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(2001.9.7 北海道・日高ケンタッキーファーム)
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ロッジの風景
宿泊したロッジ
9月6日〜9月8日の2泊3日、北海道旅行に行ってきました。
JALのフリーツアーで、乗馬ができるツアーというもの。初心者コースと経験者コースがきちんと別れていて、レンタカーがついているので、牧場見学も兼ねて。

6日、牧場見学のあと、今日の宿泊地である日高ケンタッキーファームに到着。
ファームとはいうものの、規模の大きい自然公園といった趣で、夕方ということもあって馬の姿は見えません。
フロントでチェックイン、明朝の厩舎作業を体験できるというので予約。
宿泊はペアロッジ、2世帯(?)分がくっついたバンガロー。
本来なら5人は宿泊できるロフトつきのロッジに、2人で割り当ててくれました。
夕食は豪快な炭焼きバーベキュー、肉も魚介類も食べきれないほど。

さて明朝5時半に起き、6時25分頃に厩舎作業へ。
厩舎前に集合とのことだったのですが、ほかにそれらしい客は見あたりません。
そこでしばらくぼーっと待っていると、厩舎の中からスタッフさんが声をかけてきました。
「体験の方ですよね?6時15分って言われませんでした?」
最初に言われたかもしれないんですが、パンフには6時25分と書いてあり、フロントに電話で確認したところそれで大丈夫なはずと言われたんですよね。何か行き違いがあったらしい。
「時間がないので、急いで厩舎作業やってしまいましょう」
厩舎作業と言っても、バケツにあらかじめ入れてある朝飼い(あさごはん)を、馬房内の飼い桶にぶちまけ、水桶に補充をするというもの。さすがに馬房内の掃除なんかは、観光客にはさせないか。
朝飼いをあげて回っていると、中に「スダホーク」という名前が。こんな所(と言っては失礼だが)で乗馬になってたのか!

作業後、餌の内容(圧ペンエン麦、グラスキューブ、カルシウム粉、食塩など)の説明や、馬の種類を丁寧に説明してくれました。いいものもらってる。
テキストでしか見たことのない、重種(ペルシュロン)が馬車用として飼われていました。それでも重種としては小さめということですが、足も太いし顔もでかい。重種というのは、主に農耕馬ですが、大きい馬だとサラブレッドの2倍を越える大きさになります。ばんえい競馬などの挽馬も重種です。
観光乗馬だからか、クオーターホースなど中間種や、ポニーも多い。引き馬用でしょう。
中間種の馬で、「体高がぎりぎり147センチだったので、ポニーになっちゃったんですよ」という”ぎりぎりポニー”もいました。
※ポニーというのは馬の血統による種類ではなく、大きさの分類です。体高(き甲=肩の上の骨から地面までの高さ)が148センチ以下の馬をポニーと呼びます。※
それにしても、この日ファームにはかなりの人数が宿泊していたようなのですが、厩舎作業に出てくる人は私たちのほかに一人もいませんでした。けっこう楽しいのになあ。

さて厩舎作業を終え、そのまま朝食をとり、9時5分前にもう一度集合ということになっています。
朝食とチェックアウトをすませ、時間になって馬場のほうに行ってみると、馬はすでに馬装をされていて、スタッフの方々が下乗りをしていました。
パンフでは馬の手入れ、馬装もやらせてもらえることになっていますが、それだとレッスン時間に食い込むらしく、「経験者ですから、45分いっぱいレッスンをしましょう」と言われ、馬装はありませんでした。

ヘルメットとチャップスのレンタルは無料。普段はブーツで乗っているので、チャップスをつけるのは初めてです。チャップスは、ショートブーツをはいた上でふくらはぎに巻く、革製の脚絆のようなものです。(ちょっと違うか?)
ブーツを持ってくるとえらい荷物になってしまうので、チャップスを借りることを前提に、本皮でヒールの低いショートブーツをはいて行きました(専用ではありませんが、たまたま持っていたもの)。ヒールが全くないのも、チャップスのひもが止めにくかったり、鐙に足が深く入り込みやすかったりするので良くないそうです。
メットは一般的なプラスチック製のものでしたが、頭の横幅には合うんだけど、前後幅がぶかぶか…

馬はすでに馬装を終えて馬場に引き出されており、「女性のかた、小さい方の馬で」と言われて、馬場に出て騎乗します。
女性の指導員さんが、「この子はロングハヤブサです。ロングと呼んであげてください。ちょっと反動が大きいですよ。あと、ちょっと首を振るので、手綱をやわらかく持ってくださいね」

相方の乗った雪翔と、2頭部班でレッスンが始まります。雪翔が先頭で、私の乗っているロングが2番騎。
ロングはときどき、確かに首を前にぐいっとやるのですが、私が普段乗っているトリコロールや前回乗ったハイセイコーJr.に比べれば、かわいいものでした(笑)

常歩での周回から、半巻き。
実は半巻きするのは初めてで、先頭の相方が半巻きの進入は間違えなかったんですが、出るところを間違ってしまいました。後方の私は「あれ?違うぞ」と思って、自分が正しいと思う方向に馬を誘導しようとしたんですが、途中で自信がなくなってやっぱり相方についていこうとし、馬をあっちこっち向かせてしまいます。
「半巻き、違いますね。後ろのかた、前のかたが間違ってると思ったら自分だけでも正しい方に行っていいんですよ」
そのあとも、中央線に出て手前を変え、順次に巻き乗り、各個に巻き乗りなど、細かい方向転換の指示。各個に巻き乗りのときは、前の馬についていくのではなくて、それぞれがその場で回るというものですが、
「各個に巻き乗りは、同じ大きさで回れないとダメです。円の前半は、後ろの馬が前の馬を見ながら合わせて回って、円の後半は逆に前の馬が後ろの馬に合わせると、きれいに円が揃います」
正直言って、観光地の乗馬でこれだけ馬術的なことをやらせてくれると思っていなかったのでびっくり。
もうひとつ驚いたことは、ロングハヤブサ、方向転換するときにあまり手綱を必要としないのです。内方脚と外方脚をきちんと意識して使えば、そのとおりに曲がっていく。問題は曲がった後に、いかにきちんとまっすぐ推進するかですが。

さて軽速歩ですが、軽速歩の合図も非常にスムーズ。ちょっと脚を強めに使うだけで走り出します。
走り出すと、言われたとおり少し反動が大きいかも。軽速歩をとっていても、どうかすると鐙が抜けそうになります。
困ったことに、その反動でメットが前後にずれ始めました。もともとゆるかったのですが、片手で直しても落っこちそうになってしまい、メットのベルトが耳のピアスにひっかかりそうになって怖い〜(乗馬のときにピアスすることもめったにないのですが、旅行だったから)。
仕方がないので勝手に馬を止めてメットを外します。指導員さんがメットを直してくれますが、怖いのでそのすきにピアスを外しました。
軽速歩のまま順次巻き乗り、各個に巻き乗りをしますが、巻き乗りの円に進入するところまではうまく行くのですが、円の半分で常歩に落ちてしまう。軽速歩しながら脚を使うというのが、まだ上手くできていない私。

普通に軽速歩で蹄跡を周回していると、1馬身だったはずの馬間距離が、どんどん縮まってしまう。ロング、けっこうスピード出るなぁ。ときどき手綱を押さえてスピードを殺してやらないと、速歩でもどんどんスピードを出す馬。さすが元競走馬だ。
「手綱をもっと短めに持って、首の動きに随伴して。拳だけを動かすんじゃなくて、腕全体をやわらかくしてください」
さいしょ、首を振るので手綱をやわらかく持って、と言われて、手綱をゆるめに持っていたのですが、「やわらかく持つ」と「ゆるめに持つ」とはだいぶ意味が違うのだ、ということが突然分かりました。
すると、馬の口と拳の間が無理がなくなった感じがありました。これがハミ受けってことだろうか?

それにしてもここは観光地、馬場の周りには白樺でできた柵がもうひとつあり、そこは馬に乗ったことがない人のための引き馬コース。
そのコースをスタッフに引かれた馬に揺られてゆく人や、そのさらに外から、馬に触りたいけどちょっと怖そうに遠巻きにしている人なんかが馬場を注目していて、視線が痛い痛い。

時間が来たので、馬場レッスンは終了。
「方向転換のときに、前の馬についていくんじゃなくて、自分で曲がらせるように気をつければOKです。軽速歩は上手くできてます」
あ、気にしてることを言われた。ロングがけっこうスピードが出て、それを押さえきれないもので、すぐ前の馬にくっついてしまい、方向転換のときに扶助を出す前に曲がられたことが何度かありました。
「では10分休憩して、外乗に出ましょう」

スダさん
がっつくスダホーク。
ここではスダさんと呼ばれているらしい(笑)

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