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(2001.12.15 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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日の出の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の馬場
今日も11時からの騎乗予約、10時10分ごろに武蔵増戸駅に降り立ち、歩いて倶楽部に向かいますが、途中の山田大橋で突風に吹かれる。寒い。
「しまった、こんな風が強いと馬がびっくりするなぁ」
「今日は絶対JRには乗りたくないねぇ」
ハイセイコーJr.は日の出の馬の中ではちょっと神経質なので、風や人の声でびっくりして横っぱねしてしまったりするのです。それでもおとなしい馬ではあるんだけど。

倶楽部に到着して、まずホワイトボードで騎乗馬を確認。今日も私はトリコロール、相方は美星。
あら、今日はけっこう人が少ないわ。風が強いからかなぁ。
クラブハウスに入るとオーナーがいて、「風が強いですねぇ。こんな日はJRには乗れないって言ってたんですよ」と話しかけると、「そうそう、今日はJRの予定だったんだけど、出せないから変更したんだよ」だそうです。
クラブハウスから外を眺めると、ウィンダム1騎が出ていますが、厩舎の屋根やまわりの森から、木の葉や小枝が振るように馬場に落ちてきています。あの中で乗るのはけっこう怖いぞ。まぁ、トリコさんは大人というかおじいさんだから、他の馬よりは落ち着いていて安全なはずだけど。

時間がきたので、トリコロールを迎えに行きます。
前回と同じく、馬房の中であっち向いてるトリコに声をかけるとこっちに顔を出してくれたので、無口をつけて引き出します。
馬繋場につなぎ、前回の教訓を生かして(笑)馬着を脱がすときに噛みつかれないように、無口を左手でつかみ、顔をこちらに向けさせないようにしながら馬着の金具を外します。でもやっぱり口を開けてこっちをしきりに振り返ろうとするトリコ。別にもう怖くないもんね〜だ。
もちろんトリコも本気じゃないのです、耳伏せてないし。何度かやると落ち着くことが分かりました。

馬装を終わり、トリコを馬場に連れ出して騎乗します。
他の2騎より早く騎乗、馬総点検が終わったので、さきに左手前で蹄跡に出ます。なんか馬場の中央で、美星が腹帯を締められるのを嫌がって後ずさっている…それを避けてしばらく止まり、また歩き出します。
蹄跡に全頭が出て、いつものように先頭になったところで、I野先生が近づいてきて「今日は風が強いからな、速歩してても突風が来てまずいと思ったら常歩に落としていいから」

さすがに今日はすぐには速歩の指示は出ず、常歩のまま各個に巻き乗り、順次に巻き乗り。
トリコはこんな強風の中でもきちんと方向転換についてきてくれます。歩きながらも、馬房の屋根からトリコの目の前に木の葉が舞い落ちてきたりしてかなり怖いんですが、トリコさんは落ち着いたもの。
落ち着きすぎて、なかなか元気に歩いてくれません。むしろやる気が出ないのかも。
「寒くないか?」
「寒くはないですけど、怖いです、風が。」
「そうだな、怖いな。気をつけろ」
ようやく速歩の指示が出ますが、乗ってるこっちがびくびくで体が固かったせいか、トリコの歩度がなかなか伸びません。得意な左手前のはずなのに。

速歩のまま斜めに手前を替え、で右手前になり、再度斜めに手前を替えるところで進入が早すぎ、鋭角ぎみに馬を曲がらせてしまう。
「おいおい早いよ、もっと先で曲がらないと」
先生に苦笑されながら、なんとか馬を立て直し対角へ向かい、左手前に。

また隅角で手前を替え、右へ曲がって対角へ向かいますが、馬が風に向かっていく形になり、トリコがどんどん右によれていく。このまま進むと対角にたどり着いて曲がるとき、30度くらいの鋭角になってしまう。
「おいおい大丈夫か、馬回せるか?」先生の心配をよそに、どうにかしなくては、と思った私は、このまま右によれても仕方ないので一度左の手綱を引き気味にして左に寄らせ、余裕を持たせてから右にぐるりと回転させました。
「おお、すごいな、よくやった」
「乱暴な乗り方しちゃいました」
「いやいや、よく馬を制御できたよ、頑張ったな」

右手前のまま軽速歩を続けます。右手前が苦手なトリコなので、当然歩度が伸びません。そこでトリコの右肩にかるくムチを当ててみる。するとがぜん元気を出してしまい、すっちゃかすっちゃか走ってしまうではありませんか。
そのあと斜めに手前を替えて、左手前になっても元気のよさは続いてくれています。でも彼は隅角で止まりたくなるクセがあるので、そういうところで強く脚を入れる。
乗っていると、トリコが走りたいところと走りたくないところがあるのが分かってきました。クラブハウスの前にくると、やたら頑張って走っていまい、手綱を押さえなければならないのに、クラブハウスを通り過ぎ、向かいの馬房側にくると脚が必要になる。
「クラブハウスの前の隅角より前から、すこし押さえなさい。それでクラブハウスを通り過ぎたら脚とかムチを使って」
蹄跡をクラブハウス側、馬房側と2分割するとして、クラブハウス側にいるときは体を起こし、前に習った歩度を詰めるやりかたで、腰をあげるのを遅めにしてみる。反対に馬房側にいるときには腰を早め早めに上げ、脚を意識して使ってみます。
「そうそう、体起こして」
けっこう上手く走れているかな?

馬を止めて5秒間静止、速歩発進。2度ほどやったところで馬を停止し、あらためて速歩発進のやりかたを詳しく教わります。速歩発進は乗馬ライフの文章で読んだだけなので、まだきちんとは分かっていません。
「手綱をぐぅっと引いて、こぶしに体重が乗ったなと思ったら、脚を入れると同時にこぶしを一つ分だけ前に押すんだ。すると馬が出やすくなる」
話を聞きながら、停止しているのについこぶしを引いて、脚も無意識に使っていたらしく、トリコがバックをしてしまいます。悪いねトリコ。
きちんと手綱を短く持ち、強く引いてバックしそうになったところで脚を入れながら手綱を前に押します。勢いがついて、こぶし3つ分くらい押してしまいました。速歩は出たけど。
「追うな追うな、こぶし一つ分でいいんだ」また馬を停止し、細かい指導を受けます。
「こぶしはちょっと押してやればいいんだよ。そして、押してすぐ出るもんでもないんだ、一拍おいてから出るから、慌てないで一拍待ってやれ」
それでもつい強めにこぶしを押してしまう私。それでも速歩発進してくれるトリコ、偉いぞ。
速歩発進がうまくだせるようになることは、目下の課題です。

突風のため途中でラチが倒れたり、馬が横風に流されたりして、かなり緊張の連続だった50分もようやく終わりです。それはそれで楽しめましたが。
「今日はすごかったな、よくトリコをあれだけ動かせたな。今年の夏からは考えられないなぁ、トリコに振り回されてたもんな。」
「はい、動いてもくれませんでした(笑)」
「あれだな、外乗に行ったりして度胸がついたってこともあるんだろうな。」

この日はキャンディのお散歩に行ったり、風が強いのでクラブハウスの中でだらだらと過ごしているうちに、結局5時くらいまで倶楽部にいました。
「もう一鞍乗っていくんでしょ?」と冗談交じりに言われ、空いていたのでそうしても良かったんですが、あの突風の中で乗るのは勘弁。

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