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(2002.2.11 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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連休最終日、今日はいつものように相方と二人で11時の予約。
倶楽部に到着して騎乗馬を確認すると、私は前回と同じくモンブラン、相方はロッキー。どっちも最近入厩してきた馬で、モンブランは乗っているので分かりますが、ロッキーの性格は不明。馬房ではいい子にしているけど、どうなのかな?

着替えをして、前回ハミをかけるのにちょっと手間取ったので、早めに馬装に向かいます。
馬房の扉を開けると、モンブランは足下の寝ワラを食べていて(いや、食べてるわけじゃないんだろうけど…)こっちを向いてくれません。無理矢理馬の左側に回り込んで無口をつけ、馬繋場へ。
馬繋場で馬着を脱がせ、ひづめの裏を掘ってからブラシをかけようとすると、K野さんが「高階さん、それでブラシかけるのはちょっとかわいそうですよ」と言います。
ん?これ、プラスチックブラシじゃないんだっけ?
「これで」と毛ブラシを渡されたので、「これは何?」と自分が使おうとしたものを見せると、「それはマッサージとかするやつです」裏を見ると、歯がなくてゴムの突起があるだけのものでした。

あらためて毛ブラシでブラシをかけ始めます。首から背中をきれいにして、腹の下を軽く叩いて合図をしてからブラシを当てると、帯道(腹帯があたるところ)にブラシがあたったときに、モンブランが振り返って噛みつきにきました。当たらなかったけど、モンブランは帯道が嫌いらしい(たいていの馬はそうだろうけど)。
ブラシを終わって、毛布とジェルパッドを敷いて鞍を置くと、ジェルパッドがずれていました。K野さんの助けを借りて、ちゃんと置き直します。腹帯を下ろすためモンちゃんの前に回ると、耳を絞っている。え〜、怒ってるの? おでこをたたいてなだめるとちょっと耳を戻しましたが、そんなに帯道に触ったのがイヤだったのか、それとも他に気に入らないことがあったのかしら。
やたらと前掻きをするので、水が欲しいのかと思ったんですがそうでもないらしい。
K野さんによると、「違うんですよ、こいつ前のところで1日2食だったんだけど、ここ(日の出乗馬倶楽部)に来てから3食もらえるもんだからがっついてるんです」

時間がきたので水勒を着け、馬場に出ます。
K野さんが踏み台を持ってきてくれたので、騎乗。
「腹帯、自分でできますよね?」「やってみるけど」
あおり革を上げて、鞍上から腹帯の革を引っ張ります。「手、逆の方がやりやすいですよ」私の引っ張り方はいわゆる逆手だったらしい。腹帯をきちんと締めて、鐙をはいてみると鐙が長い。
「鐙も長いー」とやりなおしていると、「見栄張っちゃいました?」とからかわれてしまった。ふんふん。

さて今日の部班はTさんがトリコロール、相方のロッキー、私とモンブラン。指導はI野先生です。
ロッキーのあとについて蹄跡を常歩で周回していると、I野先生とK野さんがなにごとか相談していて、「モンブランが先に行こうか」と言われたので、追い抜くために蹄跡を外れようとしたら「ロッキー巻き乗りして、モンブランの後ろに入りなさい」という指示が続けて入ったので、自分は蹄跡に戻ってロッキーに後ろに入ってもらいます。
この時点でトリコの準備ができ、「トリコは一番前に入りなさい」
モンブランは割と1番騎が多い馬なので、トリコの後ろで抑えるのが大変かもなぁ。
すると、先生が相方に「ロッキーは自分が先頭じゃないと気がすまない馬だから、頑張って抑えなさい」と言っています。そうすると今日の部班、先頭に行く馬ばっかりじゃん。ちょっと波乱の予感…

最初は常歩で周回、トリコは最初あまりエンジンがかからないけど、モンブランは最初の常歩からちゃかちゃか歩けてしまう子なので、どんどん追いつきそうになる。手綱を抑えて馬間距離を開けるように努力。
常歩で巻き乗り、前のトリコはきれいな巻き乗りをしてるのに、モンブランをその跡についていかせることができず、内へ内へ回ってしまう。外方の手綱を引いて外めを歩かせようとしますが、内方脚を使いすぎてしまったためにモンブランがよけい混乱してしまったみたい。
2〜3回巻き乗りをしましたが、どれもダメでした。はぁ。

常歩のまま斜めに手前を替え、の指示が馬場に鏡が設置してあるそばの隅角で出ます。あぁ、トリコはここではあんまり言うことを聞かないんだよね、と覚悟していたら、やっぱり進入しようとしませんでした。自分の乗ってる馬より、先行してる馬の方がクセが分かるってヘンだなぁ。
次の次の隅角で斜めに手前を替えましたが、モンちゃんはどうも扶助を出す前に動いてしまっていて、進入が早すぎ。トリコが曲がるのを見て「あっ俺も曲がろう」と思っちゃうらしい。

さて速歩。先生が「トリコは自分のペースで走っていいぞ、後ろの2頭はそれに合わせるから」なんてプレッシャーのかかる指示を出しています。
「歩度をつめー」のかけ声だけで、もう走る準備をしているモンブラン。トリコが速歩を出すのを待って蹴ると、簡単に速歩が出ました。うっ、反動きつい。最初は速歩の努力をしてみましたが、1周も続かず、見かねた先生から「軽速歩でいいぞー」と声がかかる。なさけない私。
先生の前を通るたび、「拳の間が開いてるぞ」「拳、拳」と注意を受けます。よし、今日の自分のテーマは拳。前回のレッスンで片手で手綱の練習をやったように、両手をひとかたまりのように思って走ろう。
それでだいぶ拳の位置は低くできたと思うのですが、一度馬を止めて先生から細かいチェックが入りました。
「手綱を引くとき、ひじから引いてないか?拳を内側に締めるんだったろ。上から見て、手の甲がハの字になるように」
手綱をやわらかく持つことと、拳のバランスがまだ理解できない私。ハミとのコンタクトなんて、いつ分かるようになるだろう。

モンブランをかなり抑えながら走っていましたが、どうも今日はトリコの方がやる気らしく、どんどん走っていきます。モンブランは最初に抑えすぎたせいか、あまりやる気が出ないようなので、なんとトリコに追いつけない。
脚を使いながら追いますが、隅角ではトリコがかなり外めに出て、角丸の四角形の蹄跡を描いているのに、モンブランは隅角では内めを通ろうとして、ほとんど円の蹄跡を描いています。それでちょうど追いつけたんだけど、先生からつねづね「内側の蹄跡は初心者用の蹄跡。レベルが上がったら、ラチ沿いの外めを走りなさい」と言われているだけに、ちょっと悔しい。なんとかしてモンブランを外に出そうとして、かなり脚を踏み込んでみたのですが、なんかそうすると余計内に入ってくるような…良くわからなくなってしまいました。

速歩のまま巻き乗り、トリコの蹄跡の外めに出すことばかり一生懸命になっていたら、先生から「おいおい、巻き乗りのときくらい速歩に落とせよ」と注意されてしまいました。
斜めに手前を替え、ここで左手前から右手前に変わります。鏡の前の隅角から右手前に入るとき、私はトリコに反抗されたけど…やっぱりやった。止まってトリコが戻ってくるのを待ちます。
良かった、あれやられるの自分だけじゃなくて。

右手前ではトリコがスピードを出さなくなるので、モンちゃんを抑えるのが大変。特にモンブランは、右手前でのクラブハウスの前は行きたくってしょうがないのですが、トリコは右手前は頑張りたくないので、一生懸命抑えないとトリコのお尻に突進しそうな勢い。
モンブランは反動が大きいので、何度も鐙を外しそうになっているのですが、試しにつま先で鐙に立つくらい力をかけてみたら、外れにくくはなりました。でもかかとに反動がモロにくるので、その反動で鐙を外したら怖いよー。

速歩のまま、隅角ごとに斜めに手前を替え、もうムチをいちいち内方に持ち替える余裕なんかなくて(先生も持ち替えなくていいと言ってくれましたが)、どんどん手前を替える。しかしモンブラン、どうも進入が早すぎるんですね。あとから思うと、先生の「斜めに手前を替え」がかかった瞬間に、もう替えようとしてました。頭いいのかもしれないけど、自分が一番騎のつもりでいないか?
左手前に戻ると、トリコはクラブハウスの前は走りたくてしょうがないんですが、モンブランも同じところで走りたくなる。大丈夫かぁ、って位にスピードが乗って、ちょっと怖かったです。
停止から速歩発進、止まりたくないモンちゃんを止めるのにはものすごく力が必要でしたが、速歩発進は上手かった。バックをしそうになった瞬間に手綱を押したら、すいっと速歩が出ました。

常歩に落として(常歩に落とすのも、ものすごく力がいる)、沈静化。手綱をゆるめてやって、愛撫をして蹄跡を好きに歩かせますが、沈静化だというのにモンブランはどんどん歩いている。トリコはお年なので、自分でちゃんと沈静ということが分かっているみたいなんですが、モンブランは歩きたいらしい。ぶつかりそうなくらいになって、仕方がないので手綱を一度締めて止まらせたりしました。
「じゃあ3頭同時に中に入ってこい。中央で整列」
馬場の中央で停止し、馬を愛撫して終了。「お疲れさまでした」
手綱をゆるめられると、正面にいた先生に向かってずるずる寄って行くモンブラン。こらこら、下馬できないでしょ。
先生からごほうびのニンジンをもらって、やっと落ち着いて下馬。モンちゃんってば、先生のことをニンジンくれる人とか思ってるな。

馬繋場に上げて、水勒を外し、無口をかけようとしたそのとき、モンブランがずるずる前進し始めました。首の下から手を回して鼻面を押さえていたので、強く押さえようとしたのですが、何しろ相手は一馬力。「誰か助けて下さーい」と助けを呼びながら、まだ首に引っかけておいた手綱を引っ張ったものの、モンちゃんはついに馬繋場を出てしまい、とっとっとっ、と自分の馬房まで歩いてしまいます。
そのころになってようやくスタッフのK村さんとSさんが来てくれて、昼飼いのバケツに首を突っ込むモンブランをなんとかK村さんが押さえ、無口をかけて引き手をつけ、馬繋場に戻しました。
モンブランは馬繋場から自分の馬房が見えてしまい、しかもそこに昼飼いの準備がしてあったものだから、いても立ってもいられなかったみたいなんですね。
「まだ鞍も外してないのに、良くやるねぇおまえ」
馬装解除と裏掘りを急いでやって、馬房に戻してあげました。しかしがっついてるな、本当に・・・
あとで先生に、「さっきは何が起きたかと思ったなぁ、馬場から見たら馬に引きずられて行くから」と笑われてしまいましたが、「でも、勒を外したら、繋ぐまで手綱はそのまま首にかけとけって意味が分かったろ?」
「はい、重要性が身をもって分かりました」

その日は、何をするでもなくだらだらと3時過ぎまで倶楽部にいたのですが、馬房に行って馬にちょっかいを出して遊んでいたら、桜吹雪に噛まれました(泣)。彼は私の袖をあむあむして遊んでいただけのようなんですが、それにしても歯当てたろ、さくら。内出血したぞ。
そのあと、他の人の騎乗を見学していて、ベンチに足を組んで座っていたら、I野先生に「脚にずいぶん毛がついてるぞ」と指摘されました。
見ると、左足のふくらはぎからかかとにかけて、栗毛の短い毛がびっしりついている、明らかにモンブランの毛。チャップスがスウェードだし、冬毛だから抜けやすいんでしょうね。
「ここにつくのは、良くないですか?かかとに近すぎ?」
「いやいや、いいんだよ、いい証拠だ。良く脚を使ったんだな、今日は」
どうして左足にだけついているのか考えてみると、今日はトリコのために左手前が多かったこともありますが、左手前での巻き乗りや、隅角で外に持ち出そうとして、かなりモンブランをぐりぐりやったと思います。
この分だと、しばらくはモンちゃんとのお付き合いになりそうです。正反動…

日の出の馬場
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