←80鞍目 81鞍目・カドリールの夢
(2002.8.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
82鞍目→
↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場
今日から夏休み、乗りまくるぞー。平日ですが、意外にも予約が多かったので夕方17時からのレッスンになりました。
ラーメン屋さんで昼食を摂って、倶楽部に到着したのが15時すぎ。ホワイトボードを見てみると、私がロッキー、相方が美星。この間ロッキーで騎乗が納得いかなかったから、今日は納得行く騎乗がしたいな。予約したときよりさらに人数が増えていて、6頭部班になるらしい。
少し早めについたので、時間までクラブハウスでのんびり。馬場がものすごく乾燥していて、ほこりが舞い上がっています。今日だけバイトの高校生馬術部員くんたちが水をまいていますが、馬場中央にまで届かないのでほとんど気休め。今日はゴーグル必須だな。

馬房に行くと、ロッキーが馬詮棒の上から顔を出していたので、とりあえず先に無口と引き手をつけてから、馬詮棒を外しにかかります。ところが、馬詮棒のねじを誰かががっちり締めてくれたらしくて、私の力では全然緩みません。相方を呼んできて緩めてもらおうとしましたが、相方の力でもだめだったらしくて、「クラブハウスでペンチか何か借りてきて」クラブハウスに走り、ママさんに「ペンチって借りられますか」「はいはいありますよ、どうしました」「ロッキーの馬詮棒が外れなくて」「あら、それなら専用の器具があるのよ、K村くんに聞いてみて」今度はスタッフのK村さんを探しに行こうとししたら、相方がどこからかレンチを発見していて、それで緩めることができました。
そこへママさんから聞いたらしくK村さんが駆けつけて、「なんだ、ここにあったんだよ」ロッキーの馬房の柱に、ねじを外す専用のねじ回しみたいなものが引っかけてありました。あら、そんなのがあったのね。気がつかなかった。

ロッキーを馬繋場に連れて行き、裏掘りとブラシをかけて馬装。タオルと毛布をかけて、ジェルパッドを探しますが、ない。離れた馬繋場のほうならジェルパッドが余っているのではないかと思い、取りに走ったのですが、「全部使ってるよー。馬装外せばあるけど」直前のレッスンで5頭出ていたし、これから始まるレッスンでも6頭出るので、全部使っちゃってるらしい。それならロッキーのいる馬繋場に入ってきたモンブランがもうお仕事終わりなので、モンブランの馬装を外したところからもらっちゃおう。
モンブランは馬繋場の数が足りず、馬繋場の外で待機していましたが、もう腹帯を緩めてもらっていたので、そこからジェルパッドを抜き取りました。「すごいことを」と言われてしまいましたが、だってそうしないと馬装が間に合わないんだもん。

なんとか馬装を終えて、ハミをかけると時間ぎりぎりでした。かなり余裕を持って馬装を始めたのに、いろいろと走り回ったので時間が経ってしまっていたみたい。急いでロッキーを連れて馬場に出ます。
鐙を下ろし、マルタンガールを装着している間に踏み台を持ってきてくれたので、騎乗。今日は腹帯を自分で締められました。ロッキーは素直で、腹帯締めるときにお腹ふくらませたりしないからやりやすい。
I野先生が出て見えて、「じゃあ、今日はロッキーから行こう」と先頭を指示されます。ロッキーの場合、前に馬がいるとかかっちゃうけど、先頭だとそうでもないので、このほうが安心して馬を動かせそう。私の後ろに、ウィンダム、相方の美星、アルフォンス、ハイセイコーJR、スタッフのOちゃんが乗った新馬ダンスくん(まだ調教中なので、部班に慣れさせている段階)と続きます。
5頭も後ろに連れていると、先頭ってけっこう責任重いなぁ。後ろがつまらないようにと思い、脚を使ってロッキーを歩かせましたが、最初はなかなかエンジンかからないんだよね。

しばらく常歩のあと、「歩度を詰め」強く脚を使ってみたけど、ロッキーにしては反応が鈍いかも。「はやあーし」で、軽打しましたが1歩では出ず、2度目の軽打で出ました。後ろについてきているのが速歩の遅いウィンダムなので、あまり置いていってもまずいと思って少し押さえ気味に速歩。ロッキーの速歩は反動がないので楽だわー。できるだけ体を起こして、正反動をちゃんとやろう。
けっこう長めに速歩をしたあと、軽速歩の指示。軽速歩でもあまり脚を使わなくても走るので、肩を引く、鞍の前のほうに座る、と姿勢のほうに気を使いながら軽速歩。うんうん、今日は柔らかく乗れてるぞ。
と、ロッキーがつまづきました。あら、今日もつまづくの?特に脚が悪くないことは確認済みなので、これはやっぱりダレてるんだろうなぁ。今日は蹴って叱ることにします。

「全員とまれ」拳を握りこんでロッキーを抑えますが、止まろうとしない。仕方がないので、拳を引いて膝を締めると、やっと止まりました。「5秒間停止」これやると、ロッキーはかかっちゃうけど、どうかな?「速歩、すすーめ」おとといは、ここでハミをゆずるだけで速歩が出たんですが、今日はハミを譲っても常歩しか出なかったので、軽打して速歩に。ロッキー、きょうはまだかかってないな。
ふたたび5秒間停止、今度も大丈夫そうです。
左手前で軽速歩で走っていると、「軽速歩のままでいいから、順次輪乗り」1番騎の責任として、6頭の馬が回れるくらいの大きさを考えて大きく輪乗り。ロッキーは外方の手綱の壁と内方脚の推進だけで、私が思ったとおりのルートを辿ってくれます。なんていい乗馬なの、ロッキーちゃんったら。
蹄跡に行き当たったところで蹄跡に戻ると、「おーいどこ行くんだ、輪乗りだぞ」あれ、輪乗りって1度回るだけじゃ終わらないんだっけ?「回ってろよ」どうもそうらしい。同じ大きさの左回りの円を何周かしていると、「いいか、輪乗りを換えっていうのをやるぞ。今こう回ってる円のここから、右手前になって輪乗り」「八の字型ですか?」「そうそう」
図Aの、右側の赤い円をずっと左回りで回っていたのですが、X点から左の円に移行し、そこから右回りになるわけです。X点での左手前から右手前への切り替えをロッキーは器用にこなし、右手前の輪乗りへ。
右手前で3〜4周、「もう一度、輪乗りを換え」左手前に切り替えて、もとの円に戻るわけだな。

もとの円に戻って右手前の輪乗りをすると、「輪乗り大きくして、こっちに移動してきなさい」今まで蹄跡にくっついた形で円を描いていたのを、円をふくらませながら少しずつ中央にずらしていきます。先頭にいると、こういう指示を間違わないようにするために必死。私が間違ったら、後ろが混乱しちゃいますから。
図Bのように蹄跡よりひとまわり小さい円を描くようになると、「さっきやったのは輪乗りを換えだったけど、今度はまたちょっと違うのをやろう。この円の中で、巴型を描くようにする」これは、言われてすぐピンときました。「輪乗りの手前を換えですよね?」それなら以前、K野さんに教えてもらっています。
右手前も左手前も、分かっていることなのできちんとできました。

蹄跡に戻って、軽速歩。
中央線で、「1番2番、同時に左へ」後ろのウィンダムと並んで中央線を進むことになりましたが、方向転換の指示に対する反応が素早いロッキーと違って、ウィンダムは少し遅れたよう。こういうとき、私も少し2番を待ってないと、並んだまま中央線を進めない。美星とアルフォンス、JRとダンスも2頭ずつ中央線を進んできて、2頭ずつ手前を換えて蹄跡に戻ります。
あれ、これってもしかしてカドリールの練習じゃないの。そういえばおとといのレッスン後、雑談で先生が「みんな上手くなったから、このメンバーでカドリールをやりたいな。俺が前にいたクラブでやったんだけど、あの子たちができたんなら君たちなら簡単にできるはずなんだ、衣装も揃えてさ」という話を楽しそうになさっていました。今日は多頭数のレッスンなので、やらせてみようと思われたのかな。敬愛するI野先生の夢が私たちのカドリールを見ることなら、それはぜひとも応えて見せねば。

「順次、中央線を左へ」図CのA点から中央線へ進みます。
「いいか、蹄跡から1番は右、2番は左。その後ろも、奇数番は右、偶数番は左に分かれるんだぞ」
はるか昔、オリンピッククラブにいた頃にこれの真似ごとをやった記憶があるな。B点から右手前で軽速歩、おそらくA点から偶数騎と合流するはず。C-E上で反対側の蹄跡を見てみると、D-F上を行く2番騎のウィンダムが私とほぼ同じ地点を進んでいます。これじゃ合流するときにかち合っちゃうから、私が少し先へ進んでいないとダメだな、と思い、C-E上は歩度を伸ばしていきます。
A点からまた中央線へ、後ろも続いて来ているようです。「よしよし、もう一回。先頭から左右に分かれて行きなさい」ふたたびB点から右へ曲がり、軽速歩。A点でふたたび合流すると、B点からまた左右に分かれます。結果的にA-B-C-E-Aとぐるぐる回っていることになりますが、ただ回るだけじゃなく後続のことを考えてペースを作らないといけないので、かなり気を使います。しかも他馬が嫌いなウィンダムに向かって正面から走っていく形になるわけで、あいつは近づきすぎると絶対耳を絞って怒るから、間隔をちゃんととれるようにペース調整しなければ、とびくびくものです。
何度目か、B点で左右に分かれるところで、「蹄跡出たら、それぞれすぐ斜めに手前を換え」ここから一番近い斜めに手前を換える地点はCなので、Cから馬場に入ってF点へ。2番騎のウィンダムとX点ですれ違うことになるはずだけど、私のほうがちょっとだけ先に出ているから、私がX点を通り過ぎたあとにウィンダムがロッキーのお尻をかすめてX点通過、というのが理想かな?
そこまでは上手くできたのですが、私がF点、ウィンダムがE点に出て、お互いにA点へ向かってきます。このままだとかち合うなぁ、どうしたらいいんだっけ?
と思っているうちにA点を通過してしまい、ウィンダムが行き場をなくして止まってしまいました。先頭2頭が止まると当然後ろも止まるわけで、これは失敗だ。
「一度常歩で蹄跡に出なさい、隊列を組み直そう」

左手前で蹄跡に出て、常歩でしばらく周回。その間、先生が経路をあらためて説明してくれました。
「中央線から蹄跡に出てこう分かれるだろ、そしてそこから斜めに手前を換えて・・・」説明の途中、常歩をしていたロッキーがいきなり速歩を出しました。うわ、こんなところでかからないで。隣の馬場でホクトが左手前駈歩をしていて、ラチ越しに追い抜く形で来た瞬間、「ボクも走る!」と思っちゃったらしいのです。拳を強く握って引きますが、止まらない。こうなると先生の説明どころじゃない、「ロッキー!」と声に出して叱り、膝を締めて脚を突っ張ってようやく止まりました。困っちゃうなぁ、この状態になると下手な扶助出したら駈歩出ちゃうな。

あらためて、蹄跡から速歩。「歩度を詰め」と言われただけで速歩を始めようとするロッキー、やっぱりかかっちゃってる。「ロッキーまだよ」拳を握って抑えます。
「はやあーし」で出た速歩、だいぶ速い。「抑えて行けよ」後ろの馬のスピードにも合わせなければカドリールなんて言ってられないですから、脚は使わず、拳を握って抑えながら走ります。
しかしさっきロッキーちゃんが走っちゃったので、先生の説明を最後まで聞けませんでした。やばいなぁ、先頭なのに。いいや、間違ったら怒られればいいんだから、とにかくやってみよう。
A点からB点へ走り、B点で分かれてC点から斜めに手前を換え、ここまでは間違ってないはず。F点に出て、手前を換える方向も間違ってないはずだし、どうやったら向こうからくるウィンダムとかち合わずに済むかな?・・・あ、また中央線に戻ればいいんじゃない。
いちかばちか、A点からまた中央線に戻ってみると、ウィンダムもついてきている様子。先生も何もおっしゃらないし、これで合ってたんだ。
「よし、じゃあまた同じように左右に分かれて、すぐ斜めに手前を換え」同じことをもう一度繰り返し。乾いた馬場に砂がもうもうと舞い上がって、せき込みながらのカドリール。馬場中央に立つ先生は、馬の高さがない分もっと砂埃に巻かれているはずだけど、「すごいな、できるじゃないか。これでTシャツだけでもさ、赤と白とかで揃えたらかっこいいぞ」と満足そう。

蹄跡に戻って、今度は1・2・3番騎と4・5・6番騎に分かれ、先の3騎は右手前、後ろの3騎は左手前で速歩。えっどうするんだろ、と思っていると、「そこから同時に斜めに手前を換え」ちょうど1番騎の私はC点、4番騎のアルフォンスがF点にいたので、そこから斜めに手前を換えると同一線上をすれ違うことになります。うわぁ、位置取りに迷うなぁ。アルに乗っているKさんとのアイコンタクトで、うまくすれ違うことができました。自分は素直な馬に乗っているからいいけど、後ろのウィンダム、絶対怒っているんだろうな(笑)
ふたたび同時に斜めに手前を換え、線上ですれ違います。これ、やっている方は必死だけど、少し上のほうから見たら面白いんだろうな。

蹄跡で常歩に落とし、手綱を伸ばして沈静化。
先生が、「高階さん、今日は初めてやることがいっぱいあっただろ」「はい、でもこの子が器用だからなんとかなりました」すると後方から相方が「いっぱいホームページのネタができたんじゃないですか」と茶々を入れる。まぁ確かにそうだけどさ。
いつものように、沈静化の常歩だとすごく速いロッキー。後ろのウィンダムは沈静化と言ったらちゃんと休む子だから、すごく間が空いてしまいました。ちょっと巻き乗りをして間をつめようかな。ロッキーが器用なので、手綱を伸ばしたまま脚だけで巻き乗りの指示を出してみたら、やっぱりできました。3度ほど試してみましたが、手綱で壁を作っていないのに、小さい巻き乗りができるんです。この子は本当に器用だわ。
馬場中央に馬を並べて、挨拶して終了。今日のハードな方向転換の嵐にきちんとついてきたロッキー、かわいくて思わず上から首に抱きついてしまいました。うー、愛しい。持って帰りたい。

馬繋場に連れて帰る間も、私の腕をしゃぶろうとする甘えんぼのロッキーちゃん。最終レッスンなので、丸洗いして、たてがみも梳いてやりました。
レッスン後、I野先生に「ロッキー、やっぱりつまずきますね」と言うと、「今日もずいぶんつまずいてたな」と返事が。6頭もいたのに、見るところは見ていらっしゃる。
「脚は見たんですけど、悪いふうじゃないんですよね」と言うと、「あぁ、多分そういうんじゃないよ。マルタンがきついからさ、走りにくいんだろうな。でも首高くなるとスピード出ちゃうしなぁ」あぁ、それか! ロッキーはちょっとスピードが出やすいので、首を上げて走らないようにマルタンガールという矯正具をきつめに付けているのです。この間まではもう少しゆるく付けていたから、つまずきやすくなったのはきつく付けるようになってからと考えればうなずける。
「マルタン、ちょっとゆるくしてみるっていうのはどうでしょう」「まぁ上級者ならね、それでも大丈夫」「じゃああたしではちょっとダメですねぇ」「いやいや、いいんじゃないの」とはいうものの、それをやってみる勇気はないです。

図A図A


図B図B


図C図C

←80鞍目 82鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop