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(2003.10.19 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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おめかししたロゼッタ
で、これがたてがみを編んだロゼッタでございます。
プラスチックのボンボン(100円ショップで2個100円)が
飴みたいでかわいいでしょ?






アルフォンス
アルフォンスで部班。
この写真だけ見ると、まるでよく動いてるみたいだなぁ。
いよいよ運動会当日、すばらしい秋晴れ。受付は8時半からですが、まだロゼッタのたてがみの仕上げが残っているので、早めに倶楽部へ。上らんなどかさばる荷物が多かったけど、Aさんが車でピックアップしてくれるというので、お言葉に甘えて待ち合わせし、車で倶楽部へ。7時半に倶楽部に到着すると、まだ住み込みスタッフしかいませんでした。更衣室が混む前にキュロットに着替え、さっそくロゼッタの馬房へ。

朝飼いのあと、ちょうど馬房掃除の終ったところのようです。馬繋場にいたA木さんに「ロゼッタのたてがみ編みにきたー」と告げると、「どうかな、ロゼッタおやすみ中かも」という返事。馬房を覗いてみると、本当にロゼッタは座りこんでうつらうつらしていました。座って首を落とし、鼻先が床についているんだけど、その体勢を保つのも面倒なんですぅ、という風にずるるると床の上に鼻先で弧を描いてはハッとして、また首を起こすという、まるで電車の中で居眠りしているお父さんのようだ。
かわいそうだけど起きてもらわないと何もできないので、舌鼓したり手を振ったりして起こそうとしたのですが、目を開けてもまたすぅ〜っと眠ってしまいます。
あんまり起きないので、A木さんが「そのまま馬房の中でやっちゃえば? 下の馬栓棒外してさ、いつでも逃げられるようにしとけば大丈夫だよ」馬房の中で作業して、急に立ちあがられたりしたら怖いけど、このヒトおっとりしてるから、立ちあがる素振りを見せたらすぐ逃げれば大丈夫そう。でも一応、いつでも逃げられるようにへっぴり腰で馬房の中へ。座りこんでいるので、上からたてがみを扱えるから楽と言えば楽なんだけど。昨日編んでおいた三つ編みを組み合わせて、赤いボンボン飾りのついた髪ゴムで止めます。まぁかわいい。
2〜3個編んだところで、ロゼの首がすぅ〜っと傾いて、本格的に脚を投げ出して寝転がってしまいました。あーあ、わざわざたてがみを下にして寝てくれなくても。「起きてー」と鼻をぺしぺしやっても、まるで起きる気配がありません。あれ、でも目が半分開いてるよ。別に息苦しそうでもないけど、一応A木さんに「あのー、このヒト調子悪いとかじゃないよね?」と聞いてみると、「大丈夫だと思うよー。こいつオガ入れ替えたあと、気持ち良くて眠っちゃうこと多いし」というので、まぁ大丈夫だろう。でも編めないよ、それじゃ。

そこへAlmo夫人が「もうやってるのー?」とやってきました。彼女もロゼの寝ているのを見て、「大丈夫? まぁ苦しそうじゃないから、眠いだけか」と言い、ロゼを起こしにかかります。
ようやく身を起こしてくれたロゼですが、立ち上がろうとはしないので、私に変わってAlmo夫人が馬房に入り、たてがみ編みの続き。すべて終わったところで、「さーてと」と言うようにロゼが立ち上がりました。その顔はけろっとしていて、ぜんぜん調子の悪いところもなさそう(左上の写真がまさにその瞬間)。一応心配したのにさ。
昨日の練習ではとても元気に動いてくれたロゼだけど、もしかして昨日動かしすぎて疲れたか? もしかして重いかもねー、とAlmo夫人と話し合います。今日の出場順はすでに決まっていて、1課目はAlmo夫人(ロゼ)〜Almoさん(コスモ)〜私(ロゼ)の順になっています。ロゼッタはその前に部班にも使うので、部班だと油断するロゼッタが緩んでしまうかもしれないけど、「私がちゃんと下乗りしておくからね」とAlmo夫人(下乗りって本番のことなんだけど)。いやー助かるな、と他力本願の私。

そろそろ人も集まりだして、運動会の受付が始まりました。運動会が始まったら、駈歩部班は第1競技なので、いつでも出られるように準備をしておかなけりゃ。 一応は試合の格好として、アスコットタイをして髪をネットでまとめます。いやー、今年の運動会には上らんを着る人が増えたなー。
開会時間、馬場に出て開会式。と言っても小さなうちの倶楽部のこと、オーナーからの挨拶とI野先生からの注意事項くらいなのですが。それが終わるとすぐに駈歩部班競技の始まりです。
駈歩部班は2班に分かれていて、私は後の方の班。すでに騎乗馬はアルフォンスと決まっているのですが、アルねぇ…昨日の悪夢が…。あれだけ動かせなかった馬だけど、今日は部班だから前の馬にくっついて動いてくれないかな。私の前の班でアルフォンスに乗るAlmoさんに、「どんどん動かしてねー、あっでもAlmoさんの力で動かされると私の力では動かせなくなるから、ほどほどにねー」とかなりキビシイ注文をつけてみたりして。

駈歩部班の1班目が終わり、乗り変わるために馬場へ。ちゃんと駈歩も出ていたようだし(Almoさんだから、という説もあるが)、動いてくれるといいなぁ。踏み台を持ってアルフォンスのそばへ行くと、K野さんが鐙を合わせてくれようとしていたので、「6穴だから!」と指示。だってあらかじめ、Almoさんと私の鐙革の差が分かってるんだもん。
騎乗して馬上で待機していると、そばにいたK野さんが馬を見回して「アル、ロゼッタと一緒に駈歩しましょうか」と言います。「ロゼの後ろにくっついて駈歩していいの?」「うん」「ありがとう、それは素敵」他馬の後ろにくっついていくクセのあるアルフォンスだから、それなら駈歩が出せそうな気がしてきました。実際に以前、そうやって出したことあるし。K野さんたら、すごい温情措置だわ。感動。
2班目は4頭部班。ダンス、ロゼッタ、アルフォンス、コスモの順で蹄跡に出ます。部班の号令はK野さん、採点はI野先生です。

前の班から続けて動いているし、部班であればけっこう動けるアルフォンス。常歩でもとりあえず前のロゼッタにくっついて歩いているんだけど、これはほんとにただくっついているだけだから、自分の力で動かさねば。拍車と鞭を使って、とにかく元気よく歩かせるようにします。
「歩度をつめ、はやあーし」で、速歩に移行。お、これもスムーズではないの。この分なら、前に馬がいさえすれば駈歩も出るかも(って、条件がつくところが消極的だな)。速歩だと前のロゼッタに追いつきそうになって、隅角をかなり深く回さなければいけないほどです。でも前に出る分にはいくら出てくれてもいい、出たら抑えればいいんだから。そう思ってこまめに追い鞭と拍車を使っていきます。
各個に巻き乗りの号令、こう前にくっついていっている状態だと曲がらないことも多いので、内方の拍車と外方の手綱をきっちり使うようにして曲げると、思いのほかすんなり曲がってくれました。途中で止めたらカッコワルイので、巻き乗りの間はずっと内方に持った鞭でちょんちょんちょんちょん、と馬の腹を刺激し続けます。お、成功。しかも割と図形が正確だったし、やればできるんじゃん。
次の各個に巻き乗りのときも、けっこうちゃんとできました。
「順次に巻き乗り」順次ね、順次。そう思いながら、各個に巻き乗り。後ろでコスモに乗っていたAlmo夫人から「順次だよ!」と言われ、「うん、順次ね」…あっ、順次か! 頭の中で、各個に巻き乗りが基本だと思いこんでいたもので、順次と聞こえていたのに頭の中ではすっかり各個のつもりでいました。あわててロゼッタの後ろに入ったけど、号令違反だからこれで入賞はナシだな。ちぇ。

常歩に落とし、先頭ダンスから駈歩。これが終わったら、さっきK野さんに言われたようにロゼッタと一緒に駈歩だから、ダンスの駈歩の間に馬が伸びてしまわないようにちゃんと動かしておかなきゃ。
ダンスが駈歩で1周してきて、次はロゼッタとアルフォンスの番。「かけあーし」の号令とともに内方脚で押し、外方脚を引きますが、速歩も出やしない。前のロゼッタはさっそく駈歩で前に出ていきます。ロゼッタからあまり離されないうちに、どうしてもアルに駈歩を出させたい。もう一度駈歩の扶助を使いましたが、やっぱり速歩にしかならない。でも出ないはずはないんだ、ともう一度駈歩発進。一瞬駈歩らしきものが出たのですが、すごくやる気のなさそうな駈歩、これって4節じゃん。こんな駈歩しても仕方ないのでいったん止めて、もう一度駈歩発進。拍車でぐいっと馬の腹を持ち上げるようにして駈歩の扶助を出すと、なんか少し首が上下して、前肢もちょっと上に上がるような素振りを見せて、お、駈歩が出るかなーと思うんだけど、後駆が全然駈歩の準備をしていない。前半身だけで駈歩のフリしてるだけじゃないか、これは。あー腹立つ。
どうにも馬にナメられてるので強めの鞭を入れますが、馬が反応しないので続けざまにあと2発。これで跳ねるくらいのほうが見込みがあるんだけど、跳ねもしないや。そこからまた駈歩発進しますが、やっぱり前肢だけでしか反応していない。だから1歩だけは出たような気になるんですが、その先が続かない。
1周ほど拍車と鞭で前に出そうとしましたが、ついにK野さんに「アルフォンス、はやあーし」と言われてしまいました。いつもの部班レッスンと違って運動会だから、いつまでも私の駈歩に付き合ってもらっているわけにはいかないから当然なんだけど。悔しいので、軽速歩で歩度を伸ばしてロゼッタに追いつきます。速歩ならそれなりに伸びるのになぁ。

後ろのコスモが駈歩を終えて、順次半巻き。ってことは、逆手前でもう一度駈歩やるんだな。さっきは右手前で出なかったけど、アルフォンスは左手前のほうが得意だから、今度こそ駈歩してもらおうじゃないの。
さっきと同じように、ダンスの駈歩が終わったあと、ロゼッタの後ろについて駈歩発進。うわー、さっきより反応悪くなってる。さっきはまだ駈歩らしきものが出そうな気配はありましたが、もう気配すらしません。ロゼッタが駈け去ってしまってからは、拍車を入れても鞭を入れてもアルに無視されるので、だんだん腹が立ってきた。こうなっては、もうきちんと馬を叱るしかあるまい。跳ねられても走られても知るもんか。後ろのコスモに乗っているAlmo夫人に「ちょっと跳ねるから」と断って、片手に手綱をまとめ、空いたもう片方の手でかなりきつく鞭を入れます。それでも反応しないので、さらに1発、2発。そこでようやく馬が反応を見せたと思ったので、拍車を入れて駈歩発進しますが、それでも駈歩は出ませんでした。ギャラリーから見たら、私すっごく怖い人のように思われてるんだろうなぁ。

私を除く全人馬が両手前でそれぞれ駈歩を終わり、少し速歩をして駈歩部班競技は終了。もうどうしたらいいんだろうな、アルフォンス。技量がないなら力で動かすしかないってのなら、それは私には無理だ。下馬して、次の速歩部班で乗るMちゃんの騎乗補助をしてから、クラブハウスへ。
悔しい悔しい気持ちを押し隠して、それでも駈歩らしきものが出ただけでも昨日よりマシだよね、と自分に言い聞かせます。そこにいたスタッフのK村さんに「でもアルフォンス、もう少しで調子戻るよね?」と言ってみると、「…もう戻ってるんだけどねぇ」とぼそっと言われてしまいました。冗談で言われるならまだ救われるけど、そんな調子で言わないでくれる、けっこうヘコんでるんだから。さらに「だってM野さんは駈歩出してるじゃない、アルで」って、300鞍以上乗ってて2級持ってるM野さんと、150鞍でやっとのことで4級取った私を一緒にしないで欲しいわ。そばで聞いていたM野さんは「コツなんだよねぇ、アルは。私も分かるまではさんざん苦労したから」となぐさめてくれたけど。

気を取り直して、速歩部班の後は自由演技。オープンの馬場馬術競技で、自由演技と銘打ってはいますが私たちの踏むのは1課目。当初の予定ではカドリールをやる予定だったのですが、みんなが集まって練習する時間も、経路を作りこむ時間もなかったので、各個に1課目を踏むことになったのでした。
みんなが馬場を作ったり標識を立ててくれている間、私たちはフラットワークをします。ロゼッタにはAlmo夫人と私が交代して乗るので、先にAlmo夫人がロゼッタに乗ってフラットワーク。彼女が乗るのを見ていても、やっぱり昨日より重いような感じがするな。
しばらく馬場のそばでフラットワークを見ていたら、5分くらいでAlmo夫人が私のそばで馬を止めて、「あんまり時間なくなっちゃったけど、乗るよね?」「うん、少しでも乗っとく!」ということで、乗り変わり。ロゼに乗せていた鞍はAlmo家の自鞍で、Almo夫妻はふたりとも身長があるので、私の長さに合わせようと思ったら鐙革に穴がありませんでした。フラットワークだからそのまま乗ろうかとも思ったけど、まるで鐙に足が届いていないし、仕方がないので鐙に通した革を1回鐙に巻いて調節。
そろそろフラットワークの時間が終わりそうだったので、急いで馬場に出ます。

1周ほど速歩、うーん、やっぱり昨日より重めかな。昨日があんまり良く動いてくれたので、あれくらいまでは動いてもらいたいものだけど。
時間がないのですぐ駈歩に移行、ぽんと簡単に駈歩が出ました。そうそう、普通こうだよな(あとで聞くと、ギャラリーからは「なぁんだ、駈歩出せるんじゃん」と言われていたらしい。そりゃ出せなきゃ1課目なんか踏まないって)。駈歩で輪乗り、うん、これも大丈夫。ときどき速歩に落として手前を換えながら、駈歩を出していきます。でも駈歩の勢いが足りないと思ったので、鞭を使いながら前へ。
I野先生がマイクを使って、競技の説明を始めました。「…みなさんのレベルが上がって、馬場馬術競技ができるようになりました。今日はオープンですが、少なくとも選手はみな3級以上の…」ちょ、ちょっと待って先生、そりゃ聞き捨てならないですよ。「せんせーい違います、4級ですぅ!」と馬上から怒鳴ると、「そうか、4級もいたか」って、タイコンチェルトの自馬会員Oさんが2級(B級だったかも)なだけで、それ以外はみんな4級ですって、もー。
そろそろ競技が始まりそうな気配だし、駈歩もちゃんと出せそうだったので、Almo夫人のもとに戻って下馬。馬場の外に出て待機します。

Almo夫人の1課目が終了したので、待機馬場へ入って乗り替わります。馬場の中ではコスモの演技が始まっているので、ヒートしやすいコスモを驚かさないように駈歩はやめて、待機馬場でひたすら速歩。のんびり歩かせたりしたら、せっかくAlmo夫人が馬場馬モードに入れてくれたのに、馬がのびちゃう。
いよいよ私の出番、マイクで名前を呼ばれ、入場。速歩で入場、あ、X点より1歩だけ前でとまっちゃった。でもここで前に出すのもカッコワルイので、いかにもここがX点だという態度で敬礼。I野先生がいつのまにかC点の外にパイプ椅子を据えて座ってらして、答礼してくださいました。
さて速歩発進、ちょっと拳を控えて脚を使って、馬の力をためて、と…あららっ、バックしちゃった。どうもちょっとためすぎたみたいで、そりゃーロゼは言われたとおりにやっただけだもんな、悪かった。あらためて速歩発進して、C点から蹄跡へ。

昨日の練習で「隅角が甘い」と言われたことを思い出しながら隅角通過、まぁそこそこ深く回れてるんじゃないの。さっそくだらけそうなロゼに拍車で気合いをつけて、E点から中央線に入り、B点で右へ。そのまま右手前で回って、V〜X〜R点の斜め手前変換は軽速歩で歩度を伸ばします。V点のところで強めに鞭をくれて軽速歩にすると、おーおー歩度の伸びること。ロゼちん、目の覚めたような走りです。やっぱり馬場馬の調教を受けていた馬だから、経路を踏んでいることに気がつくと燃えるのかしら。
R点から左手前の速歩でC点まで持っていき、常歩に落とします。そこからS点まで尋常常歩、そしてS〜X〜P点の斜め手前変換は、恐怖の手綱伸ばし。1課目なんて馬場の初級なのに、手綱を伸ばして馬に首を下げさせた状態で前に出すなんて、かなり高度な技に思えるんですけど。そうじゃなくても常歩で前に出すのが難しいロゼッタ、手綱を伸ばして前に出そうと思えば鞭をバシバシ入れるより方法がありません。それでものんびりマイペースで歩かれ、P点手前で手綱をきちんと持ち直します。ロゼはハミがきちんと当たっていないと動かない子で、逆に言えばハミを当てさえすれば元に戻せるはず。思った通り、ハミが当たったときから常歩に元気が出ました。よし、これならいつでも速歩に移行できる。P点から右手前でA点まで、そこから速歩を出して輪乗り。速歩の扶助を出すのが少し遅くなってしまい、A点を通り過ぎてから速歩が出てしまいました。

この経路での輪乗りは、明らかに駈歩への準備なので、できるだけ前に出して輪乗り。前に出すと反動が高くなって座りにくいのは、この際仕方ない。A点のすこし手前で、もう一度ムチで気合いをつけ、A点の1歩手前から駈歩の扶助。よっしゃ駈歩出た! しかもA点ぴったり、よしよし。
でも駈歩の勢いが足りない感じだったので、細かく鞭を使って前に出します。おいおい、蹄跡走ってよ。なんだか蹄跡から内側によれそうになるので、内方脚で外に向かって押し出します。もうすぐC点、昨日K野さんに、下方移行のときはすこし早めに馬を抑えるように言われているので、1メートルくらい手前から脚の位置を戻し、でもそれだけでは常歩まで落ちてしまうので、半減却を使って控えます。常歩に落ちるか、と思ったけど、ちゃんと速歩で通過。今思えば、瞬間的に常歩に落ちたあとに、すぐ速歩が出たのかもしれないけど。
R〜X〜V点で斜めに手前を換え、今度は左手前でA点から輪乗り。ふたたびA点に戻ってきたところで、少し手前から駈歩の扶助、よーしよしよし、ちゃんと駈歩出た。勢いがあるのはいいけど、うわーどうしよう、隅角に深く入れないや。しかも勢いがある分反動が高くなって、ぜんぜん座れない。座れなくて鐙に立つ感じになってしまったけど、この勢いでヘタな座り方すると踏歩転換するしなぁ。えーいままよ。またもや隅角を深く通過できず、C点へ到達、速歩に落とします。

ここまで来たら、あとは速歩を落とさないようにするだけ。ロゼは駈歩をすると勢いづく馬だから、ここではけっこういい感じで前に出ています。左手前でE点からX点に向かって半巻き。これが、あとでビデオを見る限りでは、すごくきれいな内方姿勢をとってくれていました。G点まで直進、停止。鞭と手綱を左手にまとめ、右手で敬礼。答礼のあと、I野先生が「良かったじゃないか」。いやー、決して良くはないですけど。とりあえず、ここまで頑張ったことへのご褒美と思っておきましょう。
待機馬場へ出て、手綱を伸ばしてしばらく歩かせます。その間、馬場の中ではタイコンチェルトとOさんが本当の自由演技(創作経路)をやっていたけど、沈静とはいえ馬に乗っていたので、ちゃんと見られませんでした。あとでビデオで見たけど、やっぱり上手かった。
Oさんの演技が終了してすぐ、Almo夫人と連れだってロゼッタを馬繋場へ。その間にも、馬場のほうではK野さんの1課目が始まってしまいます。本当は彼は1課目なんて「踏んだこともない」(いや、私達と別の意味で。そんな簡単なもの、とっくにすっとばしてしまってるんです)そうなんですが、やはり上手い人に踏んでもらって、自分たちと何が違うのか見たかったので特にお願いしたんでした。
とりあえずロゼの頭絡を外し、無口で繋いだところで「ちょっと待っててねロゼ!」と言ってふたりで馬場の見える場所へ。いやー、当然ながらもう、馬の動きが違いましたよ。馬場の場合、上手い人ほど「何やってるかわかんない」と私は思うのですが、まさにそれ。私のばたばたした騎乗から比べたら、ほんとにどこで馬に指示出してるのか分からないくらいなのに、馬はきびきび動いてるんですよね。

お昼休憩をはさんで、プログラムは玉入れ、にんじんリレーと進行します。この2競技には私は出場せず、タイムキーパーを務めました。
次に私が出る競技は、ジムカーナプレリー。プレリーって何? と事前に聞いたら、駈歩班のことらしい。速歩班は駈歩を「やっちゃいけない」けど、駈歩班は駈歩を「出してもいい」すなわち出なかったら出なくてもいい、ってことみたいなんで、駈歩班での登録にしました。
速歩班にはジムカーナがはじめての人もいるので、競技は駈歩班から。駈歩班のやり方を見て、参考にしてもらおうという意図です。プログラムを見ると、駈歩班6名には配馬がされておらず、ロゼッタ、アルフォンス、フロスティ、ダンス、コスモ、ジュンヨーの中から「くじ引きで当日決定します」と書いてある。うげー、私この中で半数しか乗ったことないよ。乗ったことのないフロスティ、ダンス、ジュンヨーが当たったらどうするかな。今日始めて乗る馬で、下乗りなしにいきなり駈歩出そうっていうのはかなり無謀な気がする。
くじ引きの結果、果たせるかな私に当たったのはフロスティ。フーちゃんかい…。その瞬間、この競技では駈歩しないことを決意。だって重くて有名な馬なんだもん。相方なんか、あの子で駈歩が出せなくて落馬したり(かなり昔の話だけど)、拍車効かせすぎて膠着されたりしているし。その馬で駈歩が出せなくて立ち往生するより、出せる軽速歩でさっさと通過したほうがよっぽどマシそう。

配馬が決まって、一応ジムカーナの経路を下見できることになりました。駈歩班の6名で、馬場に出て経路を自分の足で踏みます。あら、これは意外と小回りを要求される経路だなぁ、どっちかというとウィンダムあたりで踏んだ方がよさそう。フーちゃんが小回りきくって話は聞かないもんな。
待機馬場に各馬が引き出されてきたので、騎乗開始。私も補助を受けてフーちゃんに騎乗しましたが、乗り心地は一言で言って「ぼふん」という感じ。腹周りがデカイのと、妙に毛深いので、なんか脚が埋まるような感じがするんですよね。待機馬場はかなり狭かったけど、周りが上手いから遠慮することもないだろう、と速歩に移行。むぎゅーっと脚で押すと、意外とあっさり速歩が出ました。速歩になってみると、反動は高いんだけど堅くはなくて、なんかゴムまりみたい。私は今まで反動の高い馬イコール反動の堅い馬だと思っていたので、反動が高いのに座りやすい馬というのは初めて。おもしろーい。でも自分のペースでしか走らないな、この馬。歩度を伸ばすのは難しそう。
ほとんど丸馬場のようなところに6頭がひしめいていたので、さすがに駈歩を出してみるのはやめにしました。

私の順番が回ってきました。敬礼をして、I野先生が答礼をしてからベルを鳴らします。ここから45秒以内にスタートを切ればいいので、逆に言えば45秒間は何をしてたっていいわけです。初めてのときはベルが鳴ったら慌ててスタートを切っていたけど、今までの経験で45秒は意外と長いということも分かっている。スタートとは反対向きに速歩を出し、ぐるっと待機馬場を回ってきて、軽速歩で勢いをつけてからスタートラインを切ります。
最初はパイロン、ここは駈歩なんかでできないね、と下見でみんなで言い合ったところ。軽速歩でいちいち手前を換えるのも大変だし、ここは速歩で行きます。パイロンから次のクランクに入る前、マイクでA木さんが「フロスティ速歩で行きましたが、1歩がデカイので実はけっこう速いです」と解説を入れています。そうだ、乗ってるとそうは思わないけど、この子って1歩がデカイから歩度が伸びなくても前には進むんだよな。まだ勝負を捨てるには及ばない。パイロンから急カーブを切って、軽速歩でクランクへ。クランクは連続で3つありますが、全部直角に作ってあるのと、クランクからクランクまでスムーズに行けるようなルートではないので、けっこう難しいかも。でもできればショートで行こう。
けっこう前に出るので、このスピードでクランクに入りきれるかな、とちょっとヒヤヒヤものでしたが、思いっきり内方の手綱を開いて曲がらせたら、スピードを落とさずすんなり曲がってくれます。けっこうやるじゃないの。
最後は2本平行の横木の間を通過し、真っ直ぐゴールへ駈け抜けるルート。ここから駈歩を出せれば勝負をかけられるのですが、一瞬悩んで、やっぱり当初の計画どおり、軽速歩の歩度を伸ばして走り抜け、ゴール。タイムは54秒。
メンバーの中では私が一番駈歩の経験が少ないし、まーこんなもんだろ。と思ったら、ほかの上手い人が駈歩で駆け抜けようとしたばっかりに馬にクランクを拒止されたり、経路違反してしまったりというハプニングがあり、軽速歩だけでも4位のタイムでした。入賞圏外だけどね。

フーちゃんは、もうこの後の競技には出番がないようなので、手綱を伸ばしてしばらく歩かせていました。次は速歩班ですが、タイム競走にすると危ないので、基準タイムということ。最初、基準タイムをロゼッタ(たまたまAlmo夫人が乗っていた)で取るという話だったのが、どういう都合かフロスティで基準タイムをとることになりました。ってことは、私の乗り方ひとつで基準タイムが決まっちゃうわけ?
本部の方でI野先生が呼んでおられたので、乗馬のまま近づいてみると「ゆっくり速歩で回ってこい」とのお達し。馬場の中では速歩班の人たちが下見をしていたのですが、時間短縮のためにその中に入って走行することになりました(ちょっと無謀…)。
いちおう型どおり、審査員席に敬礼をして、先生も型どおり答礼とベル。ここからは普通に速歩を出してスタートを切ります。これだけ完歩のデカイ馬でゆっくり回ろうと思ったら、軽速歩は不要だな。ぜんぶ速歩で踏むことにします。経路の上には下見の人がいっぱいますが、タイムをとっているのだから止まるわけにもいきません。「フロスティ通りまぁす、どいてどいてー」と声をかけてどいてもらい、ゆっくり経路を回ります。
自分がさっきショートで入ろうと思ったクランクへは、ロングで大回りして進入。ちょうどその辺りにいた人たちに、「ここは大きく回ったほうが入りやすいよー」とアドバイスも送ってみたりして。そうやって出したタイムは、60秒ジャストでした。違う回りかたで同じ経路を2度回れるなんて、おもしろい経験ができました。

フーちゃんをスタッフに返し、自分は審査員席に戻ってタイムキーパー係。そのあとは障害設置に働き、引き続いて障害競技でもタイムキーパーをやりました。けっこう今まで、自分が出ない試合でも馬付に行ったりしている経験が、こういうところで役立つなぁ。
全ての競技が終わり、表彰式。今回はクラスを上げたせいもあって(ということにしておこう)賞には縁がありませんでしたが、自由演技がオープン競技だったので参加賞をもらいました。
BBQが始まり、競技には情報処理試験のため参加できなかったうちの相方も駆けつけ、お肉やさんま、会員どうしのおしゃべりを堪能しました。いやー、それにしても長い1日だった。

日の出乗馬倶楽部の馬場・経路図
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図・経路標識つき
(緑字:貸与馬、青字:自馬)





ロゼッタ1課目
ロゼッタで1課目…の前のフラットワークだな、これは。
ちょっと口があいててカッコワルイが、
鼻梁が地面に対して垂直です。さすがロゼ。

今回の撮影はMちゃん、どうもありがと。中学生ながらなかなかの腕前。
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