、すっと駈歩が出ました。はぁ? あんたこんなんで駈歩出せるの?
半周も駈歩が続かなかったのですが、速歩に落ちたところでもう1回「シッ」と声をかけると、また簡単に駈歩に戻る。おもしれ〜。
あとで聞いたところによると、調馬索で駈歩出させるときに、「シッ」と言いながら調教しているそうです。なるほどねー。

「その馬の、駈歩の出し方分かったでしょ?」とN子先生、うーん、分かったと言えば分かったんですけど、こんな副扶助に頼る出し方でほんとにいいんでしょうか。
半巻きして右手前に換え、しばし速歩。「じゃあ駈歩いくよー」と言われ、念のために外方の拳をサドルホルダーに引っ掛けて固め、脚を使います。やっぱり速い速歩になるだけだったので、「シッ」と声をかけてみると、簡単に駈歩が出ました。
頭上の馬繋場から「なんで出にくい右手前のほうが、簡単に出せてるんですかぁ」とS田さん。「いやー。なんでだろ?」とか言いながら、けっこう調子よく駈けていられる。ダメだと思ったら鞭を使えば、ちゃんと前に出るし。なんだ、アルフォンスより全然出しやすいじゃん。少なくとも、他馬の後ろじゃなきゃ出ないっていうわけじゃないだけマシ。

駈歩を終えて、蹄跡で隊列を組みなおして速歩。速歩から常歩、停止。速歩発進。あぁ、やっぱり下方移行の難しい馬だな。でも待てよ、さっき口で駈歩が出せたってことは、停止もそれでできちゃったりして。
もう1度、速歩〜常歩〜停止の号令がかかったので、試しに「ほーお」と言いながら止めたら、あっさり常歩になるじゃありませんか。さっきはあんなに苦労したのに。そうかそうか、君ってそういう子なのね。
そこからはもうレッスン終了時間になったので、手綱を伸ばして沈静化します。

「各個に左へ、中央線で停止」馬場中央で停止、挨拶したかしないかのうちに、N子先生が私のほうに駆け寄ってきました。「あんな拍車の使い方はないでしょ! ぶすぶす刺したって意味ないの、脚はここを使うんだよっ」と、私の脚をとって馬の腹に押し付けました。馬体に押し付けられた部分は、ふくらはぎの一番膨らんでいるところより心もち下、それで脚全体が馬体に沿ったような感じがします。「あっ」「ね、ここだよ! 分かるでしょ? 発進のときは拍車使ったっていいけど、そこから後は拍車なんか使わないで、ここを使うの」そういわれてみると、私は駈歩のときにふくらはぎではなく、くるぶしを使っていました。確かにそんなの、拍車を刺してるだけと言われても仕方ない。

ダンスくんはこれでお仕事終了なので、馬繋場に上げてお手入れ。馬繋場に上がる坂を引き馬で上っていたら、がくん! とつまずかれました。とっさに手綱を引く手をぎゅっと固めて持ちこたえ、前につんのめらないように起こします。ほんとによくつまずく馬だなぁ。
いったん繋いでから、ダンスくんの口をチェック。ハミで口切らなかったかと思ったけど、大丈夫みたい。そのあと脚を洗い、汗をかいているところを濡れタオルで拭いたりしている間、ダンスくんはどこかしら私に鼻先をくっつけたがります。落ち着いているように見えるけど、かなり甘えんぼだな君は。かわいいじゃないか。

ダンスくん駈歩
ちなみに鞍下の毛布が異様に長いですが、わざとです。
この子は腹に拍車傷があるので、治るまでの処置

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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