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(2001.9.1 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ハイセイコーJr.の写真
ハイセイコーJr. 競走馬時代はマツノパーシアでした。
愛称は「ジュニア」ではなく「ジェイアール」
今日は倶楽部でのバーベキュー大会。隣接した東京サマーランドで花火大会があり、それをよそながら眺めて飲み食いしよう、という企画です。
ところがうちの相方、当日はちょうど勤務先の方でキャンプが企画されていて、そちらに行ってしまいました。
私ひとりで参加しても、もちろん大丈夫、とのことだったので、この日は一人で乗馬倶楽部へ。バーベキューは18時からですが、それではもったいないので、15時から騎乗の予約を入れておきました。

倶楽部につくと、やはり同じ考えの人が多かったらしく、今日は人が多い。めずらしく4頭部班でレッスンしています。
クラブハウス前のホワイトボードで、今日の騎乗馬を確認。どうせトリコロールだろうけど…あれっ?ハイセイコーJr.!?
名前からおわかりのように、あの元祖アイドルホース、大井の怪物ハイセイコーの産駒です。
ハイセイコーは写真やビデオでしか見たことがなく(当たり前だ。ハイセイコーは私と同い年なので、彼が活躍したときは私は3歳か4歳)、また当時の画像だと色がよく分からないのですが、確か鹿毛で、脚の丈夫そうな馬だったはず。
Jr.は馬格は父親ゆずりのりっぱな体ですが、体毛は栗毛です。

まだトリコロールを卒業できる実力はないのに、ハイセイコーJr.に乗るということでもびっくりしたのですが、実はJr.は、悪く言えばちょっとした「札付き」。
人に危害を加えることはありませんが、ちょっと気性が荒いところがあるらしく、以前見学していたときにも騎乗中に旋回してしまったり、他の会員さんから「私、Jr.にだけは当たりたくないわ」と聞いていたので、私ごときにJr.が扱えるんだろうか?と不安。

Jr.は今のレッスンで騎乗しているので、この次のレッスンで乗る私は馬装をする必要はないな…とクラブハウスでのんびりしていると、馬場の方で落馬が!
馬が何かに驚いて横に跳ねたんだと思いますが、投げ出されたわけではないので、騎乗していた方はケガもなく再騎乗していましたが、落とした馬を見ると、ハイセイコーJr.じゃあないですか。ひえぇ〜。

レッスンの時間が来て、蹄洗場にいったん上げられた馬たちのところに行きます。
つながれているハイセイコーJr.、でかい。とりあえずニンジンをあげてみる。
鞍や勒は装着されたままなので、「鐙の長さだけ合わせてください」というK野さんの指示で、馬の脇に入って鐙の長さを調節していると、Jr.は虫が気になってしょうがないらしく、後ろ脚でさかんに虫を追う。本人は虫を追ってるつもりかもしれないけど、こっちは蹴られそうで怖いんだよぅ。

Jr.を引いて馬場に出て、オーナーの補助で騎乗。
乗ろうとするところにも後ろ脚で虫を追うし、動くので、危ないったらない。
今日のレッスンは4頭部班。今まで日の出で乗った中で、一番多い頭数です。
騎乗すると、I野先生が「今日はよっぽど頑張らなきゃダメだぞ。周りはみんな上級者だからな」
馬も上級、クラスも上級…こりゃ今日はついていくだけで精一杯だな、きっと。
そんなわけで、今日は4頭部班のうち最後方。
馬を発進させるのにも時間がかかる私、最初から前の3騎と離れてしまう。

常歩で歩きながら、Jr.はものすごい勢いで首を下に持っていくので、手綱を強く引っ張られ、体を前に持って行かれる。トリコロールもときどきこれはやるけど、Jr.のほうが力が強いのか、激しく持って行かれてしまう。なるほど、これを速歩のときにやられたら落馬するかも。
「持って行かれないように、拳でこらえて」と言われても、馬の首のところで拳を止めるのが精一杯、馬の首に拳をついてしまったりする。
「馬が騎乗者に気持ちが集中していないから、足下のハエなんか気にしてそうなるんだ。つねに踵で腹を刺激するとか、馬に対して何かしていないと」
なるほど、なめられているわけだなぁ。でもなめられても文句が言えない程度の技術だし。

軽速歩を始めますが、これがなかなか出ない。脚を入れているつもりなのですが、弱いのか全然反応せず、かなりの回数蹴ってようやく軽速歩が出る。
すでにこの時点で前に遅れているのに、軽速歩もあまり元気良くは走ってくれない。脚の入れ方が良くないんでしょうか。

「速歩に落として」の指示に、落とそうとすると「高階さんは落とさないで、軽速歩続けて」
私を追いつかせるため、前の3騎をゆっくり走らせるというのもあったのでしょうが、私の技術でJr.で速歩をやると、速歩どころか止まってしまいそう。
軽速歩の始めのとき、「すぐ立って!」という声が飛んだので、おそらく私はまだ、この馬には速歩では乗れないのだと思います。

クラブハウスの前を軽速歩で通ろうとすると、Jr.がすこし内へよれる。
今日は人が多いせいで余計にそうなのだろうけど、人の話し声なんかでどきどきしちゃってるらしい。
「そこ通るときだけちょっと気をつけて。さっきの落馬の原因もたぶん、それだから」
先生がクラブハウスの前の人たちに静かにするように言ったり、そのポイントにK野さんが立っていて舌鼓で扶助(舌でリズム良くチッ、チッと鳴らす音を聞かせると馬は走る)してくれたりしたので、そのあとは大幅によれることはありませんでしたが、やっぱりその場所が嫌いだったらしい。

軽速歩のまま手前を変え、隅角から馬場内に入るのは前の馬について入ってくれるのですが、途中であらぬ方向を向き、止まります。
どうにかまっすぐ歩かせようとするのに時間がかかり、仕方ないので前の3騎がもう1周してくるところに入るように指示されるのですが、それもなかなか難しい。1度や2度ではなく、何度やってもスムーズに言うことを聞かせられない。
そのまま軽速歩で蹄跡を周回すると、今度はJr.がひどくラチに寄って走り、鐙をラチに引っかけてつま先をぶつけてしまいます。
なんだかもう、馬との戦いの様相を呈してきました。

それでも軽速歩のとき、鐙があまり外れなかったこと(鐙を踏む位置を、今まで足の一番幅が広い場所と思っていたのですが、指の付け根に変えてみた)、上体の前傾や拳の位置については一度も注意を受けなかったことだけでも、自分なりに先週よりはマシなのじゃないかと思います。
今日の騎乗はタイムアップ、馬場に馬を横に並べ、礼をして終了ですが、最後に並ぶ私が馬を馬場に入れる位置を間違い、だいぶ他の馬より前に馬を止めてしまいました。
本当ならこういう場合、馬を後退させなければいけませんが、私にはまだそんな高等技術はない…
仕方がないので、馬に回れ左をさせて、後ろに向かって少し歩いてからまた前に向かって馬を回れ左。
するとちょうど他の馬と自分の馬が並びました。本当はダメなのですが、「うまいことやったな」と先生が笑って、レッスン終了。

Jr.は次もレッスンがあるので、今日は馬装解除はなし。
水やニンジンをあげて戻ると、16時。バーベキューまで2時間ヒマです。
近所の小学生がニンジン持参で見学に来たのを、ママさんに頼まれて案内したりしているうちに、先生に行き会ったので「先生、今日は私ほんとうにへろへろですぅ」と言うと、
「だろう?今までが甘いんだよ。今日はちょっと上のレベルだったから大変だっただろうけど、勉強になっただろう?」
確かに…あんなに最初は動かすのが大変だったトリコさえも、Jr.に比べたら動きやすい馬に思える。これで次回、トリコに戻ったらまた分かることがありそうに思えます。
ちなみにトリコ、この日はビジター30分以外は一度も使っておらず、ママさんに「トリコどうかしたんですか?」と聞いてみたら、「ちょっと跛行が出たのよ」とのこと。跛行とはちょっと歩様がおかしいことで、筋肉痛などでも出るものですが、大したことがなければいいんですが。

18時からのバーベキュー大会に備えて、材料の下ごしらえやなんかを手伝っていたのですが、それも一段落したので、みんなで馬場外から最終レッスンを見学していました。
そのときのレッスンは上級者クラスで、すごく角度の急な蛇乗りや、速歩のままの巻き乗りもきっちりこなすレベルの人たち。先生の指示も厳しいみたい。
「鐙を上げて(脱いで)、速歩」ひゃー、そんなの私調馬索がないと怖くてできないよ、と思っていると、「そのまま軽速歩をとって」
えっ?鐙に足を置かないで、軽速歩の立つ・座るってどうやってとるんだ??と思っていると、みなさん鐙を上げたままやすやすと軽速歩をとっているではないですか。
きっと脚の使い方が違うんだろうけど、すげーやーと感心していると、I野先生が馬場外の私に向かって
「良く見ておきなさい、半年後のあなたの姿だ」
たった半年で、私がこのレベルに行くなんてとても信じられない!よっぽど頑張らないと…

最終レッスンがあと15分ほどで終わろうかというとき、花火が上がりました。
まだ明るいので、おそらくはテスト花火か、小学校の運動会の朝に打ち上げるような音だけの花火だと思いますが、当然馬はびっくり。
ここの馬はおとなしいので、それで走り出したりはしないのですが、びくっとして立ち止まったり、落ち着かなく耳を動かしたりはします。

バーベキューは実に楽しかった。馬好きたちの話題はやはり馬のことに終始します。初心者の私に、いろいろなコツを教えてくれたり。
途中で本格的に花火が始まり、倶楽部からは生い茂った森のお陰で花火が見えないので、裏山に登ってみんなで花火を楽しみました。人混みに入らずに、草に寝転がって花火を見るなんて、こんな贅沢があるでしょうか。(しかもタダで!)
私はほとんどの方と初対面でしたが、「こちらがあの乗馬日記の高階さん」と紹介されるとけっこうご存じの人がいました(冷汗)。あんまりヘタなことはかけないなぁ。
しかも先生も読んだらしい。ひー。


↑日の出乗馬倶楽部の馬場

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