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(2002.3.30 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日も11時の予約。前日の大雨がウソのように晴れましたが、多摩地区は前日に大雨注意報が出ていたはずなので、馬場の砂が流れて使えなかったら困るなー、と思って朝イチで電話を入れてみました。「大丈夫、馬場はぴかぴかよ」とのことなので、安心して倶楽部へ向かいます。
到着してホワイトボードを見ると、美星とウィンダムのところに私たちの名字があります。まぁ、たぶん相方はウィンダムが多いので、私が美星だろうな。実はちょっと、美星を動かすのは苦手。かなり重い馬で、がんがん蹴ってやっと動くくらいのくせに、妙に繊細で、ちょっと動くものや風ですぐ跳ねたりする馬なのです。

美星は直前のレッスンでMちゃんが乗っているらしいので、馬装はなし。レッスンまでだいぶ時間はあるのですが、馬繋場で待機していようかなと思って馬繋場に向かおうとすると、ウィンダムを手入れしていた相方が「手伝ってくれー、時間までに終わらん」と言ってきました。
ウィンダムに近づいてみると、馬体が泥でがびがび。朝放牧していたそうで、前日の雨でどろどろの馬場で砂あびをしちゃったようです。
プラスチックブラシで毛並みを起こして泥を落としますが、全身くまなく泥をこすりつけているので、ものすごい量の砂が飛びます。思わずゴーグル着用して、ブラッシング。これは確かに時間までに終わらんわ。

なんとか馬体をきれいにしたところで、相方が「先生が馬に乗ってるよ」と言いました。I野先生が馬に乗っていらっしゃるところをまだ見たことがないので、それは見たい。悪いけど手伝うのを中止して、馬場のそばに出ると、先生が馬に乗って部班の最後尾で速歩しています。
馬に乗ったまま指示を出す先生、やっぱりかっこいいというか、実にやわらかい騎乗。そういえば先日冗談で「馬を1頭買って、馬の上から指導するのなんていいねぇ。でもそうすると何かあったとき(馬が暴れたときなど)に馬を止められないな」なんておっしゃっていたけど、まさか実行したわけではないだろうけど。
良く見ると、先生が乗っているのは美星。Mちゃんはどうしたのかな?
しばらく見ていると、クラブハウスのほうからMちゃんが出てきて、美星に再騎乗しているようです。きっと美星が跳ねたかなんかで、馬を落ち着かせるために先生が乗り替わって乗りならしてたんだな。普段はK野さんかF田さんがやりますが、今日はK野さんがいないので人手が足りず、先生がやったんでしょう。

馬から下りた先生が、「高階さん、今日は少し遅れてるから20分遅れでやるからね」
現在のレッスンを10分延長するということなので、やはり美星が跳ねたりした分で遅くなっているんだろうな。
時間に余裕があるので、馬繋場でFさんとしゃべったりしていると、前のレッスンの人たちが上がってきました。トリコロールの馬装解除を手伝ったりしていると、Mちゃんが美星を連れて上がってきて、「高階さん、美星?ハミはどうするの?」と聞いてきたので、「時間までハミだけ外してあげようか」と勒だけ外して、無口でつないでおきます。
ついでにMちゃんに「美星跳ねちゃった?」と聞いてみると、照れくさそうに「落ちちゃった」というではありませんか。あらー、かなり派手に跳ねちゃったんだなぁ。私も気をつけて乗ることにしよう。

ようやく時間が来たので、美星にハミをかけ直して馬場へ。
Fさんのジュンヨー、相方のウィンダム、私の美星の順で蹄跡に出ます。左手前で出ますが、ウィンダムが内に入ってあらぬ方向に向かおうとするので、ウィンダムが比較的得意な右手前に変更。
しばらく常歩で蹄跡を歩きますが、やっぱり美星は重い。歩くのにものんびり歩かれるので、先生に長鞭を持たされて「自分のかかとの下を打てよ」と言われます。軽く入れてみますがほとんど変わらず、「もっと強く入れていいぞ」でもあまり変化なし。

「じゃあそろそろ速歩行こうか。歩度を詰め」
美星が重いことは分かっているので、その時点で美星の腹を蹴りますが、あまり歩度が詰まらない。軽打どころじゃなく、どかっ、と音がするくらい蹴っているんですが、それでもぜんぜん走る準備をしてくれません。走りたがりのジュンヨーはもちろん、歩度の伸びにくいウィンダムにまで置いていかれ、1周して追いつかれてしまいました。
「ジュンヨー追い抜いてやれ」
ジュンヨーが追い抜いてくれたところでもう一度腹を強く蹴ると、ジュンヨーにつられてやっと速歩が出ました。速歩では勢いがつかないので、すぐ軽速歩をとります。
しかし一度走り出すと、割と調子よく走れています。座ったときに脚は入れていますが、あんまり強く入れなくても大丈夫そう。
先週のレッスンで立ち乗りをしたとき、膝を伸ばすやり方がちょっと分かったので、膝を伸ばすようにしてかかとを下げることを意識。そうそう、肩も引かないと。
「今日は奥さん、かっこよく乗れてるな、いいぞ」
初めて騎乗姿勢を褒めてもらえました。かなり嬉しいぞ。

だいぶ暖かくなったせいか今日はずいぶん虫がいて、美星の顔のまわりに5〜6匹まとわりついています。美星が嫌がって顔を振ったりするのでちょっと危ないな。さっきMちゃんが落ちたことを思い出し、ちょっと不安になったので片手でサドルホルダーを持つことにしました。最初、サドルホルダーと鞭を右手で一緒に持っていたのですが、持ちにくいので、鞭は右手(内方)に、サドルホルダーを左手で持ち直しました。
その状態で3歩も走ったでしょうか、突然美星が跳ね上がり、駈け出しました。うわ、やっぱりやったか!とにかくこっちが落ち着かなくては。
「体起こせ!」と先生の声、そうだ、以前に外乗で駈歩をやったときは速歩の要領で後ろに体を倒す感じだったな。サドルホルダーに頼ってですが、できるだけ腰を落とし、体を後ろに倒します。手綱を引こうと思ったのですが、駈けているときに引っ張りすぎてもかえってスピードを出してしまうということを聞いたのを思い出して、あまり引かずに、馬が落ち着くのを待とう。
20メートルくらい駈けて美星も落ち着いたのか、速歩に落ちたので、手綱を引いて馬を止めます。
先生が近づいてきて、「大丈夫か?」「大丈夫みたいです」
「よく落ちなかったな、さっきMはそれで落ちたからなぁ」
「先生、わたしサドルホルダー持ってたから」
「それでいいんだよ、拳が上がらなかったし、ちゃんと体が後ろにいったからな。よく頑張った」
歩き出しながら、「先生、私なんか馬にヘンなことしてました?鞭が当たってたとか」
「いや、あれは馬の気まぐれ。人はなんにも悪くないよ」

馬を落ち着かせるためにしばらく常歩。私もこの間に頑張って落ち着こう、体が固くなってる。
馬繋場を通りかかると、Mちゃんが馬場の近くまで出てきて心配そうにこっちを見ていたので、「Mちゃんのおかげで落ちなかったよ、サドルホルダー持ってたから」というと、少し首をかしげていました。
「これ、虫のせいだね」「うん」
虫がまとわりつくのを嫌がって跳ねてしまったのでしょう。払ってやりたいのはやまやまだけど、鞭で払ったりしたらもっとびっくりするだろうし。

6〜7周ほど常歩で歩いたあと、「そろそろ速歩できるかな。速歩、すすーめ」
前に桜吹雪に跳ねられたあとは怖くて速歩が出せませんでしたが、今日はなんとかなりそうだ。なかなか速歩は出ませんでしたが、最初よりは時間がかからずに出ました。
それでも最初はやはり怖くて、サドルホルダーをつかんでいました。先生が、「サドルホルダーは内方に持ちなさい。外方の拳は自由にしとけ」あら、逆だったんだ。
しばらく走ると、逆にサドルホルダーで拳を固定されるのが邪魔くさく思えてきて、離しました。

「やっぱり馬を替えようか」あら?そんなに怖がってるつもりないんですけど。
「ダンナさん降りて。奥さんと馬交代」相方が乗っていたウィンダムに乗り変わることになりました。向こうで先生が相方に、「ウィンダムもこれだけ動かせば軽くなってるだろう」と言っています。
ウィンダムに乗ってみると、ウィンダムもそんなに軽いわけではありませんが、美星に比べるとはるかに動かしやすい。
しかし、ウィンダムでジュンヨーのスピードについていくのもけっこう難しいな。ジュンヨーだけ巻き乗りをしてもらったりしてやっと追いつき、斜めに手前を替え。ウィンダムはたまに方向転換についてきてくれないことがありますが、今日はけっこうスムーズ。やっぱりエンジンがかかった状態だからかな。
しかし巻き乗りのときにちょっと近かったので、美星に向かって耳を絞るウィンダム。ほんとうに馬が嫌いな馬だなぁ、お前は。
隣の馬場でレッスンしていたビジターさんが私たちより早く上がってきて、こっちの馬場を横切ろうとしたとき、ちょうどすれ違うような格好になると、ウィンダムはすかさず耳を絞ってそっちに向かって行こうとする。「やめて。」
我ながら相当怖い声で叱って、手綱で首を反対方向に向かせます。ビジターさんを脅かすんじゃないよ、全く。

時間が来たので馬を沈静化、タイムアップ。
先生がMちゃんに「やっぱり美星は男の力じゃないと動かしにくいんだな」と言っています。Mちゃんが落ちて、私が駈けられた理由っていうのは、力で抑えきれなかったってことなのかしら。
馬繋場にウィンダムを上げて、ウィンダムは今日はお仕事終わりなのでそのまま手入れ。昼飼い前ですが、モンブランと違っておとなしく手入れをさせてくれるので、脚の上のほうまで念入りに洗い、馬体も濡れタオルでふいてやります。
前脚をふいてやっていると、鼻でセーターの背中をめくられました。すけべ。

手入れをしているとき、スタッフのF田さんがK村さんに「美星駈けちゃうし」というような話をすると、K村さんが私に「えっ、美星走らせたんですか?走れっていっても動かないのに凄いですねぇ」というので、
「走らせてない。走られたの。」別に走りたかったわけじゃないんだよぅ。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
緑字はクラブ貸与馬、青字は預託馬

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