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(2002.8.3 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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先週よりも少しだけ暑さが落ち着いて、これなら今日の騎乗はつらくなさそう。いつも通り、10時半ごろに日の出乗馬倶楽部に到着。
ホワイトボードで騎乗馬を確認すると、私たちの名字がアルフォンスとウィンダムのところにありますが、名字しか書いてありません。「これ、どっちがどっちに乗っても良さそうだな」「こっちで決めちゃう?」「大丈夫じゃん」「じゃああたし、アルに乗りたい」まだアルフォンスで駈歩をやったことがないのだ。アルで障害をやる気なら、早いうちにやっておかなくちゃ。
クラブハウス前にI野先生がいらして、先週のホースショーのことを聞かれ、「何か持ってきた?」「何か・・・そうだ、写真持ってきました」「よしよし、見せてもらおうかな」とクラブハウスに入ってホースショーの報告をしていると、時間がたってしまったので「馬装に行って来まーす」「今日は馬はどれ?」「あ、ダンナと私で、アルフォンスかウィンダムどっちかみたいなんですけど、どっちでもいいですよね?」「そうだな」では遠慮なくアルフォンスに乗らせていただきます。

アルフォンスの馬房に行くと、アルはこっちを向いていました。「アル、お仕事だよー」と声をかけながら扉を開けると、「いやーん」というように体の向きを変えてしまったので、馬房にずかずか踏み込んで無口をかけます。引き手で連れ出して、だいたいいつもこの子はトリコの馬房の前で立ち止まって動かなくなるので、気を付けて…おや、止まらない?
ちょうどそのとき、スタッフのA木さんに「おはようございまーす」と声をかけられましたが、アルが立ち止まらなかったことにびっくりした私は「見て、アルが止まらなかったよ!」と返事してしまいました。
裏掘り、ブラシをかけて、鞍の下に敷くタオルを探して戻ってくると、K野さんがタオルと毛布を敷いてくれていました。鞍を置いて、腹帯を締めようと思いましたが、私は素手では力が入らなくて腹帯が締められないので、グローブが必要。あれ、グローブが片方しかない。家を出るときにはあったので、おそらく更衣室で落としてきたんだな。仕方がないので腹帯は軽く締めて、「忘れ物取ってきます!」とクラブハウスにとって返します。グローブあった、良かった良かった。
グローブを付けながら馬場を突っ切って馬繋場に戻ると、もうK野さんがアルにハミをかけていました。「あー残念、自分で挑戦したかったのに!」とK野さんに言うと、「いいですけど、もう時間ないですから。どこ行ってたんですか」「グローブ置いて来ちゃって、取ってきたの」
「もう出ていいですよ」ということで、馬場に出ようとしますが、今度は立ち止まって動いてくれないアルフォンス。A木さんがアルのお尻をたたいてくれましたが、それでも一歩しか動きません。「いいこと考えた、長鞭持ってるでしょ?それでお尻つついて」すると動き出しました。この子を連れて歩くときは、あらかじめ鞭が必要だなぁ。

馬場に出て、騎乗。A木さんに踏み台を持ってきてもらって左足を鐙にかけると、ずいぶん鐙の位置が高くて足が上がらない。これは鐙が短かったかも。
騎乗してみるとやはり短くて、「わはは、これじゃ障害だよー」と、A木さんに手伝ってもらって鐙を伸ばします。とりあえず2穴長くしてみて、ちょうど。
今日のレッスンはUくんと美星、最近入会したWさんとロッキー、ウィンダムと相方、私とアルフォンスの4頭部班。I野先生が出て見えて、「ウィンダム先に出なさい。次ロッキー、美星は間に入って、最後アルフォンス」本来、イケイケのロッキーを従えて先頭に出ることになった相方は、「これは、新人のWさんを引っ張って行かなきゃいけないんだな」と責任を感じたそうです。
美星の後ろで蹄跡に出た私に、先生は「気を付けろよ、前の馬蹴るから」先生、分かってますけど、そんなことあらためて言われると怖いです…

蹄跡を常歩行進、アルはまず発進から遅れてしまったのに、虫を追うことに一生懸命で、いちいち立ち止まって後肢で虫を払うので、どんどん遅れていきます。そのたびけっ飛ばして叱り、脚とムチも入れますが、一瞬しか効かない。やる気なさそうだなぁ、こいつ。
仕方がないので大幅にショートカットしますが、追いついたと思ってもまたすぐ離されてしまいます。 先生のそばを通り過ぎるときだけ、ちょっと歩様が元気になって(たぶん先生の追いムチと舌鼓のおかげ)速歩も出そうになったので、よしこの勢いで行けっ、と舌鼓で追ったのに、5メートルも行くとまただらだらになる。「拍車、拍車」の先生の声に、頑張ってかかとでアルの腹をこづくと、ちょっと耳がこっちを向くのですが、それだけ。反応しなさいよ、あんた。

「歩度をつめ、はやあーし」お、速歩は簡単に出るのね。アルフォンスは体が大きいからか、速歩になると1歩が大きく、常歩で引き離された分をどんどん縮めてしまいました。
前の美星に追いついて、間隔が1馬身になったとき、美星が突然ぐわっと横蹴りをしました。本人は虫を払うつもりだったのかもしれないけど、そこにあったのはラチ。パイロンに木の板をくくりつけたラチが、美星に蹴られて馬場の内側に向かって倒れてきました。ぎりぎり、アルフォンスの前肢の30センチくらい手前までしか倒れず、アルには当たらずにすんでアルもあんまり驚かなかったけど、ホントに怖いよ美星ちゃ〜ん。絶対1馬身より近づくまい。

速歩になると、先頭のウィンダムがなかなか歩度が伸びなくなり、そのくせ2番騎のロッキーはどんどん行っちゃうので、前がつまった感じになってきました。
この状態で各個に巻き乗りすると、速歩の巻き乗りのはずなのに、ウィンダム、美星、アルフォンスとそろって常歩に落ちる。ダメじゃん、これじゃ。
中央線で手前を換える途中、「今日ちゃんと動くのロッキーだけじゃないか、どうするんだ」と先生のぼやき。ご期待に添えず申し訳ありません。アルフォンスは前に馬さえいれば歩度を伸ばすのはそんなに難しくないはずなんだけど、前にいるのは美星。さっきの見事な蹴りっぷりで、こっちがちょっとびびって伸ばしきれなかったのは確かです。

「じゃあ全員中に入ってきなさい。ウィンダムとアルフォンス、蹄跡に出て。駈歩やるぞ」
そういえば前回、私がウィンダム、相方がアルフォンスで駈歩やったときもこの順番だったし、他の人でも見たことがある組み合わせ。この順序が定番らしい。
常歩だとだらだら歩いて、なかなか蹄跡にたどりつかないアルフォンス、「ちゃんとウィンダムについていかないと、駈歩出ないぞその馬」やっぱりそうなんだ。
蹄跡で一馬身の間隔を置いてウィンダムの後ろにつけ、速歩から。アルフォンスの駈歩は初体験で、どんな感じか分からないので、一応外方の拳ではサドルホルダーを持ち、外方の拳と脚で壁を作って準備。アルフォンスの駈歩はなかなか出ないと聞いているから、相当頑張らないとだめなんだろうな。
速歩から始めて、ウィンダムについていくと、意外やアルフォンスの首が元気に上下して、もう駈歩を出す準備をしているではありませんか。内方姿勢と、外方の壁だけで駈歩だと理解したのかな。しかしウィンダムが駈歩を出してくれないと後続の私が先に出すわけにも行かないので、まだかかとに力は入れないでおきます。ウィンダムが駈歩になるな、と思った瞬間、「よし行けっ」と内方のかかとを強くこすり上げると、あっさりと出ました。しかも、この子の駈歩ってこんなに安定してるんだ。速歩だと反動が大きくてつらいけど、駈歩についていくのはつらくない。すこし前後のうねりが大きいような気もするけど、頑張って腰とふとももでついていくようこころがけます。
しかし自分が前回そうだったように、ウィンダムが内に切れ込み始めたので、とりあえず停止。いいなぁ、アルフォンスの駈歩。速歩より好きだ。
「もう一回いくぞ」との先生の声、こちらが体勢を整えただけでちゃんと駈歩の準備ができているアルフォンス。ウィンダムは駈歩になる瞬間に耳を絞るクセがあるのを知っているので、前を行くウィンダムが耳を絞る瞬間を待って拍車(金具はついていないけど)を使ってやると、またも簡単に駈歩が出ました。アルフォンスの駈歩が出にくいっていうのがウソみたい。
駈けながら、先生が「速いぞ!」とおっしゃるので、ちょっと手綱を引いてスピード調節。速歩に落ちちゃうかな、と思いましたが、駈歩のままスピードを抑えられました。

馬場の内側に戻り、Wさんはまだ駈歩ができないので、軽速歩で蹄跡を独走。それを馬場中央で見ている間、相方が「アル、駈歩出た?」と聞いてきたのですが、先生がそれを聞きつけて「出たよ、きれいな駈歩が」と代わりに答えて下さいました。私が自分で言うより説得力ある。相方は先日アルでうまく駈歩が出なかったので、私が出せたかどうか気になったらしいです。ふふん、私はアルとは相性がいいんだよ。
WさんのつぎにUくんが美星で駈歩、美星こそ本当に駈歩が出ない。半従業員で下乗りなんかもやっているUくんでさえああなんだから、私美星で駈歩なんか絶対出せないや(出されたことはあるけど)。 あまり駈歩が出ないので、先生が馬繋場にいたスタッフのK村さんに「ちょっと乗ってやれ」というような指示を出し、K村さんが降りてきました。
「調教師の先生が登場だよー」と冷やかすと、競走馬育成の経験があるK村さんは「いや、ただの乗り役」と美星にまたがり、「U、お前足長いなー」と言って鐙の長さを合わせもせずに、蹄跡に出るなり速い駈歩を出して見せました。
鐙が踏めるとか踏めないとか、そんなこと関係ないんだなぁ。うーん。

もう時間が来ていたので、そのまま蹄跡に出て手綱を伸ばして歩かせ、沈静化。
すると途端にショートカットしたがるアルフォンス、駈歩はちゃんと蹄跡どおりに走れるのに、なんで沈静化で内に入るわけ?まぁいいけど。
沈静化のときにあんまり規制してもかわいそうなので、蹄跡を外れすぎたときだけ、ウェスタン風に手綱をかたむけて脚を使い、蹄跡に戻します。
馬場中央に馬を並べ、挨拶して下馬。停止するなり虫が気になるアルフォンス、危ないから下馬するときに虫を追うのはやめてちょうだい。
馬場に出るときはあんなに頑固なくせに、馬繋場に戻るときは素直についてくるアルフォンス、私の肩に鼻息がかかる距離でふんふん言っているので、つい「ん?何?」と聞いてやりたくなります。別に何も言ってないんだろうけどね。

(79鞍目につづく)

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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