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(2002.4.14 山梨・ララミー牧場)
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この日2鞍もお世話になったレオンくん。いい子でした
朝、ペンションで7時ちょっと前に目覚ましが鳴り起床。
身支度をして、I野先生を含めた宿泊組5人でのんびりと朝食をとり、「このあたりで外乗もいいね」なんて話をしていると、気がつけば集合時間近くなっていました。
ペンションからララミー牧場までは車で5分弱とは言え、あわてて車に荷物を積み込み、ララミー牧場に向かいます。
ララミー牧場についたのは、集合時間の8時半より5分ほどあと。すでにララミー牧場に到着していた当日出発組に心配をかけてしまいました。ちょっとのんびりしすぎたなんて言えない(けど、ここに書いたら同じ)。

出場競技のエントリーをすると、騎乗馬の抽選が行われます。まず私が出るのは速歩班の部班競技。みんなで並んで引いたくじには、「2班 (1)レオン」と書いてありました。速歩班だけでもけっこうな人数がいるので、数班に分けて順に競技をするようです。2組目だったら馬を準備したりはしなくていいのね。レオン、いい子だといいな。
他のメンバーと抽選した紙を見せ合っていると、ふと馬名の前の数字が気になりました。
「これ、(1)って、先頭ってことですかね?」
「そうでしょう」
うわ〜、先頭って、指示を聞き間違えたらどうしよう!変な演技をしたらすっごく目立つし。いくら日の出のママさんに「私が一番って思って乗るのよ」と言われてきたとは言え、本当に一番騎じゃなくても・・・(泣)
「一番はいいんだよ、自分の好きに乗っていいんだもの」と先輩達になぐさめられ、そういえば昨日のレッスンでも「馬の距離に気をつけろ」と言われていたけど、少なくともそれには気を遣わず乗れるわけだし、「そうですよね、後ろの人に合わせてもらえばいいんだから」と、開き直ることにしました。

ほどなく開会式。今日の大会は、ララミー牧場が主催する競技会に、社馬連グリーンカップ共催という形。出場したのは日の出乗馬倶楽部のほかに、防衛庁職員の馬術部、都庁職員の馬術部、衆議院職員馬術部など、なぜか官公庁の方が多かったです。
行く前には、「こんな上らんなんか準備して浮いちゃうかなー」という話もありましたが、いざ行ってみると、私の手作りの間に合わせの上らんなんて比べものにならない、高そうな上らんにアスコットタイをふくらませた人、シルクハットの人もいて、けっこう本格的ではないの。

開会式修了後、すぐに部班競技。速歩班と駈歩班は、同時進行で別々の馬場で競技を行います。
「駈歩班はベテランだから、速歩班優先するからな」と、先生は速歩班の会場である全天候型覆い馬場の見学席にずっとついていてくれました。
私は2班なので、1班の競技を見学し、自分が次に乗る馬を研究させてもらいます。レオン、けっこう大きい馬だな。かなり元気良く歩いている。騎乗している人も強く蹴ったりはしていないようだし、ムチは使わなくて済むかも。

そうするうちに1班の競技が終わり、2班メンバーが中に入ります。8頭のうち、日の出からはMちゃん、Oさん、私の3人が2班。
先頭の馬から下りた男性に、「レオンですよね?」と確認し、鐙の長さを合わせます。男性からゼッケンを受け取って頭からかぶり、足上げをしてもらって騎乗。
全員が騎乗し、「気をつけ、礼」で馬上挨拶(右手を斜め下に向かってぴっと出すというもの)。「一番から左手前で出てください」で、左手前で蹄跡へ。
歩き始めると、やはり何もしなくても元気がいい。ちょっと脚を使うと、すぐ速歩が出てしまいそうな位です。動き方も馬格もモンブランに似ているし、同じつもりで乗ろう。

「順次、巻きのーり」
この競技では8メートルと始めに宣言されているので8メートルの順次巻き乗りです。ちょっと内方の手綱を引いて方向を教えると、反抗することなく首を向けて入ってくれます。さっきの1班で、どのくらいの大きさで巻き乗りをしているかも見ておいたので、同じくらいの大きさで回ります。
レオン、あんまり手綱を左右にしなくても、内方の脚を強く踏むだけで回ってくれるようです。動きやすい。
速歩の指示、「すすーめ」よりも一瞬早く速歩が出てしまいましたが、とにかく速歩。モンブランよりも反動が少ないので、上体を後ろに倒すことを意識します(モンブランだと反動が高すぎて、私は体が倒せない)。鞍付きも悪くなく、レオンも素直に速歩をしています。
「軽速歩」
立つ、座るを始めますが、まず手前を合わせないと。私はまだ馬の肩を見ないと手前が合わせられないのですが、前よりはだいぶましになったかも。
上らんを来ていると、なんだか背筋も伸びるようです。我ながらわりといい姿勢で乗れているのではないかな?
軽速歩で走っていると、見学席の日の出が陣取っているそばを通り過ぎるとき先生の小声、「歩度伸ばせっ」レオンはけっこう大きいのでペースが速いと思っていたのですが、これでは遅いんだ。そうか、と思って脚を使い、歩度を伸ばしますが、この子は劇的に歩度が伸びるタイプではないみたい。
そのあとも、見学席のそばを通るたび、「歩度伸ばせっ」と先生の小声。あとで聞くと、本当は馬場内の選手に指示を出すと失格なのだそうで、それでも心配してくれた先生が見つからないように指示を出してくれていたらしいです。頑張らなければ。

「斜めに手前を替え、線上歩度を伸ばせ」
進入はうまく行き、馬場を横切る線上で2回お尻をついて手前を合わせて脚を使います。おお、うまくいった。
ところが2度目の斜めに手前を替えでアクシデント。進入、手前合わせとも上手くいったのですが、蹄跡に出るときに馬が迷ってしまい、出る方向と逆向きで蹄跡に出ようとしました。
蹄跡まで真っ直ぐ行かせようと思うあまり、私の指示が遅すぎたのだと思います。レオンを一度止まらせて、手綱と脚で正しい方向に向け直すと、レオンは反抗せずに正しい方向に向いてくれました。蹄跡に出たところから軽速歩に戻します。
ほんの一瞬だったと思うのですが、緊張も手伝って長い一瞬でした。

「常歩に落とせ、休め」
休め?休めってなんだっけ?「手綱ゆるめて」あ、沈静化のことか。やっぱり緊張してるんだな、私。
競技時間は終了、2周ほど手綱を緩くして歩かせたところで、「気をつけ」手綱をきちんと持ち直します。「先頭、中央線から馬場中央に入って」中央に馬を止めますが、止まっていられず1歩前に出てしまうレオン。バックさせると、ちょっと斜めになってしまいました。うーん、残念。
礼をして下馬。3班目の人の騎乗補助をして、追い馬場を出ます。
出口でI野先生が待っていて、「良かったぞ、今日は今までで一番きれいだったぞ」と褒めていただきました。

3班目にKさんとM田さんが出ているので、見学席に戻り応援。
ところがKさんの馬が重めの馬で、すぐ後ろの馬にあおられてしまいます(本当は後ろの馬が距離をとらなければいけないとも思うのだけど)。先生がしきりに「悪いことした、ムチを渡すのを忘れた」と悔しがっていました。
日の出の速歩班の競技は終了、急いで駈歩班の馬場に向かうと、Tさんが競技中。最初の2人はすでに終わっていたそうですが、あとの3人は応援できました。

Mちゃんのお母さんが、「高階さん、玉入れのエントリーで名前呼ばれてたから、代わりに抽選しときました」と言って紙切れを渡してくれました。
あれ、玉入れ競技は事前には確かにエントリーしていたものの、当日朝のエントリーではとりやめたはずなんだけど。事前エントリーが有効になっちゃったんだ。
駈歩部班が終わってなんだかばたばたしていたのですが、良く見ると渡された紙切れには「1班 ボーイ」と書いてあります。1班って、もう始まっちゃうじゃん!
ボーイはどの子、もう出てるの?とうろうろしながら、とりあえず馬場入り口に向かうと、I野先生が待っていて「もう出なきゃダメじゃないか。ちゃんと準備しとけよ、早く行け!」とハッパをかけられ、慌てて馬場に駆け込みます。
馬場にはすでに馬が5頭ほどスタンバイしていて、すでに騎乗している人もいます。
「ボーイどの子ですか?」
教えられた芦毛の斑馬に乗ろうとすると、そこにK野さんがいました。K野さんはふだんからララミー牧場で週2日修行しているので、今日はララミーのスタッフです。
しかしこういうときに知っている顔がいると心強いもの、「一番いい馬ですよ」「ホント?がんばる」K野さんに足上げをしてもらって騎乗、競技の説明が始まりますが、あたふたしていて半分は聞こえませんでした。規定時間にいくつボールを入れられるかということを競うようです。
K野さんにゴルフボールを1つ渡され、スタート。ボーイはスタートの反応はよく、すぐ速歩が出ます。ですが、なんだかうまく軽速歩がとれないうちに玉入れ地点が近づき、常歩に落としてバケツの前に回り込み、ボールを投下。入った!
馬を返し、スタート地点に戻りますが、今度はうまく走らない。肩にムチをいれて速歩を出しますが、ぜんぜん歩度が伸びず、あまつさえスタート地点が近づくと常歩に落ちてしまい、あとちょっとというところで止まってしまいました。スタートラインに入らないとボールが受け取れないんだよぅ、もうちょっと頑張ってちょうだい。
なんとかスタートラインに前脚がかかった瞬間、K野さんがボールを渡してくれて、また馬を返すと、ボーイくんは自分で速歩を出しました。おや、やる気がないわけではないんだ。
玉入れ地点まではちゃんと走れ、ボールを投下、今度は入りませんでした。
スタートラインに戻るとき、またもやる気をなくすボーイくん。なんとかスタートラインに入り、K野さんからボールをもらって馬を返すと、また突然やる気になるし、この子は。
3度目、今度はボールが入りました。スタートラインに戻ると、あと2メートルというところでぴたっと止まり、動こうとしないボーイ。蹴っても、肩にムチをいれても動きません。
いつのまにかスタートラインにいたI野先生が、「ムチ、尻に入れろ!」というので、短鞭でお尻を軽くたたきましたが効き目なし。少し強くしてみるとなんとか動き、ラインに入ったか入らないかのところで終了の笛が鳴りました。
「やっぱり重かったですね」というK野さんに、「ロゼッタかと思ったよ」
もしかしたらK野さんは、この馬が重いことは知っていたけど、そういうと私がめげるから「一番いい馬」と言ってくれたのかもしれない。

日の出からは出場しませんでしたが、駈歩班の玉入れは迫力満点でした。
そろそろ昼食の時間になっていましたが、速歩班はすぐジムカーナが始まるので、食べてから動くのは辛いと思いあとまわし。駈歩班の人だけ先に食事に行ってもらいました。
速歩班のジムカーナの抽選があり、引いた紙には「(5)レオン」と書いてありました。何という幸運、1度乗った馬でジムカーナに挑戦できるとは。
ジムカーナのコース図が張り出され、みんなで必死で覚えます。「なにかあったら外側から回るって覚えればいいのね」「馬が回りやすいまっとうな方向で回れば間違いないってことだよ」

「速歩班ジムカーナ、1番から6番までの方、覆い馬場で騎乗して待機してください」
あわてて覆い馬場へ。
覆い馬場にまだレオンはいなくて、きょろきょろしていると自分の後ろから来ていました。
先生がついてきてくれて、先生の補助で騎乗。競技前の下乗りとして、蹄跡を常歩で歩いていると、先生が馬場に入ってきて「鐙合ってるか?」そう言われれば合っていないような気も。
「左が短いな、長い方に合わせるか?短い方がいいか?」
「長いほうがいいです」
「よし、内に入って合わせなさい」
鐙を合わせるのも先生に手伝っていただいている間、先生から小声で細かい指示。「巻き乗り、ちゃんと内方を踏み込めよ」「はい、この子は鐙だけで曲がるみたいなんで」「よし、行け。その椅子を中心に巻き乗りしてみろ」常歩のまま、巻き乗りの練習。
蹄跡を回りますが、練習なので蹄跡をこちらと反対の手前で回る人がいたり、前が詰まっていたりしていて、速歩を出すのが少し危険そう。でも速歩の練習しときたいな。ジムカーナだから、速歩が出ないと意味がない。
上手い具合に前が空いたので、速歩発進させました。軽い。すぐ後ろに他の馬がついてきているのでちょっとやりにくいな、と思いつつ、速歩で巻き乗りの練習もしました。
自分より前の順番の人たちが一人ずつ覆い馬場を出ていき、ついに私の順番が回ってきました。
先生に馬の口をとってもらい、覆い馬場から出ます。乗ったまま出るのかー。馬場の出口はかなりの坂で、上体を後ろに倒して歩きます。
追い馬場を出ると、眼下に人がたくさん。馬上から人々を見下ろすなんていう視界は、めったに経験するものではありません。レオンのような大きい白馬に乗ったまま人混みに入るなんて、目立つこと目立つこと。これで、かーっとあがってしまいました。
人混みの中に日の出のみんなが「頑張れ!」と言っています。「あがっちゃうよー」と泣きを入れながら、待機馬場へ。

直前の人の競技が終わり、ついに名前を呼ばれて馬場内へ。
スタート地点は審査員席の目の前。挨拶をし、速歩発進でスタートします。速歩は簡単に出て、軽速歩をとります。
最初のポイント、横木の通路を通り抜けるところ。横木がそれぞれ斜めに立てかけてあるために、すこし壁のようになっています(写真参照)。そのポイントに向かうと、レオンは明らかに「うっ、やだ」という感じで構えてしまい、通路の外に逃げようとします。
「いいから、行くの」両拳を馬の首の上でくっつけるくらいにして手綱を張り、馬の首が逃げないようにして叱って、前に行かせます。嫌がって跳ねられたらイヤだなと思いましたが、一度向かせるとレオンは素直に入りました。
しかし次のポイントでも、また嫌がる素振りを見せます。同じく手綱で叱りつつ脚で軽打し、入らせます。そのあとのパイロン通り抜け、柱2本を使った八の字巻き乗りはうまく通り抜けてくれましたが、つぎの横木でできた通路に入るとき、また嫌がりました。そろそろ慣れてよ。「大丈夫だから、行きなさい」一度入ると、素直に走るレオン。
次は巻き乗り、パイロンを軸にして回るとき、一瞬駈歩が出そうになり、手綱を控えて落とし、速歩で巻き乗り。最初に通過した通路に戻り、反対方向から入るのにも、またいちいちびくついているレオン。さっき通ったでしょ。
最後の通路を抜けるところから歩度を伸ばしてみましたが、タイムはなんと99秒。標準タイムは70秒前後だったようですから、いかに遅かったかが分かろうってもんです・・・ジムカーナ苦手かも。

駈歩班のジムカーナが始まる前に食事をとっておこうと思い、競技の済んだ速歩班で連れ立ってクラブハウスに行ったら、ちょうどカレーかご飯が切れたところだったらしく「しばらくお時間をいただきますが」とのこと。
座って待っていると、もう駈歩班が始まりそうな気配。前菜のサラダはすでに食べ終わり、じりじりしてメインを待ちます。ようやくメインが来て、食べ始めたときに「もう始まってるらしい」との情報。あと5人くらいで日の出のメンバーの出番、ということは食べる時間は5分もない(駈歩班だから、同じジムカーナに1分かからない)。急いでかっこみましたが、食べ終わらないうちにもうTさんの競技が始まってしまったようで、お店の人に頼み込み食事を中断させてもらって、クラブハウスを飛び出します。
見学席に走っていってみると、Tさんの競技がもう終わるところでした。日の出メンバーの出番は立て続けだったので、そのまま応援を続けます。
次に出たのはAさん、先日の日の出の運動会でもジムカーナで優勝している強者。すばらしい勢いで駈歩を繰り出しましたが、八の字巻き乗りは駈歩のスピードでは回りきれないため、ほとんどの人が速歩に落とします。Aさんもそうするだろうと思ったら、速歩に落とさなかったので馬が回りきれず、大回りになってしまいました。
次の通路を抜け、パイロンで巻き乗り。今度は速歩に落とすだろう…落とさない!?駈歩のまま、土煙をあげて4歩でパイロンを回ってしまうAさん、思わず見学席からあがる歓声。
結果的に3位入賞したタイムもさることながら、その巻き乗りのすごさで彼はヒーローでした。
(あとでインタビューしたところによると、「八の字でロスしたと思ったから、取り返そうと思って」だそうです)

ジムカーナが終わり、クラブハウスに戻ると、すっかり冷めた食べかけのカレー。うぅ。
サービスで飲み物が出てきたとき、男性陣はまた障害設置にかり出されてクラブハウスを出ていきました。
のんびり飲んでいるヒマもなく、ビギナーズジャンプの始まりです。
日の出からのジャンプ参加は3名。ビギナーズはH50の障害を6個飛びます。3反抗と落馬は失格。
Aさんはピースポーターという馬に当たり、「いい名前だ、ワインの名前だね」といいながら競技へ。減点0で帰ってきました。M野さんもシロックスで美しく飛び、減点0だったものの、タイム届かず上位へは上がれませんでした。でもきれいだったなぁ。

続けて上級の障害、全乗振障害2級の馬場試験を兼ねた競技。減点0の場合はアメリカンジャンプオフ(続けて再競技)になります。
そもそも今回の遠征は、この試験に挑戦するインストラクターのK野さんと、Iさんの応援を兼ねているのです。
ビギナーズジャンプで最後のほうの順だったIさんが、この競技では最初のほうになってしまい、すぐ出場になります。
上級は障害も高くなり(たぶんH80〜H100)、数も10個に増えます。Iさんはひとつめ、ふたつめの障害を難なくこなしたように見えましたが、3つ目の障害で馬が拒止。落馬はまぬがれたので、回ってきて同じ障害に再チャレンジ。しかしその障害で、またもや馬が拒止をします。これで2反抗、もう一度馬に拒止か回避をされたら失格です。
応援の全員が祈るような気持ちで見守る中、Iさんがもう一度同じ障害に向かいます。
「・・・3反抗だ・・・」
止まってしまった馬、日の出の障害のホープである彼でもこんなことがあるのか。失権となり、競技を中止して馬を返すIさん。
戻ってきていたM野さんに、思わず「道は遠いよね・・・」「え?」「いや、帰りの道のことじゃなくて、馬術の道は遠いよね、って」

つづいてインストラクターのK野さんの障害競技。さすがに高い障害をぽんぽん飛ぶK野さん。
ところが途中で、順路と違う障害に向かってしまい、応援席から「違うよー!」と叫んだときにはすでに遅し。飛んだあと振り返って、「あれ?」と経路違反に気がついたK野さん。
ふだん教えているときには落ち着いているK野さんも、緊張することってあるんだなぁ。やはり道は遠い。

遠くから来ているということもあって、温情措置として、違う馬での再チャレンジを許可された二人。
トイレに行って戻ってくると、ちょうど馬に乗ったIさんが覆い馬場から出てきたところでした。「行ってらっしゃい」というと、力強く「行ってきます」。Iさん、こっちが心配するほどめげてもいないみたい。
再チャレンジはうまく行き、完走して帰ってきました。

すべての競技が終了し、閉会式がはじまります。
速歩部班でMちゃんが金メダル、駈歩部班でM野さんが金メダル、Aさんが銅メダル。速歩ジムカーナでM田さんが銅メダル、ビギナーズジャンプでAさんが銅メダル。なんと5つもメダルをさらってしまい、「初参加なのに日の出乗馬倶楽部、やりすぎじゃないのー」「来年から出入り禁止になっちゃたらどうしよう」とはしゃいでいると、もう一つ表彰が残っていました。
「社馬連グリーンカップの団体の部がまだあるんですが・・・M電工・・・ん?・・・」
M電工乗馬部のみなさんが期待に満ちるなか、「失礼しました。総合優勝は、日の出乗馬倶楽部」
なに〜〜!?そんなことあっていいの、初参加なのに!
代表としてメダル二つのAさんを押し出し、満面の笑みの先生と抱き合ったAさんがトロフィーを受け取ってきました。

閉会式終了後、総合優勝という思いがけない喜びにテンションがあがった私たち、とりあえず「記念撮影しよう」ということで、全員で集合。
「あれ?うちの若先生はどこ行ったの」
インストラクターのK野さんとも喜びを分かち合いたいのに、姿が見えません。近くを探すと、ララミーのスタッフでもあるK野さん、馬繋場で黙々と馬の手入れをしていました。
集合写真を撮って、「自分の成績ちゃんと見てこいよ」と先生に言われて、張り出された成績を見に行きました。
ジムカーナのタイムは見なくても分かっているのですが、速歩部班の評価が見たい。評価は2名の審査員の評価がそれぞれ貼られていて、合計点数で決まったようです。
よくよく見てみると、けっこう点数が高いかも・・・あれ、4番目?しかも、片方の審査員の評価、姿勢点がかなり高い。反してもう一人の評価は姿勢点が低く、「つま先を内に」と但し書きがしてありました。うっ、いつもI野先生に言われていることだ。弱点が出るなぁ。

「高階さん見たかい、4位じゃないか」と先生に言われ、
「はい、姿勢点が高いのが嬉しいです!」
「4位って言ったら入賞も同じだよ、本当だったらリボンくらいもらえるぞ。今日は今までで一番上手かったもんなぁ、どうして普段からあんな風に乗れないんだって思っちゃったよ」
それはやっぱり上らんの効果じゃないでしょうか(笑)

帰りもIさんと私は先生の車で送っていただきましたが、やはり話は競技会のことに終始します。
「高階さんなんか、今日はいい点とろうなんて毛頭思ってなかったろ」
「はい、日の出のおまけのつもりでしたから」だってどう考えても、選手の中で一番経験浅くて下手だもん。
「それが良かったのかもしれないなぁ。今日はほんとに、落馬さえしなければいいと思ってたのに、総合優勝なんかしちゃって、オーナーびっくりしちゃうな」
通り道の駅で降ろしていただき、電車で家へ。帰り道が同じだったIさんに、「馬術の道は遠いなぁ、って思っちゃいました」というと、「そう悲観したものでもないですよ。みんな確実に上っていく道であって、時間軸の問題だから」
聞けばIさんはもうすぐ500鞍とのこと、そこにたどり着くまでにどれくらいかかるだろう。同じ鞍数乗れたとして、そこまで上手くなっているだろうか。
しかし少なくとも、今日の競技会で自分もすこしはやれるんだと分かり、遠い道かもしれないけど少しずつでも上っていける自信がつきました。

玉入れ競技、騎乗馬はボーイ。
アパルーサという中間種だそうです

ジムカーナのコース

ジムカーナ、レオンと。焦りでちょっと前傾




今回の写真は、ほとんどMちゃんのお母さん撮影。
ありがとうございました。

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