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(2002.7.20 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ロッキーちゃん
私もちびだが、ロッキーちゃんもちび。
(75鞍目からのつづき)
あまりの暑さに15時のレッスンをキャンセルしましたが、水分をたくさんとって休憩していると、私もだいぶ体力が戻ってきたので、クラブハウスでみんなとおしゃべり。I野先生から、「16時になれば涼しくなるから、そこで乗ればいいよ」と勧められましたが、体力と相談ということで保留。
相方は予定どおり15時から乗るので、馬装に行きました。I野先生が15時の指導に向かう前に、ホワイトボードの所でEさんに、16時が空いているから乗るようにすすめています。先生が私のほうを向いて、「で、高階さんはどれに乗るんだ?」え、それって既定の事実だったんですか(苦笑)。
ホワイトボードを見に行くと、本当に予約が全く入っていません。Eさんは私より鞍数の浅い人で、ロゼッタに乗ることになり「ロゼッタ初めて乗るんですぅ」と不安げ。そうでしょうとも、私はロゼッタに初めて乗ったとき、まったく動かせなかったよ(という不安にさせるようなことは黙っておきましたが)。
するとロゼッタを引っ張って行けて、体力をあまり必要としない馬がいいな。馬のほうの体力のことも考えて、今日はまだ2鞍しか乗られていない「ロッキーでいいですか」。
ということで、ロッキーに騎乗することに決定。

15時のレッスンは、普通の部班レッスンの隣の馬場で、外国の方がビジターレッスン。「日の出も国際的になったねぇ」と見ていると、この人上手いんだ。あんまり上手いので、部班に混じることになりました。
最初は「速歩って英語でなんていうんだ?」とうろたえ気味だったI野先生も、彼女が前の馬についていく格好で、速歩、方向転換、駈歩も簡単にこなす上、金髪サラサラの美人ときているので、上機嫌にご指導なさっていました(笑)。
そのレッスンを横目で見つつ、私は馬装へ。ロッキーは馬装に全く手の掛からない馬なので、装鞍は簡単に終わり。前のレッスンが終わって、そろそろ出る時間かなと思いましたが、I野先生が「16時ぎりぎりに出てきなさい、暑いから」と気を遣ってくださったので、3分前にハミをかけ(この子は自分からハミを噛みにくる!)、馬場に出ます。

馬場中央で騎乗し、鐙の長さや腹帯を調節していると、「ちょ〜っとアブーミが長いんじゃあり〜ませんかァ」と変なアクセントでしゃべりながらI野先生が出て見えて、「外人さんなんか教えてると、アクセントがヘンになるねぇ」先生、楽しそうですね。
今日はもちろんロッキーちゃんが先導だな、と思っていると、「高階さん、今日は先に行って引っ張ってあげなさい。基本を見直す意味で、ゆっくり行くからね」体力的にも、がんがん飛ばすのは今日はもう遠慮したいので好都合。逆に、先生にそう言われてしまったってことは、馬を追うことに気を遣わなくていい分、下手な姿勢で乗ったら即座に怒られるだろうな。かえって緊張するかも。
発進が楽なロッキー、左手前で蹄跡に出します。

ロッキーに乗るのは久しぶりなのですが、やっぱり素直で軽い馬。一応脚を使ってはいますが、あんまり脚を使うとロゼッタを引き離してしまうので、入れなくても大丈夫そう。脚を入れることよりも、脚を引くとか、肩を引くとか、姿勢のほうを気にして常歩をすることにしました。
これが、あらためて意識すると全然脚が引けてないし、踏めてないし。
何周か常歩をしたときに、「常歩の速さっていうのはね、1分に110メートルっていうのが本当なんだ。ここから1分計っているから、やってごらん」ロゼッタには悪いけど意識しないことにして、今度は脚を強めに使いながら常歩。今までよりぐんと動きがよくなって、よく首を使って歩いてくれましたが、「はい、そこで1分。ダメだな、1周してないぞ。90メートルくらいしか行ってないんじゃないか」そんなに遅い常歩をしたとは思わなかったのですが、それでもダメだってことは、もう少しで速歩が出る寸前のところで、抑えながら常歩をするくらいじゃないといけないんだな。
でもこれで調子が出だすと、ロゼッタがぜんぜん追いつけなくなってしまいました。ロゼッタの足音で距離を測りつつ、あまり距離が離れるようだと巻き乗りをして調整。
あぁ、ロッキーちゃんの巻き乗りって楽ー。手綱を強く引いたり押したりしなくても、脚だけでちゃんと巻いてくれるんですもん。嬉しい。

さて速歩。ロッキーは速歩を出すのも非常に楽ですが、たぶん後ろのロゼッタはなかなか出ないだろうな(自分が昔そうだったから)。このレッスンでの私の役目はロゼを引っ張ることなので、抑えた速歩。最初は勝手に巻き乗りをしたりしましたが、やはりロゼッタはまったく速歩が出ない。速歩ではまだいいのですが、軽速歩をとるともう、ロッキーの歩様では引き離す一方です。仕方ない、これは普通に軽速歩で1周して、追いついたら抜かせてもらうしかないだろう。
1周して追いついたとき、先生に「抜いていいですか?」と聞くと、「そうしなさい。Eさん、今ロッキーが追い抜くから、それについて速歩出してみなさい」ああそうだ、私も昔それやってもらったっけ。ロゼッタは他馬が近づいてきたからといってビックリしたり怒ったりする馬ではないので、できるだけ近くを通って抜き、ロゼッタがつられて速歩が出るように、ロゼッタの前に入ると抑えた速歩をしてみます。ちょっとだけ出そうにはなったようなのですが、持続せず、また常歩。こういうとき、私のムチ(先端の革が広めで、大きな音が出る)を貸してあげると動くかもしれないけど、まだムチを持つだけでびくびくしているEさんには、音が出るほどムチを入れるのは難しいだろうし。

ロゼッタが速歩を出すように、追い抜くときにはロゼッタに聞こえるように舌鼓を使ってみますが、ロゼッタはどこ吹く風。ロッキーちゃんのほうが反応して元気良くなっちゃった。
私のほうは走りながら、拳が上下しないようにとか、姿勢などに気を付けながら走ってみます。今日の主役はEさんなので、私は自分で考えるヒマがある。もちろん「脇が甘いぞ」とか、先生が小さい声で言ってくださるので、そのたび自分で気を付けるポイントが増えていく。
軽速歩で座るとき、ロッキーちゃんの鞍はぎしっ、ぎしっと音がします。そういえば軽速歩の座るときは、鞍の前のほうに座るようにと言われているけど、この鞍だと、後ろに座ると余計大きい音がするので、恥ずかしくて座る位置が矯正できるって仕組みなわけ(いや、誰も仕組んでないけど)。

しばらく走ってから常歩に落とし、停止の指示。我ながらいい姿勢で止まれたぞ、と思ったとき、「いいかEさん」と言いながら先生が私に近づいてきて、小声で「この姿勢で動くなよ」と言います。停止の姿勢のまま、固まる私。
「いいかい、見てみなさい。彼女(私のこと)なんか、かなり脚を引いてるように見えるけど、それでもこれくらいなんだよ」と、長鞭を立てて私の背中のラインに沿わせます。すると、そのラインにふくらはぎが当たっていません。うわー、ダメじゃん。
「じゃあ脚引いてごらん」と言われ、頑張って脚を引きます。「これくらいが本当の姿勢だよ」と、私をモデルにしてEさんに指導する先生。モデルにされるほうも勉強になります。

それからまた少し速歩。しばらく走って、また常歩に落とすと、先生が「大丈夫か?少し水飲むか?」と言ってくださいました。休憩中、「熱中症で脱水症状起こした経験がある」なんて言っちゃったもんだから、気を遣ってくださったみたい。「大丈夫だとは思うんですけど…」「でも飲んでおいたほうがいいぞ。ダンナさんに言って、水を持ってきてもらおう」
クラブハウスの前で停止し、I野先生が相方を呼びだして「奥さんの飲み物持ってきてあげなさい」と指示している様子。私がいつも持参している小さな魔法瓶を持ってきてもらい、馬上で麦茶を飲みました。給水ポイントのあるレッスンなんて初めてだよ。

また速歩にする前に、先生が「今日はもう駈歩はいいだろう?」と聞いてきました。反動の少ないロッキーちゃんの駈歩がどんなものだか、経験してみたいなとちらと考えましたが、「はい、いいです」と言ってしまいました。あんまり無理しないほうがいいだろうと思ったし、今はK野さんの調教の賜物で初心者を乗せられるようになったロッキーちゃんも、日の出に来た頃はびゃーっと駈けちゃう馬だったので、駆け出したら止められないということもあり得なくはない。
それ以降は普通に速歩をして、ちょっとだけ早めに「常歩に落として、手綱伸ばして」沈静化になりました。
自由常歩でも、ロッキーはどんどんロゼッタを置いていくので、試しに手綱を伸ばしたまま脚で巻き乗り。外方の手綱で壁が作れないぶん、かなりふくらんだ巻き乗りにはなったものの、ちゃんと巻いてくれました。

馬場中央に並んで挨拶し、下馬。さっきほどではないけど、下馬するときに右足が上がりきらない。
馬場から馬繋場に連れて行く途中、Eさんはやたら恐縮して「ご迷惑おかけしました、すみません」と言っていましたが、自分もかえって勉強になったので、ぜんぜんそんなのは迷惑じゃないです。自分もそうやって上手い人に引っ張ってもらって、ようやく今のレベルになったわけだし。
馬繋場に帰ると、A木さんから「ロッキーこれで最後なので、丸洗いお願いしまーす」「丸洗い? やったー! 」暑いので、水使って洗いたい。ついでに自分も洗ってしまいたいくらいです。
全身に水をかけて洗ってやっている最中、ロッキーはうちの相方にかまってもらっていましたが、甘えんぼでおしゃぶりちゃんなロッキーちゃんは、鎖をしゃぶったり相方の手をしゃぶったりしていました。こども・・・

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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