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(2002.7.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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台風も無事通り過ぎ、梅雨明けまでもう一歩の蒸し暑さ。今日も11時の予約です。
倶楽部に到着して、ホワイトボードを見ると、私たちの名字があるのはアルフォンスとロゼッタ。これは当然、私がロゼッタだな。ロゼッタは体が小さいしトシもいってるから、相方の体重で乗られたらかわいそうだもん。
ロゼッタは直前のレッスンで使っていなかったようなので、馬装がいるなと思って馬繋場を見ると、すでに馬装をされたロゼッタがつながれていました。あれ、下乗りでもするのかな。

馬繋場に行って、ロゼッタのそばにいたA木さんに「ロゼッタ下乗りするの?」と聞いてみると、「いえ、今日は馬繋場が混んでるから、こっちで急いで馬装やっちゃいました」ということ。そういえば、今馬場に出ている馬が4頭、次のレッスンに出る馬も4頭。馬繋場の数がぎりぎりです。前のレッスンから馬が上がってくる前に出ていって、馬繋場を空けなきゃいけないのね。
「もう勒かけちゃいましょう」とA木さんが言うので、無口を外し、頭絡を右手に持って、左手の親指をロゼッタの口角に入れて口を開けさせると、簡単にハミが入りました。なんてやりやすい子なんでしょう。
ただ、彼はハミが入ったあとはそれをがちゃがちゃ噛んで遊び出すので、鼻革を締めるのがちょっと大変。

そうこうするうちに、前のレッスンが終わったようなので、ロゼッタを連れて馬場に出ます。
オーナーの補助で騎乗、腹帯を締め直してもらい、整列。今日の部班は、Fさんのジュンヨー、Uくんの美星、相方のアルフォンスと私のロゼッタの4頭。
I野先生が出てみえて、「ロゼッタは朝イチでAさんが乗ってるからな、気が済んで重くなってるか、体がほぐれて動くようになってるか、どっちかだな」朝イチのレッスンは、一時的に全乗振3級受験者のためのレッスンになっていますが、そこでAさんが乗ったということは、ガンガン動かしてくれているのでしょう。いい方に出てくれればいいのですが。
美星、ロゼッタ、アルフォンス、ジュンヨーの順で左手前で蹄跡に出ます。

手綱はゆるめのままで、常歩で歩かせます。先週のレッスンで、自分の脚の使い方がまずいことが分かったので、今日の自分のテーマは「脚」。
それでなくてもロゼッタは重いので、どんどん脚を入れながら歩かせます。今まで、脚で軽打する方向が、馬の腹に向かわずに後ろに向かって蹴っていましたが、今日は太股を鞍にちゃんとつけて、膝から下を馬の腹に向かって斜めに入れるように意識。拍車はつけていませんが、つけているつもりで、かかとについている(つもりの)金具が馬の腹に当たるように、かかとだけを内側に向かって動かすようにします。
それでもロゼッタは重いので、先に革のついている短鞭を肩に入れ、「ぴしっ」と強い音を鳴らすと、ロゼッタの頭の動きがちょっと良くなり、歩様も元気になりました。やっぱりこれが効くのか。

常歩のまま巻き乗り。あぁ、ロゼッタって素直でいいなぁ。美星の蹄跡のわずか外、思った通りのラインを歩いてくれます。
「じゃあ速歩行くぞ、歩度を詰め」お、ちゃんと歩度が詰まってる。「はやあーし」で軽打すると、1歩で速歩が出ました。調子が悪いときは速歩を出すのに半周かかったこともあるのに、今日のロゼッタは調子がいいようです。
軽速歩になると、今までの脚の入れ方がクセになってしまっているらしいので、かかとを意識しながら気を付けて入れていきます。前の美星ちゃんに追いつかないまでも、離されることなく走れています。
速歩の巻き乗りでも、きちんと速歩のまま回ることができました。いいぞいいぞ。
ですが、やたらと右側の鐙が外れやすい。左手前だと右の鐙が外方になるので、内方ばっかり踏んでいて外方が踏み込めていないせいかな、とも思ったのですが、右手前になっても外れやすい。右の鐙が長いのなかなぁ。踏んでいる感じでは、ほぼ同じ長さだと思うんだけど。
鐙を直させてもらおうかと思いましたが、何となくタイミングがつかめず、そのまま走ります。

しばらく速歩で走らせたあと、常歩に落とします。どんなに調子よく走っていても、ロゼッタは一度常歩に落とすと完全にエンジンが切れる馬で、のったりのったり歩き始めます。誰が休憩していいって言ったの、と脚を絶えず入れながら常歩。
「先頭美星だけ、駈歩やってみろ。他の馬は中を歩いていなさい」
あの重い重い美星ちゃんで駈歩出すって大変そう。スタッフとして下乗りもこなすUくんでさえ、駈歩発進に手こずっているくらいだもの。
ロゼッタを馬場の内側に入れて、Uくんの騎乗を少しでも参考にしようと観察。ロゼッタのほうに気持ちが行かなくなったのが分かったのか、ロゼッタが馬場中央で止まろうとします。ここで止まって休憩なんてさせたら、エンジン切れちゃって駈歩なんて出ないんじゃないか。脚を使い続け、少しずつでも歩かせます。休憩してる場合じゃないよロゼッタ、次はアンタが駈けるんだから。
「よし、次ロゼッタ、蹄跡に出て駈歩」
当然のように言われたのが嬉しいような、緊張するような。ロゼッタを蹄跡まで出し、一度停止。右手前で駈けていた美星に合わせて、全馬右手前で歩いていたので、必然的に右手前のままです。今まで駈歩は左手前でしかやったことないけど、右手前でもできるだろうか。今日は右の鐙が外れやすいので、右が内方になるのはイヤかも。
すると先生が、「反対手前でやるか?」一瞬の躊躇を見取られたのかしら、それともロゼッタが左手前のほうが得意なのかな。「そのほうが出やすいでしょうか?」「そうしなさい。半巻きで手前変えて、蹄跡から駈歩」
半巻きで、ちょうどトイレの手前あたりで蹄跡に出ます。一度そこで馬を止めて、駈歩の姿勢。内方の手綱(この場合左手)を少し控えて、外方の手綱は自信がないのでサドルホルダーを一緒に持ちます。内方のかかとをきっちり馬の腹につけ、外方の脚は引き気味に。はじめてロゼッタで駈歩やったとき、調馬索を外したとたんに全く駈歩が出せなかったけど、今日は上手くいくかなぁ。
内方のかかとを離さないように、外方で軽打、軽くムチを入れてみると、発進は速歩でした。しかし発進と同時にロゼッタが首を下げ、耳を倒しました。えっ、もう駈歩出るの?
たった1歩で、駈歩が出るなんてびっくり。正直、出るとも思っていなかったのです。クラブハウスを駈歩で通り過ぎ、この分なら大丈夫そうだと思ってサドルホルダーを離します。
先週、ウィンダムの駈歩はふわんふわんという感じでしたが、ロゼッタの駈歩はなんだかがったん、がったんという感じ。速歩で反動高い馬の駈歩ってこんななんだ。1完歩が小さそう。
と、気持ちに余裕ができたとたん、ロゼッタが止まりそうになりました。えーと、駈歩で脚を入れるのってどうやればいいんだろう?と思っているうち、止まってしまいました。1周できなかったなぁ、残念。
脚で馬を前に出せなかったのがまずかったのか、サドルホルダーを離したことで手綱がうまく張れなくなったのか。安定して駈歩を出せるようになるには、まだまだ修行が必要だなぁ。

アルフォンス、ジュンヨーと続き、ひととおり全員が駈歩をしたところで、蹄跡に戻って速歩。がんばって脚を使っていきます。かかと、かかと。
「体起こせ」あ、いけない。脚ばっかり意識していると、上体が前傾してしまうクセがまた出てしまったようです。脚に力を入れると、身構えてしまうのかなぁ。そういえば今、ロゼッタの耳ばかり見えていたかも。体を起こすと、ロゼッタの耳なんて目に入りません。この姿勢じゃなきゃいけないんだよね。「今日はなんだか前傾になってるぞ、気を付けて」

残り10分を切ったころから、やたらとロゼッタがよくつまづくようになってきました。つまづくというのは集中力がなくなった証拠で、「まだ終わんないのぉ〜?」って感じ。ロゼッタは時計が読めるに違いない。つまづいたら叱るようにと言われていますが、タイミングを外して上手く叱れないことが何度か。
一度、派手に両後肢でつまづかれ、ロゼッタも自分でびっくりしたのかバタバタッと地団駄を踏むような感じになりました。こういうことで(落ちるかも?)と思わない程度には、焦らず対処できるようになったけど、そもそもつまづかれていることに問題があるんです。

時間が来たので、手綱をゆるめて沈静化。
歩きながら、馬体から脚を浮かせて当たらないようにしながら、駈歩発進の脚を練習していると、先生が「駈歩発進のときは、もっとためないと。手綱を張って、馬が前に行こうとする力をためて、力が後肢に乗ってから出すんだよ」そういえば、『乗馬ライフ』にもそんな意味のことが書いてあったような。駈歩がでにくい馬に、「2〜3歩バックしてから駈歩発進」と先生がおっしゃるのも同じ意味なのでしょう。さっき駈歩を出したときは、そこまで気にしていなかったので、次回はそれを気にして発進するようにしよう。

馬場中央に馬を並べて挨拶、下馬。
馬も人も昼食なので、蹄の裏掘りだけして馬房に戻します。なんだか相方ともども、もう1鞍くらい乗りたい気分。ですが今日に限って、レッスンに余裕がなさそうです。決して不完全燃焼というわけではなかったのですが、駈歩がちゃんと出たので、もう1回復習しときたかったなぁというのが正直なところ。
いつものように、他の人たちのレッスンを見学しながら過ごしましたが、同時期に入会した人たちが揃って駈歩レッスンでした。なんか、みんなでここまで来たねぇ。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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