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(2004.4.10 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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本日の2鞍目はアルフォンス。アルはさっき、私と同じレッスンでHさんが乗りこなしていたけど(彼女は3課目を踏む上級者だってこともあるけど、アル歴が長いので、ほんとにアルを動かさせたら会員では右に出る人がいない)、私でもあんなに動いてくれるかなぁ。
14時からのレッスンに備えて、30分前にアルの馬房へ。アルは馬房の奥の壁に開いた窓から外を眺めていましたが、「こぞう、お仕事だよー」と声をかけると、よっこらしょと体を回してこちらを向いてくれました。扉を開けて無口をかけると、引き手をはむはむしたがります。はいはい分かったよ。
馬房から引き出して、馬繋場に出るまでにひとつ小さな段差(3センチくらい)があるのですが、「はい足元見なさいね」とそこでいったん引き手を握って注意を喚起すると、アルはちゃんと足元を見てから段差で転ばないように降りていました。えらいえらい。

蹄の裏を掘って、ブラシかけ。まぁおとなしいもんですねぇ。以前は絶対胸前なんか触らせてくれなかったのに、胸前にブラシを当てても全然噛みにこない。
そのまま装鞍にかかります。汗取りタオルと毛布をかけていると、アルが突然振り返って、鼻面が私の腕に向かって伸びてきました。とっさに体をかわして、「こらっ、お前今何しようとした!?」と声に出して叱ると、「ナンにもしてませーん」と慌てて前を向くアルフォンス。いやいや、確かに歯が私の腕をかすめたぞ。
でも、ヘンに優等生なアルフォンスよりも、これくらいいたずら小僧なほうが妙に嬉しかったりして。こいつの場合、ちょっと噛みにくるくらいのほうが馬場ではよく動くし。

時間が来たので、アルを連れて馬場に出ます。この時間は馬場を2つに区切って使うようなので、広い方の馬場に出て、O先生が踏み台を持ってきてくれたので騎乗。鐙の長さを合わせてみると、ちょっと長い感じがする。膝はほんのちょっと曲がる程度で、ほとんど踵が下がらない。頑張ればこの長さでも乗れないことはないけど、ぎりぎりだなー。速歩だけなら大丈夫だけど、軽速歩が辛そう。どうしようかな。
と、口に出して迷っていると、O先生に「上級馬場だとそのくらいでもいいですけどね。どうしますか?」と聞かれたので、「うーん、ちょっとだけこの長さで見栄はってみてもいいですか?」「いいですよ、動いてみて無理そうだったら直しましょう」ということで、長い鐙で頑張ってみることに。
この時間はジュンヨー、ダンス、アルフォンスの3頭。このメンバーだったら最後尾かなー、と思っていたら、ジュンヨーの後ろの2番騎を指示されました。アルフォンス、後ろに馬がいると気にして止まることがあるから、よっぽど頑張らなきゃダメじゃん。

指示された順番で蹄跡に出て、左手前で常歩。前はジュンヨーだし、後ろにはダンスくんがいる。ジュンちゃんにはよっぽど頑張らないと追いつけないし、ダンスくんも上級者のHさんが乗っているのだから、頑張らないとすぐ後ろにつけられてしまうだろう。後ろを気にするアルは、追いつかれると膠着することがあるから、これもよっぽど頑張らないと。
歩かせていると、確かにジュンちゃんには置いていかれるんだけど、脚を強めに使うとけっこう元気良く歩けているみたい。どうするアル、ちょっとジュンちゃんに追いついてみようか? と速歩の指示を出すと、ちゃんとすぐ速歩になるし。先頭じゃないから動かせているってことはあるけど、もしかして今日のアルフォンス、けっこう調子いいかもしれないぞ。

先生の号令で速歩に移行、すぐ軽速歩をとって走らせます。とにかく前に出そうと思って、軽速歩の立つタイミングで鞭を使っていきます。お、けっこう動いてる。と言っても「アルフォンスにしては」という程度ではあるけど、さくさく走っています。
せっかく勢いづいてるから前に出してやりたいんだけど、前のジュンちゃんがずいぶん重そうだな。ジュンちゃんはさっき私が乗ったときにはイケイケだったのに、あれで疲れちゃったかしら。ごめんねー。
アルフォンスは隅角通過には素直な馬で、かなり奥まで踏み込んでくれるんだけど、それだけじゃ距離がかせげなくなってきた。仕方ないので、ラチのない長蹄跡(左図でいうと左辺)を1mくらい外に持ち出し、そこでちょっと気合をつけると、伸びる伸びる。前にいるジュンちゃんを追い抜かんばかりの勢い(いや、アルは先頭が嫌いだから、絶対追い抜かないだろうけど)。
その長蹄跡だけは歩度を伸ばし、残りの3辺は歩度をつめる感じで走らせていると、かなり調子がいい様子。

「アルフォンス、軽快ですね。それくらい出してれば膠着されることはないでしょう」とO先生。自分では前の馬にくっついていっているだけだとは思っているけど、まぁジュンちゃんを抜きそうな勢いなんだから、アルにしてはずいぶん頑張っているんだよね。
でもいい加減この長鐙、辛くなってきた。しょっちゅう鐙が脱げるのはまぁ、別に構わないんだけど、軽速歩のバランスをとるのが難しい。私の技術では、ちょっと足突っ張っちゃいそうになるときがある。これでずっと速歩してていいならいいけど、このあと駈歩やるんだろうから、駈歩やるのは難しいかもなぁ。次に常歩の号令が出たら、鐙の長さを直させてもらおう。

常歩の指示が出たところで、「先生、この鐙ギブアップしてもいいですか」と申告すると、「そうでしょうねぇ。じゃあ中に入ってきてやり直していいですよ」蹄跡行進のまま鐙を直そうかとも思ったんですが、先生のお言葉に甘えて隊列を離れ、馬場中央で馬を止めます。
で、先生の助けを借りて鐙を1穴短くしてみると、これはこれで短い。鐙の上に立ってみて悩んでいると、O先生が「短いでしょう」「そうなんですよねぇ〜…」「鐙革に開いている穴のピッチが大きいから、1穴つめるとだいぶ短くなっちゃうんですよね。でもさっきの長さだと、ほとんど踵が下がってませんでしたからね」「うーん、じゃあこれでいいことにします」。
そのまま蹄跡に出ようとすると、周囲に馬がいなかったせいかアルが「動くのイヤ」と言いだしました。この場合手綱を持つと後ずさりする子なので、手綱を緩めて鞭と脚を入れると、その場でなんちゃって前肢旋回。そんなに前に出るのがイヤか。「あーあ、またそんな高等馬術を」とO先生に冷やかされながらも、蹄跡を1周してきたジュンヨーとダンスくんの間に入れてもらう形で、どうにか蹄跡へ。
やっぱり前の馬にくっついて動いていただけだったのか…がっくり。

でも隊列に戻しさえすれば(というか、前に馬がいさえすれば)すっごく素直に動くんだよね、これが。また速歩も軽快になったし。
「各個に、巻き乗ーり。アルフォンス気を付けてねー」というのは、順次ならちゃんと巻き乗りができるアルフォンス、各個だと途中で止まりたがるのです。ちゃんと座って、絶対前傾しないで、脚と鞭を使うのを怠らないで、と。お、止まらなかった。「よく頑張りましたね、OKです。アルは視界から他の馬が消えると止まりたがるみたいなんですが」あ、そうそう、私もそう思っていました。

左手前の常歩から、「じゃあ先頭から順次駈歩にいきましょう。前の馬が駈歩になってから駈歩を出すようにしましょう」と言われても、私はアルフォンスの駈歩が上手く出せないことが多いので、前の馬を待たずに駈歩発進することにしました。お、いけるか? いけそうだな、と思い、1歩だけ駈歩が出たのですが、前のジュンヨーがまだ駈歩になってないことに気が付いちゃったのか、すぐやめられてしまいました。ダメだなー、もっとちゃんと推せるようにならなきゃ。
ジュンヨーが駈歩になったので、続いて駈歩発進しようとしましたが、ダメだ、速い速歩になっちゃった。そうこうしているうちに、後ろのダンスくんが先に駈歩に。ダンスくんに抜いてもらい、後ろについていけば出るだろうと発進したら、出た出た。よーし、ここからはちゃんと前に出すぞー。

3頭いっせいに駈歩で走りますが、ジュンちゃんはそれほどイケイケになってないようだし、ダンスくんも重めの馬なので、アルフォンスののろい駈歩でもついていけないことはないみたい。でも前との距離が開いちゃったらたぶん止まるだろうから、少しでも前に出すために、1完歩ごとに鞭を使っていきます。
うっかり速歩に落ちちゃっても、駈歩発進しなおせばちゃんと駈歩に戻る。前に馬がいるからとはいうものの、好調ですねぇ。アルフォンスの駈歩が出せなくて、ホントに泣きそうだった日々が嘘のようです。

いったん常歩に落として、右手前へ変換。今日の部班は、どの馬も右手前が苦手な子だけど、「アルフォンスは特に右手前難しいですから、頑張って。でも無理はしなくていいですよ」。でもそう言われたら、やっぱり駈歩出したいじゃないか。
ジュンヨー、ダンスの後ろにつづいて駈歩発進、お、出た! 右手前だと反対駈歩になりやすいんだけど、座り心地がヘンじゃないので、たぶん正駈歩が出てるみたいだし(たぶんって…)。しばらく駈けているうち、やっぱり右手前の苦手なダンスくんがちょっと横っぱねをしました。それでびっくりしたアルフォンス(と私)が駈歩をやめてしまいました。
速歩に落ちてしまったのを駈歩に戻そうとすると、うまく扶助が出せていない(たぶん座れていないからじゃないかと思う)から速歩がどんどん速くなる、早くなると反動も大きくなるのでますます座れなくなって駈歩の扶助が出せなくなる、の悪循環。「いい速歩出てるんですけどねー。無理しなくていいですよ」とO先生。
どうにかしてちゃんと座って駈歩の扶助が出せんもんかなー、と悪戦苦闘しているうちに、速歩に落とす号令がかかって駈歩終了。まぁいいか、一応右手前の駈歩が出せたし(←レベルの低い喜び)。

速歩で正反動をとると、まぁ私ってなんて拳ががたがたすること。何もかも、私が固くて座れていないせいなのだ。ごめんよアル、ハミ当たっていやだよねー。
と思いながらしばらく走らせていたら、案の定首振りが始まりました。原因は私の拳だと確信したので、一回ハミを譲ってやるかなぁ。軽速歩になって安定して走っていたので、ちょっと拳をゆずって緩めのハミで動かしてみますが、それでも時々首を振ります。うーん、いきなり手綱をリリースするのはちょっと怖いし、じゃあハミに影響しないようにちょっと拳を開いてみるか。
すこーしは治まったものの、時間がきたのでそのへんで沈静化。手綱を伸ばした常歩で歩かせます。あーよかった、これ以上この子をイライラさせずにすんで。

アルはだいぶ汗をかいていたので洗ってやりたかったのですが、次の時間にもお仕事が入ってしまったので、そのまま次の人に馬を渡して終わりにしました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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