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(2002.2.23 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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2月なのに、もう春かと思われるような暖かさになりました。今日もいつものとおり、11時の予約で倶楽部へ。
倶楽部に到着してホワイトボードを確認すると、私の騎乗馬はウィンダム、相方はロッキー。ここのところ、どちらかというと相方がウィンダムが多く、私がロッキーが多かったので、配馬を担当しているK野さんに思わず「今日私ほんとにウィンダム?」と聞いてしまいました。
「どうなってました?」「私がウィンダムで、ダンナがロッキー」「ああ、じゃあそれで合ってますよ」ウィンダムに乗るのは久しぶりです。

ウィンダムの馬装にはさして手がかからなかった記憶がありますが、久しぶりなのでちょっと早めに馬房に迎えに行きます。ここしばらく、ウィンダムが体調不良で休馬が多かったので、ウィンダムの方もお仕事久しぶりのはず。
馬房の扉からのぞくと、ウィンダムはお尻を向けていましたが、「ウィンダムー」と呼ぶと、ぐるりと回ってこちらを向いてくれました。扉を開けて馬房に入り、無口をつけて外に出ます。
馬房から出て5歩目くらいのところで、ウィンダムが突然立ち止まりました。舌鼓でうながしたり、引き手を強く引っ張ったりしましたが、動こうとしません。何か気になるのか、怒っているかと顔を見てみましたが、顔つきはいたって普段通りおっとりしたウィンダム。
舌鼓を使いながら、お尻に手を伸ばして軽く叩いてみたりもしてみましたが、まるでダメ。足下を見ると、後ろ脚が「休め」の体勢で落ち着いてしまっているくらいです。
3分くらい格闘した挙げ句、誰かに長鞭でも持ってきてもらおうかなー、と思っていると、相方が通りかかったので、後ろからお尻を叩いて追ってもらって、やっと動きました。

馬繋場につなぎ、裏掘り。左前足を上げさせてひづめの裏を掘り、足を下ろさせると、あとは自分で勝手に右前足、左後足と順に上げていきます。楽な馬だ。
ブラシも特に手の掛かることはなく、馬装にかかります。ゼッケンをかけると、影ながら見守っていた(笑)K野さんから「もうちょっと前ですねー、き甲が隠れるくらいです」とチェックが入ります。ジェルパッドを置き、鞍を置いてみると、鞍下が大幅にずれてしまい、つれてジェルパッドもずれてしまいました。修正もきかないようだったので、すべて外して最初から装鞍のやりなおし。

きちんと装鞍しなおして、時間が来たので水勒をかけます。ハミについてはウィンダムは自分から鼻を突っ込んできてくれるので、とても楽。
馬場に出て、K野さんの補助で騎乗します。
「腹帯締められますよね?」「たぶん」と前回と同じような会話を交わし、K野さんは他の人の騎乗補助に行ってしまいました。鞍上から腹帯を締めます。
K野さんが戻ってきてチェックしてもらい、「もう出ていいですよ」ということなので蹄跡に出ようとします。脚を使いますが、ウィンダム、動かない。ここのところの休馬で少し太めになったウィンダム、ずぶくなったの?
がんがんに蹴って、やっと動き出します。左手前で蹄跡へ。

今日のレッスンはトリコロール、相方のロッキー、私のウィンダムの3頭部班。指導はI野先生です。
蹄跡を常歩で歩いていると、順序を正されます。ロッキーが先頭、ウィンダム、トリコロールの順。
今日の部班は全て乗ったことがある馬なので、それぞれのクセがある程度分かります。ロッキーは素直な馬だからちゃっちゃか行ってしまうと思うので、ウィンダムのおっとりした歩様でそれに追いつくのは大変だろうな。しかも、後ろがトリコロール。ウィンダム、馬にバックをとられるのが嫌いな馬だけど、トリコが後ろにつくと特に怒るんだよねぇ。トリコに乗っているEさんはまだ鞍数が浅いので、「あんまりトリコをくっつけないで」と言ってあげたいけど、そう言うと怖がるかもしれないし。自分が頑張るしかないのか。

常歩からすでにロッキーに置いていかれ気味なので、できるだけ脚を強く使って歩かせます。先生から長鞭を渡されました。
「短鞭の使い方でいいですか?肩に入れても」以前、長鞭で馬に跳ねられたことがあるので、長鞭を馬のお尻に入れるのはちょっと怖い私。いきなり走られたらイヤだよぅ。
「腹に入れなさい。自分のかかとの下だよ」
こわごわ入れてみると、あんまり反応なし。それどころか、内方にムチが見えてイヤなのか分かりませんが、どんどん外方のラチに寄っていき、鐙がラチに当たってしまうくらいラチに寄って歩き始めました。内側の鐙を強く踏み込み、外側の手綱を内に向かって押しますが、なかなか内に入ってくれません。遊んでるな。
なんとか内に入れましたが、一度蹄跡を外れるとどんどん遊びたくなるらしく、今度はどんなに手綱を押しても引いても、指示通りの方向に行かないウィンダム。馬場の中央あたりまで遊びに行ってしまいました。
「頑張れ、なんとかロッキーの後ろに入りなさい」
どうにかこうにか、ロッキーの後ろの蹄跡に入ると、きちんと蹄跡通りに歩き始めました。

隣の馬場では、モンブランが1頭でレッスン中。まだ調馬索なしでは速歩をしないようなレベルの初心者さんが、右手前で常歩をしています。こっちの馬場と逆回りなので、すれ違うことになるなぁ、初心者さんをあんまり脅かしたくないんだけど、とちょっとウィンダムの手綱を控え気味に歩いてみたんですけど、やっぱりすれ違う時に耳を絞るウィンダム、「やめなさいよ」。
隣の馬場との境界を通り過ぎ、「順次に巻き乗り」。蹄跡から内に入ろうとして、外方の手綱を内に向かって押しますが、あんまり効かない。仕方ないので内方の手綱を引くと、前のロッキーより大幅に内側を回ってしまいます。あわてて内方脚を押し、内方の手綱を外に向かって押してふくらませようとしましたが、あまり効かず、小さな巻き乗りになってしまいました。失敗。
ウィンダム、割と手綱が効かないな。脚を強く使うしかないみたいだけど、ウィンダムの馬体は幅が広いので難しい…

少し後ろのトリコが遅れたのか、「先頭2頭だけ、各個に巻き乗り」。
ロッキーとの距離が1馬身程度しか離れていなかったので、巻き乗りの進入で馬が並列に並ぶような感じになった瞬間、ロッキーに向かって耳を絞るウィンダム。「オレの近くに入ってきた」と思った瞬間に耳を絞るらしい。人間に対してはとても優しい馬なのに、相手が馬だとどうしてこんなに怒りんぼなのかなぁ。

さて速歩。速歩は簡単に出て、ウィンダムは反動がないので正反動も実にとりやすい。
しかし一歩がゆっくりなのか、1完歩が狭いのか、まったくロッキーに追いつけません。やばいなぁ、これでトリコが追いついてきたらウィンダム怒っちゃう。
軽速歩の指示が出たので、立つ・座るの座るのときに強めに脚を入れながら、なんとかロッキーに追いつこうと努力、しかしなかなか追いつけず、6〜7馬身ほど離されてしまいました。
先生が「ロッキー、蹄跡より外めに出していけよ。後ろが内うち回りたい馬だから」
ショートカットする気がなくても、ウィンダムは蹄跡のかなり内側を回って走り、蹄跡から出そうとすると反抗します。そういえば前もそうだったな。

速歩のまま斜めに手前を替え、ロッキーが方向転換したあとについて、ウィンダムは自分で勝手に曲がっていく…ちょっとは脚を使わせてよ。
鏡のある隅角に向かって馬場を横切り、右手前で蹄跡へ、ここはうまくできた。
そういえばここの隅角と右手前が嫌いなトリコロールは…振り向くと案の定、反抗していました。私もやられたんでよく分かる。
トリコが右手前をちゃんと歩こうとしないので、「ロッキーとウィンダム、半巻き」で、左手前に戻ります。このとき、順序が入れ替わり、トリコロール、ウィンダム、ロッキーの順になりました。
私としても、ウィンダムの後ろにトリコがいるのは怖かったので、ちょうどいいや。

速歩になりますが、トリコは今日は調子がいいらしく、どんどん走るので追いつくのが大変。ウィンダムはわりと苦手なところが少ないらしく、均等にのんびり走ってくれる。のんびりじゃ困るんだけど。
馬をとめて、先生から細かい指導が入ります。まず先頭のトリコのところに先生がいき、指導をしている間に、後ろを振り返って相方とすこししゃべる。
「ウィンダムってこんな重い馬だったっけ?」
相方はウィンダムに良く乗っているので、さすがにクセが分かっているらしく、「脚が前すぎるんじゃん。ウィンダムだったらもっと後ろ、腹の一番太いとこらへん」
足がとどきません…

トリコの指導を終えた先生が私のところに来ました。
「脚の使い方が違うよ。座ったときに入れる脚、かかとが入ってるだろ。そうじゃなく、もっとつま先を内に向けて、脚全体を使いなさい、こうだ」と下から私の足をとって動かしてみせる先生。
「止まったままでいいから、立って脚を入れてみなさい」
止まったままだとかえって脚がふらふらしてやりにくく、うまく行きませんでした。
「動いてないとかえって難しいけど、馬が動いてたらできるだろ。で、脚はひざから使うんじゃないぞ、足の付け根から、ふとももの筋肉を使って足全体を動かすんだぞ」
先生から言われたとおりに、軽速歩で脚を使おうとしたんですが、意識するとかえってバタバタしてしまい、うまくいきません。

「全員とまれ」
トリコロールの腹帯が緩かったらしく(トリコは腹帯を締めるときにお腹をふくらませて反抗するクセがあるので、運動しているうちに緩んでくることが多い)、スタッフのSさんが出てきてトリコの腹帯を締め直していました。
それが終わってトリコが歩き出したので、常歩で歩き始めると、Sさんが同じ場所で待っていて「ピピーッ、腹帯チェックポイントでーす、オーライオーライ」こっちもふざけて「お願いしまぁす」
腹帯をチェックしてもらい「はぁい、オッケーでーす」

ふたたび速歩。
ちょっとトリコから離されてしまったので、速歩をしながらムチを使っていきます。
「おいおい、速歩のときに追ったら反動がとれないぞ」
ごもっとも。ムチと脚で追った分元気良くなってしまい、反動も大きくなってしまいました。速歩のときは、少しだら〜んとして乗るのがいいのかな。
軽速歩になり、クラブハウスの前はトリコがどんどん走るので、こっちも頑張って追いつかなくちゃ、と思い、頑張ってどんどん脚を使っていきます。
あれっ、ウィンダムの動きが良くなったような…気のせいかしら?

前を走るトリコロールのクセは良く知っているので、馬房の前はやる気をなくしてだらだら走ることが分かっています。ここはウィンダムも気を抜いていいだろう、追いついてもまずいし。ここは速歩に落として、こっそり(でもないか)速歩の練習をさせてもらうことにしました。
クラブハウスの前にくると、また俄然元気がよくなるトリコ。離されないように、頑張って脚を使います。お、ウィンダムがスピードを上げてる!「あんた、歩度が伸びるのね!」
なかなか歩度の伸びないウィンダムで、歩度を伸ばさせることができたというのは、我ながら感動してしまいました。他の馬で歩度が伸びたときよりも数倍嬉しい。

時間が来たので、馬を沈静化して終了。
あとで先生とお話したところによると、「脚って無意識にはできてたんだけど、言われるとかえって意識しちゃってぎこちなくなっちゃうなぁ。でも後半良くなったな、ムチいらなかったもんな」
言われて初めて、ウィンダムの歩度が伸び始めてからムチを使っていないことに気がつきました。
今度のテーマは脚にしようかな。


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