←189鞍目 190鞍目・半減却つかえない…。
(2004.5.8 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
191鞍目→
今日はいつもどおり11時の予約で、日の出へ。到着して配馬表を見ると、11時がジュンヨー、15時がロゼッタ。おぉ、ロゼッタに乗るの久しぶりだ。
自分の馬装をして、ジュンちゃんの馬房へ。装備品を準備してからジュンヨーの馬房を開け、無口をつけて馬繋場へ連れ出します。
蹄の裏堀り、ブラシかけ。肩のあたりにブラシをかけていると、つながれた鎖で遊んでいたはずのジュンちゃんが、ふいに私の肘をかぱっと噛みました。すかさず叱りますが、ジュンちゃんは「あの、噛むつもりはなかったんですけど…ついやっちゃったの…」という顔。あぁ、胸前を触られるのが嫌いだから、そこを噛もうと思ったら私がいたって感じなのね。でも自分の胸前に噛みつこうとするのも悪いクセだよ、ジュンちゃん。いつもやめろって言ってるじゃん。
まぁ、噛まれたのはほんの皮膚の表面だけなので、大したことはありませんでしたが。

装鞍をすませ、時間がきたのでジュンヨーを連れて馬場へ。踏み台を持ってきてもらって、補助を受けて騎乗。腹帯を締めなおし、鐙の長さも調節していると、他の馬も準備ができたらしい。指導のN子先生から、「じゃあジュンヨー先頭で」という指示で、蹄跡へ。あとにダンス、アルフォンス、ロゼッタと続きます。
連休で使いづめだったからか、今日のジュンちゃんはずいぶん重い。ほかの馬に比べれば軽いけど、ジュンちゃんの常歩はこんなもんじゃないはず。思わず「重い〜」とつぶやくと、「重くないっ」とN子先生のツッコミ。うぐぅ、自分で動かせとおっしゃいますか。他の馬から見たら重くはないけど、ジュンちゃんってもっと前に出るはずなんだけどなぁ。あぁ、鞭が欲しい。

「次の隅角から、常歩の歩度を伸ばして。後ろの2頭は、馬が伸びにくいから無理しなくてもいいよ」常歩の歩度を伸ばすって、かなり難しい。ジュンヨーは軽い馬ではあるけど、だから逆に速歩が出てしまわないようにしないと。現に私の目の前のダンスくんは、ときどき速歩になってしまっています。あれは馬が良く分かっていないせいもあると思うけど。
「KYOKOさん分かるよねー、座骨でぎゅっ、ぎゅって推すんだよ。拳はちゃんと随伴して」分かるよねっつーか…まぁ、そうするしかないだろうなとは考えていましたけど。先生の指示で、長蹄跡では伸ばす、短蹄跡ではつめる、と繰り返していると、なんだか馬の反応がよくなってきました。へぇ、この常歩、けっこう伸びてるんじゃないの。面白い。

速歩に移行、軽速歩をとって走らせますが、やっぱ重いわ。隅角とか、脚で軽打しないとペースが落ちる。調子がいいときのジュンちゃんはこんなじゃないんだけど。
「ジュンヨー、あんまり遅いと後ろのダンスがいらいらするからねー。ちゃんと前に出しなさいよ」あー、そういうこともあるか。やっぱり鞭が欲しいよぅ。
あれ、私グローブしてないじゃん。装鞍のときに馬繋場に置きっぱなしで、持ってくるのをきれいに忘れていた。グローブなしでも乗れないことはないけど、どうするかなぁ。
軽速歩で走りながら、馬場の外にいたMちゃんに「馬繋場に私のグローブがあるから持ってきてぇ」と頼み、「常歩のときに渡して」と言っておきます。
常歩に落としたときに、Mちゃんが馬場に入ってきて、グローブを私に渡していいかどうか、N子先生に聞いています。「何? グローブ? そんなもんは忘れるほうが悪い、いらないいらない」あー、やっぱりそう来たか(笑)。そして私に向かって、「本当はグローブなんかないほうが乗りやすいくらいだよ」コンタクトをとるという意味では、素手のほうがいいのかもしれませんけどねぇ。ま、ジュンちゃんは引っ張る馬じゃないからいいか。

速歩で巻き乗り。N子先生が後ろの相方に言っているのが聞こえます。「巻き乗りが大きくならない方法はね、内方の手綱をちょっとだけ肩のほうに控えるんだよ。開き手綱なんか使わないの。KYOKOさんは分かるよね、競技やってるんだから」「はい」控え手綱のことを言っているわけですよね。開き手綱なんか使わないっていうのは、普段からさんざん言われていますからね。
とか言いつつ、私もジュンヨーの勢いに負けて、各個のはずの巻き乗りが大きくなってしまい、ダンスくんに蹴られそうになっちゃったけど。

ジュンヨーも調子が出てきたとは思っているんだけど、やっぱりまだ足りない。それよりも後ろのダンスがイライラしてきたらしく、ついに順番入れ替えとなりました。ダンスの後ろに入り、2番騎で速歩。
先頭でもちゃんと動けるけど、前に馬がいたらいたで、お尻にくっついていくジュンちゃん。そんなに近寄ったらまた蹴られるってば。
右手前で速歩をしていると、隅角ごとに止まりそうなペースになります。隅角の手前から脚を使っていないと止まっちゃうな。これはボロがしたくなってきたサインなんだけど、この状態になってもジュンちゃんはなかなかしないからなぁ。
何度目かの隅角で、ようやくボロが出ました。でも止まってボロなんてダメだよ、ジュンちゃん。N子先生も、「あなたはもう競技者なんだから、競技だったらボロなんかで止まっていられないでしょっ」。っていうか、競技馬だったらボロなんかで止まらないんだけどね(と、あとから思った。ここではそんな余裕ない)。

先頭から蹄跡を使って、1頭ずつ駈歩。前のダンスくんが出て行くと、しっかり抑えていないと自分も前に出て行きそうになるジュンちゃん。今日は重いと思っていたのに、いつの間にかイケイケにしちゃったかなぁ。
自分の順番が来たので、駈歩発進。半減却を使ったつもりが、ふつうに速歩発進と思われてしまったらしく、速歩で前に出てしまいます。すぐ抑えて常歩にし、今度は半減却なしで外方脚だけ引いてみると、あら出た。自分の半減却が伝わってないのか、馬が分かってないのか、どっちなんだろう。
駈歩が出てしまえば、ジュンちゃんの駈歩はかなり乗りやすい。なんだか膝を伸ばして足を長く使うことができるし、拍車を当てすぎないようにつま先を内に向ける余裕さえあります。

右手前に換え、常歩で輪乗り。そこから「じゃあ先頭から順次、駈歩」との指示で、私の前のダンスが駈歩になるのを待って駈歩。…しようと思ったら、ろくに扶助も出さないうちに速歩が出てしまいました。たぶん馬が雰囲気を察知して勝手に前に出ようとしているんですが、ジュンちゃんって速歩からだと駈歩出にくいんだよね。「速歩からじゃダメだって! 常歩に落として、駈歩。あなたが出ないと後ろも駈歩できないんだよー」わ、分かってはいるんですけどぉ。
「しょうがないな、じゃあ1頭ずつ駈歩にしよう」ということで、ダンスくんから駈歩。あーもー、ジュンちゃんってばやっぱりついていこうとするし。
自分の順番が来て、駈歩発進。う、失敗だ。だだーっと速歩で走ってしまい、こうなるとなかなか止められないんだよね。速歩からは駈歩が出せないことが分かっているので、どうしても常歩にしたいんですが、抑えて抑えて常歩に落ちるかなー、と思ったところで「そこで半減却!」というN子先生の声を聞くと、馬が勝手に速歩のスピードを上げてしまう。号令だと思ってるんだな。

とにかく常歩になって欲しいので、腰を張って「ほーほー」となだめても、なかなか常歩に落ちません。ジュンちゃんの場合、いくら走っても前にしか走らないから落ちはしないだろうけど、ダメだ、止められないわ。輪乗りのままだと他の馬に突っ込んでしまうから、蹄跡に出てしまえ。「ちゃんと常歩に落として! 腰張って、座り込みなさい! 」自分ではやっているつもりだけど、この勢いの速歩になると全然座れなくなって騎座が浮いてしまい、座り込むどころじゃない。
「半減却使ってないからそうなるの! いいかげんに、馬を脚でためることを覚えなさい」いいかげんにって…それ、私レベルにはむちゃくちゃ高度な要求だと思うんですけどぉ。もともと座れてもいないのに、スピードの乗った速歩だともっと座れなくなって騎座が安定しないから、脚が馬体に密着しなくて、半減却もへったくれもない。
「今度半減却忘れたら、ムチ入れるよっ」忘れてるわけじゃなくて、できないんですってば〜、と口答えするヒマもない。
でもどうにか常歩に落とせたので、わずかに半減却を使うか使わないかのタイミングで、内方の座骨と外方脚を使ってみたら、あっさり駈歩が出ました。出るときはこんなもんなのよねぇ。しかもジュンちゃんの右手前の駈歩って、左手前に比べるとちょっとがたんがたんするものの、持続はすごく楽。というか、下方移行が難しいけど。

蹄跡に戻って速歩。あぁ、ジュンちゃんイケイケになったな。さっき鞭が欲しいと思ったことなんかうそみたいだ。
「各個に、巻き乗ーり」うぇ、このイケイケ具合で右手前。この道はいつか来た道だぁ。手綱が先行すると曲がらないんだったよな。騎座、脚、手綱、と、先週習ったように口の中でとなえながら巻き乗りに入りますが、やっぱり最初は苦労する。
「ほら、半減却使ってないから、巻き乗りに入ったとたんに勢いがなくなるんだよ」あ、今のは確かに忘れてた。

「手綱をそーっと、ぜんぶ緩めて。いきなり離さないんだよ。それで手綱の真中だけ持って速歩。軽速歩にして、どんどん前に出しましょう」手綱を完全に伸ばした速歩っていうのは、ダンスくんではやったことあるけど、イケイケのジュンちゃんではなんか突っ走ってしまいそうで怖いかも。と思って、サドルホルダーを一緒に握っていると、「誰がSOS(サドルホルダー)持っていいって言ったの〜?」とN子先生。「あ、やっぱダメですか」「あなたはダメ、そんなもんにつかまらないでもバランスとれるようじゃなきゃ。鐙履いてるだけでもいいと思いなさい」そりゃそうですね(笑)。
手綱を伸ばしてみると、意外と前に出ないものだ。ハミの規制がなくなった分、ダンスくんにくっついて前に出ているだけのような気がする。「できればそれで座ってみな」手綱を伸ばしたままで、正反動。これがまた座りにくいんだけど、でも座ってるほうがまだ安心だな。

「先頭の2頭だけ、そのまま手綱を使わないで、各個に巻き乗り」うげっ、騎座と脚だけってこと? そんなにしっかりした騎座なんか習得してないよぅ。
とにかく内方の座骨、内方脚、と思って巻き乗りをしようとしますが、ぜんぜん蹄跡を外れてくれない。前のダンスくんも曲がっていかないみたいだけど、さらにジュンちゃんはそのお尻にくっついていっているだけなので、曲がるどころじゃない。
「どれだけ自分が手綱に頼ってるか分かった?」きっつぅ。その通りでございます。

しばらく速歩をして、レッスン終了。停止の四肢が揃わなかったので、「脚で圧迫して、圧迫やめずに拳を軽く左右に握るの。握るだけ」えっと、後退かな? 2歩ほど後退して、停止のやりなおし。ここでN子先生に逐一こまかい指導(内容を正確に表記できる自信がないので割愛)を受けながら停止したら、ちゃんと四肢が揃いました。
下馬して、ジュンヨーを連れて馬繋場へ。つづいて馬繋場の様子を見にきたN子先生が、私の顔を見るなり「もーぉ、KYOKOさんはちゃんと半減却使いなさいって言ってるのに!」「だって先生、座れないんだもぉん。座れてないから脚がばたばたしちゃって、半減却が作用してないっていうのは分かってるんですよぅ」「分かってんならやれっての、もう。なんか下ばっかり見てるし」あー、それも私の悪いクセだなー。速歩のときは馬の肩見てるし、駈歩のときは馬の頭見てるし。
いやー、半減却って難しいですぅ。でも諸悪の根源は、私が座れてないことだな。ふぅ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

←189鞍目 191鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop