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(2002.3.7 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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土曜日なので、また相方と一緒に倶楽部へ。
いつもどおり10時半くらいに到着し、ホワイトボードを確認すると、今日もモンブランです。
着替えをして、モンブランの馬房に向かうと、なんとモンブランの馬房と馬繋場の間で、K野さんとバイトのSさんが大量のニンジンを刻んでいるではないですか。
「モンブラン出すんだけど、怖いんだけどそこ」
「まぁ頑張ってください(笑)」
すでにがっつきモンちゃんは、そっちが気になって仕方ない様子で馬房から見ています。扉を開けると、無口をつけやすいように首を下げてくれましたが、着け終わらないうちに外に出たそう…
馬房から出すとき、ニンジンの山に突進していくかなと思いましたが、それは大丈夫。
「うわー、見てる見てる」
横目でニンジンの山をじーっと見ながら、なんとか馬繋場に歩いてくれました。

馬繋場の、できるだけニンジンの山から遠い方につなぎ、馬着を脱がせて手入れ。
裏掘りをしようとしますが、モンブランにしてみればニンジンの山が見えるから、欲しくて欲しくて前掻きをしまくるので、裏掘りするのにも一苦労。
「あんまりうるさかったら、腹蹴り上げていいですよ。怖い声出して」とSさんのアドバイス。そういえばF田さんが先週それやってたな。
ブラシをかけている最中にまたうろうろするので、「こらっ」と腹を蹴り上げると、モンブランは「あ、びっくりした」という感じで一瞬だけおとなしくなりましたが、1分ともちませんでした(笑)。

手入れの時はまだいいが、恐ろしいのは勒を着けるとき。無口を外して勒を着けるまでのわずかな間に脱走する不安があります。
手綱を首にかけてから、無口につないでいた鎖を外し、その鎖どうしをつないで馬繋場の出口を閉じてみました。こうすると、馬が前に出ても胸に鎖が当たるので、きっと出ないはず。
「すごーい、学習しましたねー」とSさんが見に来て、「でもこれ、無口に鎖つけたまんま馬から外せば、同じことになりますよ」確かにそうだ。そういえば、オリンピッククラブにいたとき、スタッフさんがそんなことをしていたかもしれない。

さて、馬場に出て騎乗。K野さんとSさんの補助で騎乗し、「腹帯締められますよね」と言われて、鞍上から自分で締めている最中、モンブランがふらふらと前に歩き出す。「危ないからやめてちょうだい」と手綱を引き、前を見ると、I野先生が馬場に出てらしたところでした。先生を見るとニンジンもらえると思ってるんだから、この馬は。
「大丈夫か?」と先生、腹帯をチェックして大丈夫だったので、「出てもいいですか?」と、そのまま蹄跡に左手前で出ます。モンブランが歩きたがるし。
Mさんのジュンヨー、相方のアルフォンスがつづいて蹄跡に出て、3頭部班。

常歩での周回、モンブランは最初の常歩はどんどん歩くので、蹄跡の外めを歩くようにこころがけますが、なかなか上手くいきません。
常歩のまま斜めに手前を替え、で進入しようとしたら抵抗されました。
「じゃあ、次の隅角で入りなさい」
今度は、前にK野さんに教えてもらったように、内方の手綱を早めにちょっちょっと引いて方向を教え、曲がるところで外方の手綱を押すと、なんとか曲がってくれました。

先生に短鞭を渡され、速歩。
速歩で走り始めると、やっぱりモンブランの反動ってきつい…でも、前回より少しマシについていけているかな?左手前で走っていると、モンちゃんは鏡の前で止まりたくなるみたい。そこに来ると蹴るようにこころがけて走りますが、速歩のまま蹴るのは相変わらず上手くいかない。
「軽速歩とっていいぞ」
軽速歩のときは、モンブランって実に乗りやすいんだよなぁ。座るときに脚を入れるよう意識しながら走ります。

軽速歩のまま手前を替え、進入は抵抗されませんでしたが、蹄跡に出るときに勝手に曲がっていくモンブラン。指示も出してないのに、「早すぎるよ!」と思わず声に出して叱ってしまいましたが、分かるわけないな。
私としては、馬場を真っ直ぐ横切って、蹄跡にぶつかってからくっと曲がる、ということをしたいのですが、モンブランは蹄跡にぶつかる前から曲がり始め、蹄跡に沿うようになんとなく入っていく。左手前から入ったら右に曲がる、右手前から入ったら左に曲がる、ということが分かっているかのよう。頭いいんですね。
(余談:あとで相方に、「曲がりたい方向見ちゃってるから勝手に曲がっていくんじゃん」と言われ、一瞬そうかなとも思いましたが、いやそんなことはないぞ。私が見ていたのは曲がりたい方向ではなく、蹄跡にぶつかるポイントだけ…)

このあと、ひたすら「斜めに手前を替え」「中央線から右へ入れ」「次の隅角から、斜めに手前を替え」まともに1周することなく、隅角ごと、中央線ごとに方向転換。ムチをもちかえる余裕もありません。先生も私がモンブランに手こずっていることがお分かりで、方向転換の練習をさせようとして下さったんだと思います。
とにかく進入したら馬体を立て直す。右に曲がったら、そのままふらふら右によれるので、右の脚を強めに使って真っ直ぐ走らせる。蹄跡に近づくと、曲がりたい方向によれていくので、ちょっと前から曲がりたい方向に手綱で壁を作って、曲がらせないようにすればいいんだな。
しかし手綱だけでは、やっぱり早く曲がろうとします。「脚をちゃんと使えよ、そういうときは内方脚で馬を蹄跡に押し込むんだ」走りながら、手でモンブランの腰を軽く押す先生。
何度も何度もやって、最後の1〜2回は理想に近い曲がりかたができるようになりました。

またふつうの速歩、軽速歩。やっぱり速歩の反動にだいぶついていけるようになっている。F田さんに習った「肩を開いて」というのを意識しはじめたのが良かったのかな。
モンブランはあまりムラのない馬ですが、彼なりにエンジンがかかったらしく、左手前でトイレのあたりを通り過ぎた辺りからスピードが乗り始め、クラブハウス前はやる気まんまん。
しかし正面に鏡が見えたあたりからやる気をなくし始め、馬房の前では止まらんばかり。これは走っていて気がついたのですが、鏡の正面あたりの蹄跡の砂が薄くなって固い地面が見えていて、走りづらかったんだと思います。
モンちゃんの気分をコントロールするために、クラブハウス前では手綱を握ることを繰り返して抑え、鏡に向かったあたりから脚を入れるようにします。
「脚入れるとき、足は引かなくていいんだぞ。そのままの位置で蹴れよ」
そう言われれば、脚を後ろに引かなければと思うあまり、軽打するのに後ろに向かって蹴っているかもしれない。

5秒間停止から、速歩発進。モンブランは力があるので、止めるのはけっこう大変。停止から、手綱を引き気味にし、緩めた瞬間蹴ると、速歩発進はわりとちゃんと出る。
何度目かのとき、「これは蹴ってるから速歩してくれるだけかな?手綱に力が乗ってないかな?」と思い、発進準備のときに手綱を強めに引けばそのぶん力が乗りやすいかな、と思って強めに引いてみると、先生が「おーい引きすぎ。拳だけでいいんだぞ」
3頭とも停止し、「モンブランだけ速歩してごらん」
私だけ速歩発進、今度はあまり手綱を引かず、握る程度にしてみます。「そうそう、それでいいんだよ」
後方で待機していたジュンヨーとアルフォンスが追いついてくるまで、私は馬をとめて待機。
「馬抑えとけ。ちゃんと止めろよ」
あれー、アルフォンスが駈歩してる。うちの相方、前回に引き続き馬に走られてしまいました。そんなに駈歩の練習がしたいの(笑)
あとで聞くと、「ジュンヨーの速歩が早いから、アルが追いつこうと思ったみたい」だそうです。

時間が来たのでレッスン終了、馬を沈静化して馬場中央で挨拶。
馬の首をたたいて下馬しようとすると、なんだかふらふら前に出ようとするモンブラン。降りられないでしょ。
ごほうびのニンジンが欲しくて先生にすり寄って行っただけでした。

レッスン後、昼食をとりながら先生と雑談。
「先生、今日はだいぶモンブランの速歩についていけるようになりました。まだ正反動はとれませんけど」
「モンブランの正反動は俺だっていやだよ(笑)。あのトイレの前からスピードが出ちゃうけど、最初はそれに乗れなくてちょっと体が前に行ったりしちゃってたんだよな。でも後半良くなったよ」
「最後の5周くらいは、馬のクセが分かってきたんで、ここで追うとか、抑えるとか考えて、合わせられたんですよね」

昼食後、クラブハウスのそばで他の人のレッスンを見学。私よりレベルが上の人たちのレッスンで、1頭ずつ駈歩をしています。
先頭はモンブランで、ストライドの大きなゆったりした駈歩をしています。あの動きなら、ついていけるかなぁ。
馬場で教えていたI野先生が、クラブハウスのほうに来て、「高階さん、今の見てた?」「はい」「モンブラン、ああいう駈歩だからね」
うわー、これは来週のレッスンでは駈歩をするよっていうサインなのかなぁ。


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