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(2002.10.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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踏み台を持ってきてくれるのを待つ間、モンブランの鐙の長さを合わせてみると、えらく長い。3穴も縮めました。私の前にこの馬に乗っていたのはKさんという女性なんですが、そりゃ彼女はけっこう背が高いけど、なんでこんなに脚の長さが違うのよぅ。
I野先生がやってきて、踏み台を持って私に近づいてこようとしたK田くんに、「いらない、いらない」とおっしゃるじゃありませんか。えっ先生、モンブランの高さでは私、踏み台なしで乗るのは無理ですぅ。と、先生が私の左側面に近づいてきました。あ、踏み台のかわりに先生が脚上げをしてくださるってことね。
先生に左足のすねを持ち上げてもらい、ジャンプして騎乗。先生から見てまだるっこしかったのかもしれないけど、そういう乗り方もあることを初心者さんに見せるおつもりだったのかもしれません。

騎乗して待機していると、私たちの班は隣の馬場へ行くように指示がありました。さっきの鞍と同じメンバーがそれぞれ違う馬に乗って、隣の馬場(左図で見た場合、左側の馬場)へ移動。右の馬場は、私たちより上級班の人たちとI野先生が使用します。
私たちの班は引き続きK野さんの指導です。みんなで適当な順番で蹄跡を左手前で常歩していると、「○○さん、巻き乗りしてひとつ後ろ」と言った具合に順序を直され、ダンス、モンブラン、ウィンダム、ロッキー、ジュンヨーの順になります。
モンブランは蹄跡をきっちり歩く、とてもいい馬ではあるのですが、蹄跡からちょっと外に外れるとかいうのはとても嫌いな子。ですが、歩くのが速いのだから、ちょっと外回りしてもらわないと隊列が整わない。内方の脚と手綱を使って、無理矢理蹄跡から外に外します。モンブランはとてもイヤそうでしたが、できたときにはいちいち首をたたいてほめてやります。これで少しは学習してちょうだいよ。

さて速歩。やっぱりモンブランの反動はとんでもなく高い。正反動をとろうとして上体を後ろに倒すと、どうしても肩や背中に力が入ってしまうので、意識して肩や首から力を抜き、反動でがたがた動くようにしておきます。やっぱりお尻ははねるのですが、それでも以前よりは辛くなくなってきました。
前にいるダンスくんは、ふだんは速く走る子なのですが、今日は珍しくだらだら走ってる。モンブランで普通に走っていると、すぐ追いついてしまいます。それで蹄跡の外側を通らせようとするのですが、それはモンブランはイヤだと言います。「モンブランわがままダメッ」と、内方から脚で押し、外方の手綱を開きますが、それでもなかなか外に出ようとしない。最後の手段で、短鞭で内方から肩を押してしまうと、ようやく外めにはなったものの、すぐまた蹄跡に戻ってしまいます。ちっとも学習してないな。

モンブランは鞍上の扶助ではなく、自分の判断で部班運動ができる馬(だと思う)。自分の前に馬がいると、鞍上の指示をまたずに前の馬のとおりに動いてしまうのです。とても楽な馬ではあるけど、そんなのは馬術じゃない。斜めに手前を換えるときなど、前にいるダンスが曲がっていくのを見て、私の指示より早く勝手に曲がろうとします。
「ダンス、巻き乗りして一番後ろについてください」前の馬が巻き乗りをすると、当然モンブランも後について巻き乗りしようとします。あらかじめ予想がついたので、内方の手綱を張って壁を作っておいたのですが、あまり効果がなく内側によれて行きます。「違うでしょアンタはっ」と内方でちょっとムチを入れ、外方の手綱を開いて曲がらせないようにします。
顔が外を向いているのに、体は内側に行こうとしてる、すっごく感じ悪いぞお前。

モンブランが先頭になると、歩度を伸ばすのはすごく楽。前に馬がいないほうが、ちゃんと言うことを聞くような気がするな、この子は。
しばらく走らせて、「モンブラン巻き乗りして、一番後ろ」の指示で、隊列の最後尾につきます。K野さん、全頭に先頭を持ち回りでやらせようとしてるのね。
ダンスの後ろに戻ると、やっぱり前の馬の動くとおりに動いてるモンブラン。
一巡して、ふたたび前のダンスが先頭になり、そしてまたダンスが巻き乗りをして最後尾へ行きます。モンブランはやっぱりダンスについていこうとするので、「曲がるって言ってないよっ」と脚とムチで叱って、真っ直ぐ走らせます。

最後尾で走っていると、何にびっくりしたのか、突然目の前のダンスが横っぱねしました。彼はまだ4歳と若いので、そういうことはあって当たり前なのですが、後ろにいたモンブランも前脚で立ち上がるように足踏みして、後ずさりします。あららら、こんなことでびっくりするようなお前じゃないでしょ?「ホーホー」と落ち着かせる声をかけ、馬を止めます。

前のレッスンに続き、またもや馬間距離を1馬身から3馬身へと交互に切り替え。モンブランは速歩は速いし、歩度をつめるのも楽なので1馬身に詰めるのは問題ないのですが、3馬身空けるために抑えるのが大変。拳を握って押さえるのですが、なかなか抑えが効かない。強く抑えてしまうと、常歩に落ちようとします。
3馬身空けてから、「各個に巻き乗り」で、巻き乗りをすると、進入が早すぎたのか、他の馬よりも戻りの半円に入るのが早く、後ろにいた美星とぶつかりそうになって常歩に落としました。うーん、うまく行かないな。
ふたたび1馬身に間を詰め、また3馬身に空けます。3馬身空いたところで、「もう一回、各個に巻き乗りしますよ。各個に、巻き乗ーり」ですが、やっぱり後ろの美星に近づきすぎてしまい、常歩に。
「どうして後ろの馬とぶつかりそうになっちゃうか分かりますか?急に曲がろうとするからぶつかっちゃうんですよ」そうか、蹄跡からの進入時に、弧を描くのではなくてキュッと直角に曲がっちゃってるってことか。
もう一度、各個に巻き乗り。今度は曲がろうと思うのではなく、少しずつ蹄跡を外していくつもりで巻き乗り。ようやく今度は速歩のまま、美星にぶつかることもなく巻き乗りができました。

また先頭が入れ替わり、モンブランが先頭になって走ります。右手前で走っているとき、「順次、中央線を右へ」右に曲がり、中央線上を真っ直ぐ走らないので、手綱を強めに規制。するとちょっと常歩に落ちそうだったので、脚を強めに入れます。と、もう1歩で蹄跡に届くところで、モンブランが前脚を上げてぐわっと立ち上がりました。うわ、何すんのよ。とっさに手綱を強く抑え、考えたのは「落ちるかも」ではなく、「落ちるもんか」でした。このまま行くとラチに突っ込むので、モンブランを左へ向けると、ちょっとまた跳ねたようで私のお尻がぽーんと跳ね上がりました。そのまま前傾していれば落ちたかもしれませんが、幸いなことに体を起こしていて鐙も外れなかったので、落ちずにすみました。でもそのお尻が鞍の上にドンと落ちたから、モンブランも痛かったはず。
しかし今のは何だ?ちょっと気合いをつけただけで跳ねるような馬じゃなし、ちょっと今日はわがまま気味だけど、今のは叱るべきだったのかな。

しばらくまた順番を入れ替わりながら軽速歩で走って、時間が来たので沈静化。
常歩で歩きながら、K野さんが近くにきたときに気になっていることを聞いてみました。
「K野さん聞いていい?さっきモンブランが跳ねたの、こいつが反抗したのか、私がなんかしちゃったのか、どっち?」「あれはね、違います。もともとイライラしてたところに、僕が追いムチ入れたんでカーッとなったんですよ」
そうか、やっぱりあそこですぐ叱るべきだったんだ。追いムチくらいで反抗して跳ねるような馬じゃないと思ってたんだけどなぁ。
するとK野さん、「でもだいぶ柔らかく乗れるようになったじゃないですか」「え、ホント?」「自分でもそう思うでしょ?」「いや、まぁ、少しは。でもそう言われると嬉しい」

レッスンはこれで終了。モンブランは今日はこれでお仕事終了なので、馬繋場で脚を洗います。
去勢してから少しマシになったとはいうものの、やはり馬繋場でじっとしていられないモンブラン。ステップを踏もうとする脚を押さえて、かなり怖い声で「モンブラン、我慢でしょっ」というと、「う〜…」という感じでステップを止めました。もしかして私、この子に「怒る人」として認識されてるかも(笑) 乗馬との付き合い方は上下関係だと言いますから、そうであれば成功してるわけですが。

このあと、手分けしてバーベキューの準備をするのですが、私は倶楽部待機・夕飼い手伝い組に入っています。
夕飼いまでの間、クラブハウスでI野先生と話していて、「先生、私今日はじめてモンブランに反抗されました」と言うと、先生は顔をしかめて「最近ダメなんだよなぁ、特にあっちの馬場だと。実は昨日もひとり落としてるんだ」うわ、マジですか。乗る前に聞かなくて良かった。
馬たちに夕飼いをあげて、バーベキュー会場であるバンガローに行くと、すでに準備が整っていました。楽しく飲み食いして、そのままバンガロー泊。バンガローでは、今日の騎乗をビデオに撮ったものをみんなで見ましたが、改めて見ると恥ずかしいなぁ。でも倶楽部のお手伝いのあーちゃんは「ずいぶん上手くなったんじゃないですか?」と言ってくれたし、いいことにしておこう。

翌日は、朝からK野さんが模範演技をして、そのあと騎乗というカリキュラム。
ですが、朝起きるとお腹が痛い…派手にお腹を壊していて、こういうときに馬に乗らないのも自己管理だな、と騎乗を取りやめました。
珍しく白キュロットで登場したK野さんの模範演技は、駈歩発進、伸長速歩、収縮駈歩、伸長駈歩、ハーフパス、後肢旋回など、「あんなのいつになったら出来るんだろうね〜…」とみんなでため息。
最後にちょっと体調崩したものの、いろいろと有意義な集中レッスンでありました。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場。
今回は左の馬場を使いました
日の出乗馬倶楽部の馬場

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