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(2002.8.31 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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日の出乗馬倶楽部の馬場
汗をかくと地肌の黒い色が透けて見えて、
げっそりしてるように見えるロゼッタ。
でも本馬は見た目ほどこたえてない。
(85鞍目からのつづき)
午前中に1鞍乗ったはいいものの、予想外に暑くて、おにぎりが1コしか食べられない。しばらく休憩したりして、また食欲が復活したので残りのおにぎりをほおばっていると、クラブハウスからママさんが出てきて「ロゼッタがキャンセルになったわよー、誰か乗る人いない?」10分後のレッスンに来るはずだったビジターさんがキャンセルしたらしく、ロゼッタはもう馬装もされて待機しているのにキャンセルになったようです。もったいないので、ということらしい。
私がおにぎりほおばっているのを見たママさんが、「高階さん、ロゼッタ空いたわよ! 乗りましょう」え、ご指名ですか(苦笑)。暑いし、どうしようかなぁとは思ったものの、ロゼには当分正反動の練習をさせてもらいたいし、勢いで乗ることにしました。

はずして陰干ししていたチャップスをはき直し、ヘルメットと鞭をひっつかんで馬繋場へ。ロゼッタは完全に馬装されて、あとハミをかけるだけという状態で馬繋場につながれていました。
「あたしロゼに乗ることになったから」と馬繋場のスタッフ達に告げると、K村さんが「いいじゃん、ロゼッタが空くなんてめったにないよ」
頭絡もすぐそばに準備してあったので、ハミをかけて馬場へ連れ出します。馬繋場から出るときはなかなか動きませんでしたが、一度動き出すと歩き方が元気。ふだんなら私の後ろからのったりのったりついてくる感じで、こっちもゆっくり歩くように気を付けるくらいなのに、今は引っ張らなくても私の肩を追いこさんばかりの勢いで歩いています。へぇ、ロゼッタやる気じゃん。さっきので体がほぐれたかな。

K野さんに踏み台を持ってきてもらい、騎乗。腹帯を締め直そうとすると、ロゼッタの後肢が飛んできました。あぶねー。腹帯を締められるのを嫌がる馬ではないので、虫を追っているのでしょうが、この子ってこんなに虫が気になる馬だったっけ。
今度は最初から、K野さんに長鞭を持たされます。すでに馬場には、Sさんの乗ったロッキー、U村くんの乗ったモンブランが待機しています。モンブランは次に来るビジターさんの下乗りなので、部班としてはロッキーとロゼッタの2頭。ロッキー、モンブラン、ロゼッタの順で蹄跡に出ます。

常歩で蹄跡を周回、やはりロゼッタはゆっくりゆっくり歩くので、脚を強くしていきます。すると、けっこう元気よく歩けるようになり、さっきのレッスンのようにムチを入れなくてもモンブランに追いつけます。
しかし、巻き乗りになると言うことをきかず、途中で止まってしまいます。ムチを入れて歩かせますが、半巻きの途中でもまた立ち止まり、大きく遅れてしまいました。少しショートカットして追いつこうとすると、ロゼッタは好きなほうへ行こうとする。ムチで叩いて叱り、ロッキーの後ろにつかせました。午前中はかなり動いてくれたと思いますが、それが裏目に出て怠けたくなってるのかなぁ。

「歩度を詰め、はやあーし」の指示で速歩発進をしますが、ロゼは2〜3歩速歩をすると、常歩に落ちてしまいました。再度速歩を出させようとして、腹を蹴っ飛ばしつつムチを入れると、ロゼッタの首が大きく上下しました。はぁ?駈歩出す気?何も駈歩の扶助を出していないのに、ロゼッタは勝手に駈歩をしてしまいました。調子がいいときの速歩よりもゆっくりな駈歩なので別に怖くないけど、「誰が駈歩って言ったのよっ」と手綱を強く引いて止まらせます。何こいつ、反抗してんの?
再び速歩発進をすると、今度はちゃんと速歩をしましたが、なんか感じ悪いな。

「軽速歩のままでいいですから、順次巻き乗ーり」舌鼓とムチを使って、できるだけ途中で止まらせない努力はしたつもりですが、やはり常歩に落ちてしまいました。そうなると、蹄跡までは頑として常歩で行くロゼッタ。
蹄跡に出ると、またちゃんと速歩に戻れるんだけどな。
「速歩に落として。ロゼッタ、もっとゆっくりでいいですから」
ロッキーから話されてしまいそうだったので、速歩でも脚を入れていたんですが、もっとゆっくりでいいんだな。速歩にすると、1鞍目で頑張った座骨が痛い…今度はなかなか「座れたな」という感じがありません。
ロゼッタは走る気はあるらしく、ムチを当てなくても見せムチ(長鞭を馬の首の近くで振る)だけでちゃんと走れます。ですが、よく後肢の歩様が乱れる。もともとつまずきやすい馬ではあるけど、つまづくというよりは足踏みしてる感じだな、落鉄してるのは左前肢だから関係ないし。
しばらくして気がついたんですが、走りながら虫を追っていたんですね。いつまでも虫を気にしているって言うのは、まるで集中力のない証拠だわ。
一度などは外方の後肢で虫を追ったあげく、ラチに足をぶつけていました。木の板に軽くぶつかった程度だからいいけど、それが壊れたらびっくりするのはアンタだよ。

「軽速歩のままで、輪乗り」
ロッキーもロゼッタも小回りの利く馬なので、輪乗りはお手のもの…のはずなんですが、ロゼッタがどうしても蹄跡に戻りたがる。もうすこし内だよ、と外方の手綱を張って外に行かないようにするのですが、ロゼッタは納得がいかなかったらしく、常歩に落ちてしまいました。
ちょうどそこで、「輪乗りの手前を換え」の指示が出たのですが、それどころではない。なんとか速歩に戻そうと思って蹴るのですが、ロゼッタは常歩で、一歩一歩が渋々という感じ。しかも、振り返って自分の胸前や肩の虫を追うので、軽くムチを入れると、今度は後肢で虫を追う。その後肢が、私の鐙にヒット。「いってー!」
彼に悪気はないのかもしれないけど、なんか「うるせーよ」と蹴り返された気分、すっごく感じ悪い。

頑として常歩のまま輪乗りの手前を換えるロゼを、そのまま蹄跡に出します。
蹄跡からは速歩を出すだろう、そう思って舌鼓しながら軽く蹴ったら、またもや首が大きく上下。えー、また勝手に駈歩しちゃうわけ?しかも今度は、手綱を引いて体を起こしてもなかなか駈歩をやめようとはせず、膝を締めて止まらせるまでに3分の1周くらい駈けてしまいました。
蹴っただけじゃ駈歩出ない、ってK野さん言ってたから、やっぱり今のは馬が勝手に出したんだよなぁ。
「ちょっと変わりましょうか。中に入れてください」K野さんが言うので、馬場の内側にロゼッタを入れて下馬。K野さんがちょっと乗りならして、人間との約束事をきちんと守るように教えてくれるということです。
K野さんが飛び乗った瞬間、なんなのロゼッタその態度の違いは!屈撓して、乗馬らしいきれいな駈歩や伸長速歩までやってしまうじゃないですか。そりゃ騎乗者のレベルは激しく違うけど、ナメられてるなぁ、と思うとがっくり疲れてしまいました。
2〜3分乗って、「もういいですよ」とK野さんが言ってロゼを止めたので、馬に近寄り、下馬したK野さんに足上げをしてもらって騎乗。またジャンプのタイミングを外し、ほとんどK野さんに持ち上げてもらったようなもの。ごめんよー。
蹄跡に戻ると、「ちょっと行きたがるかもしれないですけど」とK野さん。ロゼでも行きたがることがあるんだ…

「各個に右へすすめ」馬場中央へ入ると、「ロッキーそこで止まっててください。ロゼッタ、そのまま蹄跡に出て、駈歩しますよ」
蹄跡へ出たところで、外方の手綱を張って、内方の手綱を控え、内方のかかとで強く押します。が、速歩。「止めて、やり直し」なんとしても、1歩で駈歩発進しろってことね?最近キビシイんだから。
K野さんの厳しさは、それだけ高いレベルを要求されるようになったってことだし、自分としても納得が行かないので、気合いを入れてやりなおし。ですが、次もやはり速歩が出ます。なんなのよ、さっきは何もしなくても勝手に駈歩したくせに。
「鞍の前(サドルホルダー)持っちゃ、手綱が動かせませんよ。手綱少しゆるくしてみましょうか」手綱を2センチほど送り、外方の脚を引いて内方のかかとでこすってみましたが、やはり速歩しか出ない。「止めて、もう一回やり直し」しかし、手綱がゆるいとなかなか停止ができなくて怖いや。
ちょっと前傾しそうになっている自分に気がついて、鞍の上で体を起こして一息つき、ふたたび駈歩発進。「はい、やり直し」どうして駈歩出ないんだろう?こんなに駈歩の簡単な馬はいないと思っていたのに。

結局一度も駈歩が出ないまま、馬場の内側へ待避。Sさんが替わってロッキーを蹄跡に出し、簡単に駈歩しています。うーん、そりゃ馬の違いはあるかもしれないけど、今まで簡単に駈歩やってきたロゼッタで駈歩が出せなかったっていうのはかなりショックです。
「じゃあロゼッタ、もう一回蹄跡に出て駈歩しましょう。」
今度こそはなんとかしたいものだ。左手前で出て、蹄跡から駈歩発進しようとしますが、やはり速歩が出たので馬を止めます。
「外方の脚は何もしないで、内方でかかとこすりあげるんです。それで、馬が反応したら外方の脚を引いて。合図をして、馬が反応したら外方を引いて走らせるんですよ」あれ、外方の脚って最初から引いておくんじゃないんだ。
言われたとおり、外方の脚は普通にしたまま、内方を強く入れてから外方を後ろにずらします。また出なかったので、止めてもう一度チャレンジ。やっと出ました!前進気勢の弱い駈歩で、7〜8歩ですぐ速歩に落ちてしまいましたが、やっと一歩目から駈歩が出せました。
「はい、いいですよ。じゃあ今度は右手前でやってみましょうか」
右手前に換え、ふたたび駈歩発進。駈歩が出た、と思ったのですが、なんか歩様がヘンだな、と思って止めると、「前脚しか駈歩になってませんよ。馬がいい加減にやってるせいだから、今のは叱ってください。手綱ちゃんと押さえて、ムチ入れて」ヘンだとは思ったけど、今のが四拍の駈歩ってやつだったんだ。前脚は駈歩の歩様なのですが、後ろ脚が速歩のままなので、駈歩ならタタタン、タタタンの三拍子のはずなのが四拍子になっちゃうって、聞いたことはありましたが。
再び駈歩発進させますが、速歩でした。つい同じように叱ってしまうと、「今のは叱っちゃダメ〜」「あ、あたしが悪かったの?」「そうですよ。ちょっと褒めてやってください」軽く首をたたきます。ごめん、ロゼ。

ロッキーも蹄跡に戻り、手綱を伸ばして沈静化。またもや勝手に馬場中央で静止して終わろうとするロゼッタを、無理に蹄跡に戻らせます。
ようやく終了の合図が出て、馬場中央に馬を並べ、K野さんが「お疲れさまでした」「ありがとうございました」の後に、思わず出た言葉は「くっそー!」絶対今日は、ロゼになめられてた。K野さんも、「リベンジしなきゃ」って言うし、また乗ってやる。見てろ。

あのー、誤解のないように言っておきますが、私はこれでもロゼッタが大好きなんですよ。

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