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(2002.6.1 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日はいよいよ障害デビューの日。実は1週間前から、不安と期待でどきどきしながら過ごしていました。
今日は16時のビギナー障害の前に、14時から馬場で1鞍乗ることにしてあります。12時半ごろクラブに到着し、ホワイトボードを見ると、馬場はウィンダム、障害は(当たり前というべきか)アルフォンス。
ボードの前から休憩所のほうをふとみると、Aさんがにっこにっこしながらこっちを見ていて、「今日デビューなんだって?」と聞いてきました。もちろん障害のことです。
「そうなんですよ、早すぎたかなー」「いやいや大丈夫、飛べるよ」何しろAさんは、私を障害に誘っている急先鋒でありますからして。

クラブハウスで昼食をとり、着替え。
あとの障害ではプロテクターを装着することになっているので、慣れるために「今からプロテクターつけて行こうかなぁ」と言っていると、「そこまで怖がらなくていいよ、大丈夫だよ」とAさんが苦笑い。「今日は長靴で行こうかな」と言っていると、再びAさんが「チャップスのほうが滑らないよ、裏革でしょ。ゴム長よりチャップスのほうがいいよ」とアドバイスしてくれたので、ハーフチャップスとショートブーツの組み合わせに変更。
まぁ、なにごとにも先達はあらまほしきことですので、アドバイスに従うことにしました。

ウィンダムの馬房へ行く途中、スタッフのK村さんと行き会ったので、「ウィンダム、長鞭で動くよね?」と聞いてみると、「たぶん動くと思いますよ。午前中、外で常歩しただけだから」今日は外乗だけで、馬場には出ていないみたい。どっちに出るかな。
ウィンダムの馬房に入り、無口を見せると、ウィンダムが自分から無口に鼻を突っ込んできたので、そのまま馬房から引き出します。ところが馬繋場に行く途中で止まるウィンダム、まぁこれはいつものことなんですが。引っ張りすぎると無口が抜けちゃうので、お尻を叩いたりしてなんとか動かし、馬繋場に入ります。
馬繋場でひづめの裏掘りをし、鞍を置いて腹帯を締めようとすると、全然締まらない。金具がベルト穴に届かないんです。ウィンダムが太ったわけじゃないと思うんですけど(冷汗)。近くにいたN谷さん(男性)の手を借りても、締まりそうにない。うーん。
すると、骨折休養中のN浦さんが見に来て、「反対側緩めれば締まるんじゃないの?」いやはや、気がつきませんでした。ずっと鞍の左側だけ締めようとしていて、右側のベルト金具を見に行かなかったんです。案の定、右側にはまだ余裕があって、そちらを緩めると左側も金具に届きました。あぁ、あたしってバカ。

時間になったので、ハミをかけます。ハミはとても素直に入れさせてくれる馬なので楽。勒をかけて、鼻革を締め、喉革が・・・ない。喉革のパーツがひとつ不足していて、革そのものが見あたらないんです。どうしようかなぁ。
「このままでも乗れないことはないんじゃないの」という周囲の声で、馬場に出てからスタッフの誰かに見てもらうことにして、とりあえず馬場へ。
馬場にK村さんがいたので、「K村さん、喉革ないんだけど」「あ、そういえばさっきもなかった。いいや、とりあえずそれで出てください」なくても支障はないらしい。

馬場に出て、I野先生の補助で騎乗。腹帯を締め直してもらうと、他の馬はまだ準備に時間がかかりそうだったので、とりあえず蹄跡に出て体をほぐすことにします(自分も馬も)。
常歩でしばらく歩いていると、全馬の準備ができたようなので、馬場中央に戻ります。
先生の指示で、相方の乗っているコスモにつづいて蹄跡へ。つぎにI上さん(奥さん)のハイセイコーJr.、Aさんの美星とつづきます。
左手前で蹄跡へ出ようとすると、右手前で出ようとするウィンダム。右手前のほうが好きなのは知ってるけど、そうはいかないよ。脚と手綱でどうにか左を向かせ、蹄跡に出ます。

常歩で周回、前にいるコスモはけっこう敏感な馬だと思っていたのですが(自分が乗ったことはないけど、人の騎乗を見ていてそんな感じ)、思ったよりゆったり歩いています。ウィンダムでもついていくことはできるけど、こっちはがんがんに蹴ってやっとコスモと同じくらいの速さ。やっぱりウィンダムの歩様ではこれがせいいっぱいかな。
常歩のまま手前を変え、巻き乗りなどをしますが、どうもウィンダムの曲がり方は早すぎる。こっちが扶助を出さなくても曲がろうとしているし、巻き乗りではあまり脚を使っていなくても、どんどん曲がろうとするので内にささっていき、コスモの蹄跡よりもだいぶ内側を回ってしまいます。巻き乗りなのに、内方脚で外に押しだし、手綱も内方を押し手綱にして、内に入ってこないようにしなければいけない。うぅむ。

さて速歩。ウィンダムを速歩にするのはそう難しくないのですが、一発では出ない。でも前にいるコスモもなかなか速歩が出なかったので、ウィンダムを速歩が出る寸前くらいにまでしておいて、コスモが速歩を出したのを待って軽打、すっと出ました。
軽速歩にして走っていると、意外にもコスモは歩度が伸びない。ウィンダムの速歩はとってものんびりしているのに、それでも追いつけてしまう。他の人の騎乗を見ていると、コスモは敏感すぎる馬で、ときどき駈歩が出ちゃうような馬だと思っていたんだけどな。1鞍目だからかしら。
ママさんが出てきて馬を止め、4頭の腹帯をチェックします。ウィンダムは腹帯は大丈夫でしたが、「鐙の長さがぜんぜん違うんだけど。2穴くらい違わない?」えっ、全然気がつかなかった。左右の長さを合わせると、確かに乗りやすくなりました。どうして今まで気がつかなかったんだ〜〜?

ふたたび軽速歩。相方はコスモが敏感だというのでムチを持っていなかったのですが、先生に「短く持ちなさい」と言って短鞭を渡されています。するとコスモ、ムチを入れられていないのに突然歩度が伸びる。ムチを持っただけで、あんなに変わる馬も珍しい。
脚でウィンダムを追っているつもりですが、コスモについていくのが辛くなってきました。
速歩で巻き乗り、やはり入るのが早すぎ、コスモよりも内側に入ってしまいます。しかも途中で常歩に落ちる。「ムチでちょちょっ、とやって外に出すんだぞ」軽いムチを肩に何度も当てると、さっきよりもいくぶんマシになったものの、上手いこと回れないなぁ。
そのまま軽速歩で走り、「ちょっと歩度を伸ばして行こう」先生、これでも今いっぱいいっぱいなんですぅ・・・がんばれウィンダム、もっと走れるはずだよ。以前この子で、ぐんと歩度が伸びた経験をしているので、まだまだいけるはず。
左手前で走っている途中、トイレの横でウィンダムが両前脚でつまづきました。上体のバランスを後ろに倒してぐっと座り、落ちずにすんだのでほっとしていると、「そういうときはすぐ叱りなさい。馬の気が散ってるからつまづくんだから」そうなんだ。馬を叱るタイミングというのが、今ひとつ分かりません。

常歩に落として周回。
「そのまま立ち乗り。手綱を短く持って」ウィンダムを常歩で歩かせながら、鐙に立ち上がります。ちゃんとやるのはまだ2回目ですが、前回にやったときは確か、かかとを下げて、体を反らすようにして、上体をかなり前に持っていかないとうまく立てなかったはず。上体をまっすぐ鞍の前橋の上くらいにして、脚を引いてかかとを下げます(ちゃんと下がっていたかどうか自信がないけど)。ときどきバランスを崩してお尻をついてしまったり、馬の首に拳をついてしまったりしましたが、どうにか立ち続けられるようになってきました。
「じゃあそのまま速歩行くぞ」う、立ち乗りのままどうやって脚を使うのか分からない・・・蹴るのは難しそうなので、騎座を強めに当てて、軽くムチを使うと速歩を出してくれました。ますますバランスをとるのは難しくなりましたが、ときどきお尻をつきながらもなんとか続けます。

「2番騎と3番騎、そのまま手綱の長さを半分くらいにしなさい」えっ、今でも十分短いんですけど・・・言われたように手綱をたぐって、ハミから拳までが30センチもない短さにします。拳の位置はほとんど馬の首の横、体を伏せるようにしないと届きません。
「上体は前に倒しなさい。顔は前を見て。拳は馬の首に頼ってもいいから」上半身を20度くらい倒して頭を起こし、お尻を浮かせて乗ると、これはもうほとんどジョッキーのよう。鐙が長いのでモンキー乗りとは言わないけど、天神乗りくらいにはなってるんじゃないか。
あっ、これはもしかして2ポイント。障害の時の乗り方を教えてくれてるんだ。
ジョッキーの乗り方を念頭に置いて速歩をしていると、膝とかかとに反動がきます。なるほど、ここで反動を抜くのか。最初は膝を鞍に頼って、拳も馬の首にほとんど置くようにしていましたが、だんだん慣れてきたので、膝を頼らないように(でないと馬が止まってしまう)、拳も首から少し離せるようになってきました。

「常歩に落とせー。お尻ついていいよ。手綱を緩めて」
ほっとして沈静化に入ると、無理な体勢のせいか、すっかり腰が痛くなっていました。馬上で腰をひねってみたりしましたが、腰を伸ばしたいなぁ。そうそう、馬上体操で鞍上で後ろに体を倒すというのがあったから、やってみようかな。ウィンダムなら安全だし。
常歩で歩かせたまま、鞍の上で上体を後ろに倒してみます。腹筋も背筋も弱いので、すっかり馬の上に倒れるというふうにはいきませんでしたが、腰はすこし楽になりました。
「全員止まれ」
沈静化の途中に指示が出るなんて珍しいなぁ、と思って馬を止めると、先生が近づいてきてウィンダムの口をとります。「寝たいんだろ?やっていいよ」一瞬、寝る=眠ると勘違いして、先生が何をおっしゃってるのか分からなかったんですが、鞍上で体を倒すのを、馬を止めておいてあげるからやってみなさい、とおっしゃってたんですね。
お言葉に甘えて、手綱を持たずにもう一度鞍上で体を倒します。今度はウィンダムの腰に頭がつくくらい、べったり倒します。ウィンダムが後肢で虫を払うので、腰があがって頭を軽く跳ね上げられてしまいました。

馬場中央に馬を並べ、下馬。馬繋場にウィンダムを連れて行き、ウィンダムは次の鞍も予定があるので馬装解除せずにつないで置いたら、やっぱり出なくなったとのことで、急遽ウィンダムの手入れをすることになりました。

(69鞍目につづく)

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