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(2002.2.14 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ロッキーのアップ
ロッキー、目がくりくりしててかわいい。
ほっとくと鎖をしゃぶって遊び始めます。赤ん坊みたい。
平日乗馬に味を占め、今日は2鞍。日の出乗馬倶楽部のサイトのBBSで、平日会員のNさんに誘っていただいたので、10時からをご一緒して、13時から1人で騎乗することに。
いつもより1時間早いので、頑張って電車に乗り…うっ、普通の人は通勤通学時間だった。混んでる。すみません、こんな大荷物で。

倶楽部に到着し、ホワイトボードで騎乗馬を確認すると、2鞍ともロッキー。
先週相方は乗っていましたが、私はこの馬に乗るのは初めて。なんだかすごく走りたがりで、すぐ駈歩が出ちゃうような噂を聞いているんだけど、大丈夫かな。
馬房に向かう途中、スタッフのSさんに会う。あれ、高校生がなんで平日いるの?
「今日学校休みなんですよー。今日ダンナさんどうしたんですか?」
ふつうは会社員は出勤してる日だって。失業中の私がイレギュラーなのだ。

ロッキーの馬房をのぞくと、ロッキーは鼻をこすりつけてきます。前にこの馬房に入っていた、亡くなったサーブもそうだったけど、ここは甘えん坊の馬房かしらん。
この馬房は扉ではなく馬詮棒だけなので、出してきた顔にそのまま無口をつけて馬詮棒を外し、引き出します。
馬繋場につないで馬着を脱がせ、裏掘り、ブラシかけ。全然手間をとらせず、いい子です。
近くにK野さんがいたので、「わたし今日ロッキーなんだけど、これってホントに私が乗れる馬?」と聞いてみました。
「大丈夫ですよ。なんでですか?」
「いや、走っちゃうって聞いたから」
「そんなことないですよ、大丈夫大丈夫」
そういわれるとますます自信がなくなっていくのだ。するとK野さんが、「Sさん、ロッキー少し乗って」と指示していました。下乗りしてくれるらしい。
鞍を着け終わったころにSさんがやってきて、「じゃあハミかけちゃいます。見て見て、自分からハミ噛むんですよ、この子」
見ていると、水勒を口元に近づけただけでもう歯が開いています。ふつう馬にハミを噛ませるときは、唇の脇を指でぐりぐりしたり、下からハミを手で押し込んだりするものですが、ロッキーはちょっと勒を上に引っ張っただけで、自分から噛みにいっちゃった。かわいい。

Sさんがロッキーを連れて馬場に行ってしまったので、しばらく馬繋場で待機しようかなと思っていましたが、Sさんの騎乗の補助に出ることにしました。
ロッキーのところに行って、Sさんに「踏み台か足上げかする?そのまま乗れる?」と聞いてみると、「このまま乗りますよー」と言って、昔オリンピッククラブでやっていた方式(右足は地面につけたまま、左足だけ鐙にかけてジャンプする)で乗ってしまいました。
もうレッスンが始まる時間なので、そのまま馬場中央で待ちます。

Sさんの騎乗を見ていると実に危なげなく(それは彼女が実力者だから)、別にロッキーも暴走する気配はなさそうです。
踏み台を持って待っていると、ロッキーは5〜6周ほどで常歩、速歩、駈歩をやって戻ってきたので騎乗します。

今回は2頭部班。先にモンブランが右手前で蹄跡に出ていたので、ロッキーも右手前で、モンブランの前に出ます。何しろロッキーは、自分が先頭じゃないと気が済まない馬らしいので。
今日の指導はI野先生。先生に短鞭を持たせてもらい、しばらく常歩のまま周回します。
順次巻き乗り、ちょっと内方の手綱を握ると簡単に方向を変えてくれるロッキー。馬場内に進入したあとは、手綱は真っ直ぐにして内方脚だけ強く使います。でもちょっと小さく巻いちゃったかな。

「歩度をつめー、はやあーし」指示が出ますが、脚を強く使っても、常歩での歩度がつまるだけでなかなか速歩にならない。後ろのモンブランは速歩が出ているみたいなのに、蹴っても蹴っても出ないよー。
「ムチ使えー」と言われましたが、この馬に乗るのは初めてで、しかも走っちゃうらしいと聞いているので、あんまり強く使うことが出来ません。
仕方がないので、先生の指示でモンブランに先に行ってもらい、モンブランが速歩を出した後ろにくっついて蹴ると、しばらくして速歩が出ました。自分が一番先に行きたい割には、もしかして重め?
先に速歩を出していて、歩様が大きいモンブランがちゃっちゃか行ってしまい、半周くらい離されてしまったので、そのまま余計に一回りして追いついてもらい、ロッキーが先頭になって周回を始めます。
走り出してみると、ロッキーの速歩は実に楽。前回、前々回とモンブランの高い反動で正反動がとれなかった自分にとって、「速歩ができる」ということがすでに驚きになっている。
最初は速歩だと止まりそうだったので、「しばらく軽速歩で」
左右の揺れもはっきりしていて、「なんか歩様がるんるんしてるなー」と思ったのですが、それで軽速歩をとってみると、手前を合わせやすいのです。逆に、間違った手前をとってしまうと、必要以上に体が左右に傾く感じがして怖い。
ただでさえ正反動が下手くそな私、もしかしてこの馬なら、今日は速歩の練習ができるかも。

軽速歩のまま手前を替え、方向転換はものすごくスムーズ。ちょっと手綱を引くだけですぐ曲がっていき、曲がってから手綱の左右を合わせるとすぐ馬体が立て直せる。いいぞ、この馬。
速歩のまま巻き乗りをしますが、巻き乗りの途中で常歩に落ちてしまう。私が速歩がヘタだからなのかな。
「内方脚が前に出てるぞ、ちゃんと使って」
常歩に落として、もう一度巻き乗りの練習をします。「内方脚をちゃんと踏み込んで、軸にするんだよ。で、外方の手綱を押す、こうだ。外方を押した分、内方は引けるから」
言われたとおりにやってみると、…あっ、外方の手綱が壁になってる。
今まで、内方の手綱を引くことしか考えていなかったので、外方を押すというのがピンとこなかったのですが、外方を押せば自然に首が曲がっていって、それ以上曲がらないように手綱が壁になってることが分かりました。壁を作る、ということは、脚のことしか考えていなかったので、目からウロコが落ちたようです。そうか、方向転換の手綱の扶助って、引くはどうでも良くて押す方が大事なんだ。
そのあとも何度か巻き乗りの練習や、方向転換をしました。右手前で巻き乗りをしたとき、「右回りだと割といいな」と言われましたが、どこが良かったのかは自分では分かりませんでした。次のレッスンでみっちり教えてもらおう。

常歩のとき、馬場の外から、Sさんが「ロッキー重いですか?」と声をかけてきたので、「うーん、最初だけね。今は乗りやすいよ」
「どうしても走らないときは、一度ぴしっとムチ入れるか、どかって蹴ってやると動きますから。気合いで」
少し走ってロッキーも調子が出てきたとみえて、速歩がつづくようになりました。うーん、いい乗りごこち。
軽速歩のとき、「もっと歩度伸ばしてみろ」と先生に言われ、座ったときの脚を強く入れてみたら、ぽん、と歩度が伸びました。今の脚、割と後ろめに入ったな。

常歩に落として沈静化し、今日の1鞍目は終了です。
下馬して、先生に「どうだった?」と聞かれたので、「速歩楽だし、すっごく言うこと聞きますね。ここのところモンブランだったんで、あの馬走れて楽しいんですけど、自信なくなっちゃうんですよね」「ほんとに自分の扶助で曲がってるのかしらー、って思うだろ」おや、ばれてた。

ロッキーを馬場に上げ、馬繋場につなぎ、馬装解除。
水勒ののど革・鼻革の金具を外して、水勒をロッキーの頭から外すと、あれ?革は外れたのに、ロッキーがまだハミを噛んでいて外れません。ハミが嫌いな子はいっぱいいるけど、ハミを外そうとしても外させない子なんて初めて見た。「まだニンジン食べてるんだからっ」って感じ?
あんまりその仕草がかわいかったので「かわいー」とSさんとふたりで大騒ぎしてから、唇の端から指をつっこんで口を開けさせました。噛むときは自分から噛みにいくし、ヘンな馬。

このあと、ロッキーは午後にまた私が乗るので、裏掘りだけして馬房に戻します。
右後足の裏掘りをしていると、ロッキーが持ち上げられている足をばたばたするので、「蹴るなよー」と言いながらひづめをしっかり持って裏掘りを続けていると、首の後ろにどさっと落ちてきたものが…どさっ?
目の下にいちめんに広がるロッキーのボロ…
ちょっとだけど、首にボロがかかっちゃった。ひどいよ、ロッキー。

手入れを済ませてクラブハウスに戻ると、なんだかお腹が差し込んできた。乗れないほどじゃなさそうだけど。
「ちょっと疝痛ぎみです」と冗談めかして先生に言ってみると、
「疝痛なら、馬の薬あるぞ。10倍くらいに薄めて」
「馬の体重が500キロとして、そんなもんですね(笑)」
Nさんも、「それでちょっと、馬場を1周すれば治るんじゃない」
結局、おひるを食べたら治ってしまいました。腰痛の薬で胃が荒れていただけみたい。

昼食時、先生と話していて、ロッキーの速歩が楽だという話になりました。
「ここのところモンブランで、速歩がぜんぜんとれませんでしたから」
「そうだな、モンブランの時は軽速歩でいいって俺も言ってたしな。だってあの馬反動きついからなぁ、俺だってイヤだもん」って先生…
「だから今のレッスンでは、ときどき速歩の練習してました」
「午後もう1鞍乗るんだろ?そこで練習しよう」

日の出の馬場
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