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(2002.4.20 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日もいつもどおり11時の予約で倶楽部へ。先週の競技会終了後、I野先生が「今度の土曜日に反省会やるからな」とおっしゃっていたので、今日は選手だった人たちが来るはずです。
ホワイトボードを確認すると、はやり午後はだいぶ混み合っているようですが、午前中はそうでもないかも。今日の騎乗馬はロゼッタです。

着替えをして、ロゼッタの馬装に向かいます。ロゼッタはいろいろとつけるものがあるので、早めにスタンバイしないと。
ロゼッタの馬房に行き、無口と引き手を持って馬房の扉を開けると、ロゼッタは首をさげて無口をつけさせてくれました。引き手を引いて外に出します。
裏掘りをし、ブラシをかけます。春が来てもあいかわらずもこもこのロゼッタ、ブラシをかけると毛が飛ぶこと飛ぶこと。赤いカットソーを着ていたので、芦毛のロゼッタの毛がつくと目立つんだよねー。
しかもブラシをかけていると、ブラシからときどき毛玉のかたまりがぽろっと落ちる。こんなに抜けてるのに、どうしてまだこんなにもこもこなの?ぬいぐるみロゼちん。

鞍を置いていると、スタッフのF田さんが来てマルタンガールと胸がいをつけてくれました。マルタンと胸がいに腹帯を通し、軽く締めるとF田さんから「高階さん、胸がいを通すところはその上だよ」と指摘。胸がいをとめるところは、ボアゼッケンと鞍の間だったのですが、私はボアゼッケンより下の馬体に当たるところで止めていました。確かにこれじゃ馬が嫌がりそう。
あらためて腹帯を締め直し、鐙の長さを合わせると、すでに時間になっていて相方はすでに馬場に出ていました。やばいやばい。急いでハミをつけ、馬場に出ます。

アルバイトのUくんが踏み台を持ってきてくれて騎乗します。
「毛、いっぱいついてますよ」私の赤いカットソーから無数の白い毛が生えている・・・
「ロゼッタの時はそういう濃い色はダメですよねー」とUくんが言うので、「これでも朝、これにするか黒にするか迷ったんだよ」「黒はもっとダメですよ。ロゼッタの時は白しかないですね」あらかじめ分かってたらそうするよ(笑)
腹帯やマルタンガールを調整してもらい、常歩左手前で蹄跡に出ます。

今日の部班はロゼッタのほかに、相方のウィンダムとMちゃんのロッキーの3頭です。I野先生が出てきて、「さぁ、選手の人はきびしくやるからな」と嬉しそう。怖い怖い。
ロゼッタ、ロッキー、ウィンダムの順になり蹄跡を周回。
「先頭ロゼッタ、もっと元気良く歩かせろよ」
ロゼッタは基本的に重い上に、体が小さくて一歩が小さいので、どうしても遅くなりがちです。頑張って脚を使っているつもりですが、なかなか早くならない。肩に軽くムチを入れると、まぁなんとか歩いてはくれるのですが、あんまり早くはなりません。
でも今日の私は今までの私と違うぞ。ロゼッタくらいちゃんと動かせなくて、この先どうするのだ。
持っていた自前の短鞭を、「ムチを変えよう」と、先生が長鞭と取り替えてくれました。私は長鞭の取り回しが下手で、自分のかかとの下、馬の腹の下に入れなければいけないんですが、自分の足にムチが当たるばかりでちっとも馬に当たりません。
「肩に入れていいぞ」長鞭を短鞭のように持ち、肩に入れます。

「じゃあそろそろ速歩いこうか。速歩、すすーめ」
号令のタイミングで速歩が出ません。蹴って蹴ってムチを入れると、少しロゼッタの耳がこちらを向きました。お、ちょっとはこっちに意識を向けてくれたかな?もう一度蹴ると、どうにか速歩が出ました。号令が出てから1周はかかっていないので、今までにくらべればちょっとはマシ(今までがいかにひどかったかということですが・・・)。
この馬は、首を低くし始める(K野さん曰く、ハミにあご乗っけてサボる)と止まることが分かっているので、どんどん脚と舌鼓を使って走らせます。それにしても歩度は伸びないけど、止まらないだけいい方か。

速歩のまま順次巻き乗り、巻き乗りの最中で常歩に落ちてしまいますが、蹄跡からなんとか速歩に戻れました。
「じゃあもう一度巻き乗り、あの青い電信柱のところから入れ」
馬場脇にある電信柱を目印に、馬を内に曲がらせます。「おーい、入るのが早いぞ」一巻きして、蹄跡に入ったところで「全員とまれ」馬を止めて、先生から指導が入ります。
「馬を急に曲がらせてるからそうなるんだぞ。目印を越えたところから自然に入らないと。この目印から8メートルのところが頂点なんだから、もう一回やってみなさい」
今度はあまり曲げようと思わず、すこしずつ蹄跡から離れていくようなイメージで巻き乗りをしてみました。「そうそう、いいじゃないか」ちゃんと出発点に戻れたし。

「速歩、歩度を伸ばせ」
伸ばそうとしたとき、ロゼッタが止まってしまいました。「おーい何やってるんだー、歩度伸ばすんだろう」先生の苦笑混じりの声が飛びます。またムチをつかうとすぐ速歩が出ましたが、やっぱり重いな、この馬は。
常歩で歩いているとき、私が持っていた長鞭はもとの自前の短鞭と交換されました。このマイ短鞭、先日の競技会にムチなしではこころもとないので、一番安いものを購入したばかりのもの。ムチの先端に、人のてのひらの形をした合皮がついています。
「この革の平べったいところを馬の肩に当てるんだ。こういう革が大きいムチは、当たると大きい音がするから、叩いて動かすんじゃなくて、音で動かすんだぞ。それで元気良く歩かせてみなさい」
そういえば先生、前に美星が動かなかったときにもそうおっしゃっていました。
常歩で歩きながら、思い切って馬の肩に、短鞭のさきの手のひらの部分をぴしっと当ててみます。けっこう大きな音がして、ロゼッタの動きががぜん良くなりました。もう一度やると、速歩が出そうになったので少し手綱を控えます。ふぅん、ロゼッタはこれで速歩が出るんだ。
「じゃあそれで速歩行くぞ」
最初、脚で蹴っても速歩は出ませんでしたが、ロゼッタの耳がこちらを向きました。騎手に注意を向けている証拠なので、そのタイミングで強くムチを鳴らすと、簡単に速歩が出ました。わー、こんなに簡単だったんだ。
速歩で周回している間も、スピードが落ちそうになったらムチを鳴らすと、またちゃんと走り始めます。以前K野さんが、ロゼッタにエンジンをかけるのは時間がかかるって言ってたけど、今日はけっこうエンジンがかかった状態にできているみたい。
しかしロゼッタはわりと反動があるので、鐙がよく抜ける。元気良く走るとこうなるんだな。

速歩でけっこう調子よく走れていたと思うのですが、先生が「ロゼッタだけ中に入ってきなさい」と言います。先生の足下には調馬索。調馬索つけてレッスンやるってことは、どこか悪いところを修正してもらうんだろうな。
「そっちの二人は軽速歩で走っていなさい。さて、ロゼッタは今日は動くかな」
それでピンと来ました。「先生、もしかして駈歩ですか?」
「そうだよ、4位のご褒美だからな」
言いながら先生はロゼッタに調馬索をつけます。この重い馬で、ほんとに駈歩出せるかしら。
「補助手綱を両手で持っていいからな。内方を少し短めに持って、手綱強めに引いて。それで、脚は少し膝を開いてもいいから、かかとを馬の腹にぴったりつけて。内方(脚)はこの位置、外方は少し後ろに引いて、かかとをぴったりつけて。外方引いたか?」
「はい」
「よし、そのまま両方のかかとで馬の腹をこすり上げるんだ。速歩からいくぞ」
調馬索で速歩発進、巻き乗りの要領でいわゆる内方姿勢をとらせて、かかとを強く入れます。すると、速歩はものすごく速くなって、反動もきつかったのですが、駈歩は出ません。速歩としては普段のロゼッタからは考えられないくらい速かったのだけど。
「一度止めて。体起こして、かかとはこの位置だぞ。かかと馬から離すなよ」
速歩から再チャレンジ。内方の手綱強めで、かかとで強くこすると、出た!ロゼッタが駈けはじめました。
一度は経験ずみですが、駈歩の揺れについていくのがせいいっぱい。3周ほど駈けて、「よーし止めろ」手綱を引いて、うまく止まるかな?止まった。思わず息を吐き出します。
「よし、もう一回行ってみるぞ」もう一度、最初は速歩でしたが途中から駈歩が出ました。ですが、なんだか上腕が痛くなってきた。これは腕でサドルホルダー(補助手綱)にしがみついてるからだな、良くないな。
馬を止め、先生が「じゃあ片手を補助手綱から離してみよう、内方だけ。でも持ってるつもりでいなさい」「はい、持ってるつもりで」外方の拳で手綱と補助手綱を握り、内方の拳は普通に手綱を握って、発進。やはり最初は速歩でしたが、すぐに駈歩になりました。今度は上腕の力をできるだけ抜き、上体を速歩のつもりでできるだけ後ろに倒します。すると、馬の反動が腰に伝わってきて、腰だけでも馬の動きについていけそう。腕に力を入れなくても大丈夫でした。駈歩のときはこの動きなのね。でも鐙がうまく踏めないな。
再度馬をとめ、駈歩発進にチャレンジ。なんと、今度はすっと駈歩が出ました。馬が慣れたということもあったんでしょうが、感動。動きにもついていけるようになったし。
駈歩のレッスンはひとまず終了、ロゼッタの首をたたきまくってほめてやります。あんまり動きたがらない馬であるはずのロゼッタ、今日はよく頑張ってくれました。

調馬索を外され、「手綱をゆるめて、沈静化していなさい」時計を見ると、レッスン終了3分前。
蹄跡に出て歩いていると、今まで私にかまけて放っておかれた分、ほかの二人が速歩や巻き乗りでしごかれているようです。邪魔をしないように、蹄跡のやや内側をまわって沈静。
時間がきたところで、全員で馬場中央に馬を並べて終了。お疲れさまでした。

昼食をとりながら、先週の競技会のビデオを見ます。改めて見ると、硬いなぁ自分の姿勢。
ぼちぼちと倶楽部に人が増え始めました。先週一緒に山梨に行ったTさん、「KYOKOさん、私障害やる気になったわよ」と、障害のレッスンを入れていました。確か以前は、「飛んだことはあるけどね、積極的にやろうとは思わない」と言っていたTさん、彼女も競技会で刺激を受けて帰ってきた一人のようです。
障害レッスンを見学していたら、飛び終わったAさんが馬場から私に向かって、にこにこと「飛びたくなったでしょ!?」ですって。横木またぎがおもしろかったので、障害にチャレンジしてみたい気持ちがないわけではないのですが、怖い気持ちと半々。とりあえずは、自分の意志で駈歩が出せるレベルにならないとなぁ。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場

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