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(2002.11.24 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
100鞍目→
なんだか前日から雨が降ったりやんだりしていましたが、まぁ行ってみればどうにかなるだろうと考えて、いつもの時間に倶楽部へ向かいます。
10時半に倶楽部に到着。ホワイトボードで騎乗馬を確認すると、ジュンヨーと美星のところに私たちの名字があります。「どっちでもいいんじゃん?」と言う相方に、「じゃあ美星ちゃん」と、勝手に美星に乗ることに決めました。だって美星が動かないとか、美星が跳ねるとかは平気だけど、ジュンちゃんのスピードを抑える自信はないもん。だいたい私、ジュンちゃんに乗ったことないし。
この時間は6頭出ることになっていますが、相方と私だけ隣の馬場に出て、K野さんの指導を受けることになっています。「そうよ、上級者だから」とママさん。確かに鞍数は多いけど、上級者とは言いがたい。

小雨が降っているのに、なぜかこのレッスンは頭数が多い。馬繋場が混んでしまうので、「早めに準備して」ということで、早めに馬房へ向かいます。
行ってみると、美星はもう馬房から出て馬繋場に繋いであり、蹄の裏も掘られていました。ではさっさと馬装をすませてしまおう、ということで装鞍をはじめます。
近づくと、ちょっと耳を伏せぎみにするのですが、触っても何もしない美星。別に怒っちゃいないみたいなので、ちょっと「いやーん」と思っただけで耳を伏せるのだろうなぁ、この子は。毛布を乗せ、大きめのジェルパッド(この子は鞍傷ができやすいので、他の子と違う専用のジェルパッドを持っています)、鞍を乗せます。腹帯を締めるとき、ちょっと噛みつくそぶりを見せましたが、べつに本気ではなさそう。

装鞍をすませ、少し時間があったので美星を待たせていると、相方が「猫が」と言います。へ?と思って言われたほうをみると、本当に生まれて間もない小さな三毛猫が、馬房のあたりをちょろちょろしています。どこから入ってきたのやら、「そんなところにいたら踏まれるよぅ」と、とりあえず抱き上げてみたのですが、さてどこに避難させよう。抱いたままうろうろしたあげく、スタッフのA木さんに「この子どうしよう」と言ってみると、「最近そこらへんにいるんだよ、大丈夫だよ置いといても」あ、そうなの。大人の猫と違って動きがにぶいし、馬を驚かせるようなことはなさそうですが。
そうこうして遊んでいるとき、A木さんがぽろっと「美星、今日下乗りないしなー」と発言。「なにっ!?」「でも昨日出てるし、大丈夫だよ」って言ったってさぁ…下乗りしてない美星に乗るのなんて初めてだよ。今日は体がほぐれてなくて全く動かないか、最初の運動だから興奮して跳ねやすいかのどっちかだな。

馬場でスタッフのK村さんがアルフォンスに乗っていましたが、「誰か出られるー?」と言っています。馬繋場が満員なので、アルフォンスを馬場に入れるためには、誰かが馬繋場から出ないと入れられない。「美星出られるよー」とハミをかけると、美星ちゃんたら自分からハミを噛む。あら、こんなハミかけの楽な子だったっけ。おかげで簡単に馬場に出られました。
美星ちゃんを連れて馬場に出て、K村さんに「馬繋場空いたよー」と声をかけると、「ごめんねー、こいつジュンヨーの馬装借りてるからさ、早く上げないとジュンヨーが出られないんだ」何かアルフォンスの馬装のパーツが見当たらなかったとかで、ジュンちゃんのを一時的に借りていたらしい。
馬を止めて、騎乗準備をしているとI野先生が踏み台を持ってきてくださったので、補助を受けて騎乗。腹帯がなかなか締めきれず、結局先生にやっていただきました。今日も鐙は長めに設定。

馬場に6頭が揃い、相方と私は隣の馬場へ行くのだろうけど、いつ出ればいいかな?
I野先生が馬を見渡して、「ジュンヨーから出て」つづいてロゼッタ、ロッキー、ウィンダム、美星、リトル・フロスティの順で馬場へ。部班のほかの人達は、大体10〜30鞍程度の人達。本当なら鞍数の多い私たちが引っ張らなきゃいけないんでしょうけど、美星ちゃん、予想通り重い…
先頭のジュンヨーはどんどん歩くし、つづいての馬もまぁついて行っているようですが、ウィンダムから美星の間がすぐ空いてしまいます。最初は脚だけ、それも同じ強さで使っていては美星が慣れてしまうので、強弱をつけながら。それでも歩き方がのんびりしているので、たまに短鞭を入れますが、その瞬間だけちょっと反応するけど、またすぐゆるゆるになります。気になって後ろを見ると、歩様のでかいフロスティがすぐ後ろにくっついている。まずいなぁ。
「美星、もっと動かして行け。鞭使って、速歩が出るくらいまで持っていきなさい」と、持っていた短鞭を長鞭と取り替えられました。先週習ったやり方で長鞭を腹に入れると、ちょっとだけ反応。そこでI野先生が追いムチを使ったらしく、速歩がちょっとだけ出ました。まだ常歩なので、控えて常歩に落としますが、この勢いが持続してくれたらいいんだけどな。

「速歩行くぞ。歩度を詰め」美星ちゃんに強めに脚を入れますが、ほとんど反応しない。「はやあーし」で、がん!と蹴ったのですが、効き目なし。前の馬も、ちょっと速歩が出てはすぐ常歩に落ちたりしているので、大きく離されはしませんが、この中では一番鞍数が多いのに速歩が出ないなんて恥ずかしすぎる。先週ロゼッタでやったように、両方のかかとをお腹にくっつけ続けて刺激を試みましたが、それもダメ。
「どうした、ちゃんと鞭入れて」長鞭を(私にしては)思いっきり入れてみると、首を上下して歩度は詰まるのですが、速歩は出ない。もう少し、もう少しなんだけどなー。「拍車、拍車、もっと蹴って」とI野先生のおっしゃるのは、「拍車をつける位置のかかとを馬体に当てなさい」という意味。実際には拍車をつけていませんが、その部分でどかん!と蹴ると、ようやく速歩が出ました。
速歩になると、美星ちゃんは1歩が大きいのか、かなり前への出方が大きくて、ちょっとスピードを感じます。一体今までの象のような馬は誰だったんですかー、という感じ。
しかし前の馬が止まるのを視認すると、追いつかないうちに自分から止まる美星。もうちょっと前に行ってくれてもいいんだけどな。

初心者部班なので、あっちでロゼッタが止まり、こっちでウィンダムがわがままを始め、となかなか速歩も続かないし、順序もしょっちゅう入れ替わる。しかし美星でなかなか速歩が出ない自分も、その一因を作っているような…
そんな中、相方のジュンヨーだけはかかり気味の馬なので、どんどん先へ行きます。美星が止まってしまい、なかなか速歩が出せないでいるとき、後ろから追いついてきたジュンヨーに追い抜いてもらったのと同時に脚を入れると、ようやく速歩が出ました。ジュンヨーの速歩はかなり早いのですが、美星もけっこう速歩の歩度が伸びるので、ついていけないことはない。
何週目だったか、前にいたジュンヨーが驚いたのか、ちょっとたたらを踏むようにすると、つられて美星も跳ね上がりました。「はーいはいはい、何でもない、何でもないよー」もうこの子はこういう馬だというのが分かっているので、手綱を控えて腰を落とし、ちょっと馬場の内側に入れて止まらせます。もしかしたら長鞭の取り回しが下手な私、長鞭が後ろを向いてしまってお尻に当たったのかも。
ふたたびジュンヨーの後ろに入って、速歩を続けます。

ジュンヨーが先頭のとき、I野先生が隣の馬場への通路を空けました。相方がジュンヨーをそっちに入らせるようだったので、「先生、私も行った方がいいですか?」と聞くと、「どっちでもいいよ、こっちで一緒でもいいし、あっちで二人でもいいし」「うーん、今日は馬が重いんで…」この重さでは、あれだけスピードを出しているジュンヨーよりは、ウィンダムやフロスティのほうが合わせやすそう。そうは思ったものの、もう曲がれなかったので、とりあえず隣の馬場に進入。ですが、やっぱりもとの馬場に戻ることにしました。
ジュンヨーだけを隣の馬場に残し、もとの部班へ。あとで聞くと、ジュンヨーはものすごくかかってしまっていて、ときどき駈歩を出しそうになったり、なかなか抑えられなかったので、別にされたのだとか。ジュンヨーも下乗りがなかったらしいのですが、美星とはまるで逆。

速歩でなんだか止まりたそうな素振りを見せるので、脚を止まらせないようにしていましたが、クラブハウスの前でついに止まってしまいました。いくらどすどす蹴っても動こうとしないので、もしかして?と思って後ろを見ると、やっぱりしっぽが上がっていました。ボロがしたかったのね。いやーね、クラブハウス前なんてみんなの目の前で。
ボロが終わるのを見計らって、「気が済んだ?はい行こー」と脚を入れると、すっきりしたらしい美星はかるーく速歩を出しました。
そのまま半周くらい行くと、I野先生に「ボロ取り終わるまで常歩してなさい」と言われ、常歩に落とします。確かに今のボロをK野さんがとりに出てきてくれたけど、ふだんはそんなこと言われないのにな…あ、他の人がボロを避けながら走るのに慣れてないからか。
常歩で歩きながら、K野さんに「重ーいおもーい」と訴え、鏡の後ろの馬繋場にK村さんがいたので、そっちにも「ちょっと、こいつ下乗りなしなんだって?だいぶしんどいんですけど」と言うと、「障害やる人はそれくらい乗らなきゃ」とあっさり言われてしまう。まぁ、下乗りなしの馬に乗せてもらえるようになったってのは、上達したと考えられないこともないですけれどもね…。
ふたたび速歩、しかし全然出ないのはさっきと同じ。かなり蹴って蹴って、鐙も長いので外れるし、もうどっすんばったんという感じなのですが、なかなか出ない。だいぶ前から離れてしまい、ちょっと悔しかったので、両方のかかとで美星のお腹をきゅーっと刺激すると、ふっと速歩が出ました。お、今の速歩発進いいぞ。さっきは同じことやっても効かなかった気がするけど、これが効くようになったというのは、美星ちゃんそろそろエンジンかかった?

美星ちゃんは一度速歩が出てしまえば割と前に出る馬なのですが、左手前の場合、鏡の前から次の隅角までがさぼりたいポイントであることが分かってきました。そこにかかるたび、軽速歩での脚を強めたり、舌鼓を使ったりすると、止まらずに軽速歩が続けられるようになってきました。美星もだいぶ速歩が出やすくなってきたので、前の馬に追いつく間などに軽速歩から速歩に落としてみます。あら、この子ってけっこう反動あったんだ。モンブランやロゼッタほどではないけど、意外と座れない。鐙が外れそうになると、自分が膝で締めそうになっていることに気がついてしまいました。いかんな。

ようやく美星が普通に動かせるようになったころ、時間が来たのでレッスンは終了。
手綱を伸ばして沈静化しますが、なんだか馬がどんどん詰まって行ってしまい、お互いにお尻のくっつきそうな行列。自分の前はウィンダムで、他馬が嫌いなウィンダムに蹴られそうだし、自分の馬もちょっとだけ蹴りグセがあるので(虫がいたときがほとんどのようですが)、こう挟まれてしまうのは本意ではない。「先生、巻き乗りしてもいいですか。ウィンダムの後ろは怖いです」「おお、そうしなさい。一番後ろについて」いつもは沈静化のときにいちいち申告したりしないのですが、今日は回りの人たちが経験浅いので、申告してからやらないと戸惑っちゃうだろうし。
大きく巻き乗りして一番後ろにつき、美星を歩かせていると、K村さんがいたので「重かったよー」と訴えると、「その馬が動かせないようじゃあ、ハイセイコーは動かせないなぁ」だって、くそぅ。先日の障害で、私がハイセイコーJRを動かしきれなくて苦労していたのを知っている彼だから、そういう言い方になるのですが。

中央に馬を並べて、挨拶して下馬。下馬したところで、「気をつけ」と言われたので、おそらく馬の左側に立ってきちんと前を見ればいいのだろうと思い、そうしてみます。すると美星ちゃん、顔を私のお腹や腕にこすりつけるのに忙しく、ちっとも前を向いて「気を付け」なんか出来ません。ほかの人の所で手綱の持ち方などを指導されていた先生が、私のほうへやってくると、「初心者じゃあるまいし!」と、頭をはたかれてしまいました。「えっ?どこですか?」馬に近いところ、右手での手綱の持ち方は正しかったのですが、左手の持ち方が良くなかったらしいのです。手綱の端の輪になっているところに、左手の指を通すようにしていたのですが、束ねて持つのが正解なんですね。馬術としては。

美星ちゃんはこれでお仕事が終わりだったので、足を洗って馬房にしまい、昼飼いをあげます。
手入れを終わってクラブハウスに戻ると、I野先生がいらしたので「すみません、今日は情けない騎乗をしました」と言うと、先生は笑ってうなずいていました。そのあと雑談していたら、何かの話の拍子に 「きっと彼女なんか、悔しくて眠れないぞー」とからかわれました。眠るのはきっちり寝ましたが、悔しかったのは確かです(笑)。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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