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(2002.7.6 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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おすましウィンダム どうにか就職も決まり、安心して日の出へ。11時からの予約で、ホワイトボードで騎乗馬を見ると、ウィンダムでした。久しぶり。
着替えをして、馬装へ向かう前に就職先からの電話があり、最終確認などをしているうちに馬装の時間が少なくなってしまいました。
ウィンダムにとって本日1鞍目、絶対重いだろうから「短鞭じゃ動かないよね」とレンタルの長鞭を物色していると、「私のを使ってもいいよ」とAさんが長鞭を貸してくれました。持つところにラグビーボール型の木の玉をふたつ差し込んだようになっていて、「その上から握るんだよ」おお、これは握りやすい。棒状のものを握るよりも、人間の拳の形にしっくりするようにできている、りっぱな長鞭です。ありがたくお借りすることにしました。

ウィンダムは馬房で向こうを向いていましたが、馬房に踏み込ませてもらう。なんだよー、という顔でこっちを向いたウィンダムに無口を近づけると、自分から鼻を突っ込んできました。
引き手で馬房から引き出すと、2〜3歩はついてきたものの、ぴたりと立ち止まるウィンダム。押しても引いても動かず、悠々と当たりを見回したりしていますが、早く動いてよ時間ないんだから。
舌鼓や、手を伸ばしてお尻を叩いたりすると、気が済んだのかようやく動いてくれました。

馬繋場につないで馬装。裏掘りをしてみると、オガのつまった更に奥に、泥が少しついています。明らかに馬場の砂とは違うので、朝涼しいうちに外乗に出たのかもしれません。だったらすこし動くかなぁ。
ウィンダムが虫を気にするので、ロッカーへ虫除けスプレーを取りに行き、吹き付けたりしていたらますます時間がなくなってしまいました。鞍を着け、鐙の長さを合わせてみると、ちょっと長いかなと思いましたが、それ以上短くならないのでそれでいいことにします。
そこへオーナーがやってきて、ちゃっちゃとハミをかけてくれました。馬場に出てみると、すでに2頭が騎乗しています。あ、時間なのに出てこないからオーナーが手助けに来てくれたのね。
踏み台を持ってきてもらって、急いで騎乗します。普段はムチを馬場に落として騎乗し、あとから拾ってもらうのですが、人様から借りたムチではそれはできない。落っことさないように、右手に持ってその手で鞍の後橋を持ちます。馬のお尻にムチが当たらないように気をつけなければいけませんが、無事に乗れました。

トリコロールで出ているのは初心者さんだったようで、K野さんが隣の馬場に連れて行きます。
バイトスタッフのUくんも同じ部班に入るはずでしたが、ちょっと遅れて入る様子。とりあえずは相方のハイセイコーJRと、私のウィンダムの2頭部班です。
I野先生が「奥さんから出て」とおっしゃるので、先に左手前で蹄跡に出て、常歩で歩かせます。歩き出すと、やっぱり重いわこの馬。
しばらく歩いて、常歩で「順次巻き乗り」蹄跡からの進入はきれいにできたのですが、円を半分描いて、蹄跡に戻る途中にずるずるとそれていくウィンダム、何がしたいのよ〜。「おい、ずいぶん横長の円になってないか?」と先生、「すいません、戻れないんですー」外方の手綱、外方の脚を壁にしているつもりが、まるで効いていない。内方の手綱を強く引いて、何とか蹄跡に戻します。
歩いていると、隣の馬場のトリコロールとすれ違うたびにウィンダムが耳を絞る。巻き乗りで、JRが視界に入るたびに耳を絞る。忙しいねぇ、ウィンダム。あたしが乗ってるんだから、こっちを意識してなさい、とそのたび蹴って叱ります。

さて速歩。速歩はわりと簡単に出たのですが、巻き乗りをするとまたそれていく。腹を蹴って叱ってみますが、ウィンダムさんったらどうしても蹄跡に戻りたくないそうです。先生が笑いながら「おいおい、そんないいムチ持ってんだからちゃんと使えよー」肩にぴしぴし入れてみますが、「弱い弱い、もっとちゃんと入れなさい」ムチを入れて、どうにか蹄跡に戻ると、素直に速歩が出るんだよなぁ。JRの後ろに入ってしまったので、順番は入れ替わりましたがそのまま速歩で周回。
速歩でJRに追いつきそうになると、突然目の前でJRが後ろ脚を跳ね上げました。片脚だけだったので、蹴るつもりではなくて虫が気になったんでしょうが、ウィンダムはケンカを売られたら買っちゃうんだから、やめてちょうだい。しかしよっぽど虫がイヤだったのか、2度3度、1歩ごとに蹴り上げているJR。走りながら蹴れるって、器用だなぁ。

Uくんとホクトも出てきて、馬場の内側でしばらく歩いたあと、部班に加わりました。ホクトが一番前で、JR、ウィンダムと続きます。
走り出してみると、ホクトが速い。速すぎる。ホクトは若いしイケイケの馬だけど、JRもウィンダムも1鞍目では重い馬なので、ついていくのも大変。Uくんはときどき巻き乗りをして距離をかせいでくれているのですが、なかなか追いつけません。
「もっと歩度伸ばせー。そんなことじゃ駈歩なんか出ないぞ」と先生の檄、お、今日は駈歩をやらせてもらえるのかな? 頑張ろうねウィンダム、お前はもっと走れるはずだよ。
脚を強く使い、ウィンダムが必ずダレる鏡の前ではムチを使うようにして、がんばってホクトを追います。ウィンダム、調子が出てきたじゃない。
速歩のまま各個に巻き乗り、進入はうまく行きました。半円を描いて、残りの半円でやっぱりふくらみそうになる、あ、私また外方の拳が上がってるよ。
蹄跡を速歩で走っているときも、「拳が開いてるぞ」と先生の注意を受けました。

一度常歩に落として、馬を落ち着かせます。
「おふたりは一度中に入ってきなさい。Uくん、蹄跡で駈歩出してみろ」
相方と私が馬場の内側で馬を止め、Uくんがホクトを駈けさせるのを見ます。このあと自分がやるんだろうから、少しでも参考にしよう。
ホクトが数周駈けたところで、常歩に落として馬場の中に入ります。「じゃあ奥さん、蹄跡に出て。駈歩やってみよう」ちょっとどきどき。まずは蹄跡に馬を止めて、姿勢を整えます。内方の手綱を引き気味にして、外方は念のためにサドルホルダーを持ってみます。先週他の人が、サドルホルダーを持ったほうが手綱がちゃんと張って駈歩が出やすかったのを見ていたし。
内方のかかとを馬の腹につけ、外方のかかとを引いて、馬の腹を強く押す。セオリー通りやったつもりでも、出たのは速歩でした。いったん馬を止めてやりなおします。
「体起こして、かかとを馬の腹から離すな」先生の指導に従って、再度駈歩発進。やはり出たのは速歩でしたが、そのまま内方のかかとで刺激を続けると、ウィンダムが耳をぐっと絞りました。え、こんなことで機嫌悪くしないでよ?
と思った瞬間、歩様が変わりました。駈歩だ!

タタタン、タタタンと走るウィンダム、あまりスピードは出ていないらしくて、たいして怖くない。これなら速い速歩のほうが怖いかも。ウィンダムはもともと反動がないので、速歩よりも駈歩のほうが気持ちよくふわふわと乗っていられます。反動に腰でついていくことに少し慣れてきたので、サドルホルダーを離してみました。うん、大丈夫。
速歩でもそうですが、やっぱり内にささろうとするので、外方の手綱を開き、内方の手綱を押し気味にして外に出す努力をしてみます。ところが1周とちょっと駈けたところで、内方の鐙が外れてしまいました。あらら、と思って駈けながら踏み直してみると、うまく鐙に足が入りました。このままいけるかな、と思ったのですが、先生から停止の指示。馬場の中央に馬を入れます。
「よし、体起こして止まれ」ウィンダム、あんなにやる気がなかったのによく走ったなー、と思って首を叩いてほめてやりましたが、それがまだ完全に止まる前だったので、「こら、ちゃんと体起こして止まってからだ」と先生に言われてしまいました。きっと危なっかしかったんだろうなぁ。
先生が近づいてきて、「やっぱりちょっと鐙が長かったな」「え、そうですか?」でも鐙革はすでに一番短いところになっているので、鐙に巻き付ける形で短くしてもらうしかありません。自分ではあんまり短いと思っていなかったんだけど、先生に直してもらうと、そのほうが確かにしっくり来るようです。

つづいて相方がハイセイコーJRで駈歩。前回調馬索でやったときは全然駈歩が出なかったそうですが、それは馬がモンブランだったかららしい。わりと簡単に駈歩が出ていて、しかも3周以上走っているではないの、ずるい。
うらやましげに見ていたら、相方が駈歩終わったときに先生から「奥さんどうする、もう一回やってみるか?」「はい、やりたいです」
蹄跡に出て、駈歩準備。発進はやはり速歩になってしまったので、思わず腹を軽打すると、「かかとぴったりつけてろ」と先生の声、そうだった。かかとをちゃんと馬の腹に付けて、強くこすり上げると、またウィンダムが耳を絞り、駈歩になりました。この子、こういうクセなのね。
駈歩が出てさえしまえば順調に走ってくれて、2周弱で停止の指示が出て止めました。「ふたりとも今日、駈歩初めてだったか?」「調馬索で回してもらいましたけど、まだそれだけですね」「自分で駈歩出したのは初めてだったんだな」とうなずく先生。

蹄跡を常歩で回っていると、先生が「ちょっと中に入ってきなさい」とおっしゃるので、馬場の内側に馬を入れて止まらせます。
「脚の入れ方がどうも違うんだよ。ほら、かかとがこっちに向いてるから、かかとが馬の腹に当たらないで上に上がっちゃってるだけなんだよ」と、先生が私のかかとを取って方向を教えてくれます。私が今まで、軽速歩で脚を入れていると思いこんでいた脚の動きは、馬の腹と平行に後ろに蹴り上げていただけのようです。腹を蹴るなら、馬の腹に向かって40度くらいの角度でなければ刺激にはなっていないんですね。I野先生はよく、かかとを入れることを金具をつけていなくても「拍車」とおっしゃいますが、金具がついていたとしても、私の脚の角度では馬の腹に届いていないということ。
「ふとももまでは鞍にぴったりつけて、膝はちょっとくらい離れてもいいから、膝から下をぶらぶらしてごらん」そのかかとを取って、「こうやって、かかとで下からこすり上げるんだよ」かかとを下に下げ、上にこすり上げる、その下げるときの動きは、「膝を伸ばす」と連動しているように思いました。
「蹄跡に戻って、ちょっと速歩やるぞ」常歩から速歩にするとき、「そこで使え」というタイミングでさっき教わった脚の角度で入れると、ぽんと速歩が出ました。駈歩さえ簡単に出せそうな勢い。いかに今までの自分の脚がダメだったのか、良く分かりました。
「細かいことを言うようだけど、上手くなったらまだやることがあるんだよ」
上手くなんてなってないです、先生。乗れば乗るほど、自分のダメなところが見えてきてしまう。

常歩に落とし、手綱をゆるめて沈静化。
クラブハウスの前を通りかかったときに、「Aさん、落っことさないうちにお返しします」と、馬上からAさんに長鞭を渡しました。受け取りながら、「いいムチだったでしょ?」「ほんと、おかげさまで駈歩も出たし」
歩きながらも、脚の方向を練習したりしている私に、「鐙脱いでごらん」鐙を脱いでみると、脚が引けるんですよね。この位置のほうが絶対正しいって分かってるのに、どうして鐙をはくとできなくなってるんだろう。
時間が来て、馬場中央に入るとき先生が「鐙はかないで、そのまま腰だけ外側を引いてごらん」すると、ウィンダムがくっと馬場中央を向きました。「馬を動かすのは脚だけじゃないんだよ」馬を動かす扶助は腰だというけど、はじめてそれが実感できました。

かなりの暑さと、駈歩の緊張感で、昼食は準備していたものの食欲なし。ふたりで飲み物ばっかり飲みながら、「なんか果物とか欲しいね、こういうとき」と言っていたら、なんとオーナーのおごりで山盛りのスイカが出てきました。も、もしかして聞こえてました?

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