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(2002.1.12 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日は14時の騎乗予約。13時15分頃に倶楽部に着き、騎乗馬を確認すると桜吹雪。先週、さくらに乗る予定だったのに乗れなかったので嬉しいな。
13時30分すぎ、着替えをしてちょっと早いけど馬房に向かいます。
馬房の前にスタッフのF田さんがいたので、「F田さ〜ん、わたし今日さくらなんだけど、さくらは大丈夫ですか?」と聞いてみる。先週さくらに乗れなかったのは、さくらがハイでどこにぶっとぶか分からなかったから。
「今日は下乗りもしたし、最近はけっこう良く運動もさせてるんで大丈夫ですよ」
ついでにトリコロールの様子も見に行く。彼は先週、軽い疝痛(おなかいた)を起こしたそうで、ちょっとだけ肝臓の具合が悪いのだとか(もう20歳だから…人間で言ったら60歳越えるくらいかな)。でも意外と元気そうで安心しました。午前中はビジターさんのお相手もしたようだし。

桜吹雪を馬房に迎えに行くと、すでに馬房から顔をつきだしてこっちを見ていたので、そのまま無口をかけて引き手を着け、キープしてから馬詮棒を外します。
馬房から連れ出して馬繋場につなぎ、裏掘り。鉄爪を持って近づき、ちょっと左前肢に触れると、さくらが自分から左前肢をあげました。左前を掘って、右前肢をかるく叩くと、また自分で脚を上げる。「あんたやりやすい馬だねぇ」
後肢を掘ろうと思って後ろに行くと、そこには一面に散らばるボロ(糞)…もちろんさくらがしたものです。「あんたボロ踏まないでよっ?」F田さんがボロを片づけてくれたので、後肢を掘って、ひづめに詰まっていた物を掃き出します。
裏掘りを終えると、桜吹雪には後肢にバンテージが必要。「F田さん、バンテージのやりかた教えてください」「あ、やりますよ。先にブラシかけててください」
バンテージも自分でやってみたかったけど、結局F田さんにやってもらいました。下手な巻き方して馬にケガさせてもまずいし。

馬装を終えて、さくらを馬場に連れ出します。今日の指導員はK野さん。美星、ハイセイコーJr.、ロゼッタ、桜吹雪の4頭部班です。
そういえば馬繋場で鐙の長さを合わせておくのを忘れてた。鐙を合わせて騎乗し、常歩で蹄跡に出ます。
あ、やっぱり最初は反応が鈍いなぁ。前に乗ったときもそうでしたが、さくらはエンジンがかかるまではとっても重い馬。たぶん、最初は重くても、走り出せばエンジンがかかるはずだけど、とりあえず一生懸命脚を入れてみる。馬場の外から、I野先生の「頑張って動かせよ」という声がかかる。こういうとこ、先生の弟子に対する愛情を感じるなぁ。
蹄跡を回る途中で、K野さんが短鞭を持たせてくれましたが、あまり鞭を強く入れるとさくらがキレたら困るので、肩に軽く触れながら歩かせます。でもあまり変わらないな。
強めに脚を入れ続けることにしますが、前回I野先生に言われたように、あまりかかとを下げることを意識しすぎず(かかとが下がった姿勢を前提として)、つま先で踏んだ鐙を強く踏み込むようにします。すると、なんだかくるぶしが馬の腹を持ち上げるように動いているみたい。うん、つま先とかかととふくらはぎの連動って、きっとこんなふうでいいんじゃないか。今までは脚を内側に締めることばかり考えていたけど、これなら内側に締めなくても脚が入りやすい。(脚に内側に向かって力を入れるのって、かなり力がいるんですよー。)
でもやっぱり、さくらを元気良く歩かせるのは難しいんですけど。脚だけでなく蹴って、やっと先行の馬から離れず歩きます。

順次巻き乗り、手綱と脚を使って内に入れると、先行の馬の蹄跡より内側に入ってしまいます。いかん、脚使いすぎか。
「中に入れるんじゃなくて、前に進めるんですよ」
とにかく脚を使って、推進、推進。内方脚を強めにする程度にし、あまり手綱は使わないことにします。

「歩度を詰めー」
走りたがりのさくらは、この時点で急に元気良くなる。「はやあーし」の指示で蹴ると、簡単に速歩が出ます。さくらの反動は少しきついので、速歩ではどうしてもお尻が跳ねる私。
さくらの走り方は、歩幅があまり大きくないので1完歩のリズムが早く、首をよく使うので首が上下します。さくらの首の動きに、手綱をどこまで合わせたものかなぁ。

1周くらい走ってみて、久しぶりに乗ったからこんなものだったかなぁ、とも思ったんですが、やっぱりさくらの歩様がおかしいような気がする。ちょっと左側の傾きが大きいような。左手前だから、というのとはちょっと違うんじゃないかなぁ。でもさくらはちょっとつまづきやすい馬なので、こんなものなんだろうか。
「常歩に落として。さくら、ちょっと中に入ってきてください」
馬場の内側でさくらを止め、近づいてきたK野さんに「やっぱり歩様おかしいですか?」と聞くと、さくらの足下をチェックして「うーん、ちょっとやめたほうがいいみたいですね」
その場で下馬し、「とりあえず馬上げちゃってください」というので、さくらを引いて馬繋場へ。歩くときも、ちょっと左前肢が重そうです。さっき裏掘りのとき、左前を自分から上げたのは、痛みを訴えていたのか。ごめんねさくら、気がついてあげられなくて。

馬繋場に上がると、トリコロールが出ています。新しいスタッフのK村さんが馬装をしていたので、トリコ次に使うんだな。もう大丈夫なんだ。
とりあえずさくらをつなぎ、早く馬房に戻してあげた方がいいと思ったので、急いで馬装解除し、手入れ。今のレッスンはいくらも走ってないけど、たぶん次のレッスンに振り替えになるのでしょう。
隣の馬繋場にいた先輩のTさんに、「こないだはさくらがキレそうで乗れなかったし、今跛行出ちゃって、全然乗せてくれないんですよー」と訴えながら裏掘りをしていると、馬場のほうから「高階さーん」と何人かの呼ぶ声。裏掘りを中止して「呼びましたー?」と馬場の近くに行くと、「トリコに乗って下さい」とK野さん。あら、このレッスンでこのまま乗れるんだ。
鉄爪をバイトスタッフのUくんに預け「右後ろまだ掘ってないから!」と言い残し、あわててグローブをはめ直し馬場に出ます。

馬場ではK野さんとK村さんがトリコを押さえて待っていました。
「トリコ誰が乗るのかと思ってたら、自分だったなんて思いませんでしたよー」と言いながら騎乗、急いでK野さんが腹帯や鐙の長さをチェックしてくれて、蹄跡に出ます。トリコはいつものように一番騎。
他の3騎はすでに速歩で周回していましたが、トリコは出たばかりなので、トリコに合わせてもらって常歩で周回。うわ、常歩って何もしなくても(いや、何もしてなくはないんだけど、さくらに比べれば)歩くわ、この馬。しばらく離れてみて分かったけど、こんなにトリコって乗りやすい馬だったのかぁ。
4〜5周したところで、速歩の指示。
速歩を始めるなり、いきなりくしゃみを3連発するトリコさん。しかもロゼッタよりも遠慮がないっつーか、くしゃみの動作がでかい…おやじなんだから、もう。

走り出してみると、トリコはさくらよりもはるかに反動が少ないので、あまり鞍の上でお尻がはねない。お、いい具合にお尻が鞍に着いてるじゃん。自分が上手くなったような気さえするぞ。
少しスピードが乗ってくると反動が出てきて、やっぱりお尻が跳ね出すので、できるだけ手綱を控えて押さえ気味で走ります。
鏡のある隅角で、「斜めに手前を替え」内方の手綱を少し引いて、内方脚を使って…あれ?曲がらない。いつもはトリコ、方向転換には苦労しないのですが、今日はちょっと頑固なところを見せて、どうしても曲がらずに蹄跡に戻ろうとします。
これはもう仕方ない、「失敗しました」「じゃぁ次の隅角で」結局、最初入ろうとした隅角の対角線上の隅角から進入、今度は成功しました。馬場内で少しよれるクセがあるので、立て直してから対角へ。 この対角で右に曲がらせようと…あれ?曲がらない。鏡のある隅角のところで、手綱に反抗する素振りを見せ、右に曲がれませんでした。
後ろからついてきている3騎に「失敗しました、ごめんなさーい」と言ってから、さてどうしたもんかな。ここでどうしても右手前になりたいので、一度左手前で半巻きをして、右手前で蹄跡に出ます。

右手前での速歩では、トリコの反動はほとんどないと言っていいくらい。さっきいい感じだと思った、踏み込みで脚を入れるやりかたを速歩でもやろうと努力してみます。
いい感じで走れているようだったので、今度は隅角でできるだけ外に持ち出すことにトライしてみます。内方の脚だけ踏み込みをきつくし、外方はあまり踏み込まないで隅角を回りますが、これはあまり上手くいかない。
鏡がある隅角のところで、外に持ち出すのに成功したのですが、トリコは鏡の前で止まってしまいました。なんかさっきから、ここで必ず言うことを聞かなくなる。どうしたんでしょう。

何度目かの「斜めに手前を替え」で、後ろでなにかあったみたいで、K野さんが「大丈夫ですか?」と言っています。蹄跡に出てから振り返ると、ハイセイコーJr.に騎乗していたSさんが、地面に立ち上がるところ。あらら、落馬したんだなぁ。馬を刺激しないように常歩に落とし、そのまま周回を続けます。途中でSさんに「大丈夫ですか?」と声をかけてみたところ、にこにこしていたので大丈夫そう。男性は強いなぁ。

Jr.がどうしてSさんを落っことしちゃったのかは分からないのですが、ママさんも出てきてJr.の水勒を付け替えています。どうも手前を替えるときにハミが効きすぎたとか、気に入らなかったとからしい。
周回しながら馬場の時計をみるとすでに14時50分になるところ、1鞍50分なので、もうこのレッスンは終わる時間。
Jr.が戻ってきて2〜3周常歩をして、速歩で2〜3周したところで、「トリコ以外、手綱緩めて常歩」と終了の合図。トリコは沈静化しなくていいってことは、少し延長してくれるらしい。馬を替えたタイムロスは10分か15分くらいだったと思うので、14時50分までのこのレッスンを、15時くらいまで延長してくれるんだろう。

他の馬が馬場中央で下馬し始める中、「トリコ、はやあーし」なんか変な感じ、と思いつつも、これって10分間、K野さんのマンツーマンレッスンが受けられるってことじゃん、ラッキー。
K野さんによく注意されるのは、軽速歩で手前が合っていないってこと。トリコさん、手前が違っていても気持ちよく走ってくれるので、違和感なく走れてしまうんですよね。「手前合わせてー」と言われて、馬の肩を見てはじめて、あっ手前違うじゃん、って。
「馬の肩、内側だけじゃないですからね。外側も考えて合わせてくださいね」確かに、馬の内側の方が盛り上がる瞬間しか見ていない私。

「お尻痛いですか?」とK野さんに聞かれ、「いや、そんなことはないですけど…」と言ったあと、そう言われてしまう原因を思いついて、「ってことは私、腰が浮いてる?」と聞いてみると、「そうですね。こんな感じ(腰が浮いた感じ)で固まっちゃってますよ」とジェスチャー付きで指摘される。
どうも、脚を入れることばっかり考えると、上半身が堅くなってしまうクセが治らないらしい。どうやったらK野さんみたいに柔らかく乗れるんだか。とりあえず上半身の力を抜いて座ってみると、「そんなに猫背にならなくてもいいですよー」うーん、難しい。

K野さんとI野先生が馬場外で何か話し合っていて、K野さんが近づいてくると「このあと15分か20分くらい延長だそうです」次のI野先生が担当するレッスンに、最初のほうだけ混ぜてもらえることになりました。
すでにこの10分でもとは取れたと思っていたのに、さらに15分延長、しかも1鞍分の料金で二人の指導員から教えてもらえるなんて、ちょっとラッキーすぎないですかー(と、さもしい私)。

次のレッスンはもともと2頭部班だったらしいのですが、出てきたメンバーを見ると、私よりはるかにレベルが上(そりゃもう200鞍以上違うんではないか)な人たち。うわぁ、ついていけるのかしら。
速歩をしていたトリコさん、今度は後から出てきた人たちに合わせて常歩で周回を始めます。私はついていくだけで精一杯だろうから、一番後ろ。

さすがにレベルが違うから、常歩でついていくのも大変。どうしてこの人達、常歩でこんなにちゃっちゃか歩けるのー。トリコが重いわけでは決してないのに。ショートカットしてやっと追いつきます。
速歩になりますが、私に気を遣ってもらったのか「押さえた速歩で」。ほんとに速い馬なら歩いたほうが速いぞ、ってなくらいの押さえた速歩をします。
軽速歩の途中で、馬を馬場内に入れて、先生からの指導。1番騎の男性は本当に上手い人なので、彼を モデルにして、のこり2人の私たちに指導が入ります。「軽速歩のとき、脚の入れるタイミングが違うんだよ。おふたりとも、立ったときに脚を入れてるだろ。そうじゃなくて彼を見てごらん、座った時に脚が入ってる。ちょっと止まったままで練習してみなさい」
今まで、立つと同時に踏み込むので、自動的に脚が入るのだと思いこんでいて、座るときには何も意識していませんでした。もちろん立ったときにも脚は入っているのでしょうけれども、それだけじゃダメだってことなんでしょう。馬を止めたままで立つ、座るを繰り返しながら、座るときにも鐙を踏み込んで脚を入れてみる。「そうそう」
その状態で、また軽速歩で周回を始めます。最初は座るときに脚を入れるタイミングがつかめなかったけれど、半周くらいしたらだんだん分かってきました。今まで速歩や軽速歩のときにどうやって脚を使ったらいいのか、ピンと来なかったのですが、これならなんとか出来そうです。
速歩のときにも同じやり方で、座ったままで細かく脚を入れる。
「トリコやウィンダムなんかは反動のない馬だからね、だいぶ楽なはずだよ。これがモンブランなんかだと、反動がきつくて大変だけどね」

そうやってきっちり教えてもらっているとき、ふと時計を見るとすでに15時20分。先生、もう時間過ぎてますけど。
結局、「トリコ、内に入ってきて。蹄跡の内側を歩いていなさい」と沈静化の合図がでて、下馬したのは15時30分近く。先生、サービスしすぎですぅ。

トリコを連れて馬繋場に上がると、K野さんが「大サービスでしたねぇ」と笑っていました。
トリコは急に使うことになったので、たぶんこれで終わりだろうと、馬装解除をして裏掘りをしていると、F田さんがやってきて「さくら跛行したんですね、すみませんでした。午前中は大丈夫そうだったんですけど」さくらは蹄鉄を打ち直したばっかりだったとのこと。前にも蹄鉄を打ち直した翌日、軽い跛行が出たことがあり、きっと痛いというよりも、なんか蹄鉄に違和感があって歩様が重くなったんでしょう。それなら逆に、あんまり心配いらないみたい。
トリコの脚を洗っていると、K野さんが「あっすいませーん、トリコ次使います」と言ってきました。あら、気づかなかった。ビジターを乗せるらしく、K野さんが馬装を始めたので、「じゃあ脚洗っちゃったんで、拭くだけやります」とタオルでごしごし。後肢を拭いているとき、「腹帯締めますよー」と言われ、あわてて距離を置く。腹帯を締めるとき、後肢で払おうとするクセがある馬ですが、そのときは大丈夫でした。
馬装を終わって、「じゃあまた脚汚してきまーす」と、トリコはK野さんと一緒に馬場に出ていきました。

突然ヒマになったので、小学生会員のお友達・Mちゃんとともに桜吹雪の馬房に様子を見に行ってみました。
「ハコウって、腐っちゃうの?」
「ううん、ちょっと歩き方がおかしいだけでも跛行っていうんだよ。蹄鉄打ち直したばっかりだっていうからさ、蹄鉄って、このツメの伸びたところに釘を刺すわけじゃん?だから、痛いわけじゃないんだろうけど、なんかしっくり来なかったんだろうね」
案の定、さくらは馬房の中でちゃんと立っていて、左前肢にあまり力は入れていないみたいですけど、大丈夫そうでした。

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