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(2004.3.27 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ジュンヨー
うーん、内方姿勢がとれていないなぁ。
お花見日和の土曜日、いつものように倶楽部へ。日の出には立派な桜の木がありますが、まだ5分咲きくらいでした。
配馬表を見ると、11時からジュンヨー、16時に入れた馬場レッスンはダンス。どっちもまだ1鞍ずつしか乗ったことのない子です。
で、11時の配馬をよくよく見ると、私ひとり。普段なら相方と2頭部班になるところ、彼は負傷中で乗らないので、私1人になってしまったみたい。あらー、マンツーマンなんてラッキーだわ。

今日のジュンちゃんは下乗りナシでっていう話だったけど、結局S田さんが乗ってくれることになりました(乗れと脅したとも言う)。S田さんと一緒に馬装をやって、馬場へ出るのを見送ってから、私は馬繋場に戻ってストレッチ。
ジュンヨーの運動を見ていましたが、あれ、今日のジュンちゃんってちょっと重め? いや、重いと言っても他の馬よりは全然軽いんだけど、ジュンちゃん比で。
時間が来たので馬場に出て、乗り代わります。やっぱり踏み台を使ってもでっかいや。でも背中の幅に安定感があっていい。
O先生が、「動くと思うけど、一応最初だけ持っていましょうか」と短鞭を渡してくれました。そのまま常歩で蹄跡へ。

「どうですか、ジュンヨーは?」「いやー、よく動くんで天国みたいですね、アルフォンスとかに比べれば」(いや、それでも私アルフォンスのこと好きなんで、誤解のないように)。これだけ動くと、動かすことに力を使わなくて済むので、その分騎座できちんと推すとか(できてないけど)、脚の位置だとかを考える余裕がある。
前のレッスンでできていた蹄跡が少し浅めだったので、できるだけその外を回すようにして乗っていると、「そうそう、隅角の深さ、それくらいでいきましょう。隅角の深さは、常歩のときと駈歩のときはまた深さが違いますから。円を4等分したところが隅角の深さで、そのもとの円の大きさで深さを考えます」ああ、モータースポーツでよく言うR(アール)ってやつね。円の直径でカーブを測るんですよね。O先生はもともとバイク乗りだからこういう言い方になるのかと思いきや、「実を言うと隅角の深さも、馬場規程にあります。中間速歩ならこれくらい、っていうのは」だそうです。へぇぇ。
さらに「内方の拳は鞭を持っているので仕方ないですが、外方の拳はできるだけ立てていきましょう。目安としては、親指が上に来ていること」という注意も受けました。

速歩に移行、やっぱり軽いや。楽らく。軽速歩をとって走らせます。
馬の肩を見て手前を合わせ、軽速歩を続けると「そうですね、KYOKOさんくらいになったら、3歩以内で手前を合わせられるようになってください。どうしても目で確認しないと分からないと思うんですけどね、乗った感覚で分かるようになるのは難しいですから。感覚で分かろうとすると、手前間違ってるほうがむしろ乗りやすかったりしますからね」そうなんですよねー。下を見ないで、乗りやすいから絶対こっちだ! と思って手前をとって、目で確認してみると必ず違ってる。
「だから目で確認していいんですけど、その場合にできるだけ顔を動かさないで、目線だけで確認できるように努力してみてください。試合なんかで焦っちゃってるときに、下を見て確認しようとするとどうしても覗き込んじゃって、バランスが前に行ってしまうんですよね。普段から、目線だけ下げて見る練習をしておくといいです」やってみると、これが意外に難しかったりして。

「KYOKOさんは馬場をやる人だから、ついでに言ってしまいますが、X点で止まるのなんか大変ですよね。ここがX点っていう標識はないですから、いちいちE点見てB点見て、ここがX点とかやっていたら大変なことになっちゃいます。それも、できるだけ目線だけで左右を見て、EBと自分の体が一直線になるところで止められるようにしましょう」というのは、午後に馬場のレッスンを入れているから、そのための注意事項ってとこかな。
「馬の肩をポイントに触れさせるつもりで通過したときのほうが、僕の場合は点数が良かったような気がします。それより遅いとオーバーランになってしまったり、馬を制御できていないと判断されてしまいます」と言われて、「そうだ、先生、私ジャッジシートでけっこう『ポイントずれ』とられてるんですけど、そういうことでしょうか?」と聞いてみると、「それはあるかもしれませんね。ジャッジによって取り方が違うことはありますが」。

やっぱり今日のジュンちゃん、ちょっとだけ重めなのかな。右手前に変えると特に顕著で、まぁこの子はもともと右手前が下手(というか硬い)らしいんだけど、ちょっとのろくなる。
「どんな馬でも隅角や方向転換ではちょっとペースが落ちるので、ペースが落ちる前に前に出してあげないといけません。ペースが落ちてからいくら推しても、元に戻すのはかなり困難です」なるほど、巻き乗りの途中で常歩に落ちちゃったときなんか、いくら蹴ってもしばいても速歩に戻すのは難しいですもんね。
隅角進入の手前から、すこし勢いをつけてやらないといけないということだな。そこらへんから少し脚を使って前に出すようにしながら隅角通過。いやー、隅角通過ってひとつひとつを大事にやろうと思うと、けっこう忙しいもんだ。

右手前で軽速歩をしていると、馬場の砂が深くなっている隅角(左図でいうと右下)で、ジュンちゃんが急にペースダウンして止まろうとしました。ジュンちゃんの苦手な右手前だし、砂が深くなっているから勢いがつかなかったのかなーと思ったら、「あー、ボロですね」とO先生。でもねジュンちゃん、そのくらいで止まってもらっちゃ困るのよ。軽く鞭を入れると、すぐ諦めて走り出しました。素直素直。
でも次の周、同じ場所に差し掛かるとやっぱりもじもじ止まろうとする。ここだと止まりやすいって思ってるのか、ここに来るとボロをしたいことを思い出すのか。止めてボロをさせてあげたいような気になってしまうけど、ジュンちゃん、君は乗馬なんだから、走りながらできるようになってほしいんだけどなー。
次の周、やっぱり止まりたそうだったので、その隅角の前から脚を使って前に出すと、「うーんと、止まりたいんだけど、えーと」ともたもたしながらも、速歩を持続してくれました。なんかいい加減かわいそうになってきたな。でもこの子、ボロがしたいって言い出してから本当にするまで、けっこうもたもたするんだもん。数周はそれで我慢してくれましたが、「もうダメですっ!」と本当に止まってしまったので、させてあげることにしました。できれば歩きながらして欲しいけどね。

常歩に落として歩かせているとき、「拳がやわらかくないと、馬がもぐっちゃうことになっちゃいます」という話が出ました(どうしてこの話が出たかっていう部分は、ちょっと記憶があやふや)。
「あー、巻き込むってことですか? よくやられます、アルフォンスとかに」「あぁ、アルフォンスはやるでしょうねぇ。アルならやります。じゃあここで問題です、巻き込んでしまった馬にはどう対処すればいいでしょうか?」うーん、前進気勢が足りないってことだろうから、前に出せば何とかなるとは思うんだけど…。
答えを躊躇していると、「じゃあ質問を変えましょう。巻き込む馬っていうのは、重い馬が多いと思いますか、軽い馬が多いと思いますか?」「重い馬です…ね、経験上」「その通り。つまりね、拳をちょっと強めに持つと、馬の鼻の前に壁ができます。前に出る力があればそれでもいいんだけど、前に出る力がなかったら、馬はその壁にぶち当たってこう、もぐっちゃうわけですよ。そうなると元に戻すのはすっごく難しいんだけど、どうしたらいいと思います?」「うーん…」「一番簡単な方法を言っちゃうと、ハミをいったん開放しちゃうんです。ハミを開放して前に出せば、馬が自分でハミを追って前に出て行きますから、それからまたハミを持てばいい。これは馬術規程にはありませんが。もしよそでフラットワークしていて、そういう馬に当たったら、知っておくと便利ですよ」。

ふたたび軽速歩。右手前だけど、なんか歩度が伸ばせるようになってきたぞ、いい感じ。
「ひとりですから各個でも順次でもいいですけど、巻き乗ーり」…ありゃっ!? 曲がらない。ジュンちゃんの苦手な右手前だからってことを差し引いても、今のはあまりにも曲がらなさすぎ。もうまるで何ごともなかったかのように、蹄跡をすたたたーと走ってしまいます。
「じゃあ同じところでもう1度巻き乗りしましょう」ということで、1周してきて同じところで巻き乗り(「同じところで」というのは、馬が「ここでやらなくてすんだから、次もやらなくていいや」って覚えてしまわないように、だと思う)。今度はどうにかできた。「はい、巻き乗りの始まりと終わりが正確なのはOKです」と先生は言ってくれたものの、確かに蹄跡から外れた地点と蹄跡に戻る地点は合ってるけど、自分としては円の形が気に入らない。つねづね巻き乗りの後には、できた蹄跡をチェックするようにしているのですが、どうも後半が内に入ってきていて、真円じゃない感じ。

ふたたび巻き乗り、あらっ、あらららっ!? また曲がってくれないよ。反抗して曲がらないっていう感じじゃなく、私の扶助がまるで理解してもらえてない感じ。「じゃあそこで右へ」と言われて中央線に入り、蹄跡を2分する形でまた右手前で蹄跡に戻ります。
それからも失敗と成功を交互に繰り返す感じで、ちょっと今日の私、巻き乗りめちゃくちゃ下手くそじゃない? 「どうして馬が曲がってこないか分かりますか?」いやー、分かってたらリカバーできてますって。「まぁ今のジュンヨーは前に出てるから難しいってことはあるんですけどね、今KYOKOさんは 手綱で曲げようとしていました」わあ、それは初歩的な。恥ずかしいミスをやってしまっていた。ちゃんと内方脚と外方脚を使っているつもりでいたけど、実は手綱に頼っていたのね、私。でもって座ってないのね。つまり、巻き乗りの後半で内にささってくるのも、たぶん同じ理由なのね。

「じゃあ、気持ち手綱を短めにして、半巻き。蹄跡から駈歩しましょう」左手前に入って、常歩から駈歩の扶助。ありゃ、速歩出ちゃった。いったん常歩に落としてやり直そうと思いますが、この状態で出た速歩ってけっこう勢いがあって、止めるのにも一苦労するんだよねー。
いっそ速歩から駈歩に移行させようかと思いましたが、それだとますます出せないみたい。うーん、駈歩の出やすい馬のはずなのにな。前回は簡単に出たのにな。
何度かチャレンジして、1歩は出たと思ったんだけど、それが続かない。引っ張っちゃったかなぁ。「あー、こうなったらもう出ないかな」とO先生、馬がやる気をなくしたってことだろうか。「じゃあ速歩で前に出しましょう」ということで、駈歩終了。うーん、駈歩の出にくい馬ならともかく、出やすいはずのジュンちゃんで出せなかったっていうのは、けっこうショックだ。

そのあとしばらく、速歩を混ぜながら軽速歩で走り、時間が来たので沈静化。常歩でジュンヨーを歩かせて、馬場中央で馬を止めます。腰を張って、馬の鼻の前に作った壁に押し込むように…と、以前O先生に教えてもらったようにやったつもりだったけど、常歩の勢いが足りなかったみたい。四肢の揃った停止はできませんでした。
「騎乗姿勢はおおむねOKです。速歩でちょっとお尻が跳ねますけど、でも逃げずに正しい位置に落ちてますから、そうやって努力していればいつか必ず座れます。最初に拳を立てろって言いましたけど、実を言うとKYOKOさんの拳は別に寝てません、大丈夫です。ただ、常に気にしてねっていう程度で言っただけですから」
「それから、つま先はもう少し内側を向くほうが馬場的です。これくらいですね(と、私のつま先を手に取って)。つま先が外を向いていると、常に拍車が馬に当たることになりますから、いざというときに馬が拍車に反応しなくなります。もうちょっと拍車を使いたい、っていうときに使えなくなるんですね」。
何度言われても、どうしても外を向く私のつま先。おそらく、軽速歩で立ったときに脚が馬体から離れ勝ちな原因もそこにあるんですよね。分かっちゃいるんだけど、動き始めるとどうしても外を向いてしまうのです。

ジュンちゃんは午後もお仕事があるので、蹄の裏掘りだけして馬房に戻します。馬房に入ってみると、お昼の時間なのに自分のゴハンが準備されていなかったので、うろうろするジュンちゃん。あーかわいいねぇ。最近は日の出の癒し系と呼ばれています。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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