←150鞍目 151鞍目・経路練習その2
(2003.10.18 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
運動会→
アルフォンス
動画のキャプチャなので画像が荒れていますが、
アルフォンスに反抗されているということはよく分かる(泣)。
F点付近、左手前の駈歩を出そうとしているところ
いよいよ明日は運動会ですが、前日の今日、もう1度1課目経路の練習をすることになりました。腱鞘炎の痛みはだいぶ治まりましたが、念のためテーピングぐるぐる巻きで出かけました。11時の予約で、10時すぎに倶楽部に到着。本番ではロゼッタで経路を踏むことになっているので、まぁ練習もロゼッタでやるんだろうな、と思いながらホワイトボードを一応見てみると、配馬はアルフォンス。…アルフォンスだぁ〜? あいつ、前に馬がいないと動けない部班馬なのに。先週の経路練習でも、馬場馬のロゼッタだからどうにか踏めたような感じだったのに、部班でも(私には)駈歩が出せない馬で、経路なんてホントに踏めるのか?

今日も先週と同じく、5分前には馬場に馬を出せるように早めに準備。アルフォンスの馬房へ行くと、彼は虫除け馬着を着て立っていました。声をかけるとこっちを見ましたが、あまりやる気はなさそう。噛みに来るくらいが調子のいい時なので、こりゃ動かなさそうだな。
馬繋場に引いていき、つないで馬着をぬがせます。蹄の裏掘りとブラシかけをすると、隣でロゼッタの準備をしていたAlmo夫人から「アルにお手させてみれば?」と黒砂糖をもらいました。何かもらえそうな気配を感じたのか、さっそく左前脚が浮きそうになっているアル。そこへ黒砂糖の匂いをかがせてから、「お手っ!」といいながら脚に手を伸ばしてやると、左前脚を折り曲げてぱっと前へ出してきました。ついでに首もきれいに丸くなっています。どうせならそれ、馬場でやってほしいもんだ。

まったくおとなしいまま装鞍を終らせ、前のレッスンが終了したのと同時に馬場へ。踏み台をもってきてもらって騎乗、腹帯も締めなおしてもらいます。
今日も先週と同じく、用意のできた人馬からフラットワーク。まずは常歩で馬場を歩きますが、重いこと重いこと。「どんどん鞭使っていいんですからね」とK野さんに言われるまでもなく使っているのだが、ぜんぜん前に出ません。
常歩で3〜4周したところで、速歩に移行しようとしましたが、それすらも大変。鞭と拍車を使いまくって、ようやく速歩に移行しましたが、ぜんぜん歩度が伸びません。「最初は軽速歩で」とK野さん、確かに私の技量で速歩のみでは、とても歩度が伸ばせそうにない。

ひたすら軽速歩で脚と鞭を使いまくって、ようやく前に出始めたかなー、と思ったころ、もうロゼッタとコスモは駈歩に移行しています。じゃあ私もそろそろ駈歩出しておかないとな、と思っていったん常歩に落とし、駈歩発進。いやこれが、速歩にすらならない。まず馬が反応しないんだもの。まずこちらに注意を向けさせなければ話にならないので、鞭を強めに入れてから再び速歩発進。相変わらず、耳すら私に向かない。常歩でそればかりやっていては、いずれ速歩すら出せなくなる(経験済み)ので、いったん速歩にして少し走らせ、ふたたび常歩に落として駈歩発進。全く反応しない。日馬連の馬場馬術用語集には「よく調教された馬は、鞭に敬意をはらうもの」というような記述があったのですが、こいつは鞭をナメてるとしか思えない。ちょっとくらい叩かれたって、それさえやりすごせば動かなくてすむんだ、というような態度です。私の場合は脚も弱いし、それを補う技量があるじゃなし、余計ナメてるんだよなー。
後ろにコスモが近づいてきたとき、それを気にして止まるアルフォンス。そんなことで止まられてるようじゃ、全然話にならない。後ろのAlmo夫人に「ちょっと蹴るかもしれないから」と断りを入れておいて、この際思いっきり鞭を入れます。そういうときは、馬が跳ねるくらい鞭を入れた方がむしろいいんだとI野先生がおっしゃったのを実践してみたのですが、なんか虫でも払ったような気のない蹴りが出た程度。

ついに駈歩が出せないまま、フラットワーク終了。常歩からの駈歩も出せていないのに、経路には速歩から駈歩への移行があるんだよ〜、そんなことできないよ〜。
まずコスモ&Almoさんから経路練習ということで、クラブハウス側の待機馬場に出ます。待機とは言え、ここで常歩なんてしようもんなら、絶対馬がだらけてしまって動かせなくなると思ったので速歩。「アルフォンス、できるだけ駈歩やってみてください」と、K野さんがコスモの経路を見ながらも私に言います。もとより私もそのつもり。馬場内では舌鼓は禁止だけど、今は待機馬場だからいいよね。
そう思って頑張ってみるのですが、ぜんぜん駈歩は出ません。このままじゃ速歩すら出なくなるから、時々は速歩で動かしてみて、それからまた常歩に落として駈歩発進をしてみても、まるで反応しない。

コスモの経路が終了し、次はAlmo夫人とロゼッタ。その間も駈歩を出そうと苦労していましたが、いっこうに出ません。馬場を見るともう経路も後半で、こんな動きで次に出ていっても速歩すら出ないぞ、と思って駈歩をあきらめ、軽速歩に切り替えます。
案の定、「じゃあ次アルフォンス」と声がかかったので、その勢いのまま軽速歩で馬場内へ。A点から速歩に落とし、X点に向かいます。X点で敬礼し、速歩発進しようと手綱をためて脚を使い、それから拳をゆるすと、常歩で前に出ました。拍車と鞭を使って速歩に移行しようとしますが、まったく反応が返ってきません。
拍車を使いまくって、ようやくE点の手前で速歩に移行できましたが、今にも止まりそうなので鞭を使って勢いをつけます。最初からこんなんじゃ、本当に無事に経路を回ってこられるんだろうか、私。

V〜X〜R点の斜め手前変換の軽速歩も、せっかく軽速歩なのに歩度が伸ばせない。その次はS〜X〜P点で自由常歩、手綱なんて伸ばしたら馬がだらけちゃうよ…。手綱を伸ばすと、恐れていたとおりに馬がへろんへろんしてしまい、脚を入れてもたらたらした歩様。別に沈静するところではないので、ムチも入れてしまえ。でもやっぱりムチをナメてるアルフォンス、叩いたところで反応しようとしません。なんでそんなにガンコなの。P点の手前で手綱を絞ってハミを当てますが、別に歩様が変わらないところがまた、アルフォンスらしいというか。
この分ではA点からの速歩も本当に出るのか? と不安でしたが、そこはどうにか速歩に移行。この20mの輪乗りが終わったら駈歩、何が何でも出してやる。輪乗りの最中から細かく鞭を使い、F点の手前あたりで強めに鞭。だいじょうぶ、私は右手前のほうが駈歩得意なんだから、絶対出せる。そう自分に言い聞かせて、A点のすこし手前から内方の脚を強めに使い、外方脚を引きました。…が、出ません。せめて次の隅角では、と思いましたが、やはり失敗。こうなったらもう、いったん常歩に落として出すしかないと思い、常歩に落として強く鞭を入れ、駈歩発進。それでも出ません。K野さんに「鞭使って」と言われながら、常歩に落としては鞭を入れて発進、速歩が出てしまい常歩に落とし、また鞭を入れて…。その繰り返しで、ついにH点を超え、隅角を越え、駈歩終了位置のC点。ついに出なかった。悔しい。
C点から速歩に落としますが、それも落ちすぎて常歩になってしまうので、また速歩を出すような感じ。

速歩のままR〜X〜Vと斜めに手前を換え、今度は左手前でA点へ。輪乗りから駈歩、今度こそ出したい。そうだ、さっきのは私が右手前が得意でも、馬が右手前が苦手なのだから仕方ない、今度はアルの得意な左手前だから何とかなるはず。A点へ戻ってきたところから駈歩発進、でもやっぱり出ませんでした。とめて常歩で鞭を入れ、また発進してまた失敗。もう、なんでそうなの。腹が立って腹が立って仕方ない(馬もだけど、自分にも)。K野さんも「もっとムチ! 鞭入れて! 鞭!」と怒鳴っています。日頃クールな彼が、ここまで熱くなってくれるのは珍しい。鞭は1度使うだけではダメなようなので、3発続けて強く入れ、続けて拍車を使って駈歩発進。それでも出ません。しかも今度は、ラチのほうへ寄っていき、鐙がラチにぶつかってガリガリ言うところまで寄っていきます。鞭も外方に持っているから、こうすれば鞭が使えないと思ってるんだろう、お前。もう隅角まで来てしまいました。お願いだから、1歩だけでもいいから駈歩出してよ。
ついにC点、駈歩は1歩も出ませんでした。情けないやら腹が立つやらで、もう涙が出そうになりました。部班のときよりも相当気合いを入れて動かしたつもりなのに、どうしてこうなっちゃうの。

止まりそうなアルフォンスに鞭を入れながらようやくG点までたどり着き、敬礼して1回目の経路は終了。
馬場の外に出ると、クラブハウスからI野先生が「お嬢さんお嬢さん、どうして拍車もっと強く使わないの」と少しおどけておっしゃるんだけど、「使ってるつもりなんですぅ」やばい、本当に泣きそうだ。「つま先もっと開いていいから、ぐりぐり入れてみなさい」と言われて、その場で片方のつま先を開き、馬の腹に拍車を立てるようにすると、「おとととととっ」という感じでアルフォンスが横歩き(斜め横足までいかない)しました。「ほら、効くじゃないか。それで馬体をねじあげるようなつもりで使ってみなさい」。その勢いに乗じて拍車で馬体を持ち上げるつもりで使うと、一瞬アルフォンスの首が上下して、駈歩が出そうになりました。でも、出そうになっただけ。
コスモが2度目の経路を踏みに馬場へ入っていき、その間も駈歩を出す努力をします。

前のロゼッタが経路を踏み終わりました。待機馬場でも全然駈歩は出なかったけど、このままアルフォンスでもう1度踏むより仕方ない、と覚悟を決めて馬場内へ。
A点から入場したとき、K野さんが「ちょっと待って」と言っているよう。馬を止めて聞くと、「いったん下馬して。ロゼッタと乗り変わりましょう」と、Almo夫人をロゼッタから下馬させています。ロゼッタなら、先週はできたんだから経路がちゃんと踏めるはず。助かった。こんなストレスたまった騎乗のまま、本番を迎えるハメにならなくて良かった。
K野さんに足上げをしてもらって騎乗、鐙を調節しながらK野さんが「今のアルフォンスと同じやり方で、ロゼッタ動かしてみて」「今の怒り狂った勢いで?」「そう、やってみなさい。そうしたら必ず動くから」やってみなさい、という命令形をK野さんが使うのを初めて聞いた。それだけ彼も真剣になってくれてるんだ、と胸にしみました。
「馬場1周してきて、それから経路始めましょう」ということで、速歩で馬場に出ます。おお、軽い軽い。先週よりも軽いかもしれない。アルフォンスが動かなかったあとだから、なおさら軽く感じます。うん、これなら駈歩への移行も問題ないだろう。

馬場を1周してから、A点へ。速歩で入場、X点で停止、敬礼。手綱でためてから速歩発進、ほら出るじゃん。ちょっと速歩がたらたらしているようだったので、言われたとおり拍車とムチを強めに使います。するとすいすい歩度が伸びる、こっちが普通だよな。
最初の斜め手前変換では軽速歩をとりますが、その前から拍車で押していたので、線上に出て軽速歩をとったとたんにぽーんと歩度が伸びました。ロゼッタが「今日は経路を踏むんだ」と分かっていて、経路で軽速歩なら「線上で歩度を伸ばすんだ」と分かっているのかもしれない(それくらい賢いし、経験も積んでいるから)んですが、この速歩はすごく伸びてるな。伸長まで行ってないだろうけど、馬の脚元がどういう運歩になっているのか、バックミラーでもつけて見てみたいところだ。
次の斜め手前変換は、手綱を伸ばして自由常歩。手綱を伸ばすとどうしてもよれよれになってしまうけど、それでも鞭を軽く入れながら前に出します。「手綱、全部伸ばさなくてもいいんですよ。沈静化じゃないですから」あ、そうなのか。すっかり伸ばしていた手綱を少し絞って、ハミが当たらない程度にします。

P点に出るところで手綱を絞り、ハミをしっかり当てると、常歩の歩様も変わりました。すごいなロゼ。ふだんの部班のときよりも、数倍元気のいい常歩じゃないかい。
A点からの速歩もスムーズに移行、輪乗りをできるだけ真円になるように気を付けながら、A点の近くまで戻ってきたときに鞭を入れます。A点から駈歩発進、1度目は失敗して速歩の歩度が伸びただけでしたが、それならと次の隅角で扶助を送ってみると、すぐ駈歩になりました。
駈歩で長蹄跡を走り始めてすぐ、外方の鐙が脱げてしまいました。そんなものはき直してる余裕ない、どうでもいいや。E点あたりにいるK野さんが「そんなんじゃダメー!」と叫んでいるのは、駈歩の勢いが足りないということか。鞭を入れたら少し駈歩に勢いがつきましたが、なんと内方の鐙も外れてしまいました。そんなことは構ってられないや、とにかく今はC点まで駈歩を維持すること。
鐙を履かないままでC点まで駈歩、速歩に落としてから鐙を履きます。

斜めに手前を換え、左手前でA点から輪乗り。今度はちゃんとA点できっちり駈歩出すぞー。A点のほんの少し前、馬の鼻がA点の標識にかかる一瞬前から駈歩の扶助、ぽんと駈歩が出ました。おお、いい感じ。今度は少し駈歩を前に出すため、ときどきムチを入れながら走ります。蹄跡からちょっと内側に入ってしまい、隅角をかなりショートカットしてしまったけど、ちゃんとC点まで駈歩を維持し、速歩へ。そのまま速歩でE点から半巻き、X点を通過してG点で停止。馬場の外、トイレの隣りのところにいつの間にかI野先生が移動してらして、ちょうど馬を停止したところから真っ正面にいらっしゃる。敬礼をすると答礼してくれて、ひとこと「少し隅角が甘いな」。「はい」本番はロゼッタ、隅角さえきちんと回せば、それなりに経路が踏めるだろう。まぁどうにかなりそうだ。

ロゼッタは午後はお仕事がないということで、まず昼飼いを食べさせてから、明日のためにたてがみを編むことにしました。その間、人間もお昼ゴハン。お昼を食べながら、今日はどんなにアルフォンスが動かせなかったか、という話を自嘲気味にしていると、K野さんが「でも今日はよく頑張ってましたよ、えらいえらい」と褒めてくれました。まぁ珍しい。彼の言う「頑張っていた」とは、「あなたにしては勇気をもって、怖がらずに馬を動かしていた」という意味だと思うんだな。まぁどっちも重い馬ではあるので、鞭や拍車を使うのに思い切って使えたことは確かです。

その後、ロゼッタには急遽ビジターさんのお仕事が入ってしまったので、それが終わるのを待ってから手入れの手伝いついでにたてがみを編みます。馬事公苑の試合で馬付をやらせてもらったときにBOSSに教えてもらったように、たてがみを少しずつ束に分けてから三つ編み。途中で腱鞘炎が痛くなってきたので、Almo夫人に替わってもらいました。これで明日は、早めに来て仕上げをして、馬場馬らしくしてあげよう。ふふふ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

←150鞍目 運動会→

乗馬日記トップへ / トップページへtop