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(2002.8.3 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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(78鞍目からのつづき)
午前中に1鞍乗ったあとは、いつもどおりクラブハウスでおしゃべりしながらだらだら。今は酷暑を避けるため、一番暑い13時・14時のレッスンはお休みになっていて、それがずれ込んだ分、夕方16時・17時の障害レッスンは馬場レッスンに差し替え、障害レッスンは暑さが落ち着くまで中止されています。
17時のレッスンに来るはずだったM野さんからキャンセルの連絡が入り、「17時のアルフォンスが空いたよ、乗らない?」という話になりました。今日はそんなに暑くないので、もう1鞍乗ってもいいけど、どうしようかなぁ。
ママさんが、「さっきアルフォンスできれいな駈歩してた人は誰ですかー」え、今日はアルフォンスに乗ったの、私しかいない。私のこと?おそるおそる手を挙げてみると、「そうよ、いい駈歩でしたよ。もう一回やってみなくちゃ」おだてに乗って、17時からアルに乗ることになってしまいました。
相方は今度はロッキーに乗ることに。
もともと17時に乗ることになっているメンバーを見てみると、先週ホースショーの選手だったAさんとQさんのおふたりと、Iさんご夫妻。ひぇー、6頭部班か。「大丈夫大丈夫、6頭までならなんとかなるよ。このメンバーなら同時駈歩かもねー」とQさん。いよいよ本当の駈歩部班ですか。
どう見てもこのメンバーの中では私が一番下手なので、引っ張ってもらうしかないなぁ。

16時半になったので、今度は全部自分で馬装をしようと、アルフォンスの馬房へ。アルは今度は簡単に無口をかけさせてくれましたが、馬繋場に出るところで立ち止まりました。どれかやらないと気が済まないんだね、お前は。
簡単に蹄の裏掘り、ブラシかけをして馬装。今度は自分で全部やりましたが、ハミかけで悪戦苦闘。もうちょっと、もーぅちょっとなんだけどなーというところで、顔を上に上げて逃げるので、今日は鼻を叩いて叱ってしまいました。見かねたスタッフのK村さんが手を出そうとすると、ハミが入りました。人を見てるな、こいつめ。
前のレッスンが終わったようなので、馬場に出ます。

馬場で騎乗する間も、虫が気になってしかたないアルフォンス。虫除けスプレー持ってくれば良かったなぁ。
さすがに6頭もいると、騎乗用の踏み台はなかなか回ってこない。K野さんがやってきて、「足上げで乗りましょう」と言うので、左足を持ってもらい、ジャンプして鞍に腰を乗せるようにして騎乗。前よりはマシになったと思うけど、タイミングが下手なのでちょっと左足の筋にピキッときました。
鐙の長さは、さっき私が乗ったままなのですでに合っています。腹帯を鞍上から自分で締めると、他の人のところに行っていたK野さんが戻ってきてチェックしてくれて、「大丈夫ですね」いつもだと自分で締めたあと、スタッフの誰かにもう1穴締め直してもらうことになるんだけど、今日は大丈夫でした。アルの腹帯、ゴム腹帯だから締めやすいしな。

馬場中央に並んでいると、「あれM野さんじゃないか?」とAさんが言います。見ると、確かにクラブハウスに座っている女性はM野さん。キャンセルしたけど来たのね。「M野さーん、乗り替わろうか?」と声をかけてみたけど、馬場からでは聞こえなかったようです。
I野先生が出て見えて、6頭部班の順序を指示。Aさんのコスモ、相方のロッキー、Qさんのウィンダム、Iママさんのロゼッタ、Iパパさんの美星、そして私のアルフォンス。・・・また美星の後ろか・・・
常歩で蹄跡に出ると、先頭の3頭はさくさく歩いているようなのですが、後半3頭がそれぞれ重く、先頭のコスモに追いつかれそうになってしまいました。アル、虫追ってる場合じゃないよ。どんどん蹴って 追いますが、あくまでもマイペースなアルフォンスです。

さて速歩になると、常歩のだらだらさ加減がうそみたいにちゃんと走ります。軽速歩をとると、前の美星に追いつきそうになるくらいで、ときどき速歩に落として調節します。あんまり近づくと、また蹴られそうで怖い。
速歩のとき、先週ララミー牧場で習ったように体を後ろに倒してみます。アルは反動が高いのですが、体を後ろに倒せば倒すほど反動をまともに受けてしまい、体が跳ねる。「そんなに体倒さなくてもいいぞ」と先生の声、馬によっても違うのかなぁ。うーん難しい。
しばらく走っていると、アルの歩様がちょっと乱れたような感じ。つまづいたのともちょっと違うような気がする。しばらくして、またちょっと乱れる。左後肢だ。もしかして跛行かなと不安になり、アルの歩様を意識しながら軽速歩を続けていましたが、やはりときどき乱れる。先生に「アルの歩様見てください」と言おうと思いましたが、これだけ走っていて跛行が出ていれば、私よりも見ている先生が先に気がつくはず。跛行じゃないとすれば、・・・と考えていて、気がつきました。この子、走りながら虫を追っているんじゃないか? 確信はないけど、アルならやりかねない。

速歩で走っていると、先生が何か指示したのですが、6頭いると先頭から最後尾の私まではほぼ半周あるので、何の指示なのか聞こえませんでした。前の人たちを見ると、速歩のまま立ち乗りやってるみたい。あわてて自分も立ち乗りをします。ひさしぶりなので、立ち乗りのバランスを体が忘れてる。数歩しかバランスが保たず、お尻をついてしまいます。この馬で障害飛んでるんだから、2ポイントもやってるはずなんだけど。手綱を繰って短く持ち、前傾してみると、ちょっとバランスがとれるようになりました。すると先生から、「そこまで前傾しなくていいぞ」ありゃ、完全に障害飛ぶ瞬間の体勢になっていたみたい。
なんとか立ち乗りのバランスが保てるようになったころ、「お尻下ろしていいよ。速歩のまま、鐙脱いでごらん」立ち乗りをやめて、鐙から足を外して速歩。ふつう、鐙上げで速歩をすると馬の反動をまともに受けずにすむのでお尻が跳ねないものですが、アルフォンスだとがんがん跳ねる。あんまり鞍の上で跳ねすぎて、落馬しそうなくらいバランスを崩してしまいました。ひゃあ、アルフォンスの反動ってこんなにきつかったんだ。背中で全く反動が抜けてないんだなぁ。
「そのまま鐙はかないで、軽速歩」鐙に足を乗せずに、立つ、座るをやるわけです。鐙に頼れないということは、騎座を支点に立つしかあるまい。立つというよりも、鞍の前橋に乗り上がるようにしてやってみると、できるできる。鐙をはかずに軽速歩、できるじゃないの。ときどき膝を支点にしてしまいそうになるので、膝はできるだけ馬体から離して、ふくらはぎからくるぶしだけを馬体に接するようにして軽速歩します。
奇しくもほぼ1年前、Aさんが鐙上げでの軽速歩をやっているのを「ほえー」と見学していると、I野先生に「よく見ておきなさい、半年後のあなたの姿だ」と言われたことを思い出しました。半年後ではなくて1年かかったけど、あのとき「半年後に自分がこのレベルに行けるなんて信じられない!」と思ったことを考えると、感慨深いものがあります。
鐙を履いて、軽速歩。鐙上げの前よりは、ふわふわと乗れているような気がする。しかし脚を入れるときに、かかとにばかり気持ちを集中していたら、先生から「そんなにつま先外に向けないで。膝は鞍から離れてもいいから、ふとももは鞍から離れないようにするんだぞ」と注意を受けました。かかとで馬を刺激しようとばかり思って、ガニ股になっていたらしいです。足首固いんだろうなー。

常歩に落とし、馬がばらけて蹄跡に均等に配置したような形になりました。そこで各個に巻き乗りの指示、「蹄跡から駈歩」う、全頭いっせいに駈歩ですか。この頭数で、出なかったらあっというまに追いつかれるなぁ。
先頭の3頭はすぐ駈歩が出たらしいのですが、前にいる美星はやはり出ない。アルは一瞬駈歩を出そうとしてくれたのですが、前につっかえてすぐ速歩に。うわ、コスモにまた追いつかれちゃった。
全頭駈歩は失敗に終わり、先生が「みんな中に入ってきなさい」と、単騎での駈歩に切り替えられました。
「誰から行く?」ロッキーが出ることになり、相方が蹄跡へ。うわ、やっぱりロッキーちゃんの駈歩って速い。相方も「抑えろ、抑えろ」と言われていましたが、これは私には怖いかも。この間、無理して挑戦しないで良かった。相方はそのまま駈歩の巻き乗りに初挑戦、成功してるじゃないの。いいなぁ。
「つぎAさん行くか?」「いいですよ私は最後で。いや、それじゃやっぱり出ようかな」とAさんがコスモを蹄跡へ出すところへ、先生が私に向かって「ついて行かないと、駈歩出ないぞ」とおっしゃるので、「じゃあついて出ます」コスモの後ろで蹄跡へ。
最初Aさんは右手前で蹄跡に出たのですが、先生が「左手前のほうがいいんじゃないか」とおっしゃるので、左手前に方向転換。私も「おともします」と一緒に方向転換します。左手前で蹄跡に出たところから、Aさんが駈歩発進。ところがアルは速歩しか出ず、自分の推進が弱いのか、外方の規制が足りないのかと一瞬考えて、内方脚と外方脚をやりなおしたら駈歩が出ました。
駈歩でついて行きますが、あれ、コスモの歩様が尋常駈歩じゃない。よく見るとハーフパス(斜め横足)。さすがAさん、ハーフパスに挑戦してるんだぁ、と思ったんですが、先生が「速歩に落として、もう一回やりなおし」とおっしゃっているので、どうもそうではないらしい。駈歩とハーフパスの扶助って、きっとすごく微妙な差なんだろうな。コスモはもともと馬術馬だから、Aさんが駈歩のつもりで出した扶助が、コスモにとってはハーフパスだったのでしょう。
一度停止して、駈歩のやりなおし。やはりコスモは最初ハーフパスが出てしまったようですが、駈歩になりました。ところが1周もしないうちに、コスモが横っぱね。おっと、ぶつかりに行きたくないのでとっさにアルを馬場内側に向けると、アルもほんの軽くですが尻っぱねしてしまいました。馬をとめて振り返ったAさんは「ごめん! 大丈夫かい?」とまず私を気遣ってくれましたが、「大丈夫でーす」こういうとき、アルはわりと安定感あるなぁ。
しかし、今日はよく前の馬に跳ねられる日です。自分が跳ねられたほどびびってはいないけど、ちょっと腰が引けてるのも確かかも。
結局、さっきのレッスンはウィンダムに引っ張られていただけなのかなぁ。前の馬が変わっただけできちんと駈歩が出せない自分がふがいない。

全員がそれぞれ単騎で駈歩を終わり、時間が来たので沈静化。
馬場中央に馬を並べると、さすがに6騎は迫力あるなぁ。挨拶をして下馬しようとすると、アルは腹の下の虫が気になるのかかゆいのか、器用に鼻先を左の腹にこすりつけようとします。あの、あたし今からそっちに降りるんですけど、やめてもらえないかなぁ。アルが前を向いた隙を狙って素早く下馬。やれやれ。
馬繋場に連れて行き、K村さんに「アル丸洗い?」と聞くと、「あ、こっちでやっちゃうね、こいつ皮膚病だから」と、手早く洗われて消毒もされていました。そういえばアルフォンス、今日は首のあたりに虫さされとじんましんらしいものがあったんだよね。水こきとタオルドライはやらせてもらいましたが、ちょっと首周りはかわいそうなので強くかけないことにします。
全身拭いてやって、A木さんがコームでたてがみをすいてやると、「もっとやってぇぇ〜〜」と首をかたむけて寄っていくアルフォンス。かわいいですね、実に。

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