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(2002.10.5 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
91鞍目→
すっとした面差しがけっこうハンサムだと思うけど、
鼻の下はちょっとだらしないアルフォンス。 アルフォンス
サンシャインに外乗に行ったり、ペットのハムスターが亡くなったりした関係で、3週間ぶりの日の出です。
そのことは倶楽部のほうにもすっかり伝わっていて、倶楽部につくなり「ご愁傷様でした」とか「もう大丈夫?」と皆に気遣ってもらいました。いい人ばっかりです、ほんと。
ホワイトボードで確認すると、今日の騎乗馬はアルフォンス。おや、同じ部班にハルカゼがいる。彼は競馬上がりでまだ乗馬調教中、一般の会員にはまだ乗せていない馬です。今日は上級者のM野さんが乗ることになっていますが、彼女でなければ乗れないだろうなぁ。

準備をして、アルフォンスの馬房へ。アルに声をかけながら扉を開けると、アルはこちらを向いていて、首を下げてじっとしています。おやぁ、無口かけるの待っててくれてるの?珍しい。
無口をかけて馬房から連れ出すと、ゆっくり歩き出すアル。絶対に途中で立ち止まるので、立ち止まらせないように慎重に誘導、おや、止まらないまま馬繋場に着いちゃった。「アル、えらいね〜」これくらいのことで、思わずほめてしまいました。
蹄の裏掘りをしてブラシをかけ、毛布とジェルパッドを背中に置いてから、鞍を取りに行って戻ってくると、また毛布をずらしている。アルは肩が高いので、肩をちょっとぶるぶるっとすると、毛布が腰のほうへずれていくようなのです。最初は毛布をすっかり肩にかぶさるくらいに置いていたのに、鞍を置いてみると、鞍の前のラインと毛布の前のラインがほぼ同じ、これはあんまり上手くないなぁ。調整してみたのですが、毛並みを逆立てると鞍傷のもとなので、ある程度でやめておきます。

腹帯を締めて時計を見ると5分前だったので、ハミかけを開始。他の馬なら早すぎるくらいですが、何しろアルのハミかけは難関だから。
無口を外して、右手で鼻をかかえこみつつ頭絡を持ち、左手の親指を口角に入れて口を開かせながらハミを噛ませ、右手で頭絡を引き上げる、というのがハミかけの一連の流れですが、アルの場合はハミを噛むところまでは大丈夫なのです。それから頭絡を引き上げようとすると、アルも頭を高く上げてしまい、項革を耳にかける前にハミが外れてしまう、という次第。やっぱり今回もそうだったのですが、前回アルにハミをかけたときにはK野さんがアルの頭を上から押さえてくれて成功したことを思い出し、「こら」と軽く叱りながら、一度頭の上から右手で押さえつけてみました。するとアルが素直に首を下げたので、この隙にハミかけにトライ。ハミを噛ませ、また頭を上げそうになったところで鼻面を押さえ、頭絡を引き上げ、あっ、入った!「アル、いい子ね〜!」思わずアルを褒めちぎったあとで、ちょっと離れたところにいたK野さんに「K野さん見て、アルのハミひとりでやったよ!」と報告、「おぉ〜」という反応。あとでK村さんにも「今日はアルのハミひとりでかけたんだよ、成長したでしょ?」と報告したら、「アルお前どうした、今日は調子悪いのか?」と言ったくらい、アルのハミかけは本当に難しいんです。

ハミかけが思ったより簡単に済んだので、ちょっと早いけど馬場に出ることに。
アルフォンスは、馬繋場から出るとき必ず立ち止まって手こずらせる馬なんですが、今日もやっぱり立ち止まる。「アル、行くよ」と何回か引っ張りましたが動かない。いっそのことこのままここに立たせといて、2メートル先に置いてある長鞭を取ってこようかしら、とちらっとそっちを見たら、「よっこらしょ」という感じで歩き出しました。長鞭発動を敏感に察知したんでしょうか(いや、そんなはずはない)。
歩き出しながら長鞭を拾い、馬場に出ます。

馬場に出ると、U村くんが踏み台を持ってきてくれたので、「長鞭、乗ってから拾ってくれる?」と長鞭を馬場に落として騎乗。U村くんに腹帯を締め直してもらい、鐙の長さを合わせていなかったので鞍上から調節します。
4頭が揃ってからI野先生が出てみえて、部班の順序にだいぶ悩んでおられたようですが、相方のジュンヨー、M野さんのハルカゼ、Mさんの美星、私のアルフォンスという順番になりました。ハルカゼは乗馬としてはまだデビュー前なので、今まではスタッフが乗って部班に混じるときも最後尾でしたが、今日は部班に慣らそうということなのでしょう。
前の3頭が出るのを待って、左手前で蹄跡に出ます。

アルフォンスの常歩はのんびり。前の2頭が歩くのが速い(いや、走るのも)は分かっていますが、でもその後ろの美星がのんびり行くはず、と思ったら、意外にも今日の美星ちゃんは頑張っています。アル、頑張ってくれないと置いていかれちゃうよ。数歩に一回、強めの脚を入れて追いますが、全然追いつけません。
速歩の指示が出て、合図をすると、速歩はすぐ出るのですが、スピードはぜんぜん出ません。私が速歩で正反動をとるためには、おもいっきり速歩の歩度をつめたいところですが、そんなことをしていたら果てしなく置いていかれてしまう。もうお尻がぼんぼん跳ねることは諦めて、速歩の歩度を伸ばします。お尻が跳ねるのは諦めるけど、今日はずいぶん右の鐙が外れやすいな。鐙の長さが違うのかな?
軽速歩になっても、どうも右の鐙が外れます。中央線で停止の指示が出て、前のほうから順に先生が腹帯をチェックしているようです。4番騎の私のところに先生が見えたとき、「先生、鐙見てもらっていいですか?長さ違ってないですか?」と聞いてみると、「鐙脱いでみなさい。…いや、大丈夫だぞ」たぶん1センチとか、微妙なところで右が長いのかもしれない。左の鐙を強く踏み込んで、鞍を少し左寄りにずらしてみると、ほんの少し解消されました。でもやっぱり外れやすいんだけど。踏み方が悪いのかなー。

軽速歩で脚を使って追うのですが、アルはなかなか歩度が伸びません。障害のときはもっと速く走ったことがあるので、できないわけじゃないはず。1歩ごとに脚を入れているつもりですが、効いてないのかなぁ。
長鞭を入れてもいいのですが、アルは長鞭を入れると「きゃっ」という感じで1歩だけ大きく出てしまい、その動きに私が着いていけなくて腰を落としてしまうことがあるので、見せムチのみ。「ちゃんと走らないと入れるよ」と長鞭を振って見せると、この子はけっこう効きます。
それでも効かない場合だけ、ときどき長鞭を入れることにしました。
前の2頭は走るのが速いので、意識して大外をまわり、距離をかせいでいる様子。本来の蹄跡より50センチくらい外を回っています。前の美星ちゃんも、前の2頭とほぼ同じルートを通っています。「アル、美星ちゃんに追いつけないなんて情けないよっ」と檄を飛ばしますが、アルは意に介しない。仕方がないので、本来の蹄跡よりもかなり内側にショートカットして、ようやく前に追いつきます。

軽速歩での斜めに手前を換えや、順次巻き乗り、各個に巻き乗りというのは、アルフォンスはゆっくりではあるものの、速歩のままでこなすことが出来ます。むしろ前にいる美星が、必ず止まるんだよねー(これは自分が乗っても絶対やられる)。これでアルも常歩に落としてしまうと、アルも絶対に蹄跡に出るまで常歩で行く子なので、超スローダウンした速歩でなんとかクリア。これができるのが、アルの器用なところだな。
常歩に落とし、クラブハウス前で停止。
「じゃあひとりずつ駈歩いくからな。出来ない人は軽速歩でいいから、スタートして1周して、他の馬に追いつくまでだぞ」そりゃー、この馬で駈歩できないとは言えないでしょう。
まず相方のジュンヨーが1頭で駈歩。私の後ろまで来て馬を止めますが、ジュンちゃんは前進気勢が強いらしいので、止めるのに一苦労した様子。
M野さんがハルカゼで駈歩を始めますが、1歩目から速い! でもかかっているわけじゃないみたいですが、あの速さでは私はまだ乗れないわ。
止めるのにも、上体を倒すというよりは寝かせるようにして、ようやく止まったようです。

「次、3番4番、駈歩。できない人は軽速歩で」あら、1騎ずつじゃないんだ。前にいるMさんはまだ駈歩未経験者らしいので、美星が軽速歩で行くとすれば、少し間を離しておかないとすぐ追いついちゃうな。
アルフォンスは前に馬がいないと動けない馬なので、美星の後ろについて駈歩と指示されたのだろうと思うのですが、「誰かの後ろでつられて駈歩」では、私はこの子で駈歩を出したとは言えないんじゃないか。そう思って、美星からできるだけ間を置くことにしました。つられ駈歩ではなくて、できるだけ自分たちで頑張るよ、アル。
今までは、駈歩発進のぐぉんという動きに慣れなくてサドルホルダーを持っていたのですが、今日は持たなくても大丈夫。何しろ先々週の外乗であれだけ駈けられて落ちなかったのだから、と妙に腹が据わってしまいました。
美星が軽速歩を始め、5馬身くらい離れてから、内方のかかとで強く押して駈歩の指示を出します。1歩目で出たのは速歩。ですがそのままかかとを押し続けると、2歩目で首が大きく上下、これは駈歩出るぞ。3歩目、駈歩が出ました。よしよし。
簡単に美星に追いついてもらっては駈け続けられないので、抑えた駈歩をすることにします。サンシャインで習ったように、3完歩に一度手綱を握ると、アルの駈歩がゆっくりになりました。前の美星は軽速歩ですが、ほとんど変わらないくらいのスピードで駈歩ができています。あぁ、アルの駈歩はマイルドでいいなぁ。
もう少しで1周するというところで追いつき、あんまり美星ちゃんを後ろからあおると危険だなぁと思ったとき、アルが自分で速歩に落としました(あるいは、私のかかとが馬体から離れたのかもしれないですが)。
止まったあとに、先生から「もう少し手綱を張って、膝も離れすぎ。あと、拳をちゃんと立てなさい。鞭が後ろ向いてるぞ」という指摘を受けました。鞭を持った拳が、手のひら側が上を向いていたため、自動的に長鞭が後ろの方へ伸びていたようです。これでは何かの拍子で尻ムチが入ってしまいかねない。

もう一巡、それぞれ駈歩か軽速歩で1周することになりました。
まず1番騎のジュンヨーを相方が駆りますが、なかなか1歩目からの駈歩が出ない。「止めなさい」と先生に言われ、ジュンヨーを止めると、「いいか、奥さんも見てなさい。このかかと、今はかっこよく見えるけど、駈歩を出すとかかとが離れちゃうんだ。こうだぞ」と相方のかかとをとって、かかとの正しい向きを見せます。私にも見せようとしているということは、私も駈歩を出したあとにかかとが離れてるってことだな。
ジュンヨー、ハルカゼと駈歩で1周し、ふたたび「3番4番、駈歩」の指示。ここで2騎いっぺんではなく、1騎ずつやらせてもらうようにお願いしようかとも考えたのですが、そのまま美星について蹄跡へ。美星が軽速歩を出すのを待って、間を離してから駈歩発進します。やはり1歩目は微妙でしたが、2歩目はもう駈歩になっていました。私の今の腕では良くできたほうだろう。
すぐ先生から「手綱が長いぞ」と声が飛び、少し手綱を繰ります。あれ、私駈歩しながらこんなことできるようになってるわ。
かなり抑えた駈歩にしたので、あとから相方には「ぎっこんばったんした駈歩」と評されましたが、発進が割にうまくできたので自分では満足。今のところ、自分ではこの子の駈歩が一番楽だなぁ。
もう少しで1周というところで右の鐙が外れてしまい、馬を止めます。

その後、しばらく速歩で走りますが、なんだかアルフォンスが飽きてきたのか、よく首を下に下げるようになりました。今日はちょっと虫がいるみたいなので、皮膚の弱い彼はものすごくそれが気になるのですが、レッスン中にそれをやるなんて「お前失礼な奴だなっ」と軽くムチを触れて叱ります。
その後ときどき歩様のリズムが一拍だけ乱れる(たぶん左後肢だったと思う)ようになったのですが、脚が痛いというようではなかったので、虫を払っていたんだろうな。走りながら虫を払うのはやめてくれぇ。

常歩に落として歩いていると、先生が近づいてみえて「そのまま馬止めてみろ」とおっしゃるので、馬を止めると「いいか、そのまま動くなよ」と私の長鞭を取り上げて、長鞭を私の上体の側面に沿わせます。「ほら、こんなに脚が出てるぞ」本当だ、長鞭(つまり上体のライン)よりもかなり脚が前に出ている。
時間が来たので、手綱を伸ばして沈静化。今止まっていたので、後ろのジュンヨーに追いつかれてしまい、抜いてもらったのですが、ちょうど場所が良かったので美星の前に入らせてもらいました。
数周後、馬場中央に馬を並べて挨拶し、下馬。鐙をたたんでいると、アルがふらふらと斜め横に歩き出し、何かと思えば先生にニンジンの催促。まったく...
馬繋場に上げて、アルはまだお仕事があるので、蹄の裏掘りだけして馬房に戻し、昼飼いをあげました。

相方はジュンヨーを丸洗いしていたので、そのそばでU村くんとしゃべっていたのですが、U村くんが「アルフォンス、駈けてたじゃないですか」と褒めてくれました。ちょっと久しぶりの馬場騎乗だったので、自分としてはリハビリのつもりだったのですが、アルフォンスとは相性がいいのかな?

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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