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(2001.8.16 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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笑うトリコロール
トリコさん笑ってるよぅ。これから当分お世話になりそうです・・・
お盆休みのうちに、立て続けの騎乗。今日は15時の予約、14時30分に到着。少し電車の時間が読めるようになってきました。
到着してまずホワイトボードを確認すると、今日もトリコロールとウィンダムの両方に私たちの名字があります。
クラブハウスに入ると、I野先生がいらしたので確認。
「先生、今日わたしトリコですよね?トリコとウィンダムに高階って書いてあるんですけど」
「そう、じゃ当然トリコだね」
と、当然?
先生が他の人との雑談で、「そういえば××さんは、今日トリコを卒業したんだね」と言っています。
思わず、「卒業って、トリコさん卒業しないと上に行けないってことですかぁ」と割り込むと、
「そりゃぁそうだよ」
そうなんだぁ。じゃぁ、トリコにもう乗らない相方と私とは、すでにレベルが違うってことだ。うぅむ。
「トリコで右手前がちゃんと走れたら卒業かな」
「あっ、やっぱりトリコって右手前あんまり得意じゃないですよね?」
「難しいね、トリコの右手前は。」
前回のレッスンで感じたことは間違っていなかったようです。それが分かったからって何もできないんですけど。

馬装開始までちょっと時間があったのでトイレに行くと、トイレに近い蹄洗場で黒鹿毛の馬を洗っているおばさまがいました。この方には前回も会っていて、その馬が自馬であることなどは聞いていましたが、ふと思いついて聞いてみました。
「もしかしてこの子、タイコンチェルトですか?」
「そうなのよ!知ってる?」
「こないだ、この子が出てるレースのビデオ見ましたよー、ダービーかな?最後まで粘ってましたよね」
タイコンチェルト、競走馬名も同じ。彼は競走馬時代、トウカイテイオーと同期で、同年のクラシックレースを一緒に走っているのです。(調べたら、新馬戦からいっしょだった)
おばさんはその話題をするのがとても嬉しそうで、
「せっかくだからチェルに触っていって」と、彼に触らせてくれました。
元競走馬だったとは思えない気性の良さ、ふつう馬が嫌がる腹の下に触ろうが、後ろを通ろうが、ちっとも動じない。たてがみが長くてキレイで、顔がほそくて、黒くてつやつやの毛。好みだ…

さて時間になったので、トリコさんの馬房へ。午前中にしか使っていなかったとのことで、今日は馬装から。
馬房の中でお尻を向けているトリコに、なんとかこっちを向いてもらおうと声をかけ続けていたら、K野さんがやってきて、「馬房開けたらこっち向きますよ。なんか用事かなと思って」
扉を開けたら本当にこっちを向きました。無口をつけて、引き手で外に出し、蹄洗場に繋ぎます。
そして裏掘りをしますが、トリコさんは後脚で一生懸命虫を追うので、後脚のひづめの裏にはなにも詰まっていませんでした。左前脚にだけ、やたらと寝ワラが詰まっていたのは前掻きのせいだろう。
裏掘りを終わり、今日は午前中使ったときの汗などを落とすため、プラスチックブラシでのブラシかけを指示されます。この倶楽部では、鞍やハミ頭絡はもちろんですが、無口もブラシも、各馬専用になっています。そうじゃないのは裏掘り用の鉄爪と引き手くらい。
毛の表面をこするように細かくブラシを使っていると(これはオリンピッククラブで習ったやり方)、K野さんから「もっと強くていいですよ、別に馬は痛くないですから」と声がかかります。
自分ではけっこう強かったつもりだったんですが、ひととおりかけたところでK野さんが「ちょっといいですか」とブラシをかけ直してくれましたが、これが確かにかなり強く、がしがしがし!という感じ。その強さでやると、毛の奥で固まっていたらしい汗が、粉になってたくさん飛んでいきます。
「ほら、トリコも気持ちよさそうでしょ」
ホントだ。首を伸ばして嬉しそうです。

鞍をおき、無口をはずしてハミ頭絡をかけます。トリコのおとがいにポコッとこぶみたいなのがあって、そこに無口がひっかかってしまいました。
スタッフの男の子に「これ何?」と聞いてみると、
「馬房の扉にこすりつけるんで、そこがこぶみたいになったらしいんですよ」
触ってみると、けっこうかたいこぶになっている。このこぶに気がついたのは前回の馬装解除後で、虫さされか何かかと思っていたので、そうでないことが分かって少し安心しました。
(左の写真でも、無口の下にすこし飛び出している部分があるのが写っています)

馬場に馬を出し、騎乗。今日は私のトリコロールと相方のウィンダム、もう一人の女性が乗るアルフォンス。この方は騎乗経験はあるようですが、このクラブで乗るのは初めてだったようです。
トリコは一番騎を指定され、発進しようとしますがなかなか動き出しません。
あまつさえ後ずさりを始め、後ろについてこようとしていたウィンダムとぶつかりそうになり、相方がウィンダムを避けさせようとして馬を回すと、馬のお尻どうしがくっつくような形になってしまいました。
ヒヤッ…後ろ脚で蹴りあいでも始めたらどうしよう。
しかしトリコもウィンダムも暴れることはなく、先生がニンジンを出してトリコを蹄跡まで誘導しました。馬がおとなしいからいいようなものの、結局、まだぜんぜんトリコの推進ができてないってことですね…

常歩で蹄跡を何周かしますが、トリコは今日も虫が気になって仕方がない(んだと思う)。首をぐいんと下げて、さかんに胸元を気にします。
それをやられると、手綱を持って行かれるもんだから、体も前に持って行かれてしまい、バランスが崩れやすいみたい。いちいち体を起こすのがうまくいかない。
「馬が首を下げたり、いたずらをするときは、軽く蹴って言うことをきかせて。常歩の時にちょっと蹴ったくらいでは走り出さないから」
軽く蹴ってみますが、あまりトリコは意に介さない感じ。

先生が短鞭を持たせてくれて、軽速歩。
常歩から速歩を出すのはわりとスムーズに出るのに、どうして最初の常歩発進がダメなんだろうなぁ。
最初は肩に軽く鞭を入れますが、だんだんそれがなくても走るようになってくる。
先生が「鞭を捨てて」というのが一度目は良く聞こえなかったのですが、もう一度言われてすこし慌ててしまい、鞭を手綱にひっかけてしまいました。
それを外すのにますます慌ててしまったもんだから、鞭を静かに馬場に落とせばいいのに、投げ捨てるような感じになってしまいます(後ろの馬に迷惑だ)。
「そのまま落とせばいいのに、どうしたの?ひも(鞭の持ち手に、ひっかけるひもがついている)手にかけてた?」と先生に心配されましたが、
「いえ、ちょっと慌てちゃって」
鞭ひとつ満足に扱えない私。

蹄跡を軽速歩していると、ラチ外、クラブハウスのテラス(というか、縁側…)から見ていた会員のAさんが、「鐙が長いんじゃない?」と言います。
(クラブハウスと馬場内でおしゃべりができるくらいの距離なのです)
そう言われれば、今日は鐙が良く脱げる。脱げるというか、軽速歩の反動で鐙を踏んでる足が浮いてしまって、鐙がずれて、靴がどんどん鐙の奥に入ってしまう。ちゃんと鐙が踏めていないと言うことの証明みたいなものです。
おかげでこの日は、軽速歩しながら、その反動を利用して鐙をはき直すという技を習得してしまった。けどあまり自慢は出来ないですね、鐙が脱げるということが前提なんですから。

軽速歩の周回をかなり重ね、トリコも疲れてきたんでしょうが、周回のところどころで歩様がだらけ、頑張らないと常歩に落ちそうになる。そこで頑張って脚を入れて、また走り出すといった具合。
それを何度かやっているうちに気がついたのですが、馬場のなかでもかならず止まりたくなるポイントがあるらしくて、そこは馬房への入り口。そうかそうか、疲れて馬房に帰りたいのは分かるけどさ〜、もうちょっと頼むよ。
馬房が近づくと、強めに脚を使ってなんとか走る。でも私の癖で、脚に気を取られると前傾になってしまうか、拳が浮いてしまう。
馬房のちょうど対角線上に先生がいらして、先生を見ると「あっ」と思って姿勢と拳の位置を直すのですが、またその対角線上の馬房にくると脚を使うことに気を取られ、姿勢と拳がくずれる。
その繰り返し。
次のレッスンの準備で、馬房側に移動していたAさんが「がんばれ、がんばれ」と応援してくれました。
私もトリコに、歩様に合わせて「がんばれ、がんばれ」。

そうやってがんばっていると、一番騎のトリコと、二番・三番の間がずいぶん開いてしまったようです。トリコの一完歩が大きめらしい。
間をつめるための「トリコ、巻き乗ーり」という指示に、一頭で巻き乗りをしますが、回ってはくれるけどきれいな円が描けない。小さく、楕円に回ってしまいます。

この日はけっきょく、左手前だけでおしまい。まさか、トリコの右手前が難しいせいではないだろうけど。
鐙を上げて、トリコを蹄洗場へ。トリコは次のレッスンでも使う予定だったので、鞍はゆるめるだけで、ハミ頭絡だけ外します。

クラブハウスに戻ると、I野先生が休憩中。
「どうしても前傾になるね」
「バランス悪いですよね、私。手綱を持ってかれちゃうと、どうしてもかたむくんです。」
「自覚があるなら大丈夫、頑張ってなおして」
「はい、拳浮いてるのも自覚はあるんです、一応」
「分かってるならいいんだよ」
と、肩をたたいて励ましていただきましたが、頭で分かっててもどうにもならないんですぅ、せんせ〜い(泣)


↑日の出乗馬倶楽部の馬場

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