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(2002.11.30 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日は記念すべき100鞍目、お天気は上々です。倶楽部のみんなに、おふるまいのお菓子を持って倶楽部へ。
いつもの時間に倶楽部に到着し、ホワイトボードで確認すると、美星とモンブランのところに私たちの名字が書いてあります。P(パパ)かM(ママ)か指定がないときは、どっちに乗ってもいいよという意味なので、「どっちにする?」「どっちでもいいけどなぁ…そう言えば俺、あんまりモンブラン乗ったことないし、たまには乗ろうかなぁ」ということで、相方がモンブラン、私が美星ということに勝手に決めました。
クラブハウスに入ると、オーナー夫妻とI野先生がいたので、「今日は100鞍記念なんですよー」と言うと、オーナーが「それはおめでとう、写真撮ってあげなきゃ」「えっ、本当ですか?じゃあモンブランにしようかな」美星ちゃんもかわいいけど、モンブランの派手な馬体のほうが、間違いなく写真映えすると思うし。
そんな理由で、騎乗馬を「いつもの」モンブランに変更。

時間が来たのでモンブランの馬房に行くと、無口を準備しているそばからずーっとこっちを見ているモンブラン。扉を開けて、無口を正しい向きにするのを待たず、すごい勢いで鼻を突っ込んできました。こいつって本当に外に出るのが好きなんだなぁ。
馬繋場につなぎ、馬着を脱がせていると、高校生スタッフのK田くんが走ってきて、「こいつあと2分で出して下さいってー」「はぁ?そんなに早く出せないよぅ」「俺ブラシやりますから」K田くんにブラシをやってもらいながら、同時に私は蹄の裏掘り。そこへ「遅ーい!」と言いながらK野さんがやってきました。慌てて鞍を着けると、もうK野さんがハミをかけている。「こいつちょっと下乗りしますから」あ、それでこんなに急ぐのね。考えてみたら、そんなに時間がないはずなかったんだわ。
モンブランの鞍の托革はかなり固くて、「これ以上締まらないよー」「いいですよ、適当で」と、K野さんはそのままモンブランを連れ出します。「腰がいてー」と言い残して馬場に行ったK野さん、ちゃんとモンブランに飛び乗って(文字通り飛び乗り。彼を含めスタッフの男性は、踏み台を使わない)、下乗りを始めました。「あんなこと言いながらちゃんと乗っちゃうんだから、プロですよね」と、K田くんがしきりに感服していました。

K野さんの下乗りを見学していると時間が来たようで、馬上のK野さんが「もういいですよ、乗って」というので、「鞭いる?」と聞いてみると、「いや、今日はいらないんじゃないですか」ということなので、短鞭を馬繋場に放置して馬場に入ります。馬から下りたK野さんから馬の手綱を受け取り、踏み台を持ってきてもらって騎乗。鐙は乗ってから合わせればいいや、と思ってそのまま乗り、鐙に両足を乗せてみると、「ちょっとこれ、左右の長さ全然違うやないの」「いや、めんどくさかったんでそのまま乗っちゃいました。2穴くらいだし」2穴も違う鐙で、駈歩まで出来ちゃうんだ。すげー。
とりあえず長めに鐙を設定、「長くないですか?」「どうだろう」「ちょっと立ってみて」鐙の上に立ってみると、まぁ一応お尻が鞍から離れるので、軽速歩がとれないことはないだろう。「ちょっと長いと思いますけど、頑張ってみてください」そういえば以前、モンブランみたいに反動の高い馬は鐙が短いほうが楽、みたいなことを言われたっけな。

今日の部班はFさんのジュンヨー、Sさんのアルフォンス、相方の美星と私のモンブランの4頭です。4頭が揃ったところでI野先生が出てみえて、「じゃあモンブランから行くか、左手前で」私から出て、美星、アルフォンス、ジュンヨーと続きます。
鞭がいらないということは、モンちゃん割と元気がいいということだ。何もしなくても歩くモンブランですが、かかとで腹を刺激するようにして脚を使い、速歩寸前の状態にまで持っていきます。モンちゃんの場合、ここまでがとっても楽。ただ彼の場合、脚に敏感とかそういうことではなくて、雰囲気を察してちゃかちゃか歩いているだけではないか、と思わせるところがあるのですが。
モンブランが大きく歩いているので、できるだけ隅角の外を回すことにします。普段なら絶対に蹄跡を外れたがらないモンちゃんですが、1鞍目で先頭だと、割と素直なのよね。隅角より5メートル以上前から外の手綱を開き気味にして、内方脚で外に押し出すようにすると、3回に1度は成功。情けないけど、モンちゃんにしては高い成功率です。常歩での巻き乗りも、先頭だときれいな円が描ける。

「歩度をつめ、はやあーし」速歩を出すのは簡単、もう先生の声で反応して速歩の体勢になってる。軽く脚を入れただけで速歩になりました。反動の高いモンブランで正反動をとるために、手綱でコントロールして歩度を詰め、かかとで脚を入れながらゆっくり走らせます。おや、なんだか心地いいぞ?今にも止まりそうなところを、ギリギリ脚で刺激しながらのんびり走らせることができたので、反動がそんなに強くない。そうすると座ることが辛くないし、手綱からハミへの感覚も心地いい感じ。今までのようにお尻がぼんぼん跳ね上がる感じがほとんどないので、もしかしてお尻のほっぺたで座ってしまっていて、座骨が寝ているのではないかと思いましたが、そんなこともないみたい。へぇ、モンブランで座れる日が来るなんてなぁ。

速歩のまま各個に巻き乗り、円の真中まではうまく巻けたつもりでしたが、戻りの半円で後ろの美星とぶつかりそうになり、常歩に落ちてしまいます。最初の進入の角度が急すぎたのかなぁ。
軽速歩をとり、蹄跡を走らせます。今度は脚を入れて走らせているつもりなのですが、意外にも歩度が伸びない。1鞍目だし、元気に動くのではないかと思っていたのですが。「先頭もっと歩度伸ばせー」と先生に言われ、どんどん脚を入れます。後続は走り始めると速い馬ばかりなので、ちょっと頑張らないと。I野先生に短鞭を渡され、肩に鞭を入れながら走ります。
馬場にオーナーが出てきて、どうやらカメラを構えている様子。私を撮ってくださっていることは間違いないので、下手な乗り方はできないなぁ。

軽速歩のまま各個に巻き乗り、円の頂点あたりで常歩に落ちてしまう。「どうした、今の巻き乗りで最後まで速歩でできたのはSさんだけだぞ」しかもSさんの乗っているのはアルフォンス、あの止まるのが好きな馬でそれができるなんてさすが。悔しいので、次の巻き乗りでは鞭をちょこちょこ使いながら、内方脚を強めに使うと、何とか止まらずに巻き乗りができました。
「各個に半巻ーき」蹄跡をUターンする感じで、順序は後ろから前へ逆になり、先頭だった私は最後尾に変わります。ちぇ、先頭だと気持ち良く走れる子なのになぁ。
予想通り、誰かの後ろだと惰性で走るモンブラン。絶対に蹄跡を外れようとしないので、一生懸命に外方の手綱を開き、内方脚で押すのですが、ほとんど成功しません。斜めに手前を変えるときも、私の指示よりも先に、前の馬にくっついて曲がっていこうとするので、「モンブラン、隅角はきっちり回して行け」と先生に言われる始末。分かってはいるんですけど、なかなか難しい。

速歩で走っていると、「1番2番、同時に左へ進め」先頭のジュンヨーと2番騎のアルフォンスが、並列で馬場中央に進んでいきます。このパターンだと、後ろの2騎も並列でカドリール(キャバレッティ?)もどきだな。予想通り、「3番4番、左へ進め」相方の美星と並列で、4番騎の私は2番騎の後ろへ。曲がったあとに、線上をまっすぐ走ってくれなかったりするので、拳の幅を狭くして手綱を固め、座骨のバランスがずれないように注意しながら速歩。でもなんとなく、まっすぐ進まないのは、やっぱりバランス悪いのかしら。
蹄跡に戻り、また同じように1番2番、3番4番の並列で中央線へ。線上で、なんだか隣の美星ちゃんへ寄っていこうとするモンブラン。美星側の手綱を張ってこらえますが、やっぱりよれてしまった。

「全頭、同時に左へ。馬場中央停止」馬場の中央に馬を並べる形で止まると、「じゃあFさんから蹄跡に出て、駈歩」単騎で駈歩練習になります。うーん、私はモンブランで駈歩するのかな?モンブランの駈歩って相当反動が大きいから、私より上級者のCちゃんでさえ反動で落馬したって聞いてるんだけど。そんなの私にできるのかしらん。
他の馬が駈歩をしている間、馬場中央で停止してそれを見学します。モンちゃんが飽きてきたのか、後ろ脚が「休め」の体勢(どれか一本の脚をかるく折り曲げてつま先立ちにし、残りの3本脚で立つ)になってしまいました。鞍の上の私は、その折り曲げている足に向かって傾斜してしまいます。「ちょっとモンちゃん、座りにくいからやめてくれるー?」と軽く脚を入れたら、1歩だけ前に出てまた休め。んもー。
順番がめぐって、私の前の美星が蹄跡に出たあと、I野先生が私に向かって「モンブランは速歩でいいから」とおっしゃいました。あ、やっぱりね。ちょっと悔しいようなほっとしたような。

自分の番がきて、蹄跡に出ます。「モンブランはこうしよう、速歩発進して速歩、軽速歩」「はい」蹄跡にいったん馬を止め、手綱をためてかかとをぐりぐり入れると、早速モンブランは反応している。本当に速歩出すのは簡単な馬だなー。きちんと1歩目から速歩が出て、正反動をとって数歩行ったところで、停止。再び速歩発進しますが、手綱でためているうちに発進の指示が出てしまい、速歩を出すのに1テンポ遅れてしまいました。今度は軽速歩だな、と思って軽速歩でモンブランを追うと、I野先生が「違う違う」とおっしゃるので、いったん馬を止めてそっちを見ます。「速歩発進して、速歩で行ってから軽速歩とるんだよ」あ、勘違いしてた。速歩発進→速歩、停止、速歩発進→軽速歩だと思いこんでいました。
あらためて速歩発進して、正反動。前半に感じたほど座りやすくはないけど、でもモンブランで座ることが苦じゃなくなってる。「軽速歩、歩度を伸ばせ」軽速歩をとって、脚を入れて歩度を伸ばします。ある程度までは伸びて、これならロゼッタあたりの駈歩より絶対速いぞ、というくらいの軽速歩だったのですが、「まだ伸ばせるぞ、もっと伸ばせ」と先生の声。うーん、これ以上歩度を伸ばすにはどうすればいいんだろう?腰をあげるタイミングを、馬のリズムより早めればいいのかな。「どうした、怖くないからもっと伸ばせ。駈歩が出ちゃったら止めればいいんだから」確かにモンブランで駈歩を出すのはイヤですが、怖がってるつもりはないんだけどなぁ。でも先生から見て、思い切りが足りないってことか。
クラブハウスの前だと、モンブランはオートマティックに歩度を伸ばしてくれるのですが、鏡の前からトイレあたりの半分はキライらしくて、速度が落ちます。そこらへんで軽く鞭を入れるのですが、鞭に反応してくっと首が上がるのがイヤな感じだなぁ。集中レッスンのとき、モンブランとケンカして立ち上がられたのを思い出してしまいました。

単騎でのレッスンを終了し、蹄跡に戻ると同時に手綱を伸ばし、沈静化。
集中レッスンといい運動会といい、ここのところモンブランとケンカばかりしていたので、今日は折り合いがついて乗れて良かった。
馬場中央に馬を並べると、「挨拶は下馬してからにしよう」と先生。全員が下馬すると、「まず鐙を上げて、整列」鐙をまとめ、手綱をきちんと持って馬の左側に立ちます。右手は馬の首の下、左手は余った手綱をまとめて鞭と一緒に握る。この間は怒られたけど、今日は正しかったみたいで何も言われませんでした。
「ありがとうございました」の礼で解散となり、モンブランを馬繋場に連れて行こうとすると、モンちゃんは何やら反対方向に歩き出そうとします。あ、I野先生にニンジンもらいたいのね。「あとであげるから、モンちゃん。いつももらえるとは限らないんだよ」ちぇー、と言わんばかりの顔をしたモンブランを、馬繋場に連れていきました。

モンちゃんはこのあともお仕事があるので、蹄の裏掘りをしただけで馬房に戻し、昼飼いをあげます。クラブハウスに戻ると、オーナーが出てきて「はい、できたよ」デジカメで撮った写真を、さっそくプリントしてくれたのでした。嬉しい反面、つい自分の騎乗姿勢を厳しくチェックしてしまう私。
100鞍目、遠いようだったけど、まだこの程度かという歯がゆさもあり、だいぶ乗れるようになったじゃんという自負もあり。しかしまだまだ、馬術の道は遠いです。

↓日の出乗馬倶楽部の馬場
日の出乗馬倶楽部の馬場

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